07/04/15 17:17:17
「起きろーーーーー!」
ボゴッ。
誰かに殴られて、一瞬で夢の世界から現実の世界に戻ってきた。
「寝てないで、起きろーーーーー!」
肩を掴んでゆさゆさ、ゆさゆさ。
がっくんがっくん俺の頭揺れまくり。
「・・・・・。」
「まだ起きない?じゃ、遠慮なくもう一発。」
起きないんじゃない。痛さと脳震盪で反応できないだけだ。
手を振って『起きてる』というサインをする。
「痛ってぇ。起こしてくれるの有り難いけど、殴らないでくれと毎朝言ってるだろ?」
目の前で俺に馬乗りになって頭をブン殴ってきやがる奴に言ってみる。
「だって、声だけじゃ起きないじゃん?だから刺激を加えようと・・・。」
「もういいよ。とりあえず俺から降りろ。優香。」
「へーい。」
そう言ってのそのそと俺から降りる優香。
坂下 優香
今時高校生になっても毎朝俺を起こしにきてくれる典型的な幼なじみ体質の変な奴。
料理は出来る、洗濯も出来る、おまけに美少女ときている。
一見完璧に見えるが、奴にはある『欠点』が2つある。
それは・・・・。
「ららららー。」
音痴な事。
「止めてくれ優香。お前の歌声は寝起きにはキツイものがある。」
「うがっ、ひっどー。
ここで聞いてるのは東也君だけなんだから良いじゃん、別に。」
「良くないぞ、ご近所さんに迷惑だ。」
「うががっ。
そんな大声で歌ってませんー。
音痴でも生きていけますー。