09/02/14 15:57:35
おk。書き直してみたよ。
佑子はかねてより肩凝りに悩まされていた。ぼんやりとテレビを眺めてはため息をつく。小学生の息子が母親の肩を叩くドラマのシーンに、そういえばうちの子もよく肩叩きをやってくれていたな、と思い出した。
お母さん、もういい?
不意に息子の声がしたような気がして、テレビの音声をリモコンでオフにする。あたりを見回してみる。が、祐子がひとり座していた八畳の間はしんと静まりかえっていて、時さえ止まっているかのようだった。佑子は笑みを洩らし、「お母さん、もういい?」―
過日、交通事故で亡くなった一人息子、翔太の口癖だった。飽きっぽい子で、家の手伝いをやらせても、宿題をやるように言っても、すぐにそう訊いてきた。まだ、これからよ。これからじゃない。祐子はそのたびに自分がそう答えていたのを思い出して目頭が熱くなってきた。
「まだ、これからよ。これからじゃない?」
祐子は立ち上がると、ぐるぐると首と肩を回して、洗濯物を取り込みに庭へと出ていった。