07/11/19 21:42:46
女は決意した。
睡眠不足だし、足の先は冷えるしで、とても体調が万全とは思えない。
それでも、と、女は包丁を手に取り、包丁の意外な軽さに驚かされる。
本当にこんなもので、やれるのだろうか。
しかし今までぐずぐずと先伸ばしにしてきた。
決意しなくてはならない。
私はやる。
しかし私にできるだろうか。
もとはと言えば、母親のまいた種ではないか…。
男のアドバイスを、女は思い出す。
「慎重にやれ。じゃないとおまえの方がやられるぞ。最悪指がなくなる…」
女は立ち尽くした。
そうだ、慎重にやらなくては。
そして女の部屋の片隅には、段ボール箱が置かれてある。
その段ボール箱からは紙片がのぞく。
その紙片にはこう書かれてあった。
「今年もたくさんカボチャがなりましたので少し送ります/母」
女は包丁を握りしめる。
カボチャはとても固そうだ…。