07/08/18 01:41:30
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「この星では“人間”という生命体が星全体を支配しております。
いえ、他にも数え切れない数の生命体が生息しているようなのですが、
人間がその高い知能をもってして高度な文明を築いております。」
円盤型の宇宙船に乗った、どこからやってきたかもわからない宇宙人2人。
宇宙船を月の上空に浮かべて、なにやら話している。
もう一人がさっきの話を返した。
「興味ありますな、資源も豊富だろう。何で誰も、どの星も、この星に宇宙貿易の誘いをしないのだ。」
“地球”の紹介をした宇宙人は得意げに知識をひけらかす。
「そりゃ、資源は豊富ですよ。この星は火山活動が活発なので、熱資源が豊富です。石油とかいう油で物を動かして生活しているそうですよ。人間って奴は。なにより自然がきれいです。」
「自然がきれいだってどんな風にだ」
「説明するより、実際に見たほうが早いですよ。」
彼らは猛スピードで……広大な宇宙の尺度からすればゆっくりとしたスピードに違いないが……一瞬で地球の大気圏の真上まで宇宙船を接近させた。
「この星でもトップクラスの高さを誇る山があるんですよ。宇宙人は“キリマンジャロ”って呼ぶんですけど。その山頂にかぶっている雪がきれいでね。」
彼は過去にこの星を視察したときの記憶を語った。宇宙船はその場所に向かう。
「雪なんかないじゃんかよ」
はじめてこの星を訪れた彼はいう。もう一人の宇宙人は焦った。場所は確かだと思うのだが。
「今は暑いから、雪がないんだよ。」
確かガイドブックには、年中雪がきえないとあったはず……。