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★☆★群像新人文学賞に応募 第33章★☆★ - 暇つぶし2ch417:諏訪哲史 「アサッテの人」 ◆T61/rdmlFM
07/07/07 22:54:09
行方不明になっている僕の叔父についての小説を書こうと思う。この小説は叔父の部屋に残された叔父の書いた日記をもとに、僕の考察等を書き綴ったものだ。
僕の叔父は突如、「ポンパ」など意味不明な言葉を口にして、周りの人々を困らせる。
エレベーターの管理業務に辺り、普段勤労な叔父なのによくそうなってしまい、僕はそんな叔父をアサッテな人と呼ぶ。
叔父は幼い頃からどもりが激しく、流暢に言葉を話せなかった。
叔父は発されるべきではない言葉を感じ、英語の歌をべたな日本語の子音母音に改めたりと、言葉に対する敏感さを発揮する。
それが大学生のときに突然どもりが直り、普通に喋れるようになった。
するとこれまで拒絶されていた世界から急に受け入れられるようになり、調子が狂ってしまった。
そのときから叔父のアサッテが始まり、「ポンパ」等、意味不明の言葉を発するようになる。
叔父は僕の父より十五歳も年下の弟であるので、僕としては叔父というより兄のような存在として、一緒に実家で暮らし、育ってきた。
叔父は大学時代、家庭教師をしていて、そのときの教え子と結婚をした。
叔父の妻はアサッテの良き理解者で、叔父のアサッテを受け入れて暮らしていた。
叔父は巨大ビルでの各エレベーター内の監視カメラの映像を監視する仕事にあったが、エレベーターに独りきりで乗ったとき密室で行われる人々の奇行、逆立ちをしたり、コサックダンスをしたり、性器を出したり、に興味を引かれる。
叔父の妻は交通事故でこの世を去った。
すると叔父はアサッテがうまくできなくなり、この世のあらゆるものに定型と、そこからずれたアサッテを考え、そこに「ポンパ」等を発するようになるのだが、全然うまくいかなくなってしまう。
僕はこの小説を、亡くなった叔父の妻の視点から書いてみたり、叔父の日記を抜粋してそれに考察を書き加えたりと、様々な角度から叔父のアサッテぶりを表してきたが、最後に叔父の毎朝の習慣、部屋を一周回るアサッテを紹介して終わりとする。(了)


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