08/07/14 02:33:26
「この国は平和すぎるのですよ。」
男は血の通わない無機質な口調でつぶやいた。
「平和な事の何が悪い!」
僕はなぜか男に食って掛かった。
機械のような男は、僕の剣幕にひるむことなく、全く同じ口調で答える。
「貴方はなぜ、犯罪が起こると思いますか。」
「頭のいっちまった奴が自分の置かれた状況を悲観して、その思いを内で消化することなく、外へぶつけようとするからだ。」
「その通りです。一部の人格破綻者が己の存在を否定し、そしてそれを周りのせいにする。そしてその憂さを晴らすため、または欲望のために人を殺す。そこに間違いはありません。貴方の意見は最も一般的で、模範的とも言える答えでしょう。」
男の口調はさっきにも増して、淡々としていた。
「しかし、それが本当に犯罪の起こる全ての理由だと思いますか。」
「それが全てとは言えないだろうな。」
「行き届いた教育、多種多様に広がった文化、整った治安、世界的に見れば小さい貧富の差、人々は文明的で健やかな生活を送っている。こんな国で毎日のように、いや毎日毎時間犯罪が起こるのはなぜだと思いますか。」
まくしたてるように早口で話終えると、今度は場に一瞬の静寂。
「この国は平和すぎるのです。」
説き伏せるような、又訴えかけるような口調に変わった気がした。
「それはさっき聞いた。結局お前は何が言いたい。」
「犯罪は・・・・・・作られるのです。我々日本人生再開発センターの手で。」
男の顔が、笑顔に変わった。
>>403 >>423 の方が言うように、思いついた物をどんどん書きなぐってます。台詞の多い所に不安があるんですが、こういう書き方で大丈夫でしょうか。