08/11/12 23:41:23
■白昼夢
組み立て方が雑な印象だけど、パーツはとてつもなく高品質。
「全く反省の窺えないメールを友人へ宛てた、〈前途有望ナル少年〉」とか
「水面を引き攣らせる」とか「飛沫が撥ね、水面が尖る」とかね。
■遠雷
これは逆で、丁寧に組み立てて、やすりをかけて、磨き上げた印象。
ここに投下される落選作との一番の差は、読者の目をどれだけ意識しているか、
ということだと思う。個人的にはこれが今月のベスト。
■佳作
「尻穴ピアニスト」がずいぶん評判だけど、個人的にはいまいち。
馬鹿な作品を書くならば、言葉のひとつひとつから才気がほとばしるような
本気の馬鹿っぷりを見せてもらいたい。中途半端。
同じ馬鹿なら「灰色熊と幸福な大人たち」のほうがよっぽど出来がいい。
「君にお父さんと呼ばれる筋合いは無い」と「カニの世界」は
面白いことは面白いんだけど、まだ書きなれていない感じ。惜しい、とても惜しい。
残念ながら他はまったく印象に残らず。
本当に千文字用に書いたのか? 長編の一部って感じ。