ご意見、批判を頂けませんか?at BUN
ご意見、批判を頂けませんか? - 暇つぶし2ch1:名無し物書き@推敲中?
08/08/01 12:50:32
創作です。技術向上の為、どんな厳しい意見も遠慮無く言って欲しいです。
文法や誤字、単語の使い方の誤り等、とにかく気になる部分があれば気軽に突っ込んでみて下さい。
是非お願いします。


2:名無し物書き@推敲中?
08/08/01 12:53:58
 2008年9月20日。僕の人生を大きく変えた日の、前日。


 その日の僕は、体中が黒くよどんでいるのを自分で感じていた。頭、胸、腕や足、そして指先までも。 体のあらゆるところが一日中、ひんやりとした感情に包み込まれていた。
 その心情を表すような暗い部屋で一人、何を考えるでもなくベッドに腰かけていると次の瞬間唐突な頭痛に襲われ、僕は静かに瞼を閉じた。
 1993年9月21日。その日、僕は近所の公園で友人と夕暮れまで遊んでいた。屈託のない澄み切った笑顔を振りまく僕。わずか4歳の時の話だ。服をどろだらけにしながらいつまでも時間を忘れて遊び続ける、そんな平凡で幸せな光景がそこにはあった。
満足がゆくまで遊び尽くしたらシャベルやバケツを握り締め、疲れなどまったく感じさせない駆け足で帰路を駆け抜ける。この時に辺りの民家から漂ってくる夕ご飯の香りなんてのがたまらなく好きだったのを覚えている。
 家の前まで着くと、一段上がる度に後からついてくるカン、カン、カン、という音をあたりに響かせながらアパートの階段を駆け上がる。もうここまで来ると家に着いたも同然だ。扉の前まで進み、元気な声と共に家の扉を開ける。
 純真無垢なその黒目に飛び込んだのは、変わり果てた母と妹の姿だった。

3:名無し物書き@推敲中?
08/08/01 12:56:22
>>1からはただならぬ熱意を感じる

4:名無し物書き@推敲中?
08/08/01 12:58:14
「…………」
 既に頭痛は止んでいた。ゆっくりと瞼を開き、気だるそうな大人しい目でただ正面を見つめた。部屋のカーテンは閉じていて、テレビも灯りもつけていない空間は本当に真っ暗だった。
 左腕の、暗闇でも時針と分針が蛍光色に光る腕時計に目をやった。時計の針は深夜の11時50分頃を示していた。
 「あと10分か…」
 あと10分。あと10分で、ある者は歓喜の咆哮をあげるだろう。とある人々はまた、絶望の淵に立たされることだろう。僕は後者。それも筆頭だ。何しろ、自分の母と妹を殺した犯人の公訴時効があとたったの10分で成立してしまうのだから。
 犯人の逮捕はもうとっくの昔に諦めていた。事件は発生後すぐに迷宮入りし、警察は一応は捜査を続ける形をとり続けたものの、事実上は手を引いていた。
 ならば自らの手で報復を…と考えたこともあったが、警察の手に負えない相手の正体を自分1人で探し出すことなど不可能に等しく、ただただ自分の無力さを痛感させられるだけであった。
 犯人が憎かった。まだ確かな思い出すら残せないうちに母と妹の命を奪った相手に対する憎しみは、僕が成長するにつれて大きさを増していった。両手を大きく開き、ベットに仰向けに倒れ込んだ。
 母と妹を失って以来、僕は父との2人暮しを続けてきた。父も相当なショックを受けていたであろうことは間違い無いが、僕を不安にさせまいと僕の前では常に気丈に振る舞ってくれた。僕が物心つくまではそんな事にも気づくこともなかったが、とにかく父には感謝していた。

5:名無し物書き@推敲中?
08/08/01 12:59:49
 その父は普段ならこの時間には家にいるのだが、今日は僕が頼んで1日出回ってもらっていた。時効が成立してしまうこの瞬間は1人で過ごしたかったのだ。
 それに、父にも僕と同様の思いはあっただろう。結果的に、父も1人ホテルのような場所で過ごすことになって良かったのかもしれない。この日は、残された僕と父の運命を変える分岐点となる日なのだから。もう一度瞼を閉じ、大きく開いていた両腕を顔の上に置いた。
 色々な感情が頭の中をうごめいている。
 母と妹の命を奪った犯人はどんな奴で、今この瞬間をどんな気持ちで過ごしているのか……
 なぜ母と妹が殺されなければならなかったのか……
 父はその時どんな心境だったのか……
 生まれてからたったの4年間だったが、そのたった4年間の数少ない母と妹との思い出に浸りながらそんなことを考えていると、自然に涙が耳に伝ってきた。
 仰向けになりながら泣くと涙はここを伝うのか、と思った。
 時針と分針が重なった。




6:名無し物書き@推敲中?
08/08/01 15:02:52
 時計の針が完全に12時を回ったことを確認し、大きくため息をついた。

Xデイ-X is the day- 第2話「0」

 これですべて終わってしまった。僕は結局、自分の母と妹を殺した相手に対し何の反撃も見せることができなかった。
 やりようのない悔しさが頭の中を支配した。その悔しさは次第に体全体を埋め尽くし、自然と腕が震えた。
 ブルルルルッ
 その時僕の携帯が振動した。ここまでタイムリーにメールをよこしてくる奴なんて…と思ったが、とりあえず体を起こした。僕が今こういう状況に立たされていることを知っている人間は、警察や検察、裁判所などの人間を除けば3人しかいない。
 父と、近所に住む昔からの親友の拓海と、彼女の花腰 円。メールは花腰からだった。
 彼女は少し間の抜けた所もあるがとても優しく、常に僕のことを心配してくれていた。この時のメールもなるべく直接的な単語は避けながらもとにかく僕のことを心配してくれている言葉が並び、僕の心にほんの少しのやすらぎをもたらした。
 僕はメールの返事は出さずにそのメールを何回も読み返した。読み返すたびに、少しずつ気持ちが楽になってゆくのを感じた。
 5回ほど読み返してから、僕は再びベッドに体を投げた。花腰のおかげで随分と心がやすらいだ気がする。今度何かお礼をしなくちゃな…などと考えていると、今度は家の呼び鈴が鳴り響いた。
 「誰だよ…」

7:名無し物書き@推敲中?
08/08/01 15:12:43
 変わらずベッドに横になったまま、玄関の方に背中を向けた。出る気分にはなれなかった。すると、再び呼び鈴が鳴り響いた。
 「…………」
 重い体を起こし、玄関の方へと進む。
 父はもちろん鍵を持っている。拓海か花腰か…いや、それも無いな。なら警察とか検察…などと考えながら覗き穴から外を覗くと、案の定知らない顔だった。
 チェーンをかけてから鍵を開け、扉を開く。そこに立っていたのは両手を体の前で結んだ中年の男性だった。
 「?」
 警察の人かなと思ったが、警察手帳を提示する様子もなかった。不思議に思った僕が「あの」と声を掛けるより少し早く、男性が話し出した。
 「初めまして。こんな夜遅くに申し訳ないね…、話があるんだ。中に上がらせてもらってもいいかい?」
 僕は一瞬戸惑い、そのまま話す。
 「いや、そんなこと急に言われても…」
 当然だ。いくらなんでも怪しすぎる。僕は非難の意のようなものを込めた目で相手の顔を見た。しかし、男は諦める様子を見せなかった。
 「無礼だということは充分承知しているんだが……どうしても今話したいんだ」
 その声からは熱意とおぼしきものすら感じられた。こんな時間に訪ねて来て一体何の話があるというのだろうか。その時の僕は興味も持ち始めていた。
 しかし、それでもこんな真夜中に見知らぬ男を家に上げるということは軽々しいことではない。僕は警戒心を解かなかった。
 「そんなに時間はかからないと思うからさ。たのむよ」
 僕は男の顔や服装、足元などに目をやった。まあ…誠実そうな男だ。男の態度を見ても、敵意は無いように思えた。
 「君のお母さんと妹さんのことについてなんだ…」
 男は息をのんでそう言ったが、そんなことはわかっている。このタイミングで家を訪れるなんて、それ以外には考えられなかった。しかしその言葉が決め手となり、僕は男を家に上げることにした。
 家に入ると僕は男の名刺を受け取った。それを見て、男は岡本信二という名前であり近くの会社に勤めていることを知る。まあ、いずれも真実かどうかはわからないが……。僕たちは居間のテーブルを2人で挟むようにして椅子に座り、岡本が話し出すのを僕は待った。

8:名無し物書き@推敲中?
08/08/01 15:15:42
 「あの…今日はお父さんは?」
 「仕事です。まだしばらくは帰ってこないと思います」
 「ああ、そっか…」
 岡本はそれきり軽くうつむいたまま黙り込んでしまっていた。しばらく沈黙が流れる中、僕はたまたま岡本の額に少しだけ汗がたまっているのを見た。
 「?」
 なんだ?この男……
 僕はこの岡本という男が何者かという事にももちろん興味はあったが、今はそれよりもさっさと立ち去って欲しい気持ちで一杯だった。こいつ、僕が今どんな心境なのか知っているのか?
 いや…、それは知っているか。僕は頭の中で自問自答を繰り返した。
 相変わらず岡本は黙り込んだままだった。呆れた僕は椅子を立ち上がった。
 「麦茶でいいです?」
 沈黙を破る意味と、岡本の額にたまっている汗を見かねたのとがあった。しかし、岡本は反応を示さない。僕は岡本を無視して背中にある戸棚から2人分のコップを取り出そうとした。その瞬間
 「すまん!!」
 突然の怒声にも似た大声と、何かをテーブルに激しくついた音とが同時に響いた。驚いて振り返って見ると、岡本は額をテーブルについていた。ああ、やっぱり警察の人か。僕はそう納得した。
 「気にしてないですよ。元々難航を極めた捜査でしたし、あなたにだけ謝られてもしょうがない」
 もちろん、事件について気にしていないはずはなく、殺人事件の公訴時効を成立させておいてしょうがないもなかったが、岡本の誠意に免じてここはそう言っておいた。何より、早く1人になりたかったし…
 「とりあえず、麦茶飲んだら帰って下さいよ。そろそろ父も帰ってきますし」
 さっき父はまだしばらく帰って来ないと言ったかな、と思ったが、まあいいかとすぐに考えるのをやめた。
 僕は戸棚からコップを1人分だけ取り出し、今度は岡本の背中にある台所へと進んだ。コップをまな板の上に置き、冷蔵庫から麦茶を取り出す。しかし麦茶をコップに注ぎ出した時、僕は自分の耳を疑った。

 「俺が殺したんだ」

 麦茶がコップに注がれる音だけが部屋に響く。

9:名無し物書き@推敲中?
08/08/01 15:16:44
 は?

 「俺が…15年前、君のお母さんと妹さんを殺した」
 頭の中が、かつてない程に混乱した。
 「15年前…俺がここで、君のお母さんと妹さんを…」
 体中が火照ってゆくのを感じた。体の底から興奮が突き上げてくる。この男が、僕の母と妹を…? 頭が熱い。腕が震える。足が痺れる。
 「本当に……申し訳ない」
 その言葉を聞いた時、僕の体は一転して驚くほど鎮まった。というより、体中が麻痺したと言う方が近いかもしれない。
 申し訳ないだと? ふざけるな……
 頭が冷たい。あまりにも冷たすぎる僕の頭は、最早正常には機能していなかった。視界が回る。足が震える。まともに立っていられない。
 思わず体勢を崩し、流し場に左手をついた。少しの時間をかけて頭を落ち着かせた。次いでガンガンと痛み出す頭を手でおさえながら顔をあげると、その視線の先には、ちょうど包丁が立てかけられていた。
 「…………」
 朦朧とする頭でそれを見つめる。手を流し場に置いて体を支えながら、岡本の方に体を向けた。岡本はいまだ額をテーブルにつけている。
 「真意は…?お前の話が本当だって、どうやって証明する!?」
 自然と声が荒いでゆく。30歳近く年の差があるであろう男を平然とお前呼ばわりした。
 「本当に…本当に申し訳ない」
 忘れかけていた憎しみが、ふつふつと沸き上がる。
 「証明する方法はない。証拠となるものは全て事件後に処理したからね…。だが、本当なんだ」
 「…………」
 岡本はいまだに額をテーブルにつけていた。僕はもともといた位置から反対側に来ていたので、岡本の頭は僕の方には向いていなかった。無防備な背中が僕の目の前にさらけ出されている。
 もはや冷静な思考判断が行えなくなっていた僕の頭は、岡本が僕の母と妹を殺した人間だと信じて疑わなかった。
 右手を伸ばし、包丁を強く握り締める。
 ゆっくりと左手を流し場から離した。今まで左手が感じ取っていた、ステンレス製の流し場が持つひんやりとした感覚が無くなる。

10:名無し物書き@推敲中?
08/08/01 15:17:15
 「申し訳ない……本当に……」
 男がその言葉を重ねる度に、僕は心の中の憎悪が大きくふくらんでゆくのを感じていた。いつまでも体を起こそうとしない岡本の姿を眺め、その背中に憎しみを込める。しばらく岡本はピクリともすることは無かったが、次の瞬間、その体を起こそうとした。
 再び体が熱くなった。何かが背中を押すように僕は一歩で男の元へと近づいた。

 僕は力の限り右腕を振り下ろした。生々しい音と共に、ナイフが深く突き刺さる。
 「ぐあっ……!!」
 男が悲鳴を上げる。僕が更に力を入れて押し付けると、耐え切れずにテーブルに突っ伏した。
 「がっ!!」
 じんわりとテーブルクロスが赤く染まってゆくのを見ると、男の命がどんどんと薄くなっていくのを感じた。
 しかし、しぶとい。男は完全に絶命してしまう様子は見せず、それどころか右手を後ろに回して包丁を掴もうとしてきた。
 その一瞬僕は焦った。しかし冷静に包丁を引き抜き、もう一度それを高く掲げた。男の聞くに堪えないうめき声を全て断ち切るように、僕はもう一度、力の限り包丁を振り下ろした。完全に息の根を止めてしまうつもりで。




 僕は体中の力が抜けたようにその場に座り込んだ。目の前には、完全に力尽きた母と妹の仇の姿があった。
 「はっ…はっ…」
 改めて自分のやってしまったことを認識し、鼓動が激しくなる。今目の前に倒れている人間は、僕が殺したのだ。僕は途端に恐くなり、体を縮めてうずくまった。
 しかしその一方で、母と妹の仇をとったというある種の達成感のようなものもあった。僕はやったんだ……母や妹、父の無念を晴らしたんだ……。そう考えると不思議と恐れは引いていき、冷静に今僕が立たされている状況を客観視することができた。
 僕がこんなことをするなんてな……捕まったらどうなるんだ……人生が駄目になってしまうのだろうか……そんなことを考えていると、そもそもこの岡本信二という男がどういう状況にあったのかを思い出した。
 「………………」
 僕は一度顔を腕にうずめ、少ししてまた顔を上げた。

 「15年か……」

 この瞬間、気の遠くなる程に長い孤独な戦いが始まった。




11:名無し物書き@推敲中?
08/08/01 17:47:54
また立てたのかクズ

12:名無し物書き@推敲中?
08/08/01 18:32:51
軽く読んでみた感想だけどアイデアは良いと思うよ。文章も安定していると思う。
割と読みやすくてすぐに読み終わった。
主人公の思考の移行はなかなか面白いし展開も良かった。


と、このスレは良いことばかり言ってもあまり意味ないようだな。
短所を挙げると冒頭文が弱い。あまりに淡々と物語に入ってるから読者に「もっと読みたい」と思わせるようなものにはなっていない。
主人公の性格もまだここまででは曖昧で読者が感情移入するような魅力的な人物じゃなく、時効が成立したシーンもふーんという感じだった。
もっと個人の性格を上手く表せると良い。
あと、やはり全体的に一本調子すぎるかな

13:名無し物書き@推敲中?
08/08/01 18:34:05
しね

14:名無し物書き@推敲中?
08/08/01 18:44:16
>僕は、体中が黒くよどんでいるのを自分で感じていた

こんな嘘臭い文章を読んで、安定しているとは、冗談こくでねーぞ。
いいか?
黒くよどんでいる、のは視覚的なものだ。
それを「感じる」までもってくるにはもう少し言葉が必要だな。
詩かよ?
書き直せ。

15:名無し物書き@推敲中?
08/08/01 18:59:30
●新しくスレッドを立てるとき

スレッドを立てる前に、既にその話題を扱うスレッドが存在するか
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自治スレ、または雑談スレで相談するよう心がけましょう。

16:名無し物書き@推敲中?
08/08/01 19:15:02
>>11>>13
待て待て、そんな言い方は良くないぞ
URL貼りっぱじゃないだけでも今までと比べると好感持てる


17:名無し物書き@推敲中?
08/08/01 19:16:14
失せろニート

18:名無し物書き@推敲中?
08/08/01 19:18:48
ひでえ言われ様だなあ


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