07/09/25 00:15:04
おまいらに、今日の産経新聞に載っていた角野光代先生のお言葉を読ませてやる。
(以下、一部引用)
2、3年ほど前から、私もいくつか、小説の新人賞の選考委員をやらせていただいて
いる。はじめたときの感想は、「こんなにたいへんだったのか!」である。それは
今でも変わらない。
私はものを書きはじめてから10年ほど、賞の候補になってはおもしろいほど落ちて
おり、「選考委員は気楽でいいよなー」と思っていた。この小説はいい、これはつま
らないと勝手を言って、落ちた人の気持ちなんて考えたこともないんだろうと思って
いた。
とんでもない誤解だったと、今思う。
(中略)
私は選考会の数日前には必ず夢を見る。ある小説を自分だけがいいと言い、ほかの
選考委員を泣きそうになりながら説得する夢で、ジャンル分けすれば悪夢だと思う。
(中略)
最近思うのは、そこにそろった選考委員全員が大マルをつける小説などないのでは
ないか、ということである。選ばれる小説というのは、たいてい強い反対と強い賛成が
ある。ひょっとしたらそういうもののほうが、全員一致の小説よりも、得体の知れない
力を持っているのかもしれない。