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小説を読んでいただけませんか? - 暇つぶし2ch2:名無し物書き@推敲中?
08/06/18 16:04:28
ここにのっけるのだとばかり思い、気合を入れてきたのだが。

3:名無し物書き@推敲中?
08/06/18 18:37:48
フェアリーテイルメゾン。
ここは新宿にあるとあるキャバクラ。
そして私は二十の頃からここで働いて三年目のナツキ。
これまでにいろいろな人間模様を見てきたわ。
可笑しい事や不思議な事。一日中話しても話したりないくらい。
今日は『こーちゃん』のお話。
人にはそれぞれ悩みがあるものよね?
人に話したくても変な目で見られるんじゃないかと思うとなかなか言い出せないもの。
セックスの時なんてそうじゃない? 自分はこうしたいのにとか。でもそれを言ったら相手がどんな反応をするんだろうって考えてしまう時があるでしょ? でもそれって気持ちいいのかしら。
相手にちゃんと伝えれば分かってもらえることの方が多いと思うんだけどね。それが出来ない人がたくさんいることも事実だけど。
あっ、指名のお客さんが来たみたい。
ようこそ―FTMへ。


4:名無し物書き@推敲中?
08/06/18 18:39:16
薄暗く、妖艶なライトがほのかに照らし出す店内。
出入り口のすぐ横には煌びやかに着飾ったキャストの写真が二十枚ほど貼られている。
みんな可愛い笑顔を振りまいている。
ここ『フェアリーテイルメゾン』―通称『FTM』は新宿のキャバクラの中でもトップクラスのお店だ。
店の名前を聞いた時は大変驚いた。というよりもなにか運命めいたものを感じた。
自分の事を言われているようだったから。
―おっと。そんな事は今思い出すことではない。仕事、仕事。
只今の時間は六時。
開店時間は七時だが雑用係の僕を含め大体のボーイやキャストは店に来て準備をしている。
更衣室の整理をしようと入るとこれからの仕事に向けてキャスト達が忙しなく戦闘態勢を整えている。
ある人は化粧を、ある人はヘアメイクの人に髪型をセットしてもらっている。
この世界ではいかに豪華に見せられるかが勝負らしい。
一方で装備が整った女性は携帯で客を呼んでいる。
「会いにきてよぉ」
背中がゾクッとするほど甲高く、甘い声。
電話先の人は分からないだろうが僕の目には横柄な態度で椅子に座り、タバコを吸っている女性しか見えない。顔の表情が声と一致していない。
「あんた私の事好きじゃないの? 今日来ないなら奥さんにばらすよ?」
 違う方向からはドスの利いた低い声が聞こえる。可愛い顔からは想像できない声とその内容。
 母の紹介でアルバイトとして働いて数ヶ月。この世界の人たちを見ているが僕は未だ慣れないでいる。キャストの客に対する態度と普段の態度の違いは凄まじい。
「こーちゃん!」
 そんないつも通りの異様な空気に包まれた更衣室でドレスの整理をしていると、ドアから僕の名前を呼ぶ声がした。振り向くとこの店のナンバーワンであるナツキさんがいた。


5:名無し物書き@推敲中?
08/06/18 18:42:59
 胸元が大きく開いた黒のドレスを身にまとった彼女。整った顔立ちにグロスを付けた唇がプルンと浮く。アップにした髪にはキラキラしたラメが施されている。
「名刺入れですか? ロッカーに入ってません?」
「入ってないから聞いてるの~」
 そう言うと一面にスワロフスキーが散りばめられたシガレットケースから一本タバコを取り出し口に咥え火を付ける。
「ナツキさんはよく物をなくしますね」
「いいから探してよぉ」
 自分で探しなさいと言いたいところだが、そういった事が僕の仕事なので他の女性達に聞いて回る。
「これじゃないですか?」
 鏡の前で出来上がった髪にヘアスプレーをかけてもらっている女性がシルバーの名刺入れを手に取る。何度かその色と形を見たことがあったのですぐにナツキさんのものだと分かった。
「ありがとうございます」
「ナツキさんにコキ使われてるね~」
「仕事ですから」
 そう言ってその女性から名刺入れを受け取りナツキさんのもとへ。彼女はホールの席で一人、携帯をいじっていた。
「ありましたよ~。ちゃんと管理してくださいね」
 彼女は何も言わず名刺入れを受け取るとそれを白いポーチにしまった。


6:名無し物書き@推敲中?
08/06/18 18:46:21
「今日はエースくん、ゼロっぽいなぁ」
 彼女は頭を背もたれにあずけ、タバコの煙を天井に向かって吐く。
エースとは自分が持っているお客さんの中でも人一倍お金を使っていく人の事を言うらしい。
「珍しいですね」
「うるさい」
 何の悪気も無いつもりで言ったのだが何故か睨まれる。
 一見性格が悪そうに見える彼女。しかし、この店に雑用として入り、右も左も分からない僕にいろいろ教えてくれたのも彼女だった。ナンバーワンの彼女は営業中ずっと常に席についている。その忙しい最中何かと僕の面倒を見てくれるのだった。
「ていうかあんた、明日高校の卒業式でしょ?」
 彼女は唐突にそんな事言い、目の前のテーブルに置かれた灰皿にタバコの灰を落とす。
「そうですけど?」
「あんま学校行ってないのによく卒業できたね」
「卒業できる程度には行ってましたから」
「遊んでばっかなのに卒業出来るなんて。高校も楽だね~」
「遊んでたわけじゃ……」
「じゃあイジメ?」
「違います。制服が……」
「制服? ダサいから?」
「ええ。まぁ、そう言ったところです」
 私服で行ける学校にすれば良かった、と今更ながら思う。
「変なの~」タバコを灰皿に押し付ける彼女。「それで、卒業したらどうするの?」
「う~ん。まだ分かりません」
 大学には進学しない。専門も行かない。僕はそんな自分の将来をほんの少しだけ不安に思っていた。まぁ、とりあえずはバイトをして何か夢を見つけられれば、と考えている。
というよりも他に大きな悩みがあるから他の事はどうでもいいと思っているからなのだけど。そっちの方が僕を不安に、そして痛めつけるのだった。


7:名無し物書き@推敲中?
08/06/18 18:47:38
「キャバで働けば?」
 上目遣いで僕を見る彼女。こうやって男を落としているわけですね。
「何を言ってるんですか」
 灰皿を取り替えながら僕は呆れた顔で返事をする。
「可愛い顔してるんだからさ。きっと売れるよ~」
「冗談はやめてください。第一この髪型で出来ないでしょ?」
 笑いながら短く切った自分の頭を触る。
「ウィッグ付ければいいじゃん」
「はいはい」
 ぶっきらぼうに言い、彼女に背を向けキッチンに向かおうとすると「そう言えば」と彼女が言った。
「そう言えばアユナは元気にしてるのかな?」
「アユナ……さんですか?」
 足を止め振り返り、彼女を見る。
アユナ―今一番耳にしたくない言葉だった。
「うん。この店辞めてから一度も連絡とってないからさ」
「なんで僕に聞くんですか?」
「アユナと仲良かったから。連絡取ってるのかなぁって」
「知りませんよ」
 店の人は知らない。僕とアユナが付き合っていることを―いや、付き合っていたことをか。
「なんでテンション下がってんの?」
「そんな事ないです」
「もしかしてアユナの事好きだったのぉ?」
 全く悪気は無いのだろう。しかしこの店に来る前にアユナに振られた僕はその言葉で胸を締め付けられる。


8:名無し物書き@推敲中?
08/06/18 18:48:32
「って、そんな訳ないか」
「そうですよ」
「私もアユナみたいに六本木に移ろうかなぁ」
 アユナが辞めたのは、僕がこの店に入ってしばらくしてのこと。僕と付き合ったことで働きづらくなったからだった。
「この店でもう十分じゃないですか」
「六本木はさらにこれがね」
 彼女は親指と人指し指の先をくっ付け、輪を作る。
「これ以上稼いでどうなるんですか」
 僕の言葉に彼女は笑うだけ。すると後ろから「菊ちゃん」と僕の名前を呼ぶ男の声がした。
「菊ちゃん! お前、明日卒業式なんだからもう帰れ」
店長だった。髪をスプレーでしっかりと固めたおじさんは黒のブランドスーツが良く似合う。母と同い年と聞いたが若い。
「まだ開店もしてないのにですか?」
「今日は日曜だしそこまで混まないだろう。だから帰って明日に備えろ」
「いいんですか?」
「構わない」
「じゃあ、お言葉に甘えて」
 アユナに振られたショックで正直仕事が手につかないでいたのでありがたかった。僕は更衣室に置いたバッグを手にし、店を出ようとした。


9:名無し物書き@推敲中?
08/06/18 18:50:50
>>1
ギャグか?

10:名無し物書き@推敲中?
08/06/18 18:52:47
「こーちゃん」ナツキさんの声が掛かる。「なんかアユナとあったの?」
 表情はいつもと変わらない。しかし声のトーンが低い。
「な、何もないですよ。第一連絡もとってないんだから」
「そう」
彼女がタバコを一口吸い、ゆっくりと煙を吐き出す。
「ナツキさん、頑張ってくださいね。新規のお客さんをじゃんじゃん取ってください。じゃ、お先失礼します」
 ドアノブに手をかける。
「私はアユナにはなれないけどさ―」
「え?」
「私だってあんたの事可愛がってるんだよ。悩みとかあったら相談してよね」
「悩みなんて……」
 『悩み』なんて誰にも相談なんかしたことはなかった。母にさえも。誰にも分かってもらえないのだから。
「まぁ、いいや。今度お店であんたの卒業祝いパーティーやるからね」
 そういい残し彼女はホールに消えていった。
 ―ごめんなさい。ナツキさん。
 心の中で彼女に謝り、駅に向かった。



11:名無し物書き@推敲中?
08/06/18 18:53:20
>>9ギャグとは?

12:名無し物書き@推敲中?
08/06/18 18:55:40
>>9
ギャグとは?

13:名無し物書き@推敲中?
08/06/18 18:56:34
新宿駅に着くとそこは多くの人でごった返していた。
よくアユナ―いや、源氏名で彼女を呼ぶのはおかしいか。
しかしもう元カノだしいいだろう。
そのアユナと新宿でデートしたことを思い出す。彼女が『FTM』で働いていた頃は、新宿駅から少し離れたところに彼女が借りるマンションがあったので、泊まりに行くこともあった。
その度にどこをほっつき歩いているの、と母には怒られたけど。
付き合ったきっかけはいいとして、別れの原因の一つは彼女の寂しさからだった。学生の僕と彼女との時間が合う日は少なかった。
そしてそこから徐々に溝が出来始めたのだった。
そしてもう一つ。僕がアユナと付き合っていたことを周りに隠していたことだった。
―付き合っている相手が私だから?
弱い僕を彼女はそんな風に責めるようになった。だけども僕はその場しのぎの言葉を並べるだけだった。
そういった事が一つ一つ積み重なり今日の昼に彼女から別れの電話が来たのだった。
―もうやっていけない。
そう言われ一方的に電話を切られた。その後、僕が何回かけても彼女は出なかった。仕舞いには着信拒否されてしまったのだ。
アユナと出会うまでは自分の気持ちにウソを付いて恋愛をしてきた。しかし、彼女には僕の全てを見せて付き合うことが出来た。彼女が全てを受け止めてくれたから。初めての幸せだったかもしれない。もう二度とそういう人は見つからないのではないかと思うくらいになっていた。
そんな事を思っていると自然と涙が出てきた。


14:名無し物書き@推敲中?
08/06/18 18:58:06
―カッコわる。
横を通っていく人々がチラチラと見ていくのが分かったのでシャツの袖で涙を拭い、ホームに向かうことにした。
改札を抜けるとすぐの所にある電光掲示板を眺める。
もう五分もすれば湘南新宿ラインの快速電車が来る。
自宅の最寄り駅である赤羽に一番早く到着するようなので足早に四番ホームに向かう。
階段を下りるとタイミング良く電車が到着した。
乗り込んだ車内は比較的空いていたがカップルを見ると胸が痛む。
そういった人たちを避け、僕は湘南新宿ライン特有のボックス席に付いている手すりにつかまる。
この電車は都内の主要都市にも停車する一方で、遠くは群馬や栃木にも行くし、逆に鎌倉方面へも向かう。
だからであろうか、普通列車には見られない二人がけのイスが向かい合ったボックス席が設けられた車両がある。旅行気分と言ったところか。
発車のベルがけたたましく鳴り、ドアが閉まりかけた。すると一人の女性が間一髪のところで車内に飛び込んできたのだった。
息を切らしているその女性は僕の隣に立った。長くサラサラとした黒髪に白のワンピースが映える。気品がある女性だ。
そんな彼女を見ると少しだけ胸の鼓動が早くなる。着ている服、雰囲気は今ここにいる女性なんかとはまるで逆だけど。
アユナと同じ香水をつけているからか、彼女にドキっとしてしまう。
電車が動き出したことで僕は我にかえる。
相当ヤラれちゃってるな。振られたショックかどうかは知らないけれど。隣にいる女性とアユナを重ねてしまっている自分が馬鹿に思えた。
視線を外にやるとそこには新宿の煌びやかなネオンが広がる。自分の心の中とは正反対に明るく輝く。それを見るだけでもまた胸が苦しめられる。しかし、車内に目を向ければ再びカップル。目をつぶるしかないのか。今は全てのものが自分にとってマイナスになってしまう。
乗客が思い思いにおしゃべりをしている中まもなく池袋に到着するというアナウンスが流れる。するとボックス席の奥に座っていた中年の男性が席を空けた。今の立ち位置からすれば隣にいる女性が座るのだろうと思っていたが彼女はどうぞ、といった具合に手を席に向ける。


15:名無し物書き@推敲中?
08/06/18 18:59:08
マジレスすると習作レベルにも達していないと思うのだが・・・。
オール読物はレベル高いしこんなに冒頭の引きが弱くて描写も荒い話じゃ最初の二十ページくらいで一次落ちにされると思うよ。

あと作者、たぶん女でしょ?
だったら男一人称で書かないほうが良い。すでに違和感ありあり。

16:名無し物書き@推敲中?
08/06/18 19:10:05
「赤羽で降りるんでいいですよ」彼女に言う。
「そうですか」頭を下げて女性が座る。
電車が池袋に着くと結構な人数が降りた。そして目の前のボックス席も、彼女を除いてガランと空く。
ほんの数秒前のやりとりもあり、何故かそこに座るのが気まずかったので立っていると女性が僕の顔を見て先程と同じように手を前に出す。座らないのかという事だろう。余計なお世話だと思ったが、断るのも気がひけたので彼女に軽く頭を下げ対面の椅子の通路側に座った。
電車が動き出す。
新宿で乗ったときとは一転、車内は静かになっていた。僕は携帯をバッグから取り出しメールをチェックする。そして自分の首を絞める行為だけどアユナとのメールを眺める。  
僕とアユナは頻繁にメールをするほうではなかったので古いメールも残っていた。最初の頃はカップルらしいメールをしていたことに気付かされる。この頃に戻りたい。また涙が出そうになるので携帯を閉じ、顔を上げる。
すると前に座る例の女性が窓を眺めながら泣いていた。涙が頬に伝うが彼女はそれを拭おうとはしない。
「あ、あの~」思わず声を掛ける。
彼女はチラッと僕を見ると慌てた様子で手元に持っていたバッグの中を探り出す。涙がバッグに落ちるのが分かった。
「ハンカチならありますよ?」彼女に手渡す。
「ごめんなさい」
 彼女は僕の手渡したハンカチで軽く目を押さえる。
「ありがとう。汚してしまってすいません」
彼女が少し赤くなった目を向ける。
「気にしないでください」
「電車で泣くなんて恥ずかしいですね」彼女がはにかむ。「びっくりさせてごめんなさい」
 返されたハンカチを再びバッグにしまう。
「何で泣いてたんですか?」
 知らない人に対してこんなプライベートな質問は馬鹿だと思ったがたまらず聞いてしまった。一瞬、彼女は戸惑った表情を見せたもののすぐにこう言った。
「振られちゃいました」
 愚かなことを聞いてしまったことに深く反省する。しかし、同じ境遇の人が近くにいると思うと妙に親近感が沸くのも事実だった。
「そ、そうなんですか……」
「あの―」彼女が僕の顔を覗き込む。「あなたも泣いてた?」
「え?」
「目が赤いから」
 そう彼女に言われバッグから慌てて鏡を取り出す。そこには目を腫らせた自分の顔が映った。


17:名無し物書き@推敲中?
08/06/18 19:11:21
「ほんとだ」
「なんで泣いたの?」
 この人も初対面の僕によくそんな質問が出来るなと思った。しかし自分も彼女に聞いてしまったので答えるしかなかった。
「今日振られたから……」下を向く。
「同じだね」
 彼女は再び窓の外に視線を向ける。
「同じですね」
 彼女と間に沈黙が流れる。電車はトンネルに入った。


18:名無し物書き@推敲中?
08/06/18 19:12:22
「ねぇ―」突然彼女が口を開いた。「あなたが降りるまで慰めあいっこしようよ」
「え?」
「振られた者同士さ、傷の舐めあいをするの」
 口元を緩める彼女。
「僕、赤羽で降りるからすぐですよ?」
「さっき言ってたから知ってるよ」
 何を言い出すかと思えば慰め合いだって。見た目はおしとやかに見えるのに赤の他人にこうもズバズバとモノを言う態度に呆気にとられる。
「慰め合いって言ったって何をするんですか?」
 電車がトンネルから抜ける。
「話し合うだけでいいじゃない? 気分も楽になるはずだよ」
 彼女が手を合わす。
「そう言われても―」
「あなたいくつ?」
 こっちの話なんか聞いちゃいないな、この人は。


19:名無し物書き@推敲中?
08/06/18 19:13:02
「十八です」
「高校生?」
「はい。しかも明日卒業式。その前日に振られた……」
「そっかぁ。私も明日、独身の卒業式だったんだけどね」
 寂しげに笑う彼女。
「結婚式ですか?」
「察しがいいこと」
「それなのに振られたの?」
 相手は何を考えているんだろう。結婚式の前日に別れを持ち出すなんて。
「ほんとだよね」
 彼女は明るく言う。本当は大声を出して泣きたいだろうに。そう思うと切なくなる。
「相手は男性?」
「その質問おかしいよね?」彼女がクスッと笑う。
「つい……」
「男性。三年間付き合ってた」
「三年もですか」
「うん」
「そんなに長く付き合っていても別れが来るんですね」
「恋なんてそんなもんだよ」
「結婚の話はいつ出たんですか?」


20:名無し物書き@推敲中?
08/06/18 19:14:09
「一ヶ月前かな」
「一ヶ月? 気持ちってすぐ変わっちゃうもんなんですかね?」
「何が起こるか分からないもの」彼女が肩をすくめる。「でもこの結末は分かってたけどね」
「分かってた?」
「うん。でも私は信じてた」
「その思いを踏みにじられたわけですね?」
「踏みにじられた……か」
「そうでしょ?」
「でも勝手に私が信じただけだからさ。結婚のことも私が勝手に進めてた。ホント馬鹿だよね」肩をすくめる彼女。
「馬鹿だなんて……」
「彼は前々から別れてくれなんて言ってたけど、私は離れなかった。嫌でも離れたくなかったから。私、気持ち悪いでしょ?」
「人それぞれの恋愛観があるからしょうがないですよ」
「ませたこと言うねぇ」
「もう子供じゃないです~」少し膨れた顔をする。
「ごめんなさい」笑って頭を下げる。「でも一生懸命尽くしてきた。特にこの一年間は……」
「それなのに―」
「しょうがないことだよ」
「そうですかね……」
 僕には彼女の相手の気持ちが全く理解できなかった。そこに、間もなく赤羽、赤羽―そんなアナウンスが流れた。


21:名無し物書き@推敲中?
08/06/18 19:16:25
「もう降りなきゃだね」彼女が言う。
「そうですね……」
 後三十秒もすれば電車は止まり、扉が開くだろう。しかし、まだこの人と別れたくなかった。単に振られた者同士だから波長が合ったからかもしれないが、誰にも話したことのない自分の話をこの人には聞いてもらいたかった。
「ごめんね。私だけ話して。あなたも元気出して。もしまた会えたら―」
「僕の話も聞いてください」
彼女の顔を見つめる。
「でも、もう赤羽だよ?」
僕の言葉に彼女が困った顔をする。
「いいです。そんなことより聞いてもらいたいんです」
「明日卒業式でしょ? 平気なの?」
「まだ時間もあるし」
「じゃあ赤羽で降りようよ?」
「それはお姉さんに迷惑でしょ? それにこうやって電車の中で話している方がなんか落ち着きますから」
「そう……」
「お姉さんはどこまでですか?」
「久喜って所だよ」
「じゃあそこまで話しましょう」
「久喜まで来るの? 遠いよ?」さらに困惑の表情を浮かべる。
「お姉さんが嫌じゃなければ、ですけど」
「私は全然嫌じゃないけど……」
 電車が止まり、ドアが開く。
「ホントに降りなくていいの?」
彼女は身を少し乗り出しドアを指差す。
「はい」
「そっか」困惑の中にも笑みを浮かべた彼女が元の位置に座る。「まぁ、私もまだあなたとお話したいのは事実だけどね」
ドアが閉まった。
「じゃあ、聞いてください」
 電車がゆっくりと動き出す。


22:名無し物書き@推敲中?
08/06/18 19:17:11
―聞いてください。
 そうは言ったものの何から話していいのか分からなかった。彼女も黙ったまま。
「赤羽から先に行くの久しぶりかも」
僕は窓の外に流れる景色を眺めながら呟く。
「用事がなければ行かないよね」
彼女が笑う。
「ところでお姉さんはなんで急に泣いたの?」
「振られたからだって言ったよね?」
 彼女の頭にクエスチョンマークが付くのが分かった。
「そうじゃなくて。何か思い出したように泣いてるみたいだったから」
「思い出の電車でもあるからかな」少し照れたように彼女が呟く。
「思い出?」
「何回か私を送ってくれたことがあるの。この電車で……」
「なるほど」
「彼は私と逆方面に住んでいるから遠かったと思うけどね。私は本当に嬉しかった」
「分かりますよ」
「しかもこのボックス席に座ってだったから……なおさら思い出されちゃって」
 そう言って彼女も窓に顔を向けた。窓越しに彼女と目が合う。
「切ないですね……」


23:名無し物書き@推敲中?
08/06/18 19:17:49
「また私の話になっちゃった。あなたのお話も聞かせてよ」
「うん」視線を彼女に戻し姿勢を少し整える。「僕の相手は寂しがり屋でしたね」
「どんな風に?」
「僕にずっと傍にいてくれって言ってた―」
「ごめん」彼女が言葉を遮る。
「何ですか?」
「さっきから思ってたんだけど。『僕』って可愛いね」彼女が笑う。
「そうですか?」
「なんとなくだけど」
「自分の呼び名なんて自分の勝手でしょ?」
「そうね。小学生のランドセルだって男が黒、女が赤ってわけじゃないしね」
 口元を緩める彼女。
「何ですかその例えは」思わず吹き出してしまった。
「ダメだった?」
 彼女のあどけない笑顔。自分よりも年上なのだろうがその笑顔の中に子供のような可愛らしさが見られる。
「ところでお姉さんはいくつ?」
「二十四だよ。あなたとは六つ違いかな」
「アユナ―元カノのひとつ上だ」
「え?」
 彼女が少し驚いた表情を見せた。何故驚いたのかは分かる。僕は何も言わず彼女の目を見る。すると彼女も何も言わず笑顔を見せてくれた。


24:名無し物書き@推敲中?
08/06/18 19:20:22
「そっか」彼女が呟く。
「それに顔もどことなくお姉さんに似ていた」
 初めて彼女を見たときに胸の鼓動が早くなったのは香水のせいだけではない。目の前に座る彼女と元カノの顔が少しだけ似ていたからかもしれない。
「私に?」
「だからってお姉さんに興味もったとかはないですからね」
 勘違いされては困るので弁解をする。
「分かってますよ」やさしく笑いかけてくれる。「でもホントいろんな恋愛があるね」
「そうですね。お姉さんは三年間無償の愛を。僕は―」
 そう言い掛けると電車が赤羽と大宮の間にある蕨駅付近で停車した。どうやら線路内に人が踏み入ったらしい。この電車はよく止まるよね、と彼女が困った顔をする。
「すぐ動くといいですね」
「うん。あなたも帰りが遅くなっちゃうもんね」
「いっそこのまま動かなくてもいいですけどね。今の気持ちのまま卒業式に出たくないし」
「それは困るな」
 僕は軽い冗談を言ったつもりだった。もちろん彼女も今までの流れからすると冗談を返してくれるものだと思っていた。しかし声のトーン、表情は暗かった。


25:名無し物書き@推敲中?
08/06/18 19:21:21
「そんな普通に返されても……」
 何か失礼なこと言ってしまったのではないかという思いに囚われる。
「ダメだった?」
 そう言って再び彼女が笑顔に戻った。
「いや何となく様子が変わったから」
「ごめん、ごめん」
 声の調子も元に戻り安心する。
「でも振られた次の日に卒業式なんてありえないですよ」
僕は肩を落とす。
「良ければお話してくれる?」
 その笑顔のまま彼女は首を少し傾げた。
「気分悪くするかもしれませんよ?」
 僕がそう言うと彼女は無言のまま首を左右に振った。
「僕の恋愛観がこんなだから理想の相手ってのが今まで見つからなかったんです。そんな中、初めて自分の気持ちに素直になれて付き合えた人がアユナでした」
「そうなんだ」
「うん。こんな人がいるんだって思った」
「出会いは?」
「バイト先で、です」
「バイト先って?」
「新宿のキャバクラです」


26:名無し物書き@推敲中?
08/06/18 19:25:55
「キャバクラって? 高校生が働いていいの?」
 彼女の目が大きく開く。
「十八になってからだったし。違法かどうかは知りませんけど。仕事も裏での雑用でしたからね」
「キャバ嬢じゃないんだ?」
「そんなわけないでしょ? 僕が働けるはずないじゃないですか」
 そう言って僕と彼女は顔を見合わせ笑いあう。
「ごめん。脱線しちゃったね」舌を少しだす彼女。
「働き始めて一ヶ月くらいしてからですかね。ある日のバイト帰りに一人の女性が店の脇の路地でうずくまっていたんです」
「それが元カノさんだったの?」
「はい。どうしたんですか、って声を掛けたら驚いた様子で彼女が顔を上げたんです。泣いてました。化粧もボロボロ落としながら」
「あなたって泣いている人をよく発見するわね」
「そうかもしれませんね。しかも同じような雰囲気の女性をね」
 俺の言葉に彼女は苦笑いを見せ、続けてと言った。
「まずいと思ったんじゃないですかね。彼女は立ち上がってすぐ逃げ出しました。僕は追いかけましたよ」
「それで?」
「すぐに追いついて彼女の腕を掴みました。店に戻りましょうって言ったんですけどバイトのクセにウザイとか叫ばれて。周りの視線が二人に向けられるのがわかったんでとりあえず人気のいないところに連れて行きました」
 振られた相手の話をしていると気分が少し沈む。
「どうしたんですか、って聞いたんですけど、泣いているばかりで何も答えない。しばらく黙っていると彼女は『もう嫌だ』ってつぶやいたんです」
「仕事が辛くなったのかな?」
「僕もそうだと思って聞いたんです。彼女は首を振りました。そして嫌、嫌と繰り返すばかり。僕はそんな彼女を見ていると可哀想にもなり、また愛おしくも感じられた」
 その時の彼女の顔はぐちゃぐちゃだった。店に戻っても到底仕事を出来る顔ではなかった。しかしそんな彼女に心が引かれる自分がいた。どうしようもないくらい。


27:名無し物書き@推敲中?
08/06/18 19:31:11
「後先のこと全く考えず僕は彼女を抱きしめました。ホント自然に……」
「あなたって大胆ね。それで彼女の反応は?」
「彼女はさらに泣きじゃくって僕にしがみ付いてきた。誰もわかってくれないって彼女は言うんです。
 突き飛ばされると思っていた僕は彼女の行動に驚き、戸惑いました」
「誰も分かってくれないって?」
「恋愛観だそうです。泣きながら話してくれました。
分かってくれると思っていた人に全てを打ち明けたら逃げられたみたいで」
「あなたと同じ恋愛観だったのね?」
 やさしく笑いかけてくれる彼女のその言葉に目が熱くなる。
誰にも分かってもらえない価値観を持ってしまうということ。
自分は悪くはないはずなのに時には白い目で見られることもある。
どんな価値観が正しいのか―。
そんなのは自分で決めたっていいじゃないか。
正常じゃないって勝手に決め付けられる身にもなってみろ。
それがどれだけ辛いことか。
しかしそんな事を思ったとしてもたいてい鼻で笑われるだけ。
同じ価値観を持った人の中でしか生きて行けないのかもしれない。
人生は一回きりなんだから自分の気持ちに嘘をついてまで過ごすことはないはずでしょ。
それが僕の本音なのに……。
世間一般に言うまともな恋愛をしなくちゃダメなのかなという考えが邪魔をするのだった。


28:名無し物書き@推敲中?
08/06/18 19:35:04
作品を読んでくれと言っておきながら他人の感想にレスしない>>1が一次落ち常連なのは自明の理。

29:名無し物書き@推敲中?
08/06/18 19:35:06
「うん。僕は全部分かりますって声高らかに彼女に言った。彼女はキョトンとした顔を一瞬見せたけど、すぐ泣き顔に戻った。また彼女を抱きしめました」
 目から零れ落ちようとする涙を必死に止める。
「それが付き合ったきっかけか―」
 彼女がそう言うと止まっていた電車が動き出した。その反動で一粒だけ涙が頬を伝ってしまった。
「よしよし」
そんな僕の頭を、彼女はやさしく撫でてくれる。
 前に座るこの女性と自分との恋愛観は明らかに違うだろう。しかし、彼女は僕を避けることなく普通に接してくれる。
他人に理解してもらえるなんて始めての経験だった。いや理解されるのが始めてなのではない。理解されず気味悪がられることに怯えて人に話せなかったのだ。
 そんな自分の中で封印していた話をつい数十分前、偶然会った女性に赤裸々と語っている自分を不思議に思う。人間の本来持つ勘によってこの人なら話してもいいだろうと思ったからなのか、振られたショックからなのかは分からないけど。
 電車は大宮駅に到着した。



30:名無し物書き@推敲中?
08/06/18 19:38:35
「大宮か」
 電車が駅を離れていく中、鼻声混じりに独り言を言う。
「思い出でも?」彼女が僕の顔を覗く。
「赤羽より先に行くの久しぶりっていったでしょ? 大宮で買い物したとき以来なんですよ」
「私も大宮の駅で降りることはあんまないかも」
「でも久喜に住んでいるんだったら大宮が一番近い都市じゃないですか?」
「それは馬鹿にしているの? 久喜だって買い物する場所はありますよ~」
彼女が目を細める。
「そんなわけじゃ……」
「ジョーダン。新宿とか渋谷に行くほうが多いな。あと有楽町とか―」
 彼女は視線を斜め上に向け指を折り、数えるしぐさをする。
「お姉さんってOLさんですか?」
「キャバ嬢に見える?」目だけを僕に向ける。
「いえ、全く」
 自分の中の気持ちが落ち着いていくのが分かる。人と話すとこんなにも気が楽になることを初めて知った。


31:名無し物書き@推敲中?
08/06/18 19:39:11
>>28
すまんこ

32:名無し物書き@推敲中?
08/06/18 19:40:52
「話がまた脱線しちゃったけど」彼女は手をひざの上に置く。「それから二人はどうなったの?」
「二、三ヶ月はものすごく順調にいってたんですけどね―」
「何があったの?」
「休みがなかなか合わなくなって。僕には学校もあったから」
「それですれ違いが起こったってわけね?」
「さっきも言ったけど常に傍にいて欲しいって彼女は言ってて。同棲しようって言われました。そんな事は出来ないって言ったんですけど―」
「元カノさんはそれが耐えられなかったと」
「家を出て一緒に住めばよかったかもしれない。でも母を一人置いていくことになるし―」
「お父さんは?」
 彼女が遠慮がちに聞いてくる。
「知りません。物心付いた時にはすでにいなかった。他の女性と家を出て行ったらしいですよ」
「そうなのね」
「その事を彼女に話しても分かってもらえませんでした。私の事嫌いなんでしょ、の一点張り」
「彼女もあなたの事を愛していたからこそだったと思うけど」
「そうかもしれませんけど。でも好きだけじゃ解決できないこともあるんですね。恋愛観が同じでも価値観までもが同じになるとは限らないですしね」
「確かにそうかもね。愛していてもどうにもならないことがあるんだよね」
 そう言う彼女の目は寂しそうだった。
さっきから気になっていたがふとそういった表情を見せる。彼女もまた別れた恋人との過去を思い出しているのだろうか。


33:名無し物書き@推敲中?
08/06/18 19:42:57
「僕もその場を取り繕う言葉しか彼女に掛けられなかったからいけないんです。それで結局、今日振られたってわけですよ」
「そっか」彼女がやさしい笑顔を僕にくれる。「辛いのに話してくれてありがとう」
「そんな。僕も話したら、気分が少し楽になりましたよ」
「ほら言ったとおりでしょ」彼女が得意げに笑う。
「でも、これからもこういった恋愛をしていっていいのかなって悩みます」
「どういうこと?」
「まともな恋愛をしたほうがいいのかなって」
「まともって何よ?」
「言わなくても分かるでしょ」
 彼女は少し考えてから口を開いた。
「あなたさっき人それぞれの恋愛観があるって言ったじゃない?」
「そうだけど……」
「ならいいじゃない」
「世間体ってやつ? 気になるじゃないですか」
「高校生が何言ってんの。世間体なんて気にしてたらなにも始まらないでしょ」
 少し呆れた顔をする彼女。
「僕の立場にならなきゃ分からないんですよ。この辛さは……」
 二人を取り巻く空気が悪くなっていることに気付く。
また当初の目的であった別れ話を話しつくしたということもありお互い黙り込んでしまった。
そんな中、電車は蓮田に停車した。都内の駅や大宮などと違い、小さな駅だというのに人がたくさん降りていく。
もう話すことはないのでいっその事ここで降りてしまおうかと思ったが、なんとなく尻切れトンボのように思われたため留まることにした。
彼女は何も言わず無表情のまま―いや少し考え事をしているかのような表情で外を眺めていた。


34:名無し物書き@推敲中?
08/06/18 19:46:26
「ここまで来たのは初めてです」たまらず僕は口を開いた。
「そう」
 さっきまで話していた彼女とは明らかに違った。僕の悩みがよほど辛気臭かったのだろうか、はたまた彼女も僕の話に嫌気がさしたのだろうか。そうだとしても無理のないことだけど。自分から勝手に彼女は理解してくれると判断して、話してしまったんだから。
 そんな事を考えていると電車が動き出した。同時に彼女の口も動く。
「もうすぐで久喜だね」
「話してたからあっという間でしたね」
「うん」
 依然変わらない表情。
「あの、急にテンション下がっちゃいましたけど……どうしたんですか?」
 彼女がその表情のまま僕に顔を向ける。
「やっぱ、ヒキました?」
「全然」
「じゃあなんで―」
「あなたの悩み、お母さんは知ってるの?」
「知りません。言っても分かってもらえないでしょうからね」
「そっか」彼女の顔は再び窓へ。
「何が言いたいんですか?」彼女の言動に少しイラついてきた。


35:名無し物書き@推敲中?
08/06/18 19:47:19
「私はこの一年間ずっと、周りから彼と別れなさいって言われてきた」
「え?」
「長く続く恋じゃないんだからって」
「どういうこと?」
「あなたは本当のことを話してくれたのにね……」
「お姉さん?」
 彼女の目に涙が浮かぶのが分かった。
「ごめんね。あなた、まだ時間ある?」
 彼女が何を言いたいのか理解できなかったが携帯を開き時間を見る。七時半と表示されていた。
「ありますけど?」
「一緒についてきて欲しい場所があるの……」
 彼女の声が震えている。
「どこですか?」
「家……」
「いえ?」
「彼の……私を振った彼の家に」


36:名無し物書き@推敲中?
08/06/18 19:48:03
僕と彼女は電車を降りた。
彼女が泣き止むのを待っているうちに久喜駅に着いたのだった。
「私から言っておいてなんだけど、明日卒業式だし帰ってもいいよ?」
「話も良く見えてないまま帰ったら、寝れなくなりそうなんで行きますよ」
「ありがとう」
改札を抜け、ロータリーに出ると彼女はタクシーに乗ると言った。
「歩ける距離だけど早めに済ませたいから」
「はぁ」
 状況が飲み込めない僕はただ彼女の言葉に従うだけ。
「緑団地までお願いします」
 彼女は運転手にそう告げた。
「あの―」
タクシーが発車してからしばらくして、僕は口を開いた。
「分かってる。あなたは全く理解できてないでしょうね」
「その通りです」
「赤の他人であるあなたを連れて行くのは本当に申し訳ないことだと思うけど―」
「僕は別にいいですよ。でもちゃんと事情を話してくださいよ。お姉さんは彼氏に振られてあの電車に乗ってきたんですよね?」
「うん」
「なのに今向かっているのは―」
「そう。彼の家だよ」彼女が呟く。


37:名無し物書き@推敲中?
08/06/18 19:50:40
タクシーがゆっくりと速度を落とす。「ここでいいですか?」と運転手がタクシーを止め、顔だけをこちらに向ける。
 窓の外には閑静な住宅街が広がっていた。店やビルなどがなく街灯の明かりだけ周りを照らしている。
「ありがとうございます。お釣りはいいです」
 彼女は運転手に二千円を手渡し、タクシーを降りる。僕もそれに続いて降りる。
「まさか振られた腹いせに彼の家に押しかける気じゃ―」
「そんなことしないよ。ちゃんと話をするからまずは向かいましょう」
 夜ということもあり中に人気はほとんどなかった。音もほとんどしない。犬の遠吠えが遠くで聞こえる程度だった。
「ここです」
 そう言って彼女は足を止めチャイムを鳴らした。表札には『上野』の文字。
「裕子です」
 チャイムに向かって彼女が言うとすぐに家のドアが開き、一人の女性が顔を出した。六十代くらいだろうか。非常に疲れきった表情をしている。
「裕子さん、わざわざ遠くからありがとう」静かに女性が言う。
「いえ。翼は?」
「和室にいます。ところで―」
 女性の目が僕に向けられる。
「私の知り合いです。一人で来るのが辛くて一緒に来てもらいました」と彼女。
「ど、どうも」
 何が起こっているのか全く分からないので反射的に頭を下げる。


38:名無し物書き@推敲中?
08/06/18 19:50:42
会話文ばかりで情景がまったくつかめない。

39:名無し物書き@推敲中?
08/06/18 19:51:43
「ついにこの日が来てしまったんですね」
 彼女が唇をかみ締め下を向く。
「ええ。とにかく中に入ってください」
 女性がそう言うと彼女はゆっくりと家の中に向かう。
「あなたも来てくれる?」
 彼女は立ち止まっている僕に顔を向ける。
「入っていいんですか?」
「あなたがよければ」
「じゃ、じゃあ」
 家に入ると何故かどんよりとした空気が流れていた。こんな雰囲気は初めてだった。何がこんな重い空気を作っているのかは分からないけど。
リビングに通されると「この奥です」と女性が襖を指差す。
「開けていいですか?」
 彼女は女性の顔を見ず言う。彼女の隣で僕は黙ったままそのやり取りを眺める。
「どうぞ」
 女性がそう言うと彼女はゆっくりと襖を開けた。そこには小ぢんまりとした和室が広がった。そして―。


40:名無し物書き@推敲中?
08/06/18 19:53:45
>>38
情景か……。
たとえばどういったところで?

41:名無し物書き@推敲中?
08/06/18 19:58:24
「つばさぁ」
 布団に横たわっている男性を見るなり彼女は口を押さえる。同時に彼女の目から涙が一気に溢れ出してきた。後ろにいる女性に目を向けると顔を背け泣いているようだった。
「つばさぁぁ!」
 彼女は男性の傍らに寄り、むせび泣く。
「なんで今日なのよ! なんで今日死んじゃうのよ!」
 ―死? 
今僕の目の前にいる男性。茶色の短髪に整った顔。てっきり寝ているものだと―何か幸せな夢を見て寝ているものだと思っていた。でも違った。彼は死んでいるのだ。
「せめて結婚式挙げてから死んでよ! あなたが死ぬのなんて私、全然寂しくなんかないけど……けど……」
 彼女は布団を強く握り締める。僕はなんて声を掛けてあげればよいのか分からず呆然と立ち尽くす。
「翼のバカぁ! バカやろう!」
 静かな家に彼女の悲しみが響きわたる。
 なんとなく理解が出来た。振られちゃったと言った意味。彼の死のことだろう。こんな事実がありながら電車の中ではあんなに明るく振舞っていた彼女。きっと僕を励まそうとしてのことだろうが。彼女の心の内を思うと胸が痛む。
そして明日……結婚式を行う予定だったのだろう。 
「大丈夫ですか?」
 僕はおもむろに彼女の傍に寄り、肩に手を置く。
「ごめんね。こんな姿を見せてしまって」
 彼女は言葉を詰まらせながらそう言った。
「この人―お姉さんの彼氏さん、死んでるんですよね? 僕にはそう見えないけど」
「ホントだよね。寝ているみたいなのに。でも、もう会話することも出来ない……」
 今のこの状況が現実のものだということが理解出来ないでいた。未だ人の死というものに触れたことがない僕は死というものがもっと凄惨なものだと思っていたから。
「そんなに私と結婚するのが嫌だったのかな?」
 目を真っ赤にさせた彼女が僕に顔を向ける。
「ずっと楽しみにしていたのに」
 そう言う彼女を俺はそっと抱き寄せた。今の僕にはこれくらいしか出来ない。背は同じくらいなのにとても小さく感じられた。
「つばさぁぁ」
 彼の名前を呼び、僕の腕の中で泣きじゃくる彼女。
「いっぱい……泣いてください」
 今の僕にはこれくらいの言葉しか掛けられない。


42:名無し物書き@推敲中?
08/06/18 19:58:25
会話に相槌が多いけど、はっきり言ってテンポ悪くするだけ。
>>1は小説読んだことあるの?

43:名無し物書き@推敲中?
08/06/18 19:59:52
なんか中高生レベルの語彙しか使ってないけど、作者は二十歳以下?
ケータイ小説みたい。

44:名無し物書き@推敲中?
08/06/18 20:00:27
>>42
相槌がテンポを悪くするとな。
なるほど~。
どこら辺がですか???

45:名無し物書き@推敲中?
08/06/18 20:01:35
>>43
目線が高校生ですからね。
地文はもっとちゃんと書いたほうがよいですかね?

46:名無し物書き@推敲中?
08/06/18 20:03:28
泣き止んだ彼女は頭をゆっくりと起こした。
「ありがとう。もう大丈夫だよ」 
そう言って目を手の甲で押さえる。
「お二人さん。ソファで少しお休みになってください」
女性が後ろから言ってきた。しかしその声に張りはなかった。息子が亡くなったのだから当たり前だ。
「すいません。お母様にまでこんな見苦しい姿を見せてしまって」
「いいえ。翼も裕子さんにみたいな女性に愛されて幸せですよ」
 女性はふっと笑みを浮かべ、キッチンに入っていく。
 僕と彼女は言われたとおりリビングのソファに腰をかけた。その前のテーブルにティーカップが置かれていた。香りからすると紅茶のようだ。
「驚いたでしょ? 知らない女性に急に一緒に付いてきてと言われて、着いた場所には男性が死んでいるんだものね」
 場の雰囲気を明るくしようとしているのか、少しおどけた様子で彼女がしゃべった。
「強がらなくていいですよ。僕は全然気にしてませんから」
「ありがと……」
 彼女はそう呟き下を向く。


47:名無し物書き@推敲中?
08/06/18 20:04:18
泣き止んだ彼女は頭をゆっくりと起こした。
「ありがとう。もう大丈夫だよ」 
そう言って目を手の甲で押さえる。
「お二人さん。ソファで少しお休みになってください」
女性が後ろから言ってきた。しかしその声に張りはなかった。息子が亡くなったのだから当たり前だ。
「すいません。お母様にまでこんな見苦しい姿を見せてしまって」
「いいえ。翼も裕子さんにみたいな女性に愛されて幸せですよ」
 女性はふっと笑みを浮かべ、キッチンに入っていく。
 僕と彼女は言われたとおりリビングのソファに腰をかけた。その前のテーブルにティーカップが置かれていた。香りからすると紅茶のようだ。
「驚いたでしょ? 知らない女性に急に一緒に付いてきてと言われて、着いた場所には男性が死んでいるんだものね」
 場の雰囲気を明るくしようとしているのか、少しおどけた様子で彼女がしゃべった。
「強がらなくていいですよ。僕は全然気にしてませんから」
「ありがと……」
 彼女はそう呟き下を向く。


48:名無し物書き@推敲中?
08/06/18 20:04:52
連投すまん。

49:名無し物書き@推敲中?
08/06/18 20:10:26
「彼氏さんは何で亡くなったんですか?」
「癌だよ」
「え?」
「一年間戦い続けてきたんだけどね。負けちゃったみたい……」
「特に一年間尽くしてきたって言ってたのはこの事だったんですね」
「うん。お医者さんには長くはないだろうって言われていた。だからいつかこうなってしまうのは分かってた」
「結婚式って言うのは?」
「明日病院でやるつもりだったんだ。ウエディングドレスもケーキも無い小さな結婚式をね」
「そうだったんだ」
「なのに、今日死んじゃうなんてね」
「なんで結婚式なんか挙げようと思ったんですか?」
「あなたも皆と同じこと言うのね」彼女が寂しげな笑顔を見せる。


50:名無し物書き@推敲中?
08/06/18 20:10:56
どの辺がって、それくらい自分で読み返してくれ。例えばここ。

「私はこの一年間ずっと、周りから彼と別れなさいって言われてきた」
【え?】
「長く続く恋じゃないんだからって」
【どういうこと?】
「あなたは本当のことを話してくれたのにね……」
【お姉さん?】
 彼女の目に涙が浮かぶのが分かった。
「ごめんね。あなた、まだ時間ある?」
 彼女が何を言いたいのか理解できなかったが携帯を開き時間を見る。七時半と表示されていた。
「ありますけど?」
「一緒についてきて欲しい場所があるの……」
 彼女の声が震えている。
【どこですか?】
「家……」
【いえ?】
「彼の……私を振った彼の家に」


【】で囲ったところ全部いらない。削って情景描写に変えるべき。
「彼女の言いたいことがわからない」ことを強調するつもりなのだろうけど、主人公があまりにも間抜けにしか見えない。

51:名無し物書き@推敲中?
08/06/18 20:13:46
>>50
なるほど。
でも最後の【いえ?】ってのは聞き返したくなるでしょ?
ならないか……。

52:名無し物書き@推敲中?
08/06/18 20:14:43
「彼の事を誰よりも愛していたから。そういう人と結婚したいって思うのは普通でしょ?」
「そうですけど―」
「いつかいなくなってしまう彼とのいつまでも消えない絆が欲しかった。その答えが結婚だったの。私は上野翼の奥さんだっていう証。子供みたいな考えだけどね」
「そんな事ないですよ」
「翼には最初断られた。馬鹿な考えはやめろって」
「死んでしまうから?」
「そう。私は何度もお願いしたよ。でも、彼は頑なに断り続けた」
「それはお姉さんの事を思ってでしょ?」
「そうだよ。でもね、理由がムカつくんだ」
「りゆう?」
「あなたが電車で言った事と同じ事を言うんだもの」


53:名無し物書き@推敲中?
08/06/18 20:22:57
一ついえることは、このままだと>>1は百パーセント一次で落ちるってことだな。
たぶん下読みの判定は「E」だぞ。

54:名無し物書き@推敲中?
08/06/18 20:37:24
>>54
何故?

55:名無し物書き@推敲中?
08/06/18 20:37:52
なんか恋空みたい。発想も設定も文章もどれも陳腐だよな。

56:名無し物書き@推敲中?
08/06/18 20:38:36
「え?」
「世間体ってやつ」
「彼氏さんの?」
 彼女は首を振る。
「お姉さんの?」
「うん。俺なんかと結婚してもなんの得にもならないだろ。お前の両親が悲しむだろ。お前に白い目が向けられるかもしれないだろって言うの」
「それもお姉さんを―」
「分かってるよ」
「じゃあ―」
「私には関係なかった。ただ彼を愛していたから。他に何もいらなかった。他人の目なんてどうでもいいじゃない」
 彼女の目が潤むのが分かった。
「どうでもいいか……」
 彼女の言葉から僕は強烈なパンチを食らったようだった。
「そうでしょ? そんなの気にしていたら何も始まらないじゃない」
「そうですよね」
 喉が一瞬にして渇くのが分かったので、ティーカップを手に取り、一口啜る。
「でもね、一ヶ月前に彼はようやく認めてくれた」
「お姉さんの気持ちが伝わったんですね」
 ティーカップをテーブルに置く。
「でもその時の彼はね……散々別れろ、他の男と付き合えとか言ってた彼はね……」
 彼女が言葉を詰まらせる。
「大丈夫ですか?」
僕が背中を擦ると彼女は曖昧に頷いた。


57:名無し物書き@推敲中?
08/06/18 20:39:41
「ありがとうって。三年間一度も見せたことのない涙を流しながら、ありがとうって言ったんだ」
 彼女の頬に涙が一つ、二つと流れ落ちる。
「なんでお礼なんて言われないといけないのよね。彼氏なんだから、私が何よりも大切な人なんだから当たり前じゃない……ね」
 両手で彼女は顔を覆う。
「結婚式前に死んじゃうなんて、私、実は嫌われていたのかな」
「お姉さん」
 そっと声を掛けると彼女が僕を見る。
「彼氏さんの顔は幸せそうですよ」
和室に目を向ける。
「そうかな」
「うん。だから―」
「だから?」
「お姉さんの事、愛していたんだと思います。じゃなきゃ、あんな顔はしませんって」
「また、ませたこと言って……」彼女が再び涙を流す。
「ごめんなさい」
 そう言うと彼女は顔を正面に向ける。
「あ~あ、翼と結婚したかったのになぁ」
彼女はそう言って泣きながらの笑顔を見せた。


58:名無し物書き@推敲中?
08/06/18 20:41:07
「お邪魔しました」
 玄関先で彼女とお母さんに頭を下げる。外には彼女が手配してくれたタクシーが止まっている。
「駅まで行かなくて平気?」
「うん。タクシーを呼んでくれただけで感謝です」
「そんなこと気にしないで。あなたを無理やり連れてきちゃったんだから」
「でもお姉さんと今日、話せて良かった」
「私も。一人じゃ気がおかしくなってたかもしれないな」
 ふっと彼女が笑う。
「ねぇ?」そう言うと彼女は手にしていた携帯を開いた。「アドレス教えてくれない?」
「いいですけど……」
「今日会ったのも運命でしょ? また時間が会ったらどこかに遊びに行こうよ。お姉さんが卒業祝いをしてあげるよ」
「それはうれしいですね。じゃあ僕のアドレス短いから口で言いますね」
「うん」
「ケー、オー、ティー、オー、エム、アイ、アットマークXXXX―ってこのアドレスも変えようかな」
「アドレスって時には思い出になってしまうものね」
「うん。それが僕のアドレスです」
「ありがと。後で私のも送るね」
 彼女が携帯を閉じる。


59:名無し物書き@推敲中?
08/06/18 20:44:26
「今日はここに泊まるんですか?」
「ええ。翼の葬式は明日だから。それまでお母さんと一緒に彼の傍にいることにします」
「そっか」
「あなたも明日の卒業式がんばってね!」
「卒業式は頑張るものじゃないですけどね」小ばかにしたように笑う。
「揚げ足取らないの!」
「すいません~」
 彼女の表情が少しだけ穏やかになっていることに安心する。
「タクシー待たせちゃってるから行くね」
「うん。本当に今日はありがとう」
 僕は踵を返しタクシーに乗り込む。


60:名無し物書き@推敲中?
08/06/18 20:45:43
「久喜駅までお願いします」
 タクシーが発進する。窓の外に顔を向けるとまだ二人が立っていた。僕はもう一度頭を下げる。
顔を上げると彼女は小さく手を振ってくれた。
 ―疲れた。
 しかし、嫌な疲れではなかった。
 人の死を目の当たりにして不謹慎かもしれないが何か心に抱えていたおもりが落ちたような感覚だった。
 お姉さんに自分の話をしたからだろう。
 そうでなければ誰にも話すことなく一生引きずっていたかもしれない。少なくとも前を向くことが出来た。
 そんな事を考えているとタクシーが久喜駅に着いた。彼女からもらったお金を運転手に渡し、降りる。
 すると携帯のメール着信音が鳴った。彼女からのメールだった    


61:名無し物書き@推敲中?
08/06/18 20:47:03
『裕子です。
今日は本当にありがとう。
あなたと電車で出会えたのは本当に運命だと思います。
私はこれからしばらく彼の死という辛さと
向き合っていかなくてはなりません。
一年間この日のために心の準備はしてきたんだけどね。
実際いなくなると悲しくてしょうがないです。
でもあなたがいてくれたおかげでちょっと元気になれました』
 
さらに彼女のメールは続く。 



62:名無し物書き@推敲中?
08/06/18 21:01:21
『あなた、電車で世間体を気にしているって言ったよね?
でも気にすることなんて全然ないと思うの。
あなたを翼の家に連れて行ったのは他でもない。
こういった恋愛もあるんだよって事を直に感じて欲しかったの。
あなたにとっては余計なお世話かもしれないけど。
ウジウジしているあなたを見ていると放って置けなくて。
おかしいよね。
今日会ったばかりなのに。
あなたの悩みも相当辛いものだと思う。 
でもね、さっきも言ったけどさ。
これから先、自分の気持ちに素直になって。
悩むことなんかないから。
あなたのお母さんだってきっと分かってくれるから。
他の人だったきっと理解してくれる。
もし誰も分かってくれなくても私はあなたの味方だから。
頼りないかもしれないけどね。
長々と説教じみたことえらそうに言ってごめんなさい。
あなたがよければまた会いましょう。
その時は私もちゃんと笑顔を見せられるから。
本当にありがとう』


63:名無し物書き@推敲中?
08/06/18 21:04:27
『こちらこそありがとうございました。
裕子さんに会えて本当に良かった。
悪いことが起きた後はいいことが起こるもんなんですね。
裕子さんの言うとおり自分の気持ちに素直になって行こうと思います。
裕子さんを見ていたら自分がちっぽけに思えてきました。
お母さんにも全部話してみます。
裕子さんの言葉で勇気が出ました。
明日は卒業式です。
弱い自分からも卒業しようかと思います。
なんちゃって。
絶対また会いましょうね。
その時はおいしいもの、ご馳走してください』

彼女にメールを送りホームに向かった。彼女からの返信がすぐに来た。



64:名無し物書き@推敲中?
08/06/18 21:07:47
『うん。
 悩んでても始まらないよ。
 その二つの卒業式が終わったら遊ぼう。
高級レストランでお祝いしてあげるから!』
 
携帯を閉じる。
僕は久喜駅のホームで一人笑った。


65:名無し物書き@推敲中?
08/06/18 21:12:45
 雲ひとつ無い青空から降り注ぐ日の光りが昼間の新宿をやさしく包む。
卒業式を終えてから早二週間。今、僕は卒業祝いをやってくれるとの事で『FTM』に向かっている。
隣に歩く母と一緒に。
裕子さんと出会った日、帰宅するとすぐに僕は母に全てを話した。母は終始驚いた様子だったが僕の話が終わると笑顔でこう言ってくれた。
―あなたの人生なんだから好きにしなさい。
嬉しかった。今まで女手一つで育ててきてくれた母からの理解。その場で泣き崩れるほど嬉しかった。
『FTM』の人たちにも話した。もちろんナツキさんにも。「普通でしょ」とか「私の恋愛のほうが辛いし」と意外にも薄い反応だった。そんな中、ナツキさんは「辛かったね」と言って強く抱きしめてくれた。そこでも僕は泣きじゃくった。
今まで自分の気持ちを隠していたことを反省する。ちゃんと話せば分かってもらえるということを実感した。逃げれば逃げるほど悩みの深みにはまってしまうのだ。
「アユナさんは来るの?」
母が尋ねてきた。僕は首を振る。母に話した後もう一度やり直したいとメールを送ってみた。しかし、返事は返ってこない。この点だけは残念だが自分の蒔いた種。いまさらあがいてもしょうがない。
店の近く着くとタバコを燻らしている店長が外に立っているのが見えた。


66:名無し物書き@推敲中?
08/06/18 21:18:50
「てんちょ~」
 僕が声をあげるとこちらに気付いたようで手を振ってくれた。
「ひさしぶりだな」
 店長が母の顔をみてニヤつく。
「そうね」
母は少し照れている。
「いつもこの子がお世話になってます」
 母が僕の頭をポンと叩く。
「菊ちゃんとは同級生のよしみだからな。頼まれたら断れない」
 タバコを携帯灰皿に入れる店長。
「どうも」
 店長と母の関係を初めて知る。驚愕の事実。
「さぁ、主役が来たし始めようか!」
 唖然としている僕の肩を叩き、店長が店に入っていく。
「母さんと店長って同級生なんだね?」
「高校のね」
「友達?」
「元カレよ」母が笑う。
「じゃ、じゃあ。再婚すれば? 確か店長も独身だし!」
 母は何も答えず笑顔を見せ、店に入っていく。
「おもしろ~」
 そう独り言を言い僕も店に入っていく。


67:名無し物書き@推敲中?
08/06/18 21:21:35
店内は、営業時と違い明るかった。僕なんかの卒業祝いなのに随分派手に飾りつけがされている。ホールには店長とボーイが二名。そしてキャストの人たちまでもドレス姿で座っていた。仕事前で忙しいだろうに申し訳なく思う。
「こーちゃん!」
 ナツキさんが駆けつけてきてくれた。
「ナツキさん!」
「今日はあんたのためにみんなわざわざ来てくれたんだからね~」
「すいません」
 ホールに向かって頭を下げる。
「それとこれ!」
 そう言って彼女は手に持っていたシャンパンボトルを僕の顔の前に出す。ドンペリのゴールドだ。
「これは?」
 彼女はフフと笑ってホールにいるある人を指差す。
「あっ!」
 そこにはキャバ嬢と同じく化粧を施して髪をアップにし真っ赤なドレスを着た裕子さんがいた。
「気付かなかった~」


68:名無し物書き@推敲中?
08/06/18 21:24:50
「ううん。私のおかげじゃない。あなたがほんの少しだけ勇気を出したからだよ」
 裕子さんの声はいつ聞いても心を穏やかにさせる。
「裕子さんに出会えてよかった」
「私も。翼にあなたを紹介したかったよ」
 裕子さんの表情と声から少しずつ元気になっているのだろうと感じた。この人はやっぱり強いな。
「さあ! 初めよ!」
 ナツキさんの掛け声で皆が一つのテーブルを囲う。そこにはオードブルが山盛りにされていた。
「シャンパンあけて~」
 ナツキさんが言う。ボーイがタオルを口に被せ、力をいれるとポンっと軽快な音が鳴った。一人一人のシャンパングラスに注ぎ込まれる。
 これだけの人から祝われて僕は幸せを感じている。でも何か足りないという気持ちがあった。そう、ここにアユナがいればな、なんて思う自分は罰当たりもんだ。
「こーちゃん?」
 ナツキさんの声にハッとする。
「はい?」
「みんながいるのに悲しい顔しないでよ」
 ナツキさんに頭を小突かれる。
「すいません」
「アユナがいないから?」
「そんな事は……」
「分かりやすいね。あんたは」
 彼女がフッと笑う。


69:名無し物書き@推敲中?
08/06/18 21:27:46
「いいじゃない。これから出会いなんてたくさんあるもの。裕子ちゃんとの出会いだってそうでしょ?」
 ナツキさんが裕子さんを見る。
「私もそう思うよ」
 裕子さんもそう言って笑った。
「そうですね」
「んじゃ、乾杯しよう!」
 ナツキさんがグラスを手に取る。
「ところで―」続けてナツキさんが言う。「誰を指名するの?」
「へ?」突然の質問に間抜けな声を出す。
「ここはあくまでキャバでしょ?」
「そしてここ『FTM』は完全指名制となっております。お客様」
店長が気取った声を出す。
「誰を指名するの?」ナツキさんが僕に顔を近づける。
「誰って言われても……。ナツキさんですか?」
「ば~か。あんたなんかに指名されても金にならないでしょ?」
 鼻で笑う彼女の視線は裕子さんに向けられた。なるほど。
「じゃ、ゆ、裕子さん……でお願いします」
 顔が赤くなるのが分かる。


70:名無し物書き@推敲中?
08/06/18 21:30:19
「裕子ちゃん、指名はいりましたぁ!」
 ナツキさんがそう言うと周りのみんなもワーッと声をあげた。
「裕子ちゃん。初日から指名だって! やるじゃ~ん!」とナツキさん。この顔は冗談を言っている顔だ。
「顔、スタイル共に合格なんだが。ウチに入らない?」と店長。この人は本気だな。
「そんなぁ」
 彼女が恥ずかしそうに顔を下に向ける。
「ちょっとナツキさんに、店長! 裕子さんが困ってますよ」
 慌ててフォローを入れる。
「ジョーダンだよ」
 そう言って再びグラスを手に取るナツキさん。
「じゃあ、こーちゃんの卒業を祝いまして。かんぱ~い!」
 ナツキさんの声に合わせてみんながグラスをそれぞれに合わせる。
「思ったんだけど」ナツキさんがシャンパンを一気に飲み干し言う。「裕子ちゃんってアユナになんとなく似ているよね?」
「私も思ったんですけど~」
 そんな声が周りからあがる。
「みなさんも思いました? 初めて会った時から僕も思っていました」
 裕子さんを見ると、彼女は照れながら笑った。
「裕子ちゃんと付き合っちゃえば?」
 ナツキさんは空気を読めない。いや、読まないのか。
「裕子さんはこっち側の人間じゃないです。でも―」彼女に体を向ける。「これからもずっと仲良くしてください」
「もちろんだよ」彼女が笑う。


71:名無し物書き@推敲中?
08/06/18 21:33:38
「んで、あんたはこれからどうするの?」
 今度はナツキさんに体を向ける。
「まだ分かりません。とりあえずはここでバイトとしようかと」
「だから~。本格的にここでやれっていうのに」
 ナツキさんが例のシガレットケースからタバコを取り出す。
「だからキャバ嬢なんかは―」
「ボーイとしてだよ」
 タバコに火がつく。
「え? でも僕はこんなだし―」
「仕事が出来れば問題なし」
「はぁ」
「私がまた一から教えてあげるから」
「考えておきます」
 そうは言うが心の中ではナツキさんの言葉が嬉しかった。こんな僕をこの『FTM』に置いてくれるって言うんだから。
「店長! ケーキ出してよ!」 
 ナツキさんがそう言うと店長が席から立ち上がりキッチンへ。そこから出てくると大きなホールケーキが出てきた。上にはフルーツが山盛り。そして何本かのロウソク。


72:名無し物書き@推敲中?
08/06/18 22:15:57
「お祝いのケーキだ!」店長がテーブルに置く。
「こんなものまで用意してもらって……」
「可愛いあんたのためよ」
 ナツキさんがライターでロウソクに火を付ける。
「ありがとうございます」
 この店で働いてよかったと思う。
自分が愛されているということが実感できる。
それは働きだしてからずっと思ってきたことだが、裕子さんと出会って自分の悩みを他人に打ち明けることによってさらにはっきりと感じられる。
本当の僕を分かった上でみんなが接してくれているから。
「こーちゃん。火消して!」ナツキさんの声が掛かる。
「一回で消してね」裕子さんの笑い声も同時に聞こえる。
 二人の顔を見ると僕の好きな笑顔だった。僕の目に涙が浮かぶ。
「みんな……本当にありがとう……」
 フェアリーテイルメゾン―通称『FTM』
 それは僕自身を指す頭文字―。
 この店でこれからもお世話になろう。ここなら何かが見つかるはずだから。
 勢いよく息を吹きかけるとロウソクの火が消えた。
「おめでとー」
 みんなが声をあげる。拍手も沸き起こる。
 みんなの顔を見ようとするが涙で霞んでよく見えない。
「ありがとうございます」
 涙を手で拭いながら、もう一度心からの感謝を言う。
「ケーキも食べよ」
 ナツキさんがナイフを手に取りケーキをカットし、みんなのお皿に乗せる。
「はい。これはあんたの」
 一際大きなケーキが乗った皿を渡される。


73:名無し物書き@推敲中?
08/06/18 22:20:15
 ケーキの上にはアメ細工の可愛い女の子が立っていた。
 『卒業おめでとう。琴美ちゃん』
そんな文字が書かれたプレートを持って。

 FEMALE TO MALE―僕はもう悩まない。
 


74:名無し物書き@推敲中?
08/06/18 23:48:34
読んじゃたじゃないか
まあおもしろかったけど

75:名無し物書き@推敲中?
08/06/19 00:11:19
>>74
ありがとう。

76:名無し物書き@推敲中?
08/06/19 11:55:52
なーほどね。
先入観は巧く活用してるね。

77:名無し物書き@推敲中?
08/06/19 13:01:15
小説初心者になら受けるかもね。手垢のついたオチを手垢のついた形で提示できる作者の勇気は買えるかな。

78:名無し物書き@推敲中?
08/06/19 13:18:33
>>77
同意。読みなれた人なら冒頭に「黒服」とか「ボーイ」って言葉が出てこない時点で仕掛けに気づく。そして仕掛けをとっぱらったら残るのは平凡で退屈な日常の話。この手の話を書くなら三人称の方が目の肥えた読者は引っかかりやすいことくらい知っておいた方が良い。
キャバクラ自体ががミスリードで実はゲイバーの話とかだったら驚きもするが、結局は主人公の葛藤も掘り下げないまま終わり、薄い。
会話が軽くてテンポが良い部分だけはいいんじゃないだろうか。

79:本人
08/06/19 13:19:36
手垢のついたとは??

80:本人
08/06/19 13:26:42
>>78
なるほど。
やっぱバレますか。
周りに見せたら誰も気付かなかったんですけどね。
さすが2ちゃん

81:78
08/06/19 13:34:31
>>80
ラストの仕掛けに頼りすぎなんだ。FTMに引っ掛けて処理する手法は悪くないし、確かに気づかない人は鮮やかに騙されると思う。
だけどこれで応募するのなら物語自体の密度をもっと上げなきゃいかんよ。

上で誰かも書いてるけど、オール読物はレベルが高い。厳しいことを言うようだがオチだけが先行する今のままの内容で出したらやはり一次で落とされる。

82:名無し物書き@推敲中?
08/06/19 14:02:34
ざっと最後まで読んだのに、その仕掛けとやらが分からなかった……。

83:名無し物書き@推敲中?
08/06/19 14:08:13
>>82
・・・どんまい。

84:本人
08/06/19 14:10:55
>>81
オール物語に出すかは分かりませんが初めての作品だったので。
何かアドバイスがありましたらお願いできますか??

85:名無し物書き@推敲中?
08/06/19 14:12:58
仕掛けというほどのものかどうか


86:名無し物書き@推敲中?
08/06/19 14:25:42
>>84
内容云々以前に、地の文の書き込みが足りないというか
小説という形になっていないと思う。

新しい小説の形を打ち出したいというのならともかく、
これじゃ単に、会話文しか書く能力がなくてこうなりました
って印象を受ける。

全体を見渡して見て、一般に売られている小説に比べて
異常なほど会話文の比率が高いって分かるでしょ?
どのくらいの読書量があるのかは知らないが、もっと色々と読んでみて
自分の書きたいものを、しっかりとした形に収める必要があると思うな。
ひどい言い方だが、携帯小説をちょっと小説っぽくしてみましたって感じがする。

何にせよ、こんな単発スレたてて、結構まともに読んで貰える1は珍しいなw

87:本人
08/06/19 14:39:51
>>86
会話文が多いのは承知しました。
地の文は改変します。
恋愛小説を書きたいんですよ。

88:名無し物書き@推敲中?
08/06/19 14:43:09
これ、リライトするとよくなると思うよ

89:本人
08/06/19 14:56:53
こういうオチ系の話はいくつかネタとしてあります。
文章力付けますわ

90:名無し物書き@推敲中?
08/06/19 15:05:11
いちおう、読んでみたが、ナツキさんの紹介文から始まり、
僕が琴美ちゃんだったというオチで終わる物語なのだろうか。
>>82と同じで、仕掛けというものがわからない。
ということは、裏方仕事をしていたという僕は女名をもつ琴美ちゃんでもあったということであり、
よくわからない。キャバの裏方には詳しくない。

91:本人
08/06/19 15:17:47
いや、主人公が男だというミスリードが…

92:名無し物書き@推敲中?
08/06/19 15:28:45
一生懸命に書いた作品に吝をつけるのは忍びないんだけど。
初めのほうで、
>母の紹介でアルバイトとして働いて数ヶ月。
>この世界の人たちを見ているが僕は未だ慣れないでいる。
>キャストの客に対する態度と普段の態度の違いは凄まじい。
中略
>そんないつも通りの異様な空気に包まれた更衣室で

キャストの世間感覚を前半で書こうとしているのは解るし、主人公がそのキャストたちの持つ感覚に慣れないのも理解できるが、異様とまで感じている世界で主人公は生きていこうと決心する。
濁流でいきる鮒(キャストたち)と同じ肌感覚をどこかで共有できていないといけないのではないのかなと思った。その辺を書かれていないのがちょっと惜しい。
主人公とキャストの会話が、まるで清流に生きるヤマメでは舞台(キャバクラ)装置の意味をなくしてしまうのでは。裕子のキャラは立っているし会話もすんなり頭にはいるし情景も浮かぶだけに惜しい。

93:名無し物書き@推敲中?
08/06/19 15:36:36
>>91 まことに理解力がなくて申し訳ないのだが、
以下、ネタバレを含む。
ということは、僕は実は女の琴美ちゃんで、女のアユナと付き合っていて、
今度、ボーイとして働くことになるということなのか。
かなり、わかりにくいのである。

94:本人
08/06/19 15:42:20

はい。
裕子との会話の中でも伏線が隠されているんですけどね…。



95:名無し物書き@推敲中?
08/06/19 15:44:28
>>94 了解である。

96:本人
08/06/19 15:49:28
>92
すごく分かりやすい批評ありがとうございます。
確かに主人公の気持ちの掘り下げが足りてませんね。

97:名無し物書き@推敲中?
08/06/19 16:24:13
地の文を最低限に抑えた。
会話主体の運び。
人物の容姿を極力抑えた描写。
それで、読ませるのだからたいしたものだ。

98:本人
08/06/19 16:34:20
>>97
それは揶揄ですよね?
誉め言葉じゃないですよね゚。(p>∧<q)。゚゚

99:名無し物書き@推敲中?
08/06/19 17:00:50
ある意味ほめているのだがな。人物の容姿なんて最低限かかれていればいいと思うしな。
勝手に想像してくれる。湘南新宿ラインと駅名をかけば勝手に風景を想像してくれる。
想像を呼び起こす最低限のラインを抑えているという意味でほめているのだ。井戸を掘れば最初の水をあげるのに呼び水を注ぐ。要はそういうことだ。

100:本人
08/06/19 17:40:39
>>99
なるほど。
全体的な評価としては最低ですかね?

101:名無し物書き@推敲中?
08/06/19 17:40:44
なんでおまえらこいつには親身にしてやるんだよ!
俺の時は!!

102:名無し物書き@推敲中?
08/06/19 17:41:43
もう戯曲にしちゃえよ

103:本人
08/06/19 17:56:22
>>101
ごめんなさい。

>>102
戯曲…ですか…。



104:名無し物書き@推敲中?
08/06/19 19:00:36
オチか…。

105:名無し物書き@推敲中?
08/06/19 21:11:11
>>99
いい気になってるな馬鹿

106:本人
08/06/19 22:04:22
>>105
そんな事言わんといてください。

107:名無し物書き@推敲中?
08/06/19 22:09:50
少し読んでみたが
メリハリに欠けるように思える


108:本人
08/06/19 22:23:41
>>107
どういうことか詳しくお話いただけませんか?

109:名無し物書き@推敲中?
08/06/19 22:40:22
絵とネームが描けるならマンガ家になったらいいと思う。
脚本家という方向でもいいのかも。
とりあえず、小説家には向いていないと思う。

ただ単に状況を書き並べるのではなく、日本語というツールを使って
「表現」することができて初めて作家だと思うのは、
俺が古いタイプの人間だからなのか。

ケータイ小説の賞に応募するんじゃダメなの?
ケータイ小説なら、文章表現なんぞしなくていいんじゃないかな。
それとも、これって偏見なのか?

110:本人
08/06/19 22:42:24
>>109
手厳しい御意見ありがとうございます。
自分は『恋愛小説』を中心に書きたいと思っておりますが…。
小説家に向いていませんか…。

111:名無し物書き@推敲中?
08/06/19 22:45:45
創作意欲は買えますよ
ただ一読者としての感想だと結論とかが見えてこないように思えますね
何かテーマを絞り込んでみるほうがいいかもしれません
また題材がありきたりなのでそこがどうでしょうか


112:名無し物書き@推敲中?
08/06/19 22:46:52
2ちゃんアンチの法則w

113:本人
08/06/19 22:47:08
>>111
『結論』とは……?
訊いてばかりですいません。

114:名無し物書き@推敲中?
08/06/19 22:53:13
結論という表現は避けましょう
テーマを絞ってみるほうがいいのでは
もしもテーマを自力で求めるのが不可能ならば
著作権の切れた作品から応用するとか


115:名無し物書き@推敲中?
08/06/19 22:54:11
111のまとめ
題材がありきたり。
テーマを絞れてない。

結論とはなんぞ?←いまココ

116:115
08/06/19 22:55:09
リロードorz

117:名無し物書き@推敲中?
08/06/19 23:00:27
結論てなによ?

118:本人
08/06/19 23:06:12
>>114
今回は敢えてありきたりのテーマにしてみたんです。
オチに頼り過ぎているとすでに言われていますが、自分は最後の一行で文章中に
ちりばめられた不可解な文章が理解できるという狙いだったんです。
例えば
「ランドセルは男が黒、女が赤ってわけじゃないよね」の箇所です。

119:名無し物書き@推敲中?
08/06/19 23:06:14
テーマは恋愛観で絞れてんじゃねえの。

120:名無し物書き@推敲中?
08/06/19 23:07:26
テーマを絞ってみる
たとえばこういう風俗関係の従事者の悲惨さとかを訴えかけるとか
涙を誘うような状態を描写する

職業を通じて語る教養小説
たとえばゲーテのヴィルヘルム・マイスターのような流れ
そうなってくるとアルプスの少女ハイジも同類かな

水商売描くにしてもキャバクラとスナックでは苦労も違う
スナックのママのほうが酔っ払いの愚痴の中から様々な人間ドラマ
が見え隠れする
個人的にはそういうほうがいいかもしれないと思う


121:本人
08/06/19 23:08:12
>>112
アンチの法則??

122:名無し物書き@推敲中?
08/06/19 23:11:08
聞きたいと思うことはいっぱいある
こういう文章を作ろうと思った動機
たとえば尊敬する作家の文章を真似てみたいとか

そういうのがあれば置き換えてしまえばいい


123:名無し物書き@推敲中?
08/06/19 23:11:30
ふふふ。アンチの法則ですよ。

124:名無し物書き@推敲中?
08/06/19 23:13:19
キャバクラを描いてみるのならば
そこから見え隠れする社会の歪み
を訴えかけてみるとか
いかがだろうか


125:本人
08/06/19 23:23:21
>>120
分かりますよ。
実際、そうゆう現場を見てきましたから書けるんですが。今回は何度も言うように
主人公が『男』だというミスリードに重点を起きたかったんです。
最近で言うならば『イニシエーションラブ』のような感覚とでも申しましょうか。

>>122
自分なりに読みやすさとういのを追求してはダメでしょうか?
それ以前の問題といわれていますが…。

>>123
気になります。

126:名無し物書き@推敲中?
08/06/19 23:28:42
ミスリード誘うのに描写省いたんかよw

127:本人
08/06/19 23:34:43
>>126
はい。
だからあまり詳しく書けないのです。
それくらいの才能って事でしょうけど…。

128:名無し物書き@推敲中?
08/06/19 23:36:03
自分は今西欧の古典文学にはまって10年になるので
そういう色眼鏡で見てしまう傾向が強いのですが
そうした文学からの転用を盛り込むことはできないでしょうか
それもひとつの作品に偏らずに複数のものから応用を試みてみるなど


129:本人
08/06/19 23:40:45
>>128
古典文学ですか。
参考にしてみたいとは思います。
みなさんいい人過ぎて……涙目です。
厳しい意見も本当にタメになります。

130:名無し物書き@推敲中?
08/06/19 23:41:24
ミスリードに嵌った俺はorz

131:本人
08/06/19 23:43:01
>>130
読んで頂き、ありがとうございます。

132:名無し物書き@推敲中?
08/06/19 23:45:19
読みやすいという観点では申し分はありません
一個人として求めたいことはメリハリ
つまり山あり谷ありであるほうが興味を惹くのではないでしょうか
没落があったり隆盛があったりと

テーマを恋愛に絞ってしまうと審査員が嫌気を起こすということも聞きます
もっと深みを入れていけば他の競合作よりも抜きん出ることもできそうでは


133:本人
08/06/19 23:48:59
>>132
そう言って頂けると励みになります。
今作での『没落』は自分の恋愛観、『隆盛』はその解決と考えているのですが。

134:名無し物書き@推敲中?
08/06/19 23:50:13
ダブルテーマ「複線」難しいぜ。伏線は逆算でなんとかなるんかな。

135:本人
08/06/19 23:51:52
>>134
どういうことですか?

136:本人
08/06/19 23:56:00
>>134
理解しました。

137:名無し物書き@推敲中?
08/06/19 23:56:42
>>135
恋愛ともうひとつテーマを平行にだぜ。電車の線路でいえば単線じゃないのだぜ。

138:名無し物書き@推敲中?
08/06/19 23:57:37
実は自分も書いています
3年を要しましたね
まだ完成していません
またここに張ろうという気持ちも今はありません
なぜならばワードで1,000ページに及ぶために張ることもままなりませんから
状況設定は政治問題で、その失策や不運から主人公が這い上がっていくというもの
昨今の国際情勢をふんだんに取り込み、その中に主人公の苦悩を描いています
リアルさを追求するために過去の新聞の縮刷版を含めて50冊以上からヒントを得ました
またその現地に足を運んだこともありますし、そこで見聞きしたこともありました
さらには古典文学の一場面を取り上げており、応用した作品もまた50冊に上ります

まあ完成すればいつかは世に問うてみようかと思っています
ルポルタージュも含めて少なくともあと20冊くらいを参考文献にしたいと思います


139:本人
08/06/20 00:01:19
>>138
ただひれ伏すのみです。
自分なんかは風俗関係や多種多様な恋愛の経験でしかモノをかけません。
だったらその分野で頑張って行きたいなと切実に思うわけです。

>>137
今回の恋愛話はメインとなっているようで実は全体のミスリードが…ってもう恥ずかしいので言わせないで下さい。

140:名無し物書き@推敲中?
08/06/20 00:04:26
古今東西の文豪にしても過去の作品を母体にしています
できれば貴方の母体が何であるかを知りたいですね
母体を確固たるものにしておけば話題性にも欠けません
映画の黒沢監督だって古典を置き換えてフィルムに
納めています
この前例を体得すれば成功策に直結するでしょう


141:本人
08/06/20 00:14:48
>>140
正直なところ明確な母体はありません。
そこが皆さんに指摘されるような浅さを生み出しているのでしょうけど。
会話が多いのもテン重視でスッと頭に入ってくるような意図でして。
140さんのようなレベルの話ではないですよ。

142:名無し物書き@推敲中?
08/06/20 00:19:19
138ですが、あくまで狂った政治がどう個人の中に悪弊をもたらすかをテーマにしています。
登場人物には当然非業の死を遂げる人も多くいますし、スリリングな戦闘シーンも数度に渡り
出現しています。日本に限定しておらず場面は数カ国に及びます。
その中には主人公を苛む人間も多数おります。
でも先ほどの説明どおり、容量の大きさから貼れません。あしからず了承ください。文庫本で
1, 400㌻に匹敵します。

でもいつかは日の目を見てもらうよう鋭意努力しています。貴方の作品とは全く異質ですが、
いつかはお互いに競いあう関係でも築き上げましょう。

またここは良いスレです。今日は遅いのでこのあたりにしていきますが、また翌日以降に
書き込みしましょう。


143:本人
08/06/20 00:24:33
>>138
ええ。
自分のテーマとは全く異にしますが聞いているだけで惹かれる自分がいるのも事実。
まだまだ初心者もいいところですが励みになります。
ありがとうございます。


144:本人
08/06/20 00:35:23
もっとアドバイスなどありましたらお願いしたいのですが…。

145:名無し物書き@推敲中?
08/06/20 00:42:05
ここに書いてあるのコピーして応募しゅる

146:本人
08/06/20 00:51:55
>>145
習作にも満たないですけどね…。
お好きになさってください。

147:名無し物書き@推敲中?
08/06/20 12:44:55
確かにキャバクラの展開がいかされていないか…。

148:名無し物書き@推敲中?
08/06/20 13:49:04
恋愛経験が豊富といってるけど、表現力が乏しいせいか不自然さばかりが目につくな。
なんだか二、三、恋愛をした人間があらぬことか達観して、写実主義を標榜しながら書いた作品みたい。
続けてればモノになるとおもうよ!

149:本人
08/06/20 15:19:00

ありがとうございます。
豊富ではないんですけどね…。
不自然さとは具体的にはどういった所ですか?

150:名無し物書き@推敲中?
08/06/20 21:36:06
>>1
女か?

151:名無し物書き@推敲中?
08/06/20 21:37:19
おもしろいっちゃおもしろいけど…

152:名無し物書き@推敲中?
08/06/20 23:42:45
伏線の張り方に工夫が欲しかった。

153:130
08/06/21 00:03:42
こーちゃんを最後まで男性主人公と呼んだorz
こーちゃんの悩みは性同一性障害で女性になりたい男性なんだとばっかり思ってた俺orz

男目線で呼んだ一簡素です。

154:名無し物書き@推敲中?
08/06/21 00:15:51
そういう読み方もあるってことは、落ちを固定しないでどうにでもとれる形で終えるとか。
読み手の解釈に委ねる落ちかたっていうのか。賽子をふって角で立たせるようなものか。出目が確定しなくてむず痒さを残すだけなのだろうか?

155:名無し物書き@推敲中?
08/06/21 00:16:35
読んでみて思うことは、筆者の語彙が不足がちに見える。
では語彙を増やすにはどうするか。
辞書を頭から読み進めるのではなくして、文豪の作品を
可能な限り読みこなすことで補うのがよかろう。
三島由紀夫、北杜夫、遠藤周作などいかがかな。
外国文学もいいのだが、どうしても訳者に偏りがある。


156:本人
08/06/21 00:21:00
>>153
ようするに『琴美ちゃん』と言っても主人公が女だったのか、という騙されたといった
感覚はないのですかね?

>>154
それでは困ります。

>>155
語彙力のなさは痛感しております。

157:130
08/06/21 00:26:55
>>156
騙されたという気持ちなかったです。というか、なんで?
こーちゃんの女装シーンがないんだ!とorz
申し訳ない読めない君でorz

158:名無し物書き@推敲中?
08/06/21 00:41:27
後忘れてはいけない作家に、安部公房、中島敦がいる。

159:名無し物書き@推敲中?
08/06/21 00:59:56
安部公房、中島敦、北杜夫、三島由紀夫、遠藤周作あたりをぱくっちゃえ。
でも没後50年していない作家をぱくると著作権がからんでくるから、参考
にする程度かな。
後描写に力点をおくのならば、トルストイやトーマス・マンあたりを参考に
する。描写の鋭さだったらトルストイよりもマンやヘッセのほうが上をいく。


160:名無し物書き@推敲中?
08/06/21 01:25:13
狐狸庵先生はいまでも、珈琲のコマーシャルに出演されている。
おかげで、読者の俺としてはゴールドブレンドをつい買ってしまう。
カップを傾け、どくとるマンボウ航海記のページを捲りたいのだが、
はて、どこに仕舞ったのやら。探している内に珈琲を飲み終えてしまった。

161:名無し物書き@推敲中?
08/06/21 01:25:52
ぱくっちゃうのは文体程度。表現力とかを盗む。
本当のこといえば、文豪の作品を最低でも
100冊読んでから作文したほうがいいのでは

トルストイ、ドストエフスキー、プーシキン、
ゴーゴリ、ゴーリキー、チェーホフ、
モーパッサン、フローベール、ゾラ、バルザック、
プルースト、ロマン・ロラン、マルロー、
ディケンズ、サッカレー、ブロンテ、ジョイス、
マン、カフカ、リルケ、ゲーテ、シラーなど。

こういう作家の長編は難しいから、短編や戯曲
などを100くらい読んだ後に推敲したほうが
いいのではないか。


162:名無し物書き@推敲中?
08/06/21 01:39:51
アメリカ文学忘れた
スタインベック、ヘミングウェイ、ポー、ドライザー、ホーソン。
それから中国文学の魯迅。
こういう作家は短編が多いから、100作品読むことだな。100
とは最低ということ。多ければ多いほどいい。200読んでもいい
おっとそれから日本文学でも泉鏡花、夏目漱石、森鴎外なども捨て
てはいけない。
どこかに応募しようにも、少なくとも上記の作家を少しでも齧って
おかないと、物笑いの種にされてしまう。


163:名無し物書き@推敲中?
08/06/21 02:01:20
上で挙げた作家の作品を大量に読んでいくと、技法とかが身についてくる。
題材は独自でもいいが、その中に身につけた技法を編みこんでいく。


164:名無し物書き@推敲中?
08/06/21 02:08:38
>>156
130君は
琴美ちゃんを源氏名と思っちゃたんじゃね

165:名無し物書き@推敲中?
08/06/21 03:24:17
どんな作家にもぱくりは見られる
三島由紀夫もギリシア古典を日本に置き換えているし、芥川龍之介、夏目漱石だって目ぼしい外国作品を
取り入れている。ジョイスのホメロスぱくりに、トーマス・マンのゲーテ、シラー応用もその範疇。
北杜夫もまたマンを自作に展開している。
ところでここのスレ主は女性だろうから、ブロンテ姉妹やマンスフィールドも模してみる気概はないのか。


166:名無し物書き@推敲中?
08/06/21 10:54:50
骨格はこれでも通用するのだから、後は文章力の素養をつけるという意味からも、
巨匠の作品を濫読することだな。今ついている余分な贅肉をおとし、文豪の作品
からの応用で頑健で強固なものへと仕立てていく。そういう作業が今後必要と
されるんじゃないのか。


167:名無し物書き@推敲中?
08/06/21 11:32:13
余分な贅肉
さっぱりわからん俺あたま悪いかもしれんorz

168:名無し物書き@推敲中?
08/06/21 11:40:31
贅肉という言葉が悪かったかも
骨組みはそのまま残しておいて、肉付けデある文章をもう一度見直してみる必要がある。


169:本人
08/06/21 11:55:18
なんか色々アドバイスありがとうございます。
文学としては『どんでん返し』系の方しか読んでいないため、みなさんが参考にしてみてはとおっしゃった本を読んでみようかと思います。
本当に感謝しています。

日本ラブストーリー大賞にも一つ出すつもりです。

170:名無し物書き@推敲中?
08/06/21 12:05:01
ところで一番聞きたかったのは、あなたはモーパッサンの「テリエ館」って
読んだことあるかな。
最初これ読んだときはそれを母体にしたかと思った。
読んでいないなら読んだほうがいい。
どちらかというと風俗系の女性を扱っているから参考にはなる。
それに短編だから2時間もあれば読めてしまう。


171:名無し物書き@推敲中?
08/06/21 12:07:04
あと忘れていたけども、リルケの「ポルトガル文」なんて作品は
こういうのにはあっている。
これは3時間コースの作品かな。


172:名無し物書き@推敲中?
08/06/21 12:12:00
モーパッサン「テリエ」とリルケの「ポルトガル文」
読んだら感想聞かせて欲しい。
これを題材にしたら審査員はほめてくれるだろうな。

173:名無し物書き@推敲中?
08/06/21 12:21:52
なんか参考になるわ

174:名無し物書き@推敲中?
08/06/21 12:26:26
最初166の余分な贅肉の意味わかんなかったけれど何回も読み直したわ

175:名無し物書き@推敲中?
08/06/21 12:30:26
地の文章に余分な贅肉を感じられなかった俺orz
同じものを見て触れて、それでいて俺とみているものが違うわ

176:名無し物書き@推敲中?
08/06/21 12:40:06
つまりストーリーの骨組みは生かしておいて、文豪の作品からの借用を肉付けにできないかな
という意味。


177:名無し物書き@推敲中?
08/06/21 12:50:10
付け加えが多いけども、ドストエフスキーの処女作って知ってる。
「貧しき人々」という比較的恋愛をテーマにした作品なんだよね。
「白夜」もそういう部類に入るんだけど、知らないかな。
ツルゲーネフにも「アーシャ」ってあってこれも恋を描いている。
ヘンリー・ジェームスは、ツルゲーネフに習って「デイジー・ミラー」
を残している。
モーパッサン、リルケ、ドストエフスキー、ツルゲーネフ、ジェームズ
の6作品を融合させると、結構凄い作品に仕上がりそうだけどな。


178:名無し物書き@推敲中?
08/06/21 13:30:12
ツルゲーネフには「初恋」「ファウスト」があったな。いまじゃあ入手困難なドストエフスキーの「初恋」もいい。
ドイツのシュトルムの「みずうみ」もそういう部類か。
まあこういうの読んでみてからでないと入賞は難しいかも。
ここまであげてみると10作品か。恋愛だけでも巨匠は相当数書いている。
まあでも安心していいよ。この10作品は全部短編だから、手に入れば読むのに一月もかからない。そのかわり必ず読めといいたい。それで読んだらその近況をスレ主はここに表明すること。
こういうのを参考にして文章を再構築することができる。


179:本人
08/06/21 13:41:34
おお。
なんか知らない方々の作品ばかりです。
お恥ずかしい…。
図書館に置かれてるでしょうか??

180:名無し物書き@推敲中?
08/06/21 14:06:20
ツルゲーネフの「アーシャ」「ファウスト」は新潮からでていて1冊にまとまっている。
俺は両作品とも1時間で読んだ。ヘンリー・ジェームスの「デイジー・ミラー」も同じ
新潮からでていてかなり薄い。ドストエフスキーの「白夜」は角川だったかな。同じく
「貧しき人々」も新潮で200ページくらい。だから少し長いかなっていう程度。
モーパッサンの「テリエ館」は「脂肪の塊」と一緒になっている。同じく新潮。短い。
このテリエをキャバクラに置き換えることはできないか。テリエは100ページ以下。
ブックオフで安い。100円で買える。なぜならネームバリューで気圧されて敬遠
する人が多いから。でも読んでみて文体は難しくもない。訳も悪くはない。
ドストエフスキー、ツルゲーネフ、ヘンリー・ジェームズ、モーパッサン読んだという
ことになれば、十分に箔がつく。どこへ行っても恥ずかしくない。褒められる。
審査員がこういうのを知らないといったら、俺だったらそいつらをバカにしてやる。
いっそのこと、ネットで検索して買ってもいいかも。

ツルゲーネフの「初恋」「アーシャ」「ファウスト」は短編ながらも世界的評価が高い。
ヘンリー・ジェームズは英米文学の巨匠。ツルゲーネフはロシアの文豪。
ドストエフスキーは言わずと知れた世界の巨匠。本当は「カラマーゾフの兄弟」「罪と罰」
といいたいところだが、若年層には無理。でもドストエフスキーはドストエフスキー。
腐ってもドストエフスキー。トルストイは恋愛物あるけど出回っていない。トルストイは
長編になってしまう。


181:本人
08/06/21 15:07:08
ほう~。
ちょっと今日にでも古本屋をあたってみます。
でもあくまで稚拙な文章力を鍛えるために読みます。独自性はかえたくありません。
もっと『主人公は女だったのか~』って騙されるような感じになるようにしたいです…。

182:名無し物書き@推敲中?
08/06/21 15:29:35
>>166
余分な贅肉とは具体的にどういったところでしょうか?

183:名無し物書き@推敲中?
08/06/21 19:51:05
まだ言っている
だから贅肉という表現はとりあずなしにしとく
骨組みは変えなくてもいいから
肉付けをもっと綺麗にしようということ


184:本人
08/06/21 20:04:17
頑張ってみます!!

185:名無し物書き@推敲中?
08/06/21 20:04:30
ところでスレ主はどうした
俺が挙げた10冊のうち5冊でも手にいれたのかな
早く読んで感想聞かせて欲しいな
あれだけ巨匠の作品を列挙したんだから
少しは上達できるんじゃないかな


186:名無し物書き@推敲中?
08/06/21 20:26:20
せっかちさんだな

187:名無し物書き@推敲中?
08/06/21 21:03:34
スレ主どうした
本当に読んでいるのか
スレ立てるほどの意気込みだったならば
巨匠の作品のデッドコピーとまではいかずとも
参考として自作に取り込むくらいの気概があってもいいのではないのか
恋愛小説書くのならばドストエフスキー「貧しき人々」「白夜」
モーパッサン「テリエ館」ツルゲーネフ「初恋」「アーシャ」「ファウスト」
ヘンリー・ジェームス「デイジー・ミラー」くらいは知っておく、いや
読んでおかないとな。後加えておくとトーマス・マンの「トニオ・クレーガー」
「ベニスに死す」なんかも新潮からでてるから読んでおいてからがいいな


188:本人
08/06/21 21:31:39
>>187
すいません。
まだ探してもいません。
「テリエ館」と「しぼうの塊」をまず読みます。

189:名無し物書き@推敲中?
08/06/21 22:15:33
「テリエ館」と「脂肪の塊」は結構面白い
脂肪の塊ってかなり汚いずるい設定なんだよな
普仏戦争でプロシア軍の捕虜になった奴らが
誰を犠牲にしようかと企む


190:名無し物書き@推敲中?
08/06/21 22:18:29
URLリンク(love6.2ch.net)少なくともここに自分の意見を出せるくらいになってから応募してもいいのでは


191:本人
08/06/21 22:20:15
>>189
ほうほう。

>>190
どういった意図ですか?

192:名無し物書き@推敲中?
08/06/21 22:58:39
要するに古典文学に精通するということは、世界共通の芸術に触れるということ。
実際に古典文学を母体とした偉大な文学も少なくはない。
オデッセイアとジェームズ・ジョイスの「ユリシーズ」の関係とかゲーテと
トーマス・マンとか
だからぱくりも決して悪いとはいえない

古典文学というのは、その時代に幾多とあった作品群の中から生き残った名作ばかり。
美術のピカソやゴッホに耽溺するように、音楽のベートーベンやワーグナーを愛好
するように、古典文学を愛読したほうがよいということ。
事実ベートーベンも知らないような音楽家の奏でるメロディなんて聞きたくないでしょう。
それと一緒で古典文学的素養のない人の作品は読みたくなくなってしまう。

それもそうとして上では課題図書を与えたんだから、とりあえず何冊か読みなさい。
実は課題としては比較的軽いほうで、皆読みやすい短編ばかりを挙げた。


193:名無し物書き@推敲中?
08/06/22 00:08:08
もう寝たか
まあ折角の土日だから読書三昧もいいかもしれない
少しでも巨匠の作品から学べれば上達することだろう


194:名無し物書き@推敲中?
08/06/22 00:36:52
でもここはクソみたいスレではないようだ
まあ巨匠に触れる
名著に触れる
これさえ実行すればいいとこまでいきそう


195:本人
08/06/22 10:39:12
励みになります。
急かされても当方今学校が少し忙しいものなので、ゆっくりですが必ず提案して頂いた書籍は読みたいと思います。

196:名無し物書き@推敲中?
08/06/22 12:24:12
今日は関東地方は雨の日
読書には最適な日
学生が読書といえば専門書
だから専門書放り投げて文学にどっぷり漬かるというのも推奨できない
また読んでくれといわれた作品についてもまずは人物を知れというのが鉄則
学生じゃあまだまだ読書量は多いとはいえまい
でも読書というのは人生を通じての目標
そういう俺も読書を人生の糧にしてからほぼ10年
西洋文学に偏っているものの年間で文庫文相当で10,000ページ。
中には自分自身の姿を見出した作品もあってその続編を書こうともした。
学生だとまだ人生の経験の少なさからもどうしても底は浅いものといえる
まずは古今東西の名著を耽読することから始めれば・・・
一日一時間の読書で年間数十冊には及ぶ
まあまずは読書量を増やすことだな


197:名無し物書き@推敲中?
08/06/22 12:56:15
>>196
>自分自身の姿を見出した作品もあってその続編を書こうともした。
凄い。
写経っていうのかどうか言い方すらもわからないのですが、お気に入りの作品を一字一句書き取るということはやられないのでしょうか?
私は過去にパソコン書きではありますが、300ページほどの本を一冊だけですが目次も含めて書き取ったことがあります。

198:名無し物書き@推敲中?
08/06/22 13:37:39
実はかつて読んだことのあるロシアの文豪の作品が、
まるで自分自身のことでも描いているかのように
思えたことがあった。ゴーゴリの「外套」
「狂人日記」にドストエフスキーの「貧しき人々」
「二重人格」「地下室の手記」。こういう作品の特徴には、
現代のビジネスマンの世界にもあてはまってくる。

199:名無し物書き@推敲中?
08/06/22 13:50:04
>>197
300ページというのは文庫でということ?
それとも豪華版の文字数の多い本でということ?
それともワードを目いっぱい広げてということ?
ワードにめっぱいだと文庫3ページに相当するから
上下の分冊にしないといけないほど。



200:名無し物書き@推敲中?
08/06/22 13:56:34
まず自作を公表するにしても、現実としては売れるかどうかは未知数。
100万部のベストセラーになれば、億単位の収入があるから生活は
安定するものの、大部分の人が1万部も売れるかどうかといった
ところ。


201:名無し物書き@推敲中?
08/06/22 14:09:59
>>198>>199
失礼しました。文庫本で300ページ強です。
大変、勉強になりました。ありがとうございます。

202:名無し物書き@推敲中?
08/06/22 14:48:29
>>201
でも文庫相当で300ページといえば分量はかなりのもの
カミュの「ペスト」もそれくらいの分量に匹敵するから
内容的に問題がなければ相応の評価は得られるものと
思われる
短編だと文章の流麗さとかが求められるけども、長編と
なると文章の拙さなんてものはそうは気にかからないもの。
長編こそ文章力よりも、内容の深さが問われてくるよね。



203:本人
08/06/22 17:42:11
テスト受けていました。
みなさん空のうえの存在ですね。
でも自分も恋愛小説の長編をいつくか同時で書いています。


204:本人
08/06/22 18:16:32

ほらここでも語彙力不足。空のうえって…。

205:名無し物書き@推敲中?
08/06/22 20:01:12
雲の上の存在

ところであなたは学生らしいが、一日にどれくらいの時間を読書に費やせるのか。
全く読書の時間がとれないということはいえないだろう。
一日一時間ればいうことはないが、最低でも15分をそっちに割いてみたらどうか。


206:名無し物書き@推敲中?
08/06/22 20:05:43
読書なんかするよりさ、連れとサッカーして、その後コンパ。こっちのメニューの方が有意義っすよ。(*^_^*)

207:名無し物書き@推敲中?
08/06/22 20:10:06
それから、あなたがどういう学問分野を専攻しているか知らないが、
今の学問に読書がどうしての障りがでてくるということでもあるのか。
ないと思う。だから一日に一時間以内を読書に費やすことを勧める。


208:名無し物書き@推敲中?
08/06/22 20:18:33
>>206
そーゆうのは飽きるほどやりました。すいません。

>>207
読書は日課にしていきたいと思います。
思いますではなくやります。

209:名無し物書き@推敲中?
08/06/22 20:40:07
月並みな遊びに精を出す程度ならば、文章を作ることなどあきらめたほうがいい。
文学の持つ奥の深さは計り知れない。


210:名無し物書き@推敲中?
08/06/22 20:48:46
でも読書によって世界的な名声を得た人もいる。
映画の黒澤明監督などは、ヨーロッパ文学への精通者で知られる。
ドストエフスキーの「白痴」ゴーリキーの「どん底」
特にドストエフスキーとシェークスピアへの傾注が大きいため、
それが世界的な20世紀最大の巨匠として伸し上がった。


211:本人
08/06/22 21:17:13
>>209
奥深さ…ひしひしと感じております。

212:名無し物書き@推敲中?
08/06/22 21:17:32
いやいや、読書なんかね。有害ですらありますよ。時としてね。「ブンガク的な体験」つまり人生をエスキスとして、経験する瞬間ってのが、活字を読むことでしか起きえないという誤解が、文化を衰弱させる原因でもある。(*^_^*)

213:本人
08/06/22 22:15:01
>>212
なるほど~。
これまた奥深い。

214:名無し物書き@推敲中?
08/06/22 22:46:56
先生みたいに振る舞っているひとがいるが
本人の実力はいかほどのものなのだろう。
プロではない気がするが、まさか万年一次落ちなんてこともないだろうしね。

215:名無し物書き@推敲中?
08/06/22 22:51:22
俺も週に7時間は読書に費やしている。おかげで400冊以上も読むことができた。
トーマス・マンは全集を読んだし、トルストイは全作品の半分くらい読めたし、
ドストエフスキーも三分の一くらい読みこなした。でも今トルストイもドストエフスキー
も、その全集を探し出すことが難しい時代だから完全制覇はできそうにない。
そのかわりにゲーテやシラーも半分くらいは読んだし、読んだ作家の数は80人にも及ぶ。
ヨーロッパ文学に偏っているが、それはそれでいいと思う。ある人がいっていたが、
大量の読書をこなすということが技であり、日本人には今それがかけているともいわれて
いる。


216:名無し物書き@推敲中?
08/06/22 23:07:20
先生ではないよ。こうしてスレまで持ち上げるのならば、少し手助けをしてもいいかもしれないと思うこと。
自分でも自作を書いている。ワードを目いっぱい広げて執筆しているだが、それだけで700ページにも及んでいる。
未だ時期尚早のためにも、どこにも応募したことはない。文庫相当で2,000ページを超えるだけの執筆をこなしてみた。やはりその原典には古典文学への傾注が見られることを否定できない。
これだけの分量をこなしていったのは、自分の後世への遺書として書き続けたもの。人はいつかは死を迎える。
だからこそ、自分の生きた証を残して生きたい。文章は時代を超えて連綿と続く魂のようなもの。幽霊になって
化けてくるよりも、いくまでも誇る魂を残すほうがはるかに有意義ではないだろうか。文章とは先人の魂のような
もの。しかも即効性を追求するよりも、自分の生きた時代を可能な限り後世に伝えることに大きな意義がある。
文章こそ幽霊のようなわけわからないもの以上に魂を伝えることができる。


217:名無し物書き@推敲中?
08/06/22 23:08:01
ヨーロッパの古典文学なんて読まなきゃいけないもんではないよ。
教養が欲しいか、真剣に文学したいなら読むのもいいんじゃない?って感じ。
普通の一般人向けの小説書くのにドストエフスキーやトルストイなんか必要ない。
「文章力」云々言っても所詮は訳文だし。


>>1が書きたいような小説で役に立ちそうなのっつったら、
村上春樹
江國香織
小川洋子
あたりをじっくり読めばそれだけでも良い恋愛小説をすらすら書けるようになるし、アイディアも増えるはず。
やっぱり、たくさんの人に好かれる有名どころを読んでおくのが一番だよ。

それからもっと小説の技法とかを吸収したいなら、
川端康成
三島由紀夫
谷崎潤一郎
島崎藤村
の有名な作品とかを読めば良い。

無理して難しいもの読まなくてもね、最後には>>1のアイディアと表現力の問題なんだからさ。
>>1がここに載せた作品は確かにまだまだレベルは低いけど、
ちゃんと一作書き上げる事が出来るのはすごい事だよ。それだけでも胸を張って良い

がんばれ

218:名無し物書き@推敲中?
08/06/22 23:11:38
文章に長時間かけて魂を注入することは、死後の世界にまで存在価値を残せることになる。
幽霊として祟りを残し以上に、後世の人間に自分の考えを伝えることができる。


219:本人
08/06/23 01:36:52
>>216
毎レス毎レスありがとうございます。

>>217
せっかく自分のためにご提示して頂いたので何冊かは読みます。
恋愛物語に驚きを混ぜた作品にしたいなと。
ご指南感謝します。
今回掲載した作品のレベルをあげるにあたって何かアドバイス等はありますでしょうか?

220:名無し物書き@推敲中?
08/06/23 23:27:30
(´Д`)

221:名無し物書き@推敲中?
08/06/23 23:49:28
うお、めっちゃ短期間で伸びてるじゃないかこのスレ

俺の時はry

もっかい書くから読んでry

222:名無し物書き@推敲中?
08/06/23 23:52:06
いいよ
スレが伸びるか伸びないか保証はないよ

223:名無し物書き@推敲中?
08/06/23 23:53:48
ここでやるなら1に了解もらったほうがいいかもよ

224:名無し物書き@推敲中?
08/06/24 00:04:07
いや、1には頑張ってもらいたいからここではやめとくよ。
俺はひっそりCOLDPLAYでも聞きながらこつこつ書くよ。
どうせ上げた所で叩き落とされて終わるからなorz

225:130
08/06/24 00:23:56
叩き落としたりとかないと…… 少なくとも俺しないです。

226:名無し物書き@推敲中?
08/06/24 00:31:01
ハルキやカオリは現役
そういうのをぱくると損害賠償に発展する
だから著作権の切れたドストエフスキー、ツルゲーネフ、ヘンリー・ジェームスを紹介しているんだ
もしもここのスレ主がハルキ、カオリとかぱくって、ここに文章あげたらどういうことになるか。
どうも著作権のことを知らないようだから、あえて古典文学を読むようにとしている。
それに皆短編で若年層に難しくないのを挙げている。
ハルキ、カオリ読むことは否定しないけど、現役は注意しないといけない。没後50年いや70年目安
が無難。


227:名無し物書き@推敲中?
08/06/24 01:03:36
俺がドストエフスキー、ツルゲーネフ、モーパッサン、ヘンリー・ジェームスと
急かしているから伸びている
俺はスレ主みたいに学生じゃない
俺はmビジネスマンで今日も帰るのがおそかった 今週は送別会に懇親会は目白押し
まあ明日は早く帰れるから、もっと色々書き子ができる。
だから上記の4作家を少しでもかじれることを
期待する
英米、フランス、ロシアの文豪だ どこへ出しても恥じ入ることはない だから読んで
盗んで自分自身のものとして会得することだ。 4人挙げれば偏向も少ない

またここのスレヌシは他のと違って気概がありそう だから心の底では期待のしている
早く読んでもらって会得して欲しい
おっと注意しておくが、ハルキ、カオリは参考にしておくに留めること。母体や影響を
受けるのは、初心者には古典で十分。


228:名無し物書き@推敲中?
08/06/24 01:15:34
ところで課題図書の入手はうあまくいったか
一ヶ月で読了できそうな分量だ
それを読んで自分の小説と比較することだ
最低5冊読めば大きな影響を受けそうだ
またm表現力も向上する
読んだら是非感想をここに貼り付けて欲しい
さらに自分に足りないものを知ることにもなる



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