自作小説を書いて見るスレat BUN
自作小説を書いて見るスレ - 暇つぶし2ch314:ふみあ
10/01/08 14:24:09
続き

 二階に上がり執務室に入ってしばらくした頃になってやっと我に返った。そしてこれからどうするか考えた。やはり、いったん執務室の前に来たものの
車に忘れ物をしたことを思い出して封筒を放って来てしまった、ということにしておくことにした。
 先輩と向き合ってお茶を飲みながら、先輩に
「お姉さま、さっきは本当にありがとうございました。あの封筒、どこで拾ってくださったのですか?」
と聞いてみると、
「ああ、そこの…この部屋の前の廊下のところに落ちてたよ。」
と予想通りの答えが返ってきたので、
「あ、そこに置いて来てしまったんですね。先程執務室の方に来た時車の方に忘れ物をしてしまったのを
思い出して慌てて取りに戻ったんです。私おっちょこちょいだからそのと…」
と言おうとしたが、途中で遮るように
「ねえ、薫ちゃん」
と先輩が意味深な雰囲気で話しかけてきた。
「はい?」
「ひょっとして、見てたんじゃない?」
「ほぇ、何のことですか?」
全身全霊、全力をかけて精一杯とぼける。
「(ΦωΦ)フフフ…何って、わたしたちのこと♡」
「だ、だから何の事を仰ってるんですか?お姉さま。」
「知ってるわよ…わたしたちがしてること、あなたが覗いていたこと。」
「し、知りませんよ。本当に、な、何のことですか?」
やばい、ぼろが出そう、っていうかばれてるじゃん。
「とぼけないで、知ってるのよ。」
「い、いや、ほんともう、なんのことやら…」
顔が紅くなってるのが自分でもわかる。
「あら、ひょっとして見ていて興奮していたの?」
と耳元で先輩が囁いてくる。
「そ、そんなこと…」


315:ふみあ
10/01/08 14:25:49
 やばい、ドキドキしてきた。否、ドキドキしすぎているような気さえする。よく考えたら覗き見たのは確かだが興奮している程覗いてはないし、
殆ど視界にも入ってはいなかった。思い出して、というよりは明らかにすぐ隣で甘い声で囁かれているからドキドキしている気さえする。そういえば
なんで先輩は僕のすぐ隣にいるんだ?先輩は確かテーブルの向かいに座っていたはず。
 疑問に感じたのとほぼ同時に、突然先輩が僕の首に腕を回すように後ろから抱きついてきた。
「な、何をするんです?!止めてください!」
と半ば叫びながら振りほどこうとしたが、時すでに遅し、かなり強い力で抱きしめられてしまった。
「ふふ、こんなに紅くなっちゃって、やっぱり見ていたのね。」
「こ、これは、ちがっ…」
力がだんだん強くなる。
「違うの?」
「いえ..ほ、ホントはみ、見てい、まし、た。」
急に力が緩んだ。深呼吸をしながら改めて聞いてみる
「お姉さま。」
「ん、なーに?」
「あ、あの噂、本当だったんですね?」


316:ふみあ
10/01/08 14:28:35
 最近一年生の間に『学生会関係者で、1年生を次々と喰っている2年生がいる』らしいという噂がまことしやかに流れていた。もうなんだかんだと10人近く喰われたそうで、日替わりで下級生を捕まえては学生会館へ連れて来て事に及んでいるという、そういう噂だった。
この噂を聞いた時、信憑性はともかく狩人の目星はついてたが、実際目の当たりにするまで正直信じられなかった。と、いうより先刻から狩人の顔色を窺うと、どうやら次の獲物は僕らしい、ヤバイ、ヤバすぎる。
「あら、あの噂って何かな?」
フフフと、小悪魔っぽく微笑みながらその人は逆に聞いてきた。
「その、一年生に、その…あんなことやこんなことをさせているとか、そういう…。」
「あんなことやこんなことって?」
「ご、ご想像にお任せします。」
「もしかして薫ちゃんもこういう事、考えていたの?」
と言いながら僕の股間の方へ右手を伸ばしてきたので、
「止めてください!怒りますよ!!」
と言いながら彼女の右手を叩くように払った。あぶねえ、男だってバレルとこだった(; ・`д・´)。

317:ふみあ
10/01/08 14:32:19
「あら、嫌なの?それとも嫉妬いているのかな?」
「どうして嫉妬くんですか?!」
「薫ちゃんがツンデレかもしれないじゃない。それに…」
「….?」
「わたしのテクで気持ち良くならなかった娘なんていないんだよ。」
「…?..あっ!しまっ…」
 遅かった、僕が油断した一瞬のすきを突いて、彼女は右手を僕のスカートの裾の中に突っ込み、そのままショーツの上から指で艶やかに撫で始めた。が、股間にある一物の違和感に気がついたのだろう。急に愛撫を止めると彼女は驚愕した表情でこういった。
「薫ちゃん、君、ま…まさか…」
「あ、ああ、あぅ….あぅ、あ…..ああああああああ!」
/(^o^)\ナンテコッタイ、バレテもうた。\(^o^)/オワタwwwwwwww

4-6終 4-7へ続きます

318:ふみあ
10/01/28 13:32:56
test

319:ふみあ
10/01/28 13:35:30
>>317
規制解除されたので続きをカキコ

4-7

>>薫
 五月が近づいてきたせいか今日も頭上には嫌なくらい澄んだ青空が広がっているが正直朝から気分がどんよりとして重かった。昨日はあの後その場から逃げだしたこともあって正直帰りたかった。あの人が来るまでは…
「薫、あなたにどうしても確かめたいことがあるから….わかってるわよね?」
そういってものすごい剣幕をした麗子先輩は放課後呼び出しに、僕のところへ昼休みになったとほぼ同時にやってきた。
「わかってます..お姉さま。」
「あるとは思わないけど、間違っても逃げようなんて考えちゃ駄目よ。」
「め、滅相もないです!」(((( ;゚д゚))))アワワワワ
「あと、今度新しい風紀委員長になった綾小路 葵、あなたの従姉だそうね。」
「は、はい。」
「あの娘も当然このことを知っていたんでしょうね。」
「あ、葵お姉さんは…ッ。」
知らなかった、じゃ済まされないか…そう気付いた途端、黙らざる得なくなった。
「私はなるべく事を大げさにしたくないの。綾小路 葵はあなたがそれとなくわたしのところへ連れて来なさい。いいわね?」
「わ、わかりました。」
強い口調で言われて気落されながら力なく返事をすると、麗子先輩は教室から出て行った。

320:ふみあ
10/01/28 13:37:15
 今をときめく生徒会長が僕ごときに会いに来たのが不思議だったのか、クラスどころか廊下からも
おおくの生徒がこちらの様子を窺っていたようだった。その場から逃げるように学食へ昼食を取りに行こうとすると、スクープに喰いついた芸能週刊誌の記者のごとく瞳を輝かせながら猪瀬がついてきた。
「ねえ、ねえ、薫さん。今の麗子さまよね、ね?どこで知り合ったの?麗子さまのことお姉さまって言ってたわよね?ひょっとしてあなたたち姉妹の契りを….いえ、もしかして、
もしかすると、百合!キャ━━(゚∀゚)━━!!」
お前は無駄にテンションの高い腐女子か?とうんざりしながら
「ちがいます。ひょんとしたことで僕が学生会に入ることになったので面倒を見てもらっているだけです。」
と訂正すると
「でもさ、でもさ、わざわざ放課後自分のところへ呼びに来たってことはさ、さ、ホントは満更でも…」
「あるわけないでしょ、昨日学生会の仕事で大ポカをやらかしちゃったから、そのことで説教するために呼び出されただけです。」
「そ、そうなんだ…(゚⊿゚)ツマンネ」
そういって猪瀬はどっかへ行ってしまった。遠巻きに様子を窺っていた野次馬もつまらなそうに退散していた。お前らは何を期待していたんだ?

321:ふみあ
10/01/28 13:39:52
 学食へ行くついでに葵姉ちゃんに軽く事情を話して学生会館に一緒に来てくれるよう話しておこう、と思い遠回りになるが階段で3階まで登り2年の葵姉ちゃんのクラスまで向かおう。
としたがちょうどいいところに他の春日さんと一緒に葵姉ちゃんが階上からこちらの方へ降りて来るのが見えた。
 向こうの方も僕の存在に気付いたのか、こちらに声をかけて来た。
「あら薫、どうしたの?」
「ひょっとしてランチのお誘いかな?」
「あ、まあ、そんなところです…」
適当に茶を濁しながら精いっぱい作り笑いを作りながら葵姉ちゃんのそばに行く。
「あのさ、お姉ちゃん。放課後、少し時間貰ってもいいかな?」
「ん、どうして?」
そこで僕は彼女の耳元で他の人には聞こえないように囁いた。
「バレちゃった…」(∀`*ゞ)テヘッ
 次の瞬間僕は彼女の表情が強張ったのを見逃さなかった。というより、只でさえ大きな瞳をさらに大きくして目を見開き、全身を固まらして凍りついているようだった。
そしてそのあとすごい形相で、青から赤に顔色を変えると、僕の腕を引っ掴み、傍らにいる春日さんに向かって
「雪乃ちゃん、食堂へ先に行ってくれない?少し薫と二人だけで話したいことがあるから。」
「ん?うん、わかった…」


322:ふみあ
10/01/28 13:43:46
 そうして春日さんが行ったのを確認すると、そのまま僕の腕を引っ張りながら、階段そばの女子トイレの個室の一つに入り、鍵をかけた。そして
「薫、バレたってどういうこと?まさか…」
「…うん。」
「なんてこと…」
葵姉ちゃんはこめかみに手を当てて溜息をついた。
「いったい何があってどうしてバレタの?」
 しどろもどろしながら昨日の尾添先輩との顛末を語り、今現在尾添先輩と有栖川先輩の両名がこの事実を知っていること、そして証人として有栖川先輩のもとにお姉ちゃんを連れてくるよう言われたことを葵姉ちゃんに話した。
 全部話し終えると、葵姉ちゃんは半ばあきれながら
「ホント、あなたって子は….。」(# ゚Д゚)
「不可抗力だったんだから仕方ないじゃん。」(TдT)
「仕方ないじゃないわよ、わたしの立場も考えてよ。」ヽ(`Д´)ノプンプン
「悪かったと思ってるよ!だけど…。」(;´Д`)
「もー、風紀委員長が女装した男の子の存在を黙認するどころか幇助してたなんてことが学校中に知れ渡ったら…。」( ´Д`)=3
「あ、でも、でも!麗子様は事を荒げるつもりはないって仰ってたよ。たぶん内密に処理するつもりだろうから…」
「それでもあなたと私が従姉弟同士であることは周知の事実だから勘のいい人は簡単に察するわ…」
「あー...」

323:ふみあ
10/01/29 03:54:58
 そうしてしばらく、お姉ちゃんは頭を抱えながら、僕は足元を見つめながら、完全に沈黙した。
そして腹が据わったのかお姉ちゃんの方から静寂を破った。
「とにかく、向こうの出方次第ね。ここで愚痴ってても仕方ないわね…」
「放課後になったらそっちの方に迎えに行くよ。」
「わかったわ。とりあえず今はお昼を食べに行きましょう…」
「うん..」
僕らはトイレを後にした。


4-7完 4-8に続く


324:ふみあ
10/01/29 03:56:14
4-8

>>薫
 執務室のドアの前に来ると、すでに部屋の中から人の気配が感じられた。僕は左側に立っている葵姉ちゃんの方へ顔を向け、
互いに何かを確認するように二人でうなずいた後、覚悟を決めて扉を二回軽くノックした。
 すると同時に部屋の中から
「どうぞ。開いてるわ。」
といつもよりやや険しい口調の会長の声が聞こえてきた。僕はドアノブを握り
「失礼します。」
と言ってドアを開けて先に部屋の中に入り、ドアを支えながら葵姉ちゃんが入ったのを確かめて扉を閉めた。
 部屋の中には既に4人の役員全員が席に着いていた。
「遅かったわね、いの一番に来なさいって言わなかったかしら?」
と会長が依然険しい口調で尋ねた。
「す…すみません。お姉ちゃんを迎えに行く時に…手間取ってしまって…」
とオロオロしながら答えると
「まあ、いいわ…悪いわね、葵さん。呼び出しちゃって。少しこの子…」
とちらりと僕の方を見ながら
「…のことで確認したい事があったから、証人として私たちに証言してもらいたかったのよ。話はたぶん聞いてるわよね?」
と言うと、葵姉ちゃんは
「ええ」
とうなずいた。


325:ふみあ
10/01/29 03:57:35
 しばらく沈黙が続いた後有栖川会長が僕の方を向きながら
「薫、まずはこれだけは確認させて、あなたは女ではなく、男なのね?」
「はい、そうです。間違いありません。」
「では、凛のいうことは間違いないのね?」
「あたしゃ嘘はつかないよ?」
「凛、あなたは黙ってて、わたしは今薫に訊いているの。で、どうなの?」
「凛お姉さまが麗子お姉さまにどのように説明したのかはわかりませんが、たぶんそうです。」
「そう、つまりあなたはこの学院が女子校であることを知りながら、男なのに女だと詐称して入学して、今まで学生として生活していた。と、いうことね?」
「はい。」
「しかもあなたにはこの学校に親しい身内がいた。しかもその娘はわたしと同じ学年で、しかも今期の風紀委員長だった。あなたたちが親しそうにしているのを目撃した生徒が何人もいる。まさか知らなかったというわけではもちろんないのでしょう?葵さん。」
「ええ、知ってたわ。」と葵姉ちゃん。
「なら、なおさら悪いわね。ただ、あなたのような風紀委員、それも責任ある委員長がこういう真似をしたということが腑に落ちないわ。ばれたらただじゃ済まないってわかってたでしょうに。どうしてこんなことを?」
「そ…それは…」


326:ふみあ
10/01/29 03:59:19
 どうしようかと葵姉ちゃんと二人、顔を見合わせて苦笑する。葵姉ちゃんは心底困ったような表情をしていた。恐らく僕も似たような表情をしていたのだろう。
そんな僕らの様子から何かを悟ったのか
「どうやら一応それなりの理由はあるようね。話してくれないかしら?」
「え、ええ…でも。」
言えない。曾祖母のボケた勘違いでふざけた遺言状によって女子校送りになりましたなんて言えない。
曾祖母の名誉に関わるし、親戚一同白い目で見られかねない。何より僕自身が恥ずかしい。そこは同じだったのか葵姉ちゃんが
「すみませんが、公にできない身内に関する話になりますので返答を慎ませて頂きます。」
と言うと、会長は別に気にすることでもないように
「構わないわ。私も他言無用にするつもりだし。ここに他人の恥ずかしい秘密を言い回るような娘はいないから話してくれない?
理由次第では私も酌量しないでもないわ。」
と言った。


327:ふみあ
10/01/29 04:00:44
 どうしたものかとも思ったが、やはり話さぬわけにもいかないだろう。僕は葵姉ちゃんの表情を窺うと、彼女もこちらを向いた。話した方がいいと目で合図された気がしたので、
僕は事の顛末を一から説明することにした。
「実は…こうこうこういうことがあったんです。」
「なるほど、そういうことがあったのね。」
「ホントにわかったのかな?」
「さっぱりわからなかったけど、おおよその事情はわかったわ。難儀なおばあさまをもったものね。」
「そうですね…」
「でも、あなただって嫌だったのなら断ってもよかったんじゃないの?」
「そうしたかったんですが..断ると私以外の親族も遺産相続できなくなるような書式だったらしくて
無理やり入れさせられたんです。ちょうど中学を卒業する頃でしたから丁度いいって。」
「フフフ…ひどい人たちね。」
「全くです。迷惑です。」
「で、こちらでのお目付け役を葵さんが仰せつかった、ということね?」
「はい。」
「そういうことなら仕方ないわね。薫、あなたには風紀委員による監視付きで
ここに残ることを認めましょう。葵さん、あなたもこれまでどうり風紀委員長として頑張って頂戴。」
 会長はこういうと今度は同席していた他の役員の顔を見渡しながら
「3人ともこれでいいわよね?」
と決定に対する同意を求めた。


328:名無し物書き@推敲中?
10/01/30 00:12:34
「いいんじゃない。」
「私も別に構いませんよ。」
 と二人は一応同意したが怜先輩だけが強硬に反対した。
「私は反対です!絶対に同意なんてできません。」
「なぜ?」
「なぜ?って!当り前じゃないですか。男ですよ、お・と・こ!この神聖であるべき女学園に汚らわしい男がいるんですよ。」
「別に女子校って、いうほど神聖でもないわよ。むしろドロドロしてるんじゃないかしら。」
「でも…!」
「それにこの子の問題が綾小路家の遺産問題に絡んでいるとわかった今、あまりこの問題に執着しない方が得策だわ。
わざわざ学生を一人切って収入を減らす必要だってないでしょう?」
「でも、でも、会長。不正を許すんですか?」
「許すつもりはないけど、そこに執着するつもりもないわ。それに一応監視させるという対策は執るって言ったでしょ?」
「ですが…!」
「怜、あなたにはわからないかも知れないけど、わたしも凛も綾乃の家も、綾小路の家とは
ビジネスでもプライベートでも付き合いがあるの。綾小路家の遺産問題が絡む以上、この子を強引に追い出しても、
先方に混乱を招いて私たちが綾小路家の人々の恨みを買うだけで、デメリットはあってもメリットは全くないわ。
むしろ事を丸く収めるためには全力でスルーする必要もあるのよ。」


329:名無し物書き@推敲中?
10/01/30 00:18:59
 怜先輩はまだ何か言いたいようだったが、黙ってしまった。だが会長は続ける。
「それに今はもう四月の末、さすがに新入生同士互いの顔も覚えたでしょ。理由なく失踪したクラスメイトの事情をあれこれ詮索する…
そういう子が現れたら厄介だし。まだ入って一カ月も経ってないから家庭の事情と説明することも苦しいわね…余程大きな問題を起こしたならともかくね。」
 怜先輩は叫んだ。
「起してるじゃないですか!現に。彼女、いえ、彼は男の子ですよ。女子校に男!大問題じゃなきゃ何なんですか?会長!これは糾弾すべき重大な問題です。」
「怜、あなた少し落ち着いて考えなさい。もしこれが外部に漏れたら学校中が混乱するわ。それにさらに学校の外に漏れたら…女装男子の入学を許した学校という
レッテルを貼られて女学院の面子や信用を傷つけることになる。そうなったら学院の経営にも重大な影響を与えかねないわ。」
「わかりますが、わたしは…!!」
 先輩はまだ続ける。
「だから今のところわたし達で薫を監視しながら保留しておくのが一番いいのよ。わざわざ事を荒立ててややこしくする必要もないわ。
今のところ誰かが何かの被害にあったわけでもないでしょ。それに本人達もそれなりに覚悟してここにいるようだし…問題ないでしょ。」
「今はそうでもいつか絶対問題を起こします。男なんてみんな女を食い物にする獣なんです。すぐに被害にあう娘が絶対に出ます。追い出すべきです。」
「そうならない様に監視はつけると言っているでしょう?本人だってその気はないって言いてるんだし。」
「男のいうことなんて信用できません。」
「もうわかったわ。話はこれでお終い。葵さん、こちらにいる時と授業中以外…できるだけでもいいから保護者として、風紀委員として責任もって薫を監視すること、
お願いできるかしら?」
「はい。わかりました。」


330:名無し物書き@推敲中?
10/01/30 00:20:56
「じゃあ、下がっていいわ。ごめんなさいね、時間を取らせて。」
「いいえ、では失礼します。」
「…それと薫。」
「はい。」
「あなたもくれぐれも妙な問題を起こさないように気を付けること。間違っても他の人に男だと勘付かれないこと。あとついでにこの書類一式をクラス委員会の方へ持って行ってくれるかしら。」
「クラス委員会….議長の田淵さんのところへですか?」
「ええ、いなければ副議長か、他の委員に頼んで議長に回すよう頼みなさい。」
「わかりました。行ってきます。」
そして僕は小型の段ボール一杯にある書類の束を両手で抱えると執務室を後にした。


331:名無し物書き@推敲中?
10/01/30 00:22:49
 その後学生会館に戻ってくると、執務室には麗子、凛、綾乃の三人の先輩しかいなかった。
「あれ、怜お姉さまはもう帰られたんですか?」
と訊くと、三人は困ったように顔を見合わせながら
「ええ。男と同じ空気は吸いたくない、そうよ。」
「怜の奴も強情だよなあ。」
「まあ、仕方ないといえばそうなんだけど…」
「….?」
何が仕方ないのかと不思議に思っていると、その疑問に答えるがごとく凛先輩がこういった。
「怜はね、男嫌いなんだよ。それも相当のね。」
「はあ、何かあったんですか?」
と訊くと綾乃先輩が答えた。
「怜のお父さんがね…」


332:名無し物書き@推敲中?
10/01/30 08:22:29
 綾乃先輩の話によれば、事の発端は去年のクリスマスを過ぎた頃、正月へ向けて準備するための買い出しに家族で出かけた車中で中西母が明らかに自分でも娘の物でもない髪の毛を偶然発見!
すぐに運転中の中西父に詰め寄るが、中西父が明らかに目を泳がせながら必死に白を切ったのですぐに極秘に馴染みの探偵社と大手興信所に調査を依頼、あっけなく中西父に愛人がいることが発覚したのだという。
「あー、そういうことですか。この手の話じゃよくありますよね。父親の不倫って…」
「不倫というより、怜ちゃんのお父さんの場合そっちが本命らしかったらしいんだよね。」
「と、言いますと?」
「怜ちゃんのお父さん、怜ちゃんのお母さんと結婚する前に付き合っていた女の人がいたらしくてね…」
「ま、まさか結婚して家庭持ちになった後も愛人として付き合っていたんですか!?」
 そもそも中西父には昔結婚まで約束した恋人がいたようなのだが、中西家の家族に猛反対を食らったらしい。というのも有名な政治家であった父親である中西祖父が長男である中西父に自分の後を継がせ、
さらにその政治的地盤を強化するために当時財界で名を馳せ、中西祖父とも親交が深かった中西母の家と血縁を結ぶことを画策していたかららしい。もっとも後に愛人となった恋人というのも銀座のクラブの
新人ホステスだったそうだからどっちにしろ反対されるような気がせんでもないが…とにかく中西家はその恋人だった女性に大金の手切れ金を払い、息子を家に軟禁してまでも徹底的に二人を分かれさせたらしい。

333:名無し物書き@推敲中?
10/01/30 08:24:40
 普通はここまでされたら諦めるだろうが、いや事実中西父は政治家となり、中西母と結婚し一女までもうけているが、彼の恋人に対する執念は凄まじく、
また恋人も銀座でクラブを新しく始め(出資金はもちろん手切れ金)てそこのママをやってたこともあり、政治家という立場を利用して仕事の接待と偽っては
事あるごとにその店に飲みに通っていたという。無論実際は愛人として通っていたことは言うまでもない。
「ひどい話ですね。」
と言うしかなかった。
「ただの不倫ていう関係ならまだよかったんだけどねえ。」
「どういうことです凛先輩?」
「だからいつもお姉さまry…」
「失礼しましたお姉さま。それでどういうことなんです。」
「愛人の他にね、怜に腹違いの弟や妹達がいることも発覚してね…」


334:名無し物書き@推敲中?
10/01/30 08:26:15
 毎晩のように仕事の付き合いと嘯き愛人のもとに通っては愛人の所に泊って朝帰り、そのたびに(*´Д`)ハァハァな事をするうちに愛人との間に子供が出来てしまった。
しかも二人。これだけでも最低だが、さらにその店に雇われて働いていた女の子とも仲良くなってしまい、その人との間に一人、さらに別の女ry…な感じで何と五人の愛人と
10人の隠し子がいることがつい最近発覚したのだという。
 もっとも中西父は若い時から女癖が悪く、家族が手をこまねく程だったし、事情を知る中西母はただ呆れるだけだったが、
問題は娘。父親の不祥事へのショックと、有名政治家の不祥事というスクープを聞きつけたマスゴミの連日の来襲というストレスから怜先輩は重度の男嫌いになってしまったという。


335:名無し物書き@推敲中?
10/01/30 08:27:40
 最も怜先輩の男嫌いも綾乃先輩や凛先輩の協力もあってここ最近大分収まってきたようだったが今回の件で振り出しに戻ったような状況になってしまったらしい。
「だからさ、薫ちゃんには責任をとって怜の男嫌いを治してほしいんだ。」
「え?でもどうやって…?」
「任せる。じゃ、あとよろしくねー。」
「え、ちょ、おま、( ´゚д゚`)エー!」
4-7完 第四章完


第五章へ続く..

336:名無し物書き@推敲中?
10/02/20 09:36:15
■兄弟1■
多分ぼくは、ブラコンだ。

幼い頃から、ぼくの頭の中は兄と弟のでいっぱいだった。それは愛しさだけじゃなくて、憎しみも含めて。

兄はぼくより3つ上。弟はぼくより1つ下。歳の近い弟とは仲がよく、自然と兄が孤立する構図になってしまった。

兄は長男の宿命で、親の期待を一身に受け塾に通い、私立中学を受験した。

戦争ごっことロボットが好きで、小学生の時、自由研究の題材にしたいと、パトリオットミサイルのプラモデルを親にねだった。

パトリオットミサイルは、湾岸戦争の時にアメリカがイラクにぶち込む為に開発したミサイルだ。兄は一生懸命そのミサイルの格好よさを親に説明していたけど、うちの親は戦争が大嫌いだから、結局プラモは買って貰えなかった。

そんな兄がやった自由研究は、『渡嘉敷島の貝殻の標本作り』とか『沖縄弁と標準語の比較』とか『新聞の折込チラシの分析』という、難易度の高いものだった。

最初の2つにも親の入れ知恵はあったかもしれないけど、最後のチラシの分析は、小学生が企画したとは到底思えない内容な訳で、まあ勿論それは受験勉強に忙しい本人に代わって親が考えたやつな訳で。

こんな風に、兄は、とても窮屈な環境の中で育ったと言える。

337:名無し物書き@推敲中?
10/02/20 09:39:08
■兄弟2■

競争とか戦いが好き、っていう時点で、中道を志すうちの家族の中では異端であったと言える。

兄が東京で生まれた後、家族3人が沖縄に引越してからぼくと弟が生まれた。

両親は時々冗談で、兄や弟に向かって『〇〇は橋の下で拾ってきたの』と言ってはからかっていた。ぼくだけからかわれなかったのは多分、ぼくがそういう冗談を冗談として捉えられずに、真に受けて泣いてしまうからだと思う。

ぼくは、自分の分のアイスが用意されていなかった(母がうっかり食べてしまっていた)だけで、『自分はこの家にはいらない子なんだ』と思い込んで涙するくらいで、その軟弱さと言ったらカイ・シデンもびっくりする程だと思う。

話を兄に戻す。

兄は元々普通であり、ちょっと『変わって』はいたけど、塾に通い出してから、段々それが『おかしい』レベルになっていった。

兄は真面目で、勉強はきちんとしていた。でも、遊びたい盛りの子供である事も揺るぎない事実。押さえつけられた何かが、歪みとなって現れ出した。

338:名無し物書き@推敲中?
10/02/20 09:55:10
■兄弟3■

兄はぼくや弟に対して、色んなちょっかいを出して来るようになった。それは、『ちょっかい』と呼べるかわいい悪戯から『嫌がらせ』と呼べるものまで、ありとあらゆる内容だった。

モノを隠されたのも、ゲームのデータを消されたのも、トイレやお風呂を覗かれたのも、100回や200回では収まりきらない。トイレ風呂云々は多分1000回を軽く超えるんじゃないかな。トイレと風呂のカギは、いまだに兄に壊されたままの状態だ。

兄に対してぼくや弟が怒鳴らない日は殆ど無くて、それは兄が小学5年生になった頃から、大学3年生になるまで、約10年間続いた。ぼくは髪の毛が沢山抜けて、弟は不眠症になった。

兄はぼくらにちょっかいを出している時、本当に、心の底から楽しそうに笑った。人が嫌がる事をして喜ぶ人がいる事を、ぼくは兄から教わった。
唯一大人しかった高校の3年間、兄はぼくらをいじる事よりも剣道に夢中になっていた。戦いが好きな兄らしいとは思う。


339:名無し物書き@推敲中?
10/02/20 10:01:16
■兄弟4■

時が経つにつれて、兄と弟の喧嘩はエスカレートしていった。兄も弟も、体が大きくなっていったから。ぼくはと言うと、途中から『兄は頭がおかしいから相手をするのは時間の無駄だ』と考えて、何かされたり言われても無視するようになっていた。

ぼくが高校3年になってから大学1年の終りに留学するまでが、一番酷かった。

弟は反抗期との相乗効果なのか、よくブチ切れて台所から包丁を持ち出して振り回していた。

親はいつも外に出ていて家にいなかったし、無視を決め込んでいても死人が出るのは御免だと思ったから、弟をなだめるのはいつもぼくの役目だった。

いつもギリギリでなんとか抑えていたけど、ぼくが大学1年の秋、それは起こった。

リビングでぼくいつものように兄と弟が言い争いをしているのをBGMにテレビを観ていた。

弟が何処かへ消えて、戻ってきたのはわかった。その後、兄の悲鳴が聞こえて、驚いて振り返ると、兄の右足から真っ赤な血が流れていた。

弟は手にパン切り包丁を握り締めながら泣いていた。

『こいつを殺して俺も死ぬ』

そう言っていた。

その後の事はあんまりよく覚えていない。居合わせた両親が弟をなだめて、兄は翌日外科に行った。病院では怪我の理由を『ぶつけた』と説明したらしい。

兄は元気そうだったから良かったけど、ぼくは弟が警察に捕まるんじゃないかと思って怖くて弟が警察に捕まるんじゃないかと思って怖くて、布団の中でずっと泣いていた。



340:名無し物書き@推敲中?
10/02/20 10:14:04
■兄弟5■

弟が警察に突き出される事は無かった。法律には詳しくないけど、兄が被害者として届け出ない限り、弟は罪に問われないみたいだ。

ぼくはほっとした。兄は被害者にも関わらず、両親にこってり絞られていた。件が起こるまでの過程から判断して、兄が悪いと両親は踏んだのだ。

それが効いたのか、その後しばらく、兄は大人しかった。

そしてぼくは、今までに無いくらい情緒不安定になった。一人になるとフラッシュバックに襲われて、涙が止まらなくなった。家に帰るのが嫌で嫌で、泣きながら自転車を漕いでトンネルを走った。

母親はいつも言っていた。『みっともないから、家の外で家族の悪口を言うな』

ぼくは母親の言う事は大体正しいと思って育ってきたから、10年間それを守っていた。でもあの時のぼくの情緒不安定さは、何をどうしたって抑えきれるものじゃなくて、ある日ぼくは、たまたま帰りが一緒になったサークルの同期の前で一言、『家族が仲が悪いんだ』と漏らした。

始めは別に話す気なんかなかったけど、その時のそいつの登場の仕方が可笑しくて(信号待ちしてたら後ろから口笛吹きながらやってきたw)、笑いながら『こいつなら、家族と面識ないから話してもいいかな』なんて思った。

そいつは、ぼくが徐々に泣き、寒さで鼻を啜りながらたどたどしく喋るのを一生懸命聞いてくれた後、関西弁で『話聞くからメシでも行くか』と言ってくれた。

こんなに親切な人は多分めったにいないのに、ぼくはそれを断った。


341:名無し物書き@推敲中?
10/02/20 10:28:25
■兄弟5■

それでもぼくは、何事も無いようなフリをして大学に通っていた。講義は殆ど右から左だった。


ご飯会の時、ぼくが生まれて初めて家族の話をしたあの関西弁の子がいた。ぼくはその時のことと、前日のことを思い出して、泣きたくて仕方なかった。

堪えて堪えて、なんとか泣かずにご飯会が終わった。

ぼくはそいつを引き止めて話をしようかすごく迷ったけど、そいつが忙しそうだったから諦めた。

まあいいやと思って、同期の女の子と一緒に二人で歩いて帰った。

その子は普段はのほほんとしていて、『お弁当作ってきました!』と言ってワサビやチョコレート入りのおにぎりを皆に食べさせたりする、いわゆる電波な女の子だ。

でも本当はすごく賢くて勉強熱心だから、電波な部分はぼくと同じように性格を演じているだけなのかもしれないと思う。

その子は頭がいい上に空気が読めるみたいで、その日のぼくの様子がおかしいと言ってきた。

まあ、ぼくがよっぽど泣きそうな酷い顔をしていたせいなのかもしれないけど、そのへんはさして重要じゃない。


342:名無し物書き@推敲中?
10/02/22 05:30:45
■兄弟6■

ぼくは答えに窮した。こないだの子に話そうとは思ったけど、目の前のその子に話す気にはなれなかった。

母親にいつも言われていたように、家族の悪口をベラベラ喋るのは、なんだか恥ずかしいような気がしたからだ。

ぼくは、たとえ地球上でたった一人だけでも、ぼくがこんな風に悩んでいるのを知っている人がいると思っただけで、不思議と強くなれるような気がした。

部室で学祭の準備をしていた時、そいつは、それはそれは器用に口笛でFly Me To The Moonを吹いていた。エヴァのエンディング曲だったからぼくでも知っていた。

343:名無し物書き@推敲中?
10/02/22 05:33:19
■兄弟7■

そいつもヲタなのかと思ったら、アニメ好きではなくてジャズが好きなんだと言った。でも一度、カラオケで爆れつハンターの曲を入れていたから、多分やっぱり、やつもアニヲタだと思う。

ぼくはそいつのメール着信音をオルゴールのFly Me To The Moonにしていた。普段メールなんか送らないし、そいつからも来なかったけど、死にたくなったら延々とそれを聴いた。

そいつはいろいろと忙しくて、サークルには滅多に顔を出さなかった。大学3年の学祭の時、珍しく手が空いたからと手伝いに来てくれた。ぼくはその時、部長の権限を利用してそいつに掃除を手伝わせた。

誤解の無いように言っておくけど、ぼくが部長の権限を私的に利用したのは、後にも先にもその一回だけだ。

と、思う。

344:名無し物書き@推敲中?
10/02/22 05:35:29
■兄弟8■

二人でやきとり焼き器をたわしでこすって洗った。焼き付いた鶏の脂とタレはなかなか落ちなかった。

ぼくはたった一回だけど、あの時のお礼が言いたくて、チャンスを伺った。家族が学祭を観に来ていて、兄も来ていると告げた時、そいつは予想だにしない言葉を吐いた。

『へ~。お兄ちゃん、おるんや?』

はっきり言ってぼくはかなりショックだった。

でも2年も前に、暗闇の中でたった10分しどろもどろで話した内容を覚えている方が奇跡だ。しかもそいつは人がいいから、よくいろんな人の相談に乗ると言っていた。

ぼくがあの話をした時も、『似たような話聞いたことあるで』と言っていた。大変なのはぼくだけじゃないって意味で言ってくれたんだろうけど、それを聞いたぼくはその先を話す気になれなかったのだ。

345:名無し物書き@推敲中?
10/02/22 05:37:50
■兄弟9■

覚えていないなら、まあいいやと思った。よくよく考えると、ぼくは今までこいつに対してまあいいやをかなりの回数発動させてきた。

でもぼくはこいつがご飯会をすっぽかしたりサークルに来る約束を守れなくても憎めなかったし、ピンチの時には必ずと言っていいほど助けてくれたから、すごく感謝している。

ぼくは自分が大嫌いだったけどこいつのお陰で自分のことも少しだけ好きになれた。

もしもぼくの性別が違っていたら、間違いなくぼくはこいつの友達面をして、朝から晩までベッタリくっついていただろう。生まれ変わっても友達でいたい。こいつみたいになりたい。とてもとても尊敬している。

346:名無し物書き@推敲中?
10/02/22 05:41:25
■兄弟10■

ぼくが泣きながら話をした日、こいつは夜中の3時前にも関わらず、長文のメールをくれた。

メールはずっと大事に保存していたけど、TU●Aからa●に変えた時に消えてしまった。

消えてしまったけど、何度も何度も読んだから、今も覚えている。


『苦しい思いをした分は、種になっていつか花が咲くから、今度はそれで他の人を照らしてあげてやり』


メールが届いた時、ぼくは眠れなくて、トイレで一人で泣いていた。

その時聴いたFly Me To The Moonは、トイレの壁に反響して、すごく綺麗な音色だった。

347:名無し物書き@推敲中?
10/02/24 13:01:18
「兄弟」書いてる人、すごくいいよ
読ませるね
応援しています。

348:名無し物書き@推敲中?
10/03/10 21:08:09
URLリンク(www.mbga.jp)

モバゲーで書いてます。
辛口アドバイスがほしいです。
描写の悪さは重々承知ですので
内容の面白さについてのアドバイスがほしいです><


349:おやや
10/03/17 01:03:52
さ、今の間に雑炊をも一度温め直しておきましょ

・・・おはる、おはる!
ちょっとひとっ走りして、お母様と嘉助殿を呼んで来ておくれ
まだ畑にいらっしゃる筈だから

350:おやや
10/03/17 01:11:42
んまあ汚い!
小袖から袴からいったいに泥だらけでどうだろマア・・・
どんなお勤めをなさったらこうも汚せるものかしら
これは気張ってお洗濯しないと

351:おやや
10/03/17 01:25:09
お帰りなさいまし、弥太郎殿もつい先刻お帰りですよ
いいえいいえもう直に風呂が空きまする
ええ、もうお出でになる頃でございます
お寒うございましたろう、白湯をお召し上がりなすって

352:おやや
10/03/17 01:33:20
ほほほ
召し上がってというのも大仰ですわね
今日は菜の漬物と梅干しの雑炊ですよ
夕さりのあきんどが・・・ええ、そうなんですのその紀州とやら
本当においしゅうございますよ

353:おやや
10/03/17 01:37:50
ああお前様、湯加減はいかがでございましたか
・・・
さ、嘉助殿、風呂とお召しかえの支度を整えてございます
さ、さ、汗の物をいつまでもお召しではお体に触りまするぞ

まあ厭だ、そのような所で寝そべっておられいで、早う早う、湯が冷めぬ内に早う

354:おやや
10/03/17 01:44:25
お母様、お肩をお揉みしましょう
・・今日は久し振りのほんとうにいいお天気でございましたな
お洗濯が良う乾いて・・・ええ
そうそう、お前様お洗濯といえば、あの尋常ならざる汚れ方は
どうなすったのです?

355:おやや
10/03/17 01:55:10
・・・
まあ、おに川の堤を?
それを根津様とおふたりでなさるのでございますか?・・
まあ、それはたいへんなお役目を賜ったのですなあ・・
・・・いいえそのようなこと・・
それほどお目にかけてくだされるのでございましょう
お気張りなさってくださいましね
・・・

356:おやや
10/03/17 02:18:34
お母様、さとの祖母が抜け毛にほとほと困り果てて薬を求めたのですが
それが大そう良い塩梅だったそうで、是非にもこちらのお母様にと申して、
その薬を少しばかり寄越したのでございます
どうぞ使うてやってくださいまし
・・・ええ、おぐしに塗る物で、おお島とやら・・何でも齢百を数えても
くろぐろと美しく保つのだとか、ほほほ・・

357:名無し物書き@推敲中?
10/03/25 16:31:02
おれも書く
この話は子供時代の俺を再現したものがたりである
ここは?県のなんとか市。この物語は俺がとある治安の悪い島で
悪党をぶっ潰す物語である
ぶんぶんブーン隣のマンションに誰かが引っ越してきたようだ

俺はそのときゲームを完全クリアだーとガチでよろこんだ
ピンポーン
「ったぐーなんでこんなときにー」と俺は文句を言った
「隣に引っ越してきた飯島です。お願いします」と母親がいっていた
どうやら転校生のようだ。おれらに新メンバーか!?とおもいきやあっち側は女子だった
でも可愛らしかった。「宜しくお願いします」と、とてもいい声で言ってきた
「どーも失礼しました」と最後にこの家を去っていった。
次の日
なにやらそいつが転校してきた。そいつはどうやら勉強もできる。運動もできる。
「おれとは大違いだ」と心の中でつぶやいた
このつぶやきが悪党との大事件を引き起こす
帰り、漏れはきれいな石を見つけたのでもって帰ることにした


358:佐藤
10/03/26 12:02:42
書きます!

俺は中学生でした。北海道にいました。
書くと苦しいよ。でも書こう。
彼女との出逢いは衝撃的だった。
僕は中学の入学式の日、教室にいたのであった。
周りは割りと静か。でもちらほら喋り声。
周りはDQNそうな人ばっかりだった。
俺は入学式に向かった。
騒がしい。
そして、校長先生が来た。
入学式は終了した。
そして、教室に戻った。
やっぱりDQNそうな人ばっかりだった。
Aが話しかけてきた。
「どこから?」
「××」
「××か。俺は××」
ここは私立中学である。
A「勉強、大変だったよな」
俺「大変だったな」
A「音楽聞く?俺、××が好きなんだよね」
××とは今流行りの音楽グループのことである。
俺「俺は○○が好きだな」
○○とは、そんなに売れてないが昔からの音楽グループである。
A「○○?渋いな。ところで、部活はどこ入るんだ?」
俺「まだ、決めてない」
A「そうか。俺はやっぱりサッカーかな。女の子にモテモテだぜw」
当たり障りない会話を繰り返した。

359:佐藤
10/03/26 12:04:13
担任が入ってきた。女の先生だった。
改めて、周りを見回したが、やっぱりDQNそうな人
ばっかりだった。そんな中、俺は幻想を目にしたのである。
長い綺麗な黒髪の澄んだ目をした少女が座っていた。
それは正に幻想だった。
俺は見とれた。とりあえず見とれた。そして心の中でこう思った。
「神様ありがとう」


360:佐藤
10/03/26 12:05:24
担任「まずは班を作ります。」
その時、奇跡が起こったのである。
何と、あの子と一緒の班。その時、俺は心の中で、こう思った。
「神様ありがとう」
「班で○○を作ってください。」
共同作業で仲良くなろう、というヤツである。
班は4人だった。俺とあの子とAとある女子Bである。
A「じゃんけんで分担しようか」
その時、奇跡が起こったのである。
俺とあの子で作ることになったのだ。その時、俺は心の中で、こう思った。
「神様ありがとう」

361:佐藤
10/03/26 12:06:29
「お…おれ…佐藤っていうんだ…よろしく…」
やべ…何でふるえてんだ、俺…
「原田です。こちらこそよろしく」
すんなりと答えた。
「原田さんって音楽とか聞くの?」
「たまに聞くかな」
「俺××が好きなんだよね」
××とは、Aが好きな今流行の音楽グループ。さっきAに○○が好きと言ったら
微妙な反応をされたので、反応への期待込みで本心を偽って言った。
「私、××ってあまり好きじゃないわ。何か今流行りの音楽って気がして」
「そっそう…」
あまりにもストレートな反応に躊躇してしまった。
「部活は入るの?」
「テニス部に入ろうと思ってるの」
その時、俺はこう思った。
「俺も入ろう」
作業は順調に進んでいった。そして作業を完成させた。
そして、ある放課後、
担任「それではこれで終わります」
階段を下りると、原田さんが歩いていた。テニスバッグを持っている。

362:佐藤
10/03/26 12:09:09
「原田さん」
「佐藤くん、どうしたの?」
「俺もテニス部入ろうかなと思ってて。テニスバッグ持ってるから」
「そうなの?じゃあ、一緒にコートに行こう?」
コートでは熱い練習が繰り広げられていた。
「新入部員はとりあえず玉拾いをしてもらう。俺はキャプテンの中田だ。
よろしくな。」
俺はいままでテニスをしたことがなかったので、先輩たちの熱いプレーに
釘付けになった。そして、俺は原田さんの姿を探した。
原田さんは体操服姿で同じように玉を拾っていた。かわいいな。
日が進むにつれて、テニスができるようになった。
ここで驚いたのが、原田さんがとてもテニスが上手いことだった。
「原田さん、上手いね。テニスやってたの?」
「小学校の時、クラブチームに入ってたの。」
俺は、原田さんと話し、テニスをがんばったり、勉強をがんばったりしている
原田さんを見ていて、とても幸せな気持ちになる日々を送った。それは正に、
俺にとって薔薇色の青春だった。

363:佐藤
10/03/26 12:11:19
俺は夜、眠りにつく時、目を閉じて原田さんを思い浮かべていた。
普段は落ち着いてクールなんだけど、時々笑う笑顔が眩しい。そんな女の子。
俺は、原田さんの笑顔を思い浮かべ、幸せな気持ちを抱いていた。

そして俺はあらぬことか、こんな妄想を抱いてしまっていた。
原「佐藤くん、アーン♪」
俺「アーン♪おいしい!原田さんの手料理」
原「本当?嬉しいな♪」

それは普段の原田さんのテンションとは似ても似つかぬテンションだったが、
自然とそんな妄想を抱いている自分を発見し、一人照れていたのであった。
それは俺の初恋だった。彼女と結婚し、子を産み、幸せな家庭を築きたい。
そう、本気で思っていた。

364:佐藤
10/03/26 15:13:07
ある日、Aがテニス部に入部した。そして俺に、こう言った。
「テニスも女にモテるしなwしかも女の子と一緒に部活できるなんて最高
じゃねぇかw」
Bもテニス部に入部した。Bは女子で名字は村田である。
ある日、加藤(A)がおもむろに俺に言ってきた。
「俺、村田さん(B)と付き合うことになったwウハウハだよwマジでw」
村田さんは、ギャルっぽくて口は少々悪いが、美少女で、正直、加藤を妬ましく思った。

しかし俺には原田さんという心の(?)彼女がいたので、全く気にならなかった。
彼女以外は目に入らないほど、彼女のことが好きだった。

365:佐藤
10/03/26 15:14:43
中学2年になった。俺たちはというと平凡な日々だった。
偏差値の高い私立中学なので毎日勉強をガリガリ、放課後は部活と、
忙しい日々を送った。

俺は原田さんに告白しようと思っていた。しかし、できずにいた。
そして、2年の2学期の終わり辺りの、部活終了後、俺は原田さんに告白
することを決めた。

366:佐藤
10/03/26 15:18:45
「原田さん」
「何?」
「ちょっと話があるんだけど、いいかな?」

俺は原田さんを人気のない場所に呼び出した。
「俺、原田さんのことが、ずっと好きだったんだ」
勇気を振り絞って、こう言った。平静を装っていたが、内心は心臓が
バクバク状態だった。手に汗が滲んだ。
原田さんは少し下に俯いた後、一言こう言った。
「ごめんなさい」

外は雨が降っていた。
俺は気持ちが一気に沈んだ。初めての恋は見事に砕けた。
しかし、俺は未練がましく、こう言ったのだった。
「好きな人、いるの?」

367:佐藤
10/03/26 15:20:19
彼女はまた少し下に俯いて、
「ごめん」
そう言って、走り去ってしまった。俺はただ、その場に立ちすくんでいた。

俺は無気力な日々を送った。あれから原田さんとは一言も会話を交わしていない。

俺「あ…原田さ…」
原「…」

原田さんは俺を避けている。
薔薇色の日々は、薔薇ように散ったのであった。

ある日、原田さんから俺に話し掛けてきた。

368:佐藤
10/03/26 15:21:25
「佐藤くん」
「原田さん…」
「ごめんね、最近。その…ちょっと、あって」

原田さんはその大きな目を伏せた。
「実はね、私、本当は好きな人がいるの。」

俺は息をのんだ。
「好きな人って…?」
「…その…川島先生…」
「せ、先生…?」

俺は彼女の発言が信じられなかった。先生は女である。
彼女は、また大きな目を伏せた。


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