08/05/07 02:31:39
「諦めるの? 」
痛烈な視線で。
痛烈な調子で。
痛烈な言葉を。
放ったのは、一人の少女だった。
「諦めるって……」
あまりに突然のことだったから。
詰まって。
大きく間を置いて。
僕は答えた。
「諦めるんでしょ、今日の大会」
何も答えられず、僕は立ち尽くす。
諦めるも何も、もう、どうしようもないじゃないか。
これ以上、僕に、どうしろって言うんだ。
もう、十分じゃないか。
十分、頑張ったじゃないか。
何も答えられずにいる僕に嫌気が差したのか。
しばらく、僕を戒めるように見つめていたその少女は、
駆け出していってしまった。
びっくりした。
はじめてだったから。
顔も知らない人に、いきなりそんなことを言われるだなんて。