07/07/15 21:49:27
朝、目が覚めました。ベットの上。暗い私の部屋。カーテンの隙間から差す一筋の光が、私を起こしてくれたみたいです。
伸びをして、首を回して、おはよう私。また今日が始まります。騒がしい毎日です。私はひんやりと冷たい床の温度を確かめながら、自室を出ることにしました。朝食を取らねばなりません。
アルミ製のドアノブを回して、一歩足を踏み出しました。二歩目は出ませんでした。私は広がる景色に我を忘れてしまったのです。
そこには野晒しの大地が広がっていました。激しくうねる乾いた暴風。雑然と林立する切り立った岩肌。舞う砂埃。そこはまるで異世界でした。
取り合えず私はドアを閉めることにしました。別になんら考えがあった訳ではありません。とにかく閉めたのです。
帰ってきた部屋は、落ち着いたいつも通りの自室でした。小さな机とその隣にあるベット、洋服が閉まってあるクローゼットに本が詰まった本棚。カーテンからは朝日が差し込んでいます。
普通でした。普通すぎました。
私は何か狐にばかされたような何とも言えない歯がゆさに襲われました。さっき見た光景が一体なんだったのか訳が分からないのです。
意を決して再びドアを開けることにしました。恐かったですが、勢いよく開きました。その先に広がる世界は極寒の雪山でした。
私はドアを叩くように閉めると、まっすぐベッドに向かいました。きっと夢なのです。夢に違いありません。そう強く願って眠ることにしました。
そう言えば、机の上に昨夜はなかったはずの青い人形があった気がしましたが、もうどうでもいいです。