07/09/17 03:54:35
床に着地。
立ち上がって振り返り、荻野を見る。
「なんや? エラい甘い匂いするよ?」
俺は自分の口元に手のひらを当て、『息するな!』とジェスチャーしてみる。
「意味分からんで、鈴木?」
狐っぽい笑いをこちらに向けてくる。ダメだこりゃ。
俺は荻野に駆け寄る。
「ちょ、なんや?」
俺は息を止めたまま荻野の鞄を取って押し付ける。
荻野は鞄を抱きしめるようにして受け取った。
「なんなんよ!? 意味分からへんで自分」
胸が締め付けられられる感覚。それでも息は止めたまま。
俺は自分の鞄を取り、荻野の肩を掴む。
「!?」
なぜか頬を朱に染めた荻野の肩を引きながら、教室を出た。