この三語で書け! 即興文ものスレ 第二十ニヶ条at BUN
この三語で書け! 即興文ものスレ 第二十ニヶ条 - 暇つぶし2ch550:名無し物書き@推敲中?
08/06/01 18:11:32
世の中には釣り用語と一般用語しかないのかよw
vibroseisとか仕事で使うが、この手の用語はいくらでもあるぞw

551:感想NG 1
08/06/01 21:36:32
竹藪ごしに仰いだ秋の空は、次第にまぶしさと青みとを減じていった。
琥珀を溶かしこんだような夕陽の色に包まれながら、
ぼくは痛みにも似た寝心地の悪さを認識してはいた。
三輪車なみの速度で上空を移動する飛行船に、
散漫になりがちな意識の焦点がときおりあう。
それが広告用の小型機だとぼくはマスメディアを通じてあらかじめ知っていた。
うちわを手に、笑顔をふりまく浴衣の娘たちが、その両側面にプリントされている。
なんらかの選考基準で、美少女たちと飛行船とを起用した花火大会の広告だった。
きょう、ぼくが起床したのは、新聞配達員が最初の朝刊を配り始める時刻だった。
目覚めと同時に毛布を跳ね上げたそのさまは、
バイブスも満タンと評するにふさわしかっただろう。
身支度もほどほどに向かった先は駅前のバス・ターミナルであり、
ミッドナイト・エクスプレスで帰ってくるはずの恋人を迎えるためだった。
幾度となく竿立ちをくりかえす野生馬の境地かどうかはともかく、ぼくは待った。

つづく

552:感想NG 2
08/06/01 21:38:09
つづき

しかし、終点であるはずのそのターミナルに、バスは姿を見せなかった。
代わりに現れたのはバス会社の職員であり、彼によって、
ぼくは夜行便の一台が事故を起こしたと知らされた。
やむをえない事情で彼女がその便に乗り遅れたことをぼくは願った。
しかし、まちがいなく彼女は乗車しており、その乗車券が天国への片道切符となった。
笹の葉のこすれあう乾いた音の下で、ぼくは何度目かの寝返りをうった。
サッカーに興じる児童たちの声が、道一本を隔てた公園から、いやに強い存在感をまとって聞こえた。
星々のまたたきを透かす闇の色は、いまだ地上のすべてを覆い隠そうとするそぶりを見せない。

553:名無し物書き@推敲中?
08/06/02 12:46:35
で、お題は?w

554:お題「竹藪」「秋の空」「ミッドナイト・エクスプレス」
08/06/02 20:07:01
人生。俺の人生。自由度は低い。難易度も、それなりに。
定期的に故郷へ帰る。クニへ帰る。難易度のボトムへ帰る。
ボトム。底に原点がある。底に。
そこから見上げたトップには、自由が幾らでも転がっているように見えた。
トップ。それは空で良いのだろうか。

ミッドナイト・エクスプレス。映画の題名。
そして、夜行列車の総称。鈍行もエクスプレスと呼称される。
つまり、愛称。北斗星、トワイライト、カシオペア、ムーンライトetcetc。
一つだけ拾い上げるなら、トワイライトのワードを拾い上げる。
日の出、日没後の薄明かり。夜が完全ではないことを示す、単語。

俺の故郷。俺の記憶。
故郷には、少年時代が埋まっている。発掘する作業は退屈で死ねる。
少年時代。そこには全てがあって、何もかもなかった。
それでも切ないのは、決定的な時間の差異が、未だ眠っている気がするから?

竹薮。気候条件に適している。
だから、僅かな時間の差異で、すぐさま林になる。森になる。
それでも藪と呼ぶ。適切な距離を保つ様が、日本人の気性を体現している。根は深い。深い場所に根がある。
時間の問題ではなく、記憶も、情緒も、何もかもが深い。

故郷の竹薮に分け入る。革靴で、乾燥した土を踏む。
秋の空のように、深い場所で未だ眠っているボトムを見つけようとする。
次第に西の底へと落ちていく太陽は、光量を減じ、もはや手元さえ危うくなってくる暗闇の中で、何の気はなしに空を見上げた。
物語の主人公になってしまったような気分で、自由なら、空に幾らでも転がっている、と、確信していた頃の自分をなぞる様に、見上げた空は。

変わってしまったのかどうか、一切分からない。
退屈はつづく。

555:名無し物書き@推敲中?
08/06/02 20:08:14
次は「アラビア」「夜」「種族」でヨロシクー

556:名無し物書き@推敲中?
08/06/02 20:15:24
アラビアの夜はどの種族にとっても納涼こそ最上の贅沢である

次のお題は、校門、汗、腕時計

557:名無し物書き@推敲中?
08/06/02 20:39:41
春なのに朝の風はまだ冷たい、今年中学の新1年になった加奈子はしょっぱ
なから遅刻しそうになって必死で走った校門をくぐって腕時計をみた8時19
分、ギリギリセーフだった。気温は低いのに汗だくだった。必死で走ったのだ
から当然だ。
「加奈子じゃないか?なにやってんだ?」
「先生、セーフでしょ?」
「つかお前何しに来たの?」
「あ。。。。」
加奈子は間違って卒業した小学校に来たことに気が付いた。

次のお題 「角」 「気持ちいい」 「18才」



558:名無し物書き@推敲中?
08/06/02 20:44:22
角を曲がると気持ちいい風が感じられた。18才になって最初の朝だった。

次のお題は、麒麟、エベレスト、虹

559:名無し物書き@推敲中?
08/06/02 20:56:52
角を曲がるとさーっと気持ちいい風が吹いた。
ふと足を止めて小学校を見上げる。

―ふふ。そう言えばそんなこともあったっけ。

昔の失敗を懐かしく思い出し微笑む。
彼女は横髪を大人びた仕草で整えると歩き出した。
靴下の柄が左右で違っていることには気づいていない。
加奈子18才の春であった。

次は「茶碗」「排水溝」「グレーチング」





560:名無し物書き@推敲中?
08/06/02 20:58:06
>>558
エベレストに登ると
虹の向こうに
麒麟が
見える
そうだよ。

561:名無し物書き@推敲中?
08/06/02 22:46:03
>>559
558は無効?
>>560
お題無いなら俺の書いたの乗せるぞ

562:名無し物書き@推敲中?
08/06/02 22:50:58
なぜわざわざ>>559に訊くのでしょう?
テンプレ>>1をよく読みましょう。
理解できないのなら参加を見送りましょう。

563:名無し物書き@推敲中?
08/06/02 22:51:50
中国の金持ち、周は街の路地裏で占い師に声をかけられた。
「夢にとおりになさい、さすれば必ず良いことがある」
その夜不思議な夢をみた、麒麟にまたがって虹の橋をの上を駆ける夢だった。
中国では麒麟は演技の良い動物だ、これは吉兆と思い思い切った株投資をしてみた。
周の買った株はエベレストを登っていくかのごとく上がりつづけた。
周は気を良くしてその株を全財産を使って買い増した。
周は娘を大学に行かせる資金として貯めていたお金までつぎ込んだ
このお金は周がまだ貧乏だったころに必死で働いて貯めたものだった。
さすがに注文ボタンを押すときには迷った、しかし周の財産の全額と比べたら少ないお金
だったので結局使ってしまった。
一月後、その株の株価は3倍にもなっていた。周はそろそろ売り時だと思っていた。
周は別の投資先を見つけ翌日にはそちらに乗り換える予定だった。
翌日、株式市場が開く前に大変なニュースが飛び込んできた。
周の買った株の会社に粉飾決算が発覚したのだった。株価は連日ストップ安。
結局会社はそのまま上場廃止で周に戻ってきたお金はほとんど無かった。
周は占い師の事を思い出した。
「あの占い師め謝罪と賠償をさせてやるあるね」
周は占い師を探しに街に出かけた。
     つづく

564:名無し物書き@推敲中?
08/06/02 22:56:47
次は「茶碗」「排水溝」「グレーチング」

565:561
08/06/02 22:57:35
>>562

見落としました 投稿中止、出直します。

566:名無し物書き@推敲中?
08/06/02 23:26:42
確かこの路地を抜けて次の路地を曲がって・・・
路地で迷った周は思わぬ光景出くわした、周の娘が街のチンピラに絡まれ今にも連れ去ら
れそうになっている、週は昔とったキネヅカの太極拳の必殺奥義をを繰り出してチンピラ
をぶっ飛ばした、チンピラは排水溝に落っこちた。
チンピラが溝のグレーチングを外して襲い掛かって来た。周は娘をかばってグレーチング
を背中で受け止めた。周は体勢を立て直すとまわし蹴りをチンピラの腹に決めチンピラを
撃退し、娘を連れて無事に帰った。
周の娘は3日前に家出をしていたのだが、株のことで頭がいっぱいで娘が居なくなっていた
ことすら気づかなかったのだ、そして周は気が付いた3日前どころかここ数年娘にほとんど
かまってやって無かったことを。周は目からうろこが落ちた。
「俺は何をやっていたのかあるよ。。。」
周は元々娘の幸せのために良い学校に行かせて、エリートと結婚させてやるのが夢だった。
そのために必死ではたらいて金を貯めてそれを元手に事業を起こし投資をし金を増やしま
くっていったのだった。しかし金を稼ぐことばかりに没頭し、娘を構ってやらなかった事を
後悔した。
                                 つづく

567:名無し物書き@推敲中?
08/06/02 23:28:15
つづくとかアホか!
テンプレ読めアホ!

568:名無し物書き@推敲中?
08/06/02 23:32:58
1年後、周は最後に手元に残った小さな餃子店を営んでいた、娘も店をずっと手伝っていた。
金持ちだったときより遥かに幸せに思えた。ただ一つ気がかりなのは娘を北京の一流大学に
行かせる資金はたまりそうに無かった。
「俺が不甲斐ないばっかりに苦労をかけてすまないあるよ」
「お父さんそれは言わない約束よ」
娘は茶碗を洗いながら笑顔でそういった。
そのとき電話が鳴った。
「へい、餃子の来々件あるよ」
「○X証券の珍ですが周さんが1年以上放置している株券の件について」
「株券って証券コード8033の株券の事あるか、あの会社はもう上場廃止あるよ・・」
「いえ、8031のことです株価が800倍になっております」
「え?」
「いやあ周さん先見の明がありましたね、当時上場直後で会社の規模も小さく不人気な銘柄
だったのですがアラブで井戸を掘っていて油田を掘り当てたらしく暴騰しましてね」
自分が買ったわけでもないのに証券会社の人は興奮して喋り捲っていたが周には心当たりが
無かった。
だが株は確かに買っていた1年前に娘のために貯めておいたお金で注文した時8033と入力す
るところを誤って8031と入力して注文したのだった。
誤発注でも注文は成立しているので周はまた大金持ちになった。めでたしめでたし。

15行を遥かにオーバーしたので 次の御代も「茶碗」「排水溝」「グレーチング」

569:名無し物書き@推敲中?
08/06/02 23:37:56
>>567
感想雑談は感想スレへ

570:茶碗 排水溝 グレーチング
08/06/03 07:37:41
疲労という名のバーベルをダース単位で抱えこんでいるような感覚は消えない。
しかし、フルマラソンを走り終えた時の達成感に似た感覚もはっきりと覚えていた。
ついにここまでたどり着いたのだ。世界中を駆けずり回った挙げ句、目的のものはご町内にあった。
しかも中学時代の通学路にである。灯台もと暗しもいいところだが、
過去よりは未来を、悔恨よりは希望を見据えるべきだろう。
いままさに、ぼくの目前には伝説の泉があった。それはごくありふれた排水溝の、
ごくありふれた集水漕のかたちをしており、グレーチングと呼ばれる蓋も、
格子の粗いごくありふれたものだった。じつにみごとなカモフラージュだった。
ぼくは気合いのうめきとともにグレーチングをはずした。
ふるえる手に伝説の茶碗をつかんで、屈みこむとヘドロの臭いがした。
飼い主と連れだった愛玩犬の爪がアスファルトの路面をうつリズミカルな音が、
あまりの臭気にたじろいだぼくの脇を通り過ぎていった。
なにげなく音の向かった先をふりかえってみると、
麦茶色の排泄物が、電柱の根元へときれいな放物線を描きはじめたところだった。

571:名無し物書き@推敲中?
08/06/03 14:36:04
2レス以上になるなら全部書いてから間を置かずに投稿して欲しい。
次のお題が出るのか前のお題で継続していいのか判断しづらくて困る。

感想スレか裏に書こうか迷ったけど、あっちを見てない可能性もあるのでこっちに書きます。

572:お題「茶碗」「排水溝」「グレーチング」
08/06/04 17:42:48
武田勝頼の騎馬隊をフルボッコにした、織田信長の策を覚えておられるだろうか。長篠の、アレね。アレ。
鉄砲三段詰めって言うの? いや、それはどうでも良いんだけど。
俺が想像しているのは、この側溝に填まってるグレーチングが、あの作戦で使用されていた、馬防柵に似ているってコトで。
どうにか利用できないもんかな。オトヤ君。

正面対決? 用意できる火器に、向いてないよ。
ラップトップガンなんか、恐ろしく銃口跳ねまくるから。
すぐに死ねるね。暴発して死んじゃうかもしんないし。
それに、射程距離が全然不足してるよ。マカロフ一丁で、装甲車と対等に渡り合えるほど頑健なら、話は別だけど。

グラスホッパーズ。グラスホッパー。飛蝗。命名俺のチーム名。
構成員は十代の前半ばっかりで、そうだな、成長過程の肉体は、飛蝗の脚部の付け根ほどに脆いと思われる。

だろうね。グレーチング。グレーチング。側溝。側溝。
うーん、みんな嫌がるだろうけど、排水溝を使う手もあるよ。
汚水塗れになっても、戦意が萎えない前提の話。三丁目の犬飼さん家から、上級生が根城にしてる工場まで一直線。

犬飼。犬飼ね。茶碗爺の犬飼ね!
業突く張りの金の亡者。にして、幼児性愛者。虐待癖もオマケにつけてやる。でもね、オトヤ君。
そんなクソのクソにまみれて、クソどもをブッ殺しにいくなんて詩的じゃない? 因果、ここに極まれり。韻が、ここに踏まれまくり。

グラスホッパー。ホッパーズ。飛翔する者。
銃弾のホップが、距離を稼げないのなら、この足で稼ぐ。
遥かな距離を一瞬にして稼ぎ出す、グラスホッパーなこの足で。
緻密な筋肉の、柔軟性に富んだ躍動が。誇りを糧にして汚泥にまみれる精神の燃焼が、それを逆説的に証明するだろう。
だからオトヤ君、思うんだ。
誰の手によって犠牲の対価が支払われるべきか? それは、名付け親の、俺以外にないんじゃなかって。




次のお題は「アルタ前」「ギフト」「紅茶パーティー」でヨロシク

573:名無し物書き@推敲中?
08/06/07 08:36:20
裏は見ていない人間も多いと思うのでこちらで。
>>556とか>>558とか>>560とか、荒らしと変わらんカキコは無視って以前住人で取り決めた気が。
あと最近変なお題を出す人間も増えたね。
自己満足なだけの奇を衒ったお題はしらけるだけなので自粛して欲しい。

574:「アルタ前」「ギフト」「紅茶パーティー」
08/06/07 18:50:53
「紅茶パーティーいかがですか?」
中国人らしき男が話しかけてきた。まただ。最近、流行っている。
真偽の程は分からないが、ネット上のアングラな掲示板では麻薬パーティーだとか、乱交パーディーだとか、はたまた新興宗教だとか噂されている。
「では案内しますよ。」
僕はいつの間にか中国人と一緒にアルタ前へと移動していて、しかも車に乗り込むところだった。
車内ではすぐアイマスクをかけられた。位置を隠すためか、やたらと何度も曲がり角を曲がる。
僕は何とか特定してやろうと思ったが、カーブが二十回を超えたところで諦めた。
ただ覚えているのは案外と優しい運転だったということだけで、次に視界が明るくなったのは、どこかマンションの玄関だった。
奥から女の人が出てきた。ようこそ、と微笑みかけてくる。いつの間にか中国人はいなくなっていた。
「私はアリスです。今日のテーブルをさせてもらいます。」
そうですか、ここは何処なんですか。森ビルですよ。森ビル、本当ですか。いいえ、でも森ビルで良いでしょう、場所なんて関係ないから。
そうして僕は奥へと通された。どこからか甘い香りがする。家族が紅茶好きの僕には、慣れた香りだ。
アリスさんがどこからかポットを持ち出し、丸いテーブルに置く。
「どうぞ腰掛けて。今日は紅茶を飲みに来たんでしょう。」
「はい。」でも、僕は紅茶を飲みに来たのだろうか。
「いいわよ、じゃあ私たちはお友達ね。」
いいわよ、というその発音にわざとらしさを感じて、こいつは元・男なんじゃないかと思った。
アリスさんはカップに紅茶をなみなみとついだ。ポットからは際限なく紅茶が出てくる。バケツほどの大きさのカップだった。
「ではどうぞ。おいしいわよ。」
ええわかります。じゃあ全部飲みましょうね。いやです。いえ、全部飲んで下さいね。はい。
僕は何とかバケツカップを全て飲み干し、また際限なく注がれてゆく紅茶の水面にオシャレなランプが映り込んでいるのを眺めていた。
はい、次をどうぞ。はい、気品のある味と香りで、とてもおいしいです。
アリスさんは僕の友達だ。僕はまたなんとか飲み干した。
アリスさんの椅子の後ろに、洗濯機が置かれているのに気がついた。紅茶の香りがする。

「焼き肉」「言葉」「魔法」

575:574「アルタ前」「ギフト」「紅茶パーティー」改
08/06/07 18:53:37
すみません、「ギフト」が抜けていました。
「紅茶パーティーいかがですか?」
中国人らしき男が話しかけてきた。まただ。最近、流行っている。
真偽の程は分からないが、ネット上のアングラな掲示板では麻薬パーティーだとか、乱交パーディーだとか、はたまた新興宗教だとか噂されている。
「では案内しますよ。」
僕はいつの間にか中国人と一緒にアルタ前へと移動していて、しかも車に乗り込むところだった。
車内ではすぐアイマスクをかけられた。位置を隠すためか、やたらと何度も曲がり角を曲がる。
僕は何とか特定してやろうと思ったが、カーブが二十回を超えたところで諦めた。
ただ覚えているのは案外と優しい運転だったということだけで、次に視界が明るくなったのは、どこかマンションの玄関だった。
奥から女の人が出てきた。ようこそ、と微笑みかけてくる。いつの間にか中国人はいなくなっていた。
「私はアリスです。今日のテーブルをさせてもらいます。」
そうですか、ここは何処なんですか。森ビルですよ。森ビル、本当ですか。いいえ、でも森ビルで良いでしょう、場所なんて関係ないから。
そうして僕は奥へと通された。どこからか甘い香りがする。家族が紅茶好きの僕には、慣れた香りだ。
アリスさんがどこからかポットを持ち出し、丸いテーブルに置く。
「どうぞ腰掛けて。今日は紅茶を飲みに来たんでしょう。」
「はい。」でも、僕は紅茶を飲みに来たのだろうか。
「いいわよ、じゃあ私たちはお友達ね。」
いいわよ、というその発音にわざとらしさを感じて、こいつは元・男なんじゃないかと思った。
アリスさんはカップに紅茶をなみなみとついだ。ポットからは際限なく紅茶が出てくる。バケツほどの大きさのカップだった。
「ではどうぞ。おいしいわよ。」
ええわかります。じゃあ全部飲みましょうね。いやです。いえ、全部飲んで下さいね。はい。
僕は何とかバケツカップを全て飲み干し、また際限なく注がれてゆく紅茶の水面にオシャレなランプが映り込んでいるのを眺めていた。
はい、次をどうぞ。はい、気品のある味と香りで、とてもおいしいです。
アリスさんは僕の友達だ。僕はまたなんとか、彼女のギフトを飲み干した。
アリスさんの椅子の後ろに、洗濯機が置かれているのに気がついた。紅茶の香りがする。

576:名無し物書き@推敲中?
08/06/07 20:53:04
オフィス時計は午後10時を回っていた、目の前に書類が山と詰まれているディスクを見やりながら >>1 はつぶやいた
「魔法でも使ええればぱぱっと片付くのに」
>>1 は疲れていた、仕事にも、人生にも、ちまたでは硫化水素で自殺なんぞ物騒なものが流行っているが >>1 は死ぬ度胸もない。
とりあえず今日仕上げて置かないといけない書類だけは仕上げ終た。>>1 は急ぎではない自分の担当する見積もり書の類を明日に回すことにした。
「おう、西村ずいぶん遅くまでがんばったな、久しぶりに焼肉でも食いに行かないか?おごってやるらさ」
そう声を掛けてきたのは面倒見の良い課長だった。 >>1 は胃腸のほうも疲れていたのだが、久々の禿下田課長の誘いを断りきれなかった。
入社した頃から禿下田課長は >>1 の直属の上司だった。>>1 が入社したころは酒を飲めない >>1 によく焼き肉をおごってくれた。
>>1 は久しぶりに課長と焼き肉をつつきながら下らない世間話をしていた。そこへ別の客が課長のほうに近寄って来て言った。
「お?禿下田じゃないか?久しぶり、そちらの方は?」
>>1 とその客はお互いに自己紹介をした、どうやら禿下田課長の大学時代の同級生らしい、そのまま三人で同じテーブルを囲むことになった。
課長の同級生は気前良く課長と >>1 にビールを大ジョッキでおごってくれた。ほとんど飲めない >>1 も今日は3杯も飲まされた。
「イオナズン!!!」 なぜか課長の同級生が魔法を唱え出した、やけ具合の悪かった骨付きカルビが程よく焼ける。
「パルプンテ!」課長まで魔法を使い始めた。しばらく魔法の応酬が続いた跡にボインの萌え萌えメイドが目の前に現れ会計を求めてきた。
                                      つづく


577:名無し物書き@推敲中?
08/06/07 21:20:17
良く見ると萌え萌えのメイドではなく焼き肉屋のおばちゃんだった。そう>>1はむちゃくちゃ危ない酔いかたをしていたのだ。
課長ら2人も完全に酔いつぶれて寝ていた、>>1 は三人分の支払いをしてタクシーを手配し、自分もタクシーで家路についた。
財布はスッカラカンになった、もうサラリーマンなんていやだ。。。
>>1 は自分のマンションにたどりついた、もう午後2時を過ぎているというのに「おかえりあなた」と嫁が迎えてくれた。>>1 疲れも酔いもこの嫁
の魔法の言葉で消し飛んだ。>>1 は嫁を抱きかかえてベットに向かった、そう、その紐を引っ張ると喋る1/1涼宮ハルピンのフィギアを。。。


578:576-577
08/06/07 21:34:42
次のお題は前のを継承

「焼き肉」「言葉」「魔法」

579:名無し物書き@推敲中?
08/06/07 22:13:23
>>576-577
だから「つづく」とかじゃなく、全部書いてから一気に投稿してくれー

580:576-577
08/06/07 23:09:07
>>579
すみません、18行だから入ると思って書いたのですが、入りきらず切り取った部分がなぜか消えてしまい書き直しました。


581:名無し物書き@推敲中?
08/06/07 23:53:17
行数ではなくデータ量で切られたんじゃないかな。

582:名無し物書き@推敲中?
08/06/08 00:34:50
「焼き肉」「言葉」「魔法」

便利っていいよね。苦労しないしね。
『狭いマンションで呟いている』
魔法みたい。移動は早いし、店は多いし。
でも都会って人多いよね。しかも増えてるよね。
『壁を挟んで左右にも上下にも人がいる』
人がどんどん狭い場所に集まって、気分的に暑いよね。
『常に何かしらの音がしている』
暑い、焼き肉にされそうだよ。
『呟く言葉を聞く者はいない』

次:カレーライス スコール 瑞々しい

583:名無し物書き@推敲中?
08/06/08 14:51:04
「カレーライス」「スコール」「瑞々しい」

今、僕は出張でタイに来ている。
タイは四月でもうすごく暑い。
日本とは大違いだ。
だって日本で四月といったらスキーも出来る時期だろう?

当地ではいつも屋台で朝飯を食べている。
ホテルで食べることも可能なのだけど、
出来れば現地の人がしている生活を体験してみたくてね。
今日はタイカレー(これはタイのカレーライスだ。とても辛い)を食べたんだけどその途中でスコールが来た。
スコールは雨期のこの時期、毎日のように来る。
ざっと降り、一時間ほどで止む。
そのあとすっと涼しくなる。

現地の人たちは傘を持ち歩かないから濡れても平気で歩いている。
僕も、と思うけどさすがにこれは真似できない。
仕事があるからね。濡れたまんまで行ったら困るだろう?

スコールの降ったあとには、花売りの売る瑞々しく咲いているジャスミンの花に雨粒が光っている。
とてもきれいだ。
君にも見せたいよ。

次→「冷蔵庫」「お肉」「野菜」

584:名無し物書き@推敲中?
08/06/08 16:14:25
「最近、どの野菜も高くてこまるよ」と彼女が言った。
「まるでお肉は安いみたいな言い方だね」とぼくは言った。
「いま、グラムいくら?」と彼女が訊いた。
「お野菜よりは高いよ」とぼくは答えた。
「冷蔵庫にこんなに入りきらないね」と彼女が言った。

585:lieb ◆SShzdr.d1I
08/06/08 18:04:26
「冷蔵庫」「お肉」「野菜」


僕は冷蔵庫を開けた。冷えてしなびた野菜と赤みの失せたお肉がある。

この部屋は完全に包囲されているようだ。
屋外からメガホンの叫び声が投げかけられる。投降しろ、と。
―僕は人を傷つけた。このピストルで。
渋谷でこれを売買しようとしていた人をたまたま見かけて奪った。
消火器で殴ったら、2人ともぐったりとしてしまった。
そのピストルで銀行に押し入って適当に撃った。

窓の外には青い空がただ、ある。
メガホンを持った男(警部かなにかだろう)は、なにやら部下に指示している。

僕は冷蔵庫から野菜と肉を出して頬張った。銃口をくわえる。肉は鮮やかさを取り戻し、野菜は瑞々しくなるだろう。そうなるだろう。
メガホンの機械的な怒号が響く。お前のしたいふうにはさせないぞ、と。
そりゃ残念だ。僕は引き金を引いた。burn。


次題は「双生児」「マヨネーズ」「肌理」


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