07/09/02 14:45:42
>>645 ラノベというか、漫画じゃん。やるなら激戦っぽさを出そうぜ。
中空を、二つの輝きが乱舞する―!!
異なる光はうねり、混ざり合い、荒れ狂う。
瞬間、光が弾け、周囲に連続した爆音が轟いた。
「くっ……」
一人の少女が、荒廃した大地を走り抜ける。
ここには、少女の命を奪おうとする存在と、そこいら中に転がる無数の死体(それも五体満足ではない)を除けば、辺りは草一本生えてはいない。
「ひゃはぁ! ジュエルもそろそろ底が尽きてきたか!?」
駆ける彼女の後方から、追う者の下品な笑い声が、風に乗って聞こえてくる。
彼女の名前は、ジュエルらしい。
ジュエルは顔を歪め、地を蹴り、さらに速度を上げようとする。
しかしその時、ころん、とポニーテールを飛び越えて、彼女の目の前に赤い宝石が転がってきた。
「な―っ!」
ジュエルは足を止め、腰にぶら下げた革製のポーチから、別の透明な宝石を取り出し、目の前にかざす。
落ちた赤い宝石が眩い光を放ち、大気を震わす大爆発を起こした。
追う者が眼を凝らすと、爆煙の中から、透明の翼を生やした彼女が、不死鳥のように羽ばたいた。
煙幕が散り、追う者は拳を握り締め忌々しそうに声を上げる。
「あくまでも、あくまでも逃げ続ける気か!」
彼女の翼は、赤く染まった空を透かし、力強く羽ばたき飛翔する。
(あと少しだ。あと少しで)
「逃がしてたまるかよ! お前は死ななければならないんだよ! 俺のためによぉ! ひゃははははっはぁ!」