07/07/23 20:19:52
93 名前:ぺんぎん ◆4wSBxlcRds 投稿日:2007/07/08(日) 20:52:41
オロナイン
二人して買い物へ。
夕闇がそろそろ近づいてきはじめていた。
街灯が、ひとつふたつ、ばらばらに点灯しはじめる。
私はKと歩いていた。
木枯らしが吹きつける人通りの少ない道路の端を、ただKと並んで歩いた。
行き先はローソンで、私は目覚まし時計の電池を、
Kはオロナインを買わなくてはならなかった。
街灯がKの掌を照らす。
赤いなあ。
「ねえ、寒いでしょう? 手はつながないの?」
と私。
「やめとけ、お前の手、ベタベタになるぞ」
Kはそう言ったが、構いやしない、無理矢理Kの手を奪って自分の手を絡めてやる。
Kの言ったとおり、手がベタベタだ。
部屋をでる直前に塗ったオロナインが私の掌につたわってきたのだ。
「でも、しもやけに効くんだ、これが」
へえ。