07/04/24 21:11:17
「L字型の扉」(ネタバレ)
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雰囲気がよかった
冒頭からナイフで切れ目を入れるまでは
文章の粗が目立ち気になったが切れ目を入れてからは
どうなるのかという話の展開に引きこまれた
深く追求してしまうと古くからありそうなストーリーではあったが
ナイフで空間を傷つけると言う行為が
痛みを伴う記憶を思い出すという事を暗示していて良かった
ナイフが刃渡り五十センチ程と無駄に長い事が気になった
冒頭から中盤まで誰が何をしているのか分からない部分が有ったことと
比喩が分かり難い部分がいくつかあった
最初にナイフで切り裂いた時に見える
会社での僕がどういう状況なのかが分かり難かった
ナイフを女性に例える部分と冬の朝の凛としたという部分
さらに切創の跡は筋となってという部分がそれぞれ分かり難かった
くぐもるという言葉は作中の用法で有っているのだろうか
ナイフが好きという主人公のキャラが消化出来ていなかったのと
文章がのっぺらぼうが出てくるなどの勢いを必要とするところで
もたついてしまっていたのがもったいない
良くある話だと自分が背中から見ている自分に切りつけられるのだろうが
若干違ったオチになっていたのは良かった
のっぺらぼうを切り裂くと自分の死体現れるというのは自殺願望を押し込めていると読めた
もしかしたら主人公は既に死んでいるのかもしれない
ホームレスが未来の自分の姿だったのかのっぺらぼうは自分の理性か
それとも社会の象徴としてののっぺらぼうが居て自分の鬱屈した気持が殺されていると感じたのか