この三語で書け! 即興文ものスレ 第二十一ヶ条at BUN
この三語で書け! 即興文ものスレ 第二十一ヶ条 - 暇つぶし2ch2:名無し物書き@推敲中?
06/09/20 23:06:39
過去スレ
この3語で書け!即興文ものスレ
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この3語で書け! 即興文ものスレ 巻之二
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3:名無し物書き@推敲中?
06/09/20 23:07:12
過去スレ続き
この三語で書け! 即興文ものスレ 第十壱層
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この三語で書け! 即興文ものスレ 第十二単
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4:名無し物書き@推敲中?
06/09/20 23:07:45
次は「閑古鳥」「魑魅魍魎」「般若」で。

5:かえっこ
06/09/20 23:26:34
【ネットショップ】

子供の頃から好きだった妖怪の類の本ばかりを扱うネット古本屋『魑魅魍魎(ちみもうりょう)』を開業し1年が経過した。
ネット古本屋で成功している人達の体験本を参考に始めては見たものの当初の計画はどこへ行ったのやら…
朝の日課、VAIOを起動させ、注文ゼロに落胆し着替えを済ませ1階へおりて行くと…そこには般若面そっくりの妻がいた。
店を始めるとき、猛反対だった妻を何とか説得し最新パソコンその他もろもろ購入、かなりの金額を使っているのだ。
すっかり冷めた朝食を「そのさえない顔では、今日も注文ゼロだったようね!」との妻の言葉をオカズにしてこれからの事をボーっと考えた。
「今日当たり先月の大口客の分の入金が有るからさぁ~」と二本の角が生えてきそうな妻を落ち着かせ外へ逃亡。
ドトールから、ネット古本屋の先輩である中尾に電話し今の経営状態を相談し終えた後、最近出現したあるコピュータウィルスの話を聞く。
話をしている内にオレのVAIOちゃんが心配になり急いで帰宅。
が、すでに手遅れで、そこには、ネットショップ専用、閑古鳥(かんこどり)ウィルスが居座っていた。
名前の由来は、ウイルス感染したサイトは、すべての客が居なくなるという意味である。
何とか応急処置を済ませ、ウィルスを削除。
さあ、いよいよココからが重要で、祈る思いで銀行の口座を…そ~~っと…開いた。

閑古鳥(かんこどり)は別名、閑古鳥(カッコウ)のことでもある。
カッコウという鳥は他の鳥の巣に卵を産みつけ、先に生まれたカッコウのヒナは他の卵を巣の外に放り出し自分だけを育てさせ習性がある。
結果、ウィルスの卵を産み付けられたオレのサイトは、一年間稼いだ金がキレイに持ち去られていた。
1階では、見事に二本の角が生えた般若が待ちかまえていることだろう…

6:かえっこ
06/09/20 23:42:54
>>1乙です。

>>5
14行目一文字たりませんでした。

カッコウのヒナは他の卵を巣の外に放り出し自分だけを育てさせる習性がある。

で…15行越えてしまいました。ごめんなさい。




7:名無し物書き@推敲中?
06/09/21 01:20:35
おもんない。

8:名無し物書き@推敲中?
06/09/21 23:44:43
>>1
>>6
ドラゴンボール乙!


9:名無し物書き@推敲中?
06/09/24 00:07:18
即死保守

次は「閑古鳥」「魑魅魍魎」「般若」かな。

10:名無し物書き@推敲中?
06/09/24 08:27:26
誰か頼む

11:名無し物書き@推敲中?
06/09/25 00:22:29
即死保守

12:名無し物書き@推敲中?
06/09/25 01:55:45
海に面する寂れた宿が俺達の住処である。
炭鉱が栄えた時代には、多くの人間が入れ替わり立ち代り泊まっていたが、
閑古鳥が鳴くこの船宿には、もう俺達しかいない。
あの頃はよかった。人間は俺達の姿を見て、般若のような形相で驚き腰を抜かしていく。
大漁大漁。商売は大繁盛。俺は、頼朝さんの時代の再来かと思ったね。

そういえば、この日本海の底にはなにやら貴重な資源があるのだそうな。
一人旅の女の鞄に入っていたかわら版に、そう記してあった。
さてさて人間達が再び集まってくる匂いがする。魑魅魍魎としての嗅覚がそう感じさせるのだ。



13:「閑古鳥」「魑魅魍魎」「般若」
06/09/25 01:57:53
 どこかでカッコウが鳴いた。
 森は静かだった。風にそよぐ木々の枝が、青々とした葉をさざめかせるも
これに傾聴する者は確かにいない……いつの間にか閑古鳥さえも去って、
森は静かになった。
―どさり。
 何かが地面に落ちる。物体が地面を打つ音はそれ自体大きくなかったけれど、
その波は森全体に響き渡るかと思うほど遠くへ流れていった。その"首"がそこに
在ると知らしめるべく、こだまもせずにだ。
 俄かに木々が燃え盛る。何かが怒っていたとしか思えない。火の勢いは凄まじく、
瞬く間に静寂を飲み轟音に達する。燃え焦げた木々の中から次々と魑魅魍魎が
飛び出してきた。多くはそのもの蛇の変化だったり、古里の変化だったりしたが、
中には美しい女の姿のも、また一つは気弱な男の姿のもいた。
 妖怪どもは尻に火を付けながら逃げ惑った。そして土から盛り上がるようにして
現れた般若を前にして、皆息をのんだ。
 火事は三日三晩続いた。森の跡には一人の中年女性が無傷で倒れていたという。

次「アルコール」「ランプ」「運転」

14:名無し物書き@推敲中?
06/09/25 04:45:17
アルコールランプで車を運転しよう。そうしよう。ブーン。ブーン。キキー。
1km突破。なかなか速いぞ。
お姉さんが歩いていたのでなんぱでもするか。
おねえさん、お茶でものまない?
うん、いいわよ。
じゃあ乗って。
ブーン。
カーブを曲がってちょっといったら、いい景色の場所があるんです。
お姉さん、綺麗ですね。
あらそうかしら。
ちょっとキスでもしましょう。
うん、いいわよ。

次「いくら」「かつお」「ますお」

15:名無し物書き@推敲中?
06/09/25 12:56:56
「このいくら、いくら?」
「三百万円です」
「古いですよ、そのネタ」
「しかしこのかつお、新鮮ですよ」
「そっちのネタじゃありません。…ともかく、このいくらはいくらですか」
「二百円です」
「寿司にしては高いですね」
「安くなってますお^^」
「似非VIPPERは帰れよ」

次「依存」「中毒」「俺」

16:名無し物書き@推敲中?
06/09/25 14:09:35
 ジャンクフード依存症になって十年、昼飯はカップラーメンばかり食べている。
 ただ食うだけではない。砂糖や塩やみりん、挙句の果てにはタバスコやナムプラーなど、手近な
調味料を手当たり次第に入れて食う。これが美味くてやめられない。大学で生理学の教授をしている
俺がこんな食生活をしていると知ったら、学生達はさぞかし俺を笑うだろう。知ったことではないが。
 その日も俺は、大学の生協でカップラーメンを買ってから研究室に行った。部屋には誰もいなかった。
俺は給湯室で湯を沸かし、カップに注いで部屋に戻った。ふと見ると、助教授の机の上に瓶がある。毒々
しい赤色をした結晶がいっぱいに詰まり「塩味の素」と手書きのラベルが貼られていた。
 塩と味の素? あるいは味の素の塩味? 試供品か? 俺は迷った末、カップラーメンにそれを二、三
回ふりかけた。行儀良く三分待ち、ラーメンを食ってみた。恐ろしくまずい。中学生の時、腐ったプッチン
プリンを食って以来のまずさだ。舌を出して「ゲェ~」と呻いていると助教授が入ってきて、目を見開いた。
「もしかして、それ食べたんですか?」
「ああ」答えると、助教授が悲鳴を上げた。何だ? 不思議に思ってビンを良く見ると、ラベルには「塩味
の毒」と書かれていた。心臓が痙攣を起こし、俺の視界が次第に暗くなった。


次「青空」「腹痛」「月曜日」

17:16
06/09/25 14:18:07
あ、お題の「中毒」を「毒」と読み違えた。
…吊ってきます

以下の流れは17さんに任せますので、シクヨロ

18:名無し物書き@推敲中?
06/09/25 22:25:47
「アルコール」「ランプ」「運転」

今日ぼくは、学校の帰りにランプが落ちているのを見つけました。
アラジンのお話に出てくる魔法のランプみたいなやつです。
お話ではランプをこすると魔人が出てきてねがいごとをかなえてくれます。
ぼくは、このランプもこすったら魔人が出てくるかもしれないと思いました。
ぼくにはずっと前からやってみたいことがひとつありました。それは車を運転することです。
だから、魔人が出てきたら、ぼくにも車を運転させてくださいとたのもうと思ったのです。

それでぼくは、家に帰ったらさっそくランプをこすってみました。
でも、なにも出てきませんでした。
お兄ちゃんが、なにしてんの、と聞いたのでぼくは
「魔人が出てくると思ってランプをこすってみたけど、なにも出てこないんだ」
と言いました。お兄ちゃんは、魔人なんているわけないだろ、と笑いました。
ランプがよごれているからかもしれないと思って、お母さんが掃除に使っていた
アルコールを持ってきてみがいてみました。
でも、あんまりきれいにならなかったし、やっぱり魔人は出てきてくれませんでした。

だから今日はとても残念でした。あと、早く大人になって運転免許を取りたいと思いました。

19:名無し物書き@推敲中?
06/09/25 22:26:42
「依存」「中毒」「俺」

引き出しの隅っこに押し込まれていた古ぼけたノートを見つけた俺は、ある一ページに目を留めた。
―あったな、そんなことが。

そういやあのランプどうしたかな。捨てた記憶もないから部屋のどこかにあるだろう。
押入の奥を探ってみる。……あった。古ぼけたランプ。
そうそう、このへんをこうやって何べんもこすってみたんだよな。でも結局何もなかった。
今だってどうせ、って、あれ?

ランプから煙が立ち昇ったかと思うと―数秒後、俺の眼前には、あの時想像した通りの魔人の姿があった。
「お前の願いを三つ叶えてやろう」
低い声が狭い部屋に響く。なんなんだこれは。夢か?この状況を楽しんでみるのもいいな。
「それじゃあ、まず酒とタバコをやめたいね」
自慢じゃないが俺はアルコール依存症かつニコチン中毒だ。なんとかしたいとは思っていた。
「そうか。あとひとつは?」
それで二つになるのかよ。まあいい。どうせ夢だ。あと一つ。金か、女か、それとも他に何かあるか。
「それから……それから、そうだな、運転免許を、取りたいね」
魔人は頷くと、思い出したように
「それはそうとお前、ワシがいつからランプの中にいるか知っているか?」
さあ?何故そんなことを聞く。
「教えてやろうか。お前がそのランプをこの部屋に持ってきた日からだ」

# お題は >>16 ので

20:名無し物書き@推敲中?
06/09/25 23:46:55
「青空」「腹痛」「月曜日」

 目覚めたのは草原だった。夏草の匂いが鼻腔を刺す。青空を背景に丸顔の男がいる。彼は微笑み、言った。
「案ずるな。貴殿は空腹のために行き倒れとなったようだ。拙者の顔を食べよ」
 顔を食えとはどういう意味だろう。ぼんやりした頭で考えていると、彼はその顔を僕の方へ差し出した。
「ささ、遠慮するでない」
 戸惑いながらも、僕はその顔にかぶりついた。美味い顔だった。口の中に懐かしい甘味が広がり、次第に
意識がはっきりしてくる。そうだ、僕は自殺をするためにここへ来たのだ。友人宅に遊びに行くと家を出て、
死に場所を求めて山に入り、三日三晩彷徨い続けた。そして倒れたのだ。どうやら死に損ねたらしい。

 その時、鋭い音が耳をかすめた。僕の顔のすぐ横に、鉄の矢が突き刺さった。丸い顔の男はやおら立ち上
がって叫んだ。「おのれ、バイキソ侍か!」
 黒い皮膚を持ち頭から角が生えた男が、釜のような浮遊物体に乗って現われた。 
「破非不屁法、ここで会ったが百年目。覚悟せよアソパソ侍」
「覚悟とは片腹痛い。返り討ちにして…むむむ、不覚。顔が欠けて力が出ぬ!」丸顔は地に膝をついた。
 黒い男が高笑いをし、剣を振りかざした。遠くで「新しい顔でござる」という叫びが聞こえた。丸い物体
が飛来してきて、丸顔の顔に直撃した。顔は吹っ飛び、丸い物体がそこに収まった。それもまた、顔だった。
恐怖と混乱の中、僕は悲鳴を上げながら、転がるようにして山を駆け下りた。それが月曜日の出来事。

>>21のお題
「ホップ」「ステップ」「死刑」

21:名無し物書き@推敲中?
06/09/26 15:23:50
誰もいないので、寸評を投下します

>>12
・何も始まらず、何も終わらない。単なる独白だと、何も残らないのではないかと
・般若、魑魅魍魎の使い方に難アリ

>>13
・閑古鳥=カッコウ。短いセンテンスで二つの呼び名は避けた方が吉。
 状況を表す「閑古鳥」を使っていたのだとしても、混乱するので失敗気味かと
・「古里」=狐狸?
・「そのもの蛇の変化」=???
・ラストも消化不良気味。どこか一行を犠牲にしてでも、中年女性の伏線を張っておいた方が良かったかと。

>>14 >>15
スルーします

>>16
・星新一風味?
・コンパクトにまとまっていますが、何かが足りない。それが何か分からない。思いついたらまた。

>>18 >>19
・Wお題消化乙
・ラストの魔人の言葉がちょっと分かりづらかったですが、魔人が18で出てこなかったのは、
 少年が免許取得年齢に達していなかったから? あるいは無垢な少年に魔力は必要ないから?

>>20
自分なのでスルー。誰か辛口コメントヨロ

最後に >>1 さんへ
1行の文字数は何文字までか決めた方がイクナイ?

22:名無し物書き@推敲中?
06/09/26 15:34:25
おおー、ありがたいんだけど、感想・書評は
スレリンク(bun板)l50 にお願いします。

23:21
06/09/26 15:46:44
あ、失礼しました。 新参者なので。

遅番逝ってきます。明けたらまたきます。

24:名無し物書き@推敲中?
06/09/26 16:08:45
>>20
まったくもって小説の体をなしていない。
設定もありきたりだし、文章も読ませるものではない。
読んでいて辛くなってくる。はっきりいって才能が無いのだと思う。
しかも文章は、自分は少しは書けるのだ、というのが匂っている。なまじうまくない文章である。
アンパンマンを古めかしたところで、ただそれだけじゃないか。いったいどこが面白い?

25:名無し物書き@推敲中?
06/09/26 18:00:26
「ホップ」「ステップ」「死刑」

「出来なかったら死刑!」
 言ったのと同時に後ろから頭を叩かれた。
「死刑なんて言っちゃいけません!」
 怒っているのはお母さんだ。
「だって」
 言うとまた頭を叩かれた。
「死ぬとか死刑とか言わない! 来年あなたも中学生なんだから
いい加減分別を付けなさい! お母さん恥ずかしいわ」 
「うー、ごめんなさーい」
 お母さんが去った後、一緒に遊んでいたチズちゃんがこっそり
私に言った。
「お母さん厳しいね」
「うん、痛いし」
「シンドラーごっこやめて、ハビエルごっこやろっか。幅跳び選手の」
「いいよ」
「ここ砂場ね。ホップ、ステップ、」

次「サーモンピンク」「ネオン」「海」

26:かえっこ
06/09/26 22:48:28
【揺れる想い】

私は、今、とても幸せだった。
なぜって…それは、長年、不倫関係だった彼がついに離婚を決断してくれたのだ。
3年前、新卒で今の会社へ入社しすぐにあの優しい彼と知り合った。
彼が用意してくれた新しいマンションで2人だけの生活が始まった。
彼に奥さんと子供が居る事など関係ない。
私たちは、幸せで、いつでも愛し合った。
そして、私は、お腹に彼の子を宿す。
それを彼に伝えた時の彼の笑顔が嬉しかった。

彼からの電話、携帯が鳴った。
「大事な話をしたい。横浜のいつもの所で19時、待ってるよ。」

「さあ、もう暗くなった。あの人の待つマンションへ帰ろう。」
「??おかしい!体が動かない。」
私の体は、ナゼかふわふわと宙に舞い上がり始めた。
「あれは!?何!」
ネオンの光が映り込む夜の海に人が浮いていた…
「私だ!あれは、私だった。」
息絶えて見苦しく膨れ上がった死体と飛び出したサーモンピンクの内臓がプカプカと漂っていた。

27:かえっこ
06/09/26 22:52:09
次、「デパート」「花束」「いわし雲」で…

28:名無し物書き@推敲中?
06/09/27 02:30:22
秋の夕暮れ。
私は彼と別れ、帰っていく人たちを尻目に、デパートの屋上にいた。
『どうぶつらんど』と書かれた看板の下で、パンダや象や
ライオンの乗り物を見ていると、つい乗りたくなった。
千円札を両替し、愛嬌のあるライオンに跨り百円玉を入れた。
軽快な電子音を響かせながら、のろのろと動き始めた。
ああ、なにやってるんだろう……

私は、動かなくなったライオンに跨ったまま遠くを眺めた。
せっかく一緒に買い物に来たのに、欲しいのは花束なんて、わがままなことを言うんじゃなかった。
後悔先に立たず。私は、最後の百円まで乗ることに決めた。
視線の先にはまだらに浮かんだいわし雲が見えた。
まだら模様が、だんだんと、にじんで見えてきた。

次、「月」「オレンジ」「泥」

29:かえっこ
06/09/27 11:24:39
【終わりの朝】

私の体には、まだ、吸血鬼一族としてのプライドが残っているのだろうか。
さっき息を引き取ったばかりの人間から血を吸う時に感じる、この絶望に近い気持ちの揺らぎ…
最近は生きている人間に出会うことがなかなか出来なくなった。
致死性の強い感染症の中、わずかに生き残ったヨワヨワしい人間の血を吸い行き続ける私達。
さあ、夜明けも近い。
帰るとしよう。
美しい人間の妻と可愛い息子の待つ家へ。
人間との混血を繰り返した為、息子には吸血能力の発現は、まだ現れていない。
もう、私にも空を飛ぶ力もない。
昼間降った雨で出来た水たまりで泥だらけになった足元が私の気持ちを一層重くする。
もう人間の生きる時代は終わったのか。
吸血一族と人間、どちらが先に死に絶えるのか…

夜空には、世界の終わりを予言するような巨大に膨れ上がったオレンジ色の月が。


次、「忘れ物」「ペット」「悪夢」 で

30:白木の子
06/09/28 19:00:17
 目の前に広がっている光景はつまり……悪夢だ。
 教室の中は荒れに荒れている。
 机や椅子がばっらんばらんに倒れ足の踏み場は無い。
 生徒があちらこちらに突っ伏したりしている。病院行きもいるだろう。
 黒板は前後とも引っかき傷の様な物で使い物にならなくなっている。
 ガラスも2枚ほど割れている。
 2分前は普通の教室だったのだ。僕が音楽室に忘れ物を取りに行って帰ってくるとこの有様。
 ぽかーんとした。こちらに気付いた倒れている生徒が、
「……せ……先生の……ペットが……」
 とだけ言い残し、頭を落とした。
 
 ……がるるるる。低い声でそいつは鳴いた。
 は? がるる?
 廊下には、隣のクラスから出てきた猫とは言い難い猫科の動物が僕を睨んでいた。

 その後僕は病院に送られたが、虎斑模様がやたら綺麗だったことが頭に引っ付いている。
 先生はトラのほかにワニガメも買っているとこの前聞いた。

次は「下ネタ」「パイクスピーク」「犬」

31:名無し物書き@推敲中?
06/09/28 19:45:11
シーズンから外れていることもあって、パイクスピークの頂へ続くコグ鉄道の駅は閑散としていた。
「ちゃこー 早く来ないと置いていくぞ」
そう言って、周りの景色にただただ見惚れていた妹―千夜子に声をかける。
「あ、待ってよ、アツ兄~~」
千夜子が子犬のように駆け寄って来るのを確認し、俺は改札を通る。
駅では丁度山頂行きの列車が出ようとしているところだった。

赤い二両編成の小さな列車は少しの揺れと共に山頂へ向けて軽快なリズムで走り出す。
千夜子は窓から見える光景を物珍しそうに目をキラキラさせながら眺めていた。
「アツ兄、頂上についたら何をするの?」
「そうだなー こんな天気のいい日は青姦かなぁ」
「もうっ 下ネタばっかり。知らない。」
「ハハハ。今日は母さん達に会いに行くんだ」
「え? 本当??」
「ああ、もうずっと一緒にいられるよ・・・」
俺はそう言って、一昨年ここで亡くなった両親に思いをはせた。


次は「富士山」「湖」「猫」

32:名無し物書き@推敲中?
06/09/28 23:38:05
hetakusosugi

33:名無し物書き@推敲中?
06/09/28 23:54:57
>31さん 

よくまとまっていて素敵な文章(*^0^*)


居間を出て、ひんやりした階段をつま先で駆け上がる。部屋にはいるとさらにつんとした冷気が肌を刺した。
僕は急いでベッドの中にもぐりこみ、目を閉じてまぶたの裏に焼き付けた富士山をじっと見つめる。今年こそ、今年こそは。

幼稚園のころ、祖父が僕に話してくれた。
「一富士、二鷹、三なすびゆうてな、初夢で富士山の夢見られたらその一年はしあわせなことがいいぃっぱい起こるんじゃ。
わしは毎年富士の初夢見とるでぇ。」
祖父の話を聞いてから、毎年みながクリスマスを楽しみにする時期が訪れると僕のあたまは初夢のことでいっぱいになる。
「富士山のはつゆめください」そんな手紙をもらったサンタはどんな顔してこれを読んだだろう。

大好きな焼酎を片手にし、顔を上気させて豪快に笑っていたじいちゃん。それが、去年亡くなった。僕が、富士山の夢、見れてたら・・そしたら、じいちゃんは今も生きていただろうか・・・。

だから、今年は眠くなるまで必死に富士山の写真を眺めて、一人では涙がこぼれそうになるから、猫のベェと一緒に。写真のタイトルは『山中湖から見た富士』だった。
湖の表面をさざなみが滑っていく。日没の光が富士山を赤く染め、風景を温かく包んでいる。じいちゃん。

ベッドの上で眠りのヴェールが舞い降りてくるのを感じつつ僕はひとつの決心をした。
目が覚めたら、自転車に乗って富士山を見に行こう。
自転車は、今年のクリスマス、サンタさんからの贈り物。


次は「霧」「牧歌」「アルミホイル」




34:名無し物書き@推敲中?
06/09/29 00:18:05
まぁまぁいい

35:33
06/09/29 00:25:44
私の文章について?(^^)
すごい嬉しい☆
読み返して結構わやだ~;;と思って
酷評されるかと心配してました(^^;

36:名無し物書き@推敲中?
06/09/29 01:35:39
よかったらこっちもどうぞ

この三語で書け! 即興文スレ 感想文集第12巻
スレリンク(bun板)

37:「霧」「牧歌」「アルミホイル」
06/09/29 14:37:44
霧の中から少女の悲鳴が聞こえる。

すっかり辺りは霧に覆われてしまった。
先ほどまで、私が日向ぼっこをしていた牧歌的な風景は消え失せ、
1m先の視界にも不自由する有様だ。
私は、焼きおにぎりを包んでいたアルミホイルを丸めて弁当箱に突っ込み、
そのままナップザックに収めると、その場で立ち上がった。
まだ午前中で陽は高い。幾許かの視界が得られる事を期待しての行動だ。
しかし私が得たものは、一面に広がる緑の草原と石造りの水車小屋ではなく、
霧の中から、か細く聞こえる少女の泣き声だった。
異様な寒気が全身を包み込んだ。外気温とは無関係に、体の中から、
本能から生ずる寒気。邪悪な存在を忌避する動物的な反応。
しかし、少女の声が聞こえる方に歩いていく、21世紀オカルトが迷信になった
現代に生きる私に、それ以外のどんな行動が取れただろう?
私は少女の声が聞こえる方に歩いていく。
少女の泣き声はどんどん高まり、やがて私は自分が悲鳴をあげている事に気づく。

# お題継続

38:名無し物書き@推敲中?
06/09/29 22:39:39
霧「茶色のくさいうんこ、うんこ、アナルから出るうんこ、うんこ、ぼくらが食べてるうんこ、うんこ、うんこ三兄弟、ぶりっ、ぶりっ、(全裸でうんこを出しつつそれを食べながら歌う)」
牧歌「一番でかいのは長男(霧)、長男、一番かたいのは次男(牧歌)、次男、一番くさいのは三男(アルミホイル)、三男、うんこ三兄弟、ぶりっ、ぶりっ、(全裸でうんこを出しつつそれを食べながら歌う)」
アルミホイル「一番形がいいのは長男(霧)、長男、一番色がいいのは次男(牧歌)、次男、一番味がいいのは三男(アルミホイル)、三男、うんこ三兄弟、ぶりっ、ぶりっ、(全裸でうんこを出しつつそれを食べながら歌う)」
霧「茶色のくさいうんこ、うんこ、アナルから出るうんこ、うんこ、ぼくらが食べてるうんこ、うんこ、うんこ三兄弟、ぶりっ、ぶりっ、(全裸でうんこを出しつつそれを食べながら歌う)」
牧歌「一番でかいのは長男(霧)、長男、一番かたいのは次男(牧歌)、次男、一番くさいのは三男(アルミホイル)、三男、うんこ三兄弟、ぶりっ、ぶりっ、(全裸でうんこを出しつつそれを食べながら歌う)」
アルミホイル「一番形がいいのは長男(霧)、長男、一番色がいいのは次男(牧歌)、次男、一番味がいいのは三男(アルミホイル)、三男、うんこ三兄弟、ぶりっ、ぶりっ、(全裸でうんこを出しつつそれを食べながら歌う)」
霧「茶色のくさいうんこ、うんこ、アナルから出るうんこ、うんこ、ぼくらが食べてるうんこ、うんこ、うんこ三兄弟、ぶりっ、ぶりっ、(全裸でうんこを出しつつそれを食べながら歌う)」
牧歌「一番でかいのは長男(霧)、長男、一番かたいのは次男(牧歌)、次男、一番くさいのは三男(アルミホイル)、三男、うんこ三兄弟、ぶりっ、ぶりっ、(全裸でうんこを出しつつそれを食べながら歌う)」
アルミホイル「一番形がいいのは長男(霧)、長男、一番色がいいのは次男(牧歌)、次男、一番味がいいのは三男(アルミホイル)、三男、うんこ三兄弟、ぶりっ、ぶりっ、(全裸でうんこを出しつつそれを食べながら歌う)」

全員「うんこ、うんこ、うんこ、うんこ、うんこ三兄弟、うんこ三兄弟、うんこ三兄弟、ぶりっぶりっ、(最後に全員大量の超臭いうんこを撒き散らす)」


次は「うんこ」「UNKO」「ウンコ」

39:名無し物書き@推敲中?
06/09/29 22:46:34
「うんこ、うんこ」と幼少時から馬鹿にされ呼び続けられた運子は
ウンコという劇場で「UNKO」という映画を観た。
感極まった運子は思わずお尻からぶりっといってしまい、うんこが漏れた。

次は「道」「酒」「夢」

40:名無し物書き@推敲中?
06/09/29 22:50:05
道に酒びんが転がっている夢を見た

「ぷいぷいにゅー」「アンパンマン」「ひでぶっ」

41:名無し物書き@推敲中?
06/09/29 23:00:25
「抱くとぷいぷいにゅーってするのがいいの、このアンパンマンの抱き枕」
私の娘は上目づかいで私の目をみた。
「え、えと、い、いくらするのかなあ、そのぬいぐるみ」
「えーと、六万円ってかいてある」
私のふところがうずいた。
「ひでぶっ」

「あんあんやー」「必殺拳」「古い宿」

42:名無し物書き@推敲中?
06/09/29 23:21:09
あーあ、だめだこりゃ

43:名無し物書き@推敲中?
06/09/30 03:16:55
「くらえ、究極奥義あんあんやー!!」
古い宿の主は、客に向かって言った。
究極奥義あんあんやーとは、一瞬にして内部から破壊する必殺拳である。
「うんこくせっ」
客は耐えられなくなって逃げた。
古い宿の主は必殺拳の処理をするため厠へ駆け込んだ。

「ぷっくり」「にょる」「うひはー」

44:「にょる」「うひはー」「ぷっくり」
06/09/30 11:37:06
 親友の優子と、二ヶ月ぶりに酒盛りをしようということになりバーへ赴いた。久しぶりに会った優子は、ストレスのせいでぷっくりと膨らんでいたお腹も引っ込み、晴れ晴れとした表情でスツールに腰掛けていた。
 理由を聞いてみると、どうやら新しい即効性のある『にょるダイエット』を始めたそうだ。
 優子が言うには、ダイエットが成功しただけでなく、長年付きまとっていた元彼も居なくなり、一石二鳥の効果があっただとか。
 なるほど、と私は思った。ストレスの原因であった元彼の存在、それのせいで彼女は過食に走っていたのだ。元凶さえ断てば、過食も収まる。納得できるといえば納得できた。
 でも、それだけの効果があるのに、世間で話題にもならないのはどういう事なのか、と少しの疑問も抱いた。
「玲香も試してみる? この薬は、ダイエット効果だけでなくストレス発散の効果もあるんだよ」
 会社でのストレスをお酒に頼って発散していた私は、先日アルコール依存症と診断されて、多量のアルコールを口にする事が叶わなくなった。過食に走りそうな気持ちを抑えるのに四苦八苦していた所でこの薬だ、僅かな希望だろうと縋らない手はない。
 意味深な笑みと共に差し出された丸薬は、琥珀色のよどみのない光を放っている。私はゴクリと唾を飲み込み、恐る恐るそれを口にした。
「うがー、にょるるるる、うひはー」途端に気分が高揚し、理性の箍が外れる。
 薬を服用し、アルコールの助けを借りずトランス状態に陥った私達は、オヤジと化して夜の街を闊歩した。
 これではどれだけ凄い効果があると言っても、利用者が増えず話題にも上らないわけだ……。

 次は「高台」「宇宙船」「盆踊り」で。

45:「高台」「宇宙船」「盆踊り」
06/09/30 13:03:39
「あの高台で待ってます」
彼女はそう告げ、にこりと微笑んだ。

白いワンピース、白い麦藁帽子、そして白い肌。
青く抜ける空を背景に、黒い日傘と艶やかな黒髪が目に残像を灼き付ける。

僕達が出会ったのは、鄙びた地元の町の盆踊りの日。
どことなく淋し気な佇まいは、騒然とした会場では逆に目を惹く。
余所者の彼女が好奇の目に晒されているのが何故か耐えられず、声を掛けた。
彼女はゆっくりと振り向き、そして僕は……恋に落ちた。

「来てくれてありがとう」
彼女はそう言い、にこりと微笑んだ。
背後にはアダムスキー型宇宙船。目の前には彼女の頭部から伸びた紫の触手。
それでもいい。マイルス・デイビスも言っていたじゃないか。"So what?"

「回帰線」「探偵」「血判」

46:トマト大好き
06/09/30 20:24:12
「回帰線の間」
もったいぶったタイトルをつけやがる。
主人公が熱帯のジャングルで道に迷い、恐竜に食われかかるわ金の魚の死骸を
見つけて黄金の鱗を持ち変えるわ、色々奮闘して、結局家に帰れましたという
オチで終わるつまらない小説だった。俺はため息をついてそいつを放った。机
の上を滑らせてゴミ箱にさようなら、だ。まぁでもつまらないといえば俺も似
たようなものかもしれない。親に恥だといわれながらも、探偵を始めて今年で
7年になる。恋人はできても結婚はできない。世の中からどう思われているか
なんて、親に言われなくとも十分承知だ。しかし生きていくためには仕方ないのだ。
俺の性格からして、普通に就職するなんて想像しただけで吐き気がする。「生きて」
いくためには、仕方ない・・・。

机に靴を履いたまま泥も落とさず足を乗せ、窓の縁でうろうろしている蟻の姿をぼうっ
とながめやっていた時、けたたましく電話が鳴った。「はい、こちら長沼探偵事務所で
す。」男の興奮した声が電話の向こうから響いてくる。「今すぐ相談に伺ってもいいで
すか?」今にも泣き出しそうな声だ。早口のせいで内容は分からなかったが私は答えた。
「どうぞ、お待ちしています。」30分ほどして男は来た。お茶を勧める余裕もない。
椅子に腰掛ける前からすがりつくように話を始める。「私、暴力団に脅されているんで
す。」「はぁ。」


47:つづき
06/09/30 20:25:21
私は知らなかったんですよ、彼女が暴力団の幹部の妻だったなんて。彼女はそんなこと一言も・・・。それで今日の朝彼女の夫がチンピラを連れて押しかけてきて、
散々殴られた後、慰謝料として600万払え、それが嫌なら小指をもらう。そう言われて、誓約書に無理やり血判を・・・。逃げてもすぐ暴力団の情報網を使って見つけ出すって、
もし逃げたら殺して海に沈めると言われてて、私、私、いったいどうしたらいいんでしょう?」
気の毒な話だ。しかし、私にどうしてほしいのかさっぱり要領を得ない。「それで、あなたは私にどうしてほしいのですか?」うつむいていた男は急に顔を上げた。その目が冗談だろうと言っている。
「あなたは弁護士さんでしょう?どうしたらいいのか教えてくださいよ!」・・・弁護士?私が?「すいませんが、私は探偵です。ここは探偵事務所ですよ。」驚愕の表情、男は物も言えないほどの衝撃を受けたようだった。
「探偵・・・法律事務所じゃないんですか・・・。」彼は打ちのめされたようにふらふらした足取りで、彼に残されたわずかな時間を無駄にできないと立ち上がり、ドアの向こうに消えていった。
私はしばらく眉間を押さえ座っていた。男が来る前の日常の延長線上に戻らなければ、今夜は酒を浴びることになるだろう。心を鎮める。
小さな深呼吸をひとつして、私は立ち上がった。そして、机の前をとおり、ゴミ箱からさっきの小説をつまみ上げ、もう一度最初の項をゆっくりと開いた。

48:名無し物書き@推敲中?
06/09/30 20:27:03
長くなってしまった;すいません;
次は「お好み焼き」「鳩」「かつら」
お願いします☆

49:トマト大好き
06/09/30 23:11:08
ここに書き込まれた小説の評価ってどこで見れるかご存知の方いらっしゃいますか(?_?*)

50:名無し物書き@推敲中?
06/10/01 01:14:28
評価では必ずしも無いけど>>1に簡素スレがあるよ

でもこれはもうだめかもわからんね

51:トマト大好き
06/10/01 15:52:16
>>50
回答ありがとうございます!
一応見てみたんですけど、第二十一ヶ条に投稿されたものについての
感想って載ってますか・・・??
もういちど探してみます(^0^)☆


52:「お好み焼き」「鳩」「かつら」
06/10/02 18:20:37
―ポチョリ。
 のれんの向こうで何かが落ちる。何が落ちたか見ずともわかる。
白くて緑が混じってて、およそ飲食店の前で見かけたら食欲の
失せる代物。鳩の糞。
 いらっしゃいませ、と書かれたマットの水玉模様、過剰で不浄で
困ったもんだが……やつら、店の入り口ちょうど真上によく溜まり、
お腹空かせたお客を狙う。昨日はかつらが被害にあって、見事な
ハゲを披露して、真っ赤になって帰っていった。
 お好み焼き屋「ハトヤ」は今日も暇だ。
 確かに名前も相当悪い。店長店名変えましょう。言った勇者は
知ってるだけで二十人、辞めた敗者は知ってるだけで十九人。
―ピチャリ。
 見ると頭を拭いている、一人のハゲが立っている。「店長、
おいたわしや」……なんて言ったら勇者じゃないか。
 おっと、そろそろハゲが口を開くぞ。

次「マナ」「手首」「電動」

53:名無し物書き@推敲中?
06/10/02 19:06:45
文章修行したほうがいい

54:名無し物書き@推敲中?
06/10/02 20:00:11
「ボクはどうしようもないオトコでした。うまれてきてほんとにスマナイ」
諏訪ヒロキは、誰も読む者のいない遺書を足元に置いた。
今から自分を受け入れてくれる道頓堀に手を合わせると、
濁った水しぶきが唾を吐きかけるように顔に飛んできた。

ヒロキは欄干の上に立った。
手首を切れば成功率が上がると本に書いてあったが、そんな度胸はなかった。
そのまま半日の間誰かが止めてくれるのを待ったが、誰も止めなかった。

ようやくヒロキは道頓堀に身を躍らせた。
片思いだった初枝ちゃんの電動コケシに生まれ変わりたいと虚しく願いながら。


「坊主」「焼肉」「生臭」

55:名無し物書き@推敲中?
06/10/03 00:13:25
「柔らかいお肉」

今日も極楽亭の店先には、長い行列ができていた。
食事を終えて出て来る人たちは皆、満足した幸せな表情をしている。
三人組の若い女性客がマスターに質問した。
「ホントこの店の焼肉料理は、最高!!美味しいですね。」
「そうそう!牛肉でもないし…食感は…豚に近いけど…やっぱり違う?」
「ねえ、教えてください!一体何の肉なんですか?」
坊主頭のスキンヘッドのマスターは、微笑むだけで、何度聞いても何も教えては、くれない…
「あしたも来ようね!」と三人の若い女の子達は、満足してお店を出る。
と、その中の一人の美しい女性をマスターが呼びとめた。
他の二人と離れている事を確認してからこう話した。
「君は、ウチの店の料理にとても興味を持っていたね。」
「君だけにウチ肉の秘密を教えてあげようか。」

18時、早めに閉店した店の奥に、案内され、若い女性が部屋に入る。
          「ガチッ」
生臭いニオイの中、部屋の入り口がロックされ、マスターが微笑んで立っていた…

次の日も極楽亭の店先には、長い行列ができていた。
食事を終えて出て来る人たちは皆、満足した幸せな表情をしていた。

56:名無し物書き@推敲中?
06/10/03 02:52:16
ありがちな展開 ありがちなオチ

57:「坊主」「焼肉」「生臭」
06/10/03 07:56:43
「なぁなぁ、坊主ってのは不殺生戒とかで生臭を口にしちゃいけないんじゃなかったのか」

「………」

「タン塩、カルビ、特上ロースに生ビールってか。 うまそうじゃねえかコラ」

「………」

「お釈迦様ー、ここに焼肉を食いまくってる破戒僧がいますよー!」

「やかましい! 美味しく食われたんだからとっとと成仏せんかい!!」


次のお題が出ていなかったのでお題継続と判断しました。
次のお題「読書」「焼き芋」「夕焼け」

58:名無し物書き@推敲中?
06/10/03 12:17:17
【ページの想い出】

「おーい!おまえら!早く帰らんとオカンに怒られるぞ!」と石焼き芋売りのおっちゃんがさけんでいる。
僕達は今日も、たけし、ゆういちの三人で時間の経つのも忘れ、いつもの空き地でクタクタになるまで遊びまわっていた。
気がつくと夕焼けも終り、辺りは暗くなりかけている。
そして僕らは大人になった。
でも、今も、僕ら3人の胸の中には、あの日見た、赤トンボが、いつまでもいつまでも、飛び続けている。

『あの日の赤トンボ』というタイトルの本を静かに閉じた川村さとみは、何とも言えない《懐かしさ》で涙を流していた。
昭和と言う大昔の時代で10才の男の子達の友情を描いた話題の本を読み終えた。
最近では、デジタル書籍に換わって、本物の紙に特殊なインクと特殊な活字印刷技術を使用した新しいタイプの読書スタイルがすっかり定着していた。
それは、その活字を読むだけで読者をかなりリアルな擬似体験的な物語の世界に引きこみ、深い感動を与える作用があった。

2055年生まれの都会暮らしの川村さとみは、女性だし、実際、空き地で遊んだ事も、空を飛ぶ赤トンボなんて見たこともないのだが。


※次のお題は継続で

59:「読書」「焼き芋」「夕焼け」
06/10/03 15:56:18
 あはははははははは、まるで僕は夕焼けの太陽の中にいるみたいだ。
 隣に座っていたふとっちょの男はついさっきおじさんに連れ去られた。
「お嬢ちゃんかわいいから大きいのを上げるね」
 なんて言いながら焼き芋売りのおじさんに。
 彼があんまり火力を強くするものだからサウナなんて氷河期の暑さ、なんだか湿っているのは同じだけど火の中にいるみたいだ。いやここは本当に火の中だ。昨日食べた焼き芋に同情心が芽生える。こんなの熱くて我慢できやしない。
 僕はいつも通り図書館で本を読んでただけなのに、なんで気づいたら焼き芋になってるんだろう。
 いや僕がいつの間にか本を読んでたのか? うん? まあいいや。そんなのはどっちでもいい話だ。
 とにかくここは熱い。熱い。熱い。熱い。出してくれ早く。じゃないと食べ頃になっちまう。



次、「ガラス」「テープレコーダー」「アンコール・ワット」

60:名無し物書き@推敲中?
06/10/03 16:36:14
>>58
しょーもねー。問題外
>>59
おもんない。下手糞

61:名無し物書き@推敲中?
06/10/03 17:31:48
あげ

62:名無し物書き@推敲中?
06/10/04 02:36:49
クラスの頭の軽そうな子達が、キャイキャイいいながら回し読みしてた雑誌を買ってみたの。
占いとか全然興味ないし、おまじないなんて柄でもないし、神様なんて信じてない。
ほんとよ? もう子供じゃないんだもの。
でも明日は席替えの日だから…
くだらない事でも、何もしないよりはいいでしょ? 万が一って事もあるかもしれないし。
だから雑誌にあったとおりに、深夜の2時にコッソリ部屋を抜け出したの。
寒空に震えながらお月様を20分見つめて、テープレコーダーにあいつの名前を囁いた。
後は枕の下に入れて眠るだけ。
まったく馬鹿馬鹿しい、私はなにやってるんだろ。
そう思いながらも、胸が落ち着かなくってなかなか眠れない。
あぁ神様、もしもいるんだったら今回だけお願い聞いて…そして早いところ眠らせて…




63:名無し物書き@推敲中?
06/10/04 02:38:22
朝起きたら、視界がぼやけて天井が回ってた。
力を振り絞り、学校の支度をしようとしていたら
「40度もあるのになに考えてるの!」ってお母さんに怒られた。
ちくしょう…やっぱり神様なんていない… いや、もともと信じてないけどさ。
風邪なんて引いたの何時以来?こんな大事な日にかぎって信じられない。
布団の中でちょっと涙ぐんだけど、病気で弱ってただけ。本気で泣いた訳じゃないよ。



64:名無し物書き@推敲中?
06/10/04 02:39:49
休み明けの教室、私の隣にあいつが座ってた。
ねぇ信じられる!?こんな事ってある? また天井が回るかと思ったわよ。
ほんとは神様っているのかも…、疑ったりしてごめんね。
いやっ、たまたまよね、そう偶然よ。運も実力のうち!
でも、折角の幸運なのだから何とか生かさなきゃねっ
私は深呼吸してから力強く席に向かい、あいつの肩をドンと突いてやった。
「おっす、おはよっ」
「おぉ、おはよ…う?、なにお前そのアンコールワットみたいな髪型」
あいつは私の頭を指差してふきだした。
「う、うるせぇー レディーに失礼な事いうな!」
今日は早起きして、新しいセットに挑戦してみたのに…
まだ病み上がりの、ガラスのような私のハートが胸から滑り落ちてゆくのがわかった。
私は涙目をさとられないよう、抵抗しながらも馬鹿笑いするあいつの口を手で塞いでやろうとやっきになる。
ちくしょう…あぁ神様…もう帰りたい、はやく布団で泣かせてよ。

「雑誌」「神様」「布団」


65:名無し物書き@推敲中?
06/10/04 14:16:56
【信じる者は掬われる】

バイトで疲れた川田にとって、いつもの楽しみである、コンビニでの、今日発売の雑誌の立ち読み。
店に入り、数冊を手に取り、パラパラと1冊づつチェックしていた。
      …と…「んん!!か・み・さ・ま??」
そこには、『あなただけの神様発売!』と広告が目に止まった。
値段を見ると思っていた数字よりさほど高価では無く、何よりも面白そうだったので、さっそく帰ってネットで注文してみた。
届いた神様を箱から取り出すと取説には、『この神様は既存の宗教で存在し、崇拝されている種類の神様とは、まったく関係有りません』と記されていた。
「ふーん。まあいいや。どの団体にも属さないフリーの神様ってコトね!!」
で、真空パックされた袋を切ると、白い気体で形創られた人型の神様が微笑んで現れる。
29歳、独身、バイト生活で、ワンルームのアパート暮らし、彼女はいないし、友達もどちらかといえば少ない方の川田にとってこの神様は、良い話し相手になってくれた。
「神様!あんた!意外といいヤツじゃんか!!」
「川田君!キミもなかなか素直で見込みアル人間だよ!」って気さくな感じ…
       1ヵ月後…
『これからの社会人にとって何より大切なのは心地よい睡眠』だよって神様に薦められて48万円の高機能布団セットがワンルームに敷かれていた。


※次のお題、「紛失届け」「砂場」「肩こり」

66:白木の子
06/10/04 21:14:28
「紛失届け」「砂場」「肩こり」

 ……あれ? ない。
 おかしいな……、どこだっけ?
 学生服に存在しているポケットは全て探した。
 ない。
 冷や汗はとどまることを知らないようだ。次から次へと噴出した液体は、瞬く間にカッターシャツを染めた。
「……どうした? 早くしてくれんか」
 担任の大木は持病の肩こりをさすっている。
(鞄の中か!)
 と直感したが、肝心の鞄が無い。どこへやった?
 ……あ、そうだ。思い出した。
「鞄忘れてきたんで取って来ます」
 大木のぽかんとする顔をなるべく見ないようにして、鞄を忘れたと思われる砂場へダッシュ。
 よりによって鞄を忘れるとは……。

 
 がらがら、と大木のいる教室のドアを開け、僕はそれを差し出して言い放った。
「鞄無くしました。これ、紛失届けです」

67:白木の子
06/10/04 21:15:51
次は「万」「社」「翁」で

68:名無し物書き@推敲中?
06/10/05 12:17:59
「万」「社」「翁」

 忘年会の席。胸のすくような音と共に、僕の頬に激痛が走った。
 酔った勢いで同じ社の先輩であるK女史に迫り、ものの見事に拒絶を意味する張り手を食らったのだ。
 K女史は、入社以来見たこともないような鬼の形相だった。これが普段手取り足取り優しく仕事を教えてくれていた美人のK女史の本当の姿なのかと思うと、今までの酔いと思い上がりが一気に醒めていった。

 事の起こりは、昨日の社でのやり取りだった。社で翁とまで呼ばれる窓際族代表のGさんから、K女史の今までの男性遍歴を聞かされたのが間違いだった。
 K女史は毎年新入生の教育係を任されているというのだが、その中でも深い関係になった男達は、必ずと言っていいほど本社へ栄転になるという。
 社の万事は任せろ、と豪語する古株の言葉は、出世の秘伝書を覗き見たような衝撃を僕に与えた。そしてそのターニングポイントは、忘年会と相場が決まっているそうなのだ。
 忘年会で深い仲になった男たちは、公私共に女史から手ほどきを受け、翌年の人事異動で栄転していくという。
 忘年会でのプロセスは分からなかったが、その伝説に自分も乗ってみたいと思ったのが運の尽きだった。

 いたたまれない気持ちのまま忘年会をやり過ごし、お開きの声と共に早々に店を出た。
 夜風に当たると幾分か気持ちはやわらいだが、明日からのK女史との関係を考えると、溜息を吐かずにはいられなかった。
「よかったら、一緒に帰らない?」後ろから声。
 振り返ると、酔いの所為か薄っすらと頬を染めたK女史が、亜麻色の髪をかき上げながら佇んでいた。

69:名無し物書き@推敲中?
06/10/05 12:26:52
次は「自暴自棄」「ハッタリ」「飛球」で。

70:名無し物書き@推敲中?
06/10/05 17:56:50
その時僕は自暴自棄になっていた。
僕は失敗していた。
その時の僕の気持ちは世界の一番深いところにあったのだ。
それなのに世界は僕をあざ笑うかのように普段と何一つ変わっていなかった。
乱立する高層ビル。その周りを飛ぶ飛球船。
僕がこの世界から消えても変わらないことだろう。
懐にはお金がほとんど無い。
自分にハッタリをかましなが歩いてきた人生だがもう保たないようだ。
そう、ハッタリと自暴自棄これが自分の人生のキーワードだった。
あの飛球船を作ったのは僕だ。
僕は発明家だったのだ。
あの飛球船の構想は昔からあったものだ。
だけども細部まで設計する自信は僕には無かった。
それでも投資家と自分にハッタリを掛けて計画の実行まで漕ぎ着けた。
だけどそこでどうするべきか分からなくなった。
そこで僕は自暴自棄になった。ところが計画はどんどん進んで行った。
そして完成した。
僕は心底驚いた。
僕はただ部下達に適当な指示を与えていただけだったのだ。
そして翌日、僕は投資家達に呼び出された。
大金を渡され追い出されたのだ。そして自暴自棄になった。
その結果がこのザマだ。
きっと僕は明日も明後日も自暴自棄からハッタリに気分が変わるまでこの辺りをぶらぶらしつづけるだろう

71:名無し物書き@推敲中?
06/10/05 17:59:05
その時僕は自暴自棄になっていた。
僕は失敗していた。
その時の僕の気持ちは世界の一番深いところにあったのだ。
それなのに世界は僕をあざ笑うかのように普段と何一つ変わっていなかった。
乱立する高層ビル。その周りを飛ぶ飛球船。
僕がこの世界から消えても変わらないことだろう。
懐にはお金がほとんど無い。
自分にハッタリをかましなが歩いてきた人生だがもう保たないようだ。
そう、ハッタリと自暴自棄これが自分の人生のキーワードだった。
あの飛球船を作ったのは僕だ。
僕は発明家だったのだ。
あの飛球船の構想は昔からあったものだ。
だけども細部まで設計する自信は僕には無かった。
それでも投資家と自分にハッタリを掛けて計画の実行まで漕ぎ着けた。
だけどそこでどうするべきか分からなくなった。
そこで僕は自暴自棄になった。ところが計画はどんどん進んで行った。
そして完成した。
僕は心底驚いた。
僕はただ部下達に適当な指示を与えていただけだったのだ。
そして翌日、僕は投資家達に呼び出された。
大金を渡され追い出されたのだ。そして自暴自棄になった。
その結果がこのザマだ。
僕はぶらぶらしつづけるだろう。明日も明後日も。
自暴自棄からハッタリに気分が変わるまで

72:名無し物書き@推敲中?
06/10/05 18:00:30
次は「紺」「海」「機」です

73:名無し物書き@推敲中?
06/10/05 20:08:47
もういい加減にしれ!下手糞すぎて段々腹が立ってきた。

74:名無し物書き@推敲中?
06/10/05 20:13:04
でもちゃんと読むあなたが私は好きです

75:名無し物書き@推敲中?
06/10/05 21:30:16
1 :名無し物書き@推敲中?:2006/09/20(水) 23:05:54
即興の魅力!
創造力と妄想を駆使して書きまくれ。

お約束
1: 前の投稿者が決めた3つの語(句)を全て使って文章を書く。
2: 小説・評論・雑文・通告・㌧㌦系、ジャンルは自由。官能系はしらけるので自粛。
3: 文章は5行以上15行以下を目安に。
4: 最後の行に次の投稿者のために3つの語(句)を示す。ただし、固有名詞は避けること。
5: お題が複数でた場合は先の投稿を優先。前投稿にお題がないときはお題継続。
6: 感想のいらない人は、本文もしくはメール欄にその旨を記入のこと。


76:名無し物書き@推敲中?
06/10/06 19:22:04
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
このスレは投稿専用です。会話するなら↓へ

裏三語スレ より良き即興の為に 第四章
スレリンク(bun板)l50
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

77:名無し物書き@推敲中?
06/10/06 23:03:58
いやそこじゃなくて誘導先は簡素だろ元来

78:名無し物書き@推敲中?
06/10/06 23:39:44
もういいんじゃない感想スレ別にしなくても、感想スレ全然書き込みないしさ。
分ける意味ないよ。

わかりやすくていいじゃん。ココだけで…

79:名無し物書き@推敲中?
06/10/07 20:32:46
『下手糞』てなんだよ。
勝手に造語つくるな馬鹿

80:名無し物書き@推敲中?
06/10/07 22:31:34
へたくそ 4 0 【《下手》▼糞】


(名・形動)
〔「下手」を強め、けなしていう〕(技術などの)非常にまずい・こと(さま)。そのような人をもいう。
「―な字」「あの―め」

81:名無し物書き@推敲中?
06/10/08 00:05:20
>>79
これは…かなりハズイ!!

82:名無し物書き@推敲中?
06/10/08 00:28:27
紺 海 機

野球部の練習試合があると言う事で、友人の野球部員に調子を聞いてみた。
「今度の試合見に行くぜ。どうよ?新入部員とか使えそうか?」
「まぁ、人数ぎりぎりだからな。唯一のピッチャーが引退したばかりだから新人でも
機会があれば使って行かないといけないんだけど……」
「なんだ?問題児だったりするのか?」
「ああ。大分な。他の部員とだいぶ毛色が違う」
「具体的にどんな奴なんだ?」
「ひとことで言うとだな、そう、濃紺―だな」
「ノーコンか。でも臨海合宿の後だろ試合は。猛練習するしかないな」
「練習じゃどうにもならないよ。本人のこだわりだからね」
「こだわり???」

そして試合の日。機転の利く人ならもうおわかりだろう。試合は中止された。
そう。話に上った濃紺のピッチャーのために。
「まさかそうくるとはな……」
「だから言ったろう奴は濃紺だと……うちの部は昔から赤なんだよ!」
試合当日マウンドに立ったピッチャーが履いていたものは……ブルマーだった。
もはや何も言うまい。いや、何も言ってくれるな。これで終わりだちくしょう。


「秋」「職」「ゲイ」

83:名無し物書き@推敲中?
06/10/08 04:43:20
>>81
そんなに恥ずかしがるな、
今回だけは大目に見てやるよ

84:「秋」「職」「ゲイ」
06/10/08 10:54:43
春が過ぎ、夏が来て、秋になった。
大学を卒業してから既に半年。ニートという新しい肩書きにも大分慣れた。
兄は新語に慣れないのかそれとも故意にか未だにプータローと揶揄しているが。

大学進学者さえ稀な過疎の村では、二流でも都会の大学に合格した者はちょっとした有名人になる。
合格発表の日には、縁遠い親戚や幼稚園の先生などから次々と電話がかかってきたことを覚えている。
そして常は酒を嗜まぬ父がビールを一本空け酩酊したことも、母が隠れて何度も涙を拭っていたことも。
そんな田舎だからこそ、手に職のない者は却って馬鹿にされる。不当とも言える程に。
兄は何も言わないが、物心がついてから20年近くも住んだ村のことだから厭でもよくわかる。

だから母には言えない。在学中父が他界してから、慣れないパートで懸命に仕送りしてくれた母には。
就職の夢が潰えた時に兄に頼み込み、中小企業にSEとして採用されたと口裏を合わせてもらった。
中学に入った頃気付いたゲイの性向を自身が隠し通していたこともあってか、彼は快く協力してくれた。
母は電話口では淡泊だったが、その日の夕飯は赤飯―陰膳二杯を添えた―だったと兄から聞いた。
その兄が今電話で母の末期癌を告げている。今日は求人情報も読めそうにないや。ごめんね、母さん。

「気配」「熟練」「被爆」

85:名無し物書き@推敲中?
06/10/11 10:47:51
「気配」「熟練」「被爆」

 しゃか、しゃか、しゃか。しゃか、しゃか、しゃか。
 ああ、今日も来ているな。厨房から音が聞こえる。裏口ドアの鍵穴に差し込んだまま親指と人差し指で挟んだ
鍵をゆっくり左へとまわし戻した。
 腕時計の針を確認すると深夜の三時をすこしまわったところだった。別に恐怖心はない。ただ彼が来ているとき
は店内の電灯がつかないのである。懐中電灯はどこにあったかな。頭の中で思い出す。ドアを細くあけると彼の
気配とともに悲しみが流れ出てくるような気がした。一瞬、やめておこうか。と、迷いがよぎる。身体に重く溜まっ
た疲れがそう思わせるのであった。空を見上げると満天の星が輝いている。夏の夜風が首筋を撫でた。いや、彼
に会おう。そう思い直しドアを大きく開く。
 ステンレスのシンクが弱い懐中電灯の光を跳ね返す。左から右へと大きなシンクをみかん色の光輪が照らし、
続いていくつも並んだガス台を照らすのであった。居た。無心に中華鍋をふるう彼がいた。
 しゃか、しゃか、しゃか。しゃか、しゃか、しゃか。
 私も若い頃、重い中華鍋のなかに砂をいれさらに重くして握力を鍛えたものであった。時を刻むことを許されな
い彼を見ると、初心を思い起こすとともに熟練にはまだほど遠いことを痛感するのであった。被爆の記憶が残る
地に店を構えた私の戒めとしてコップに一杯の水をそっと供えてから店をあとにした。そういえば、明日は八月の
あの日であった。ここ数週間忙し過ぎて、人間らしく生きることを忘れていた。嫁さんの怒った顔が頭に浮かぶ。
明日、起きたらすぐに誕生日プレゼントを買いに行こう。生きている人間のほうがよっぽど怖いのであった。

「灯台」「デジタルカメラ」「さんま」

86:白木の子
06/10/12 20:07:18
 秋刀魚を釣る。それが香代の夢だ。
「……今日は記念すべき50回目の釣行」
 竿先にひっついている発光体を眺めて腕を組んだ。
 特に何と言うわけでもないが、『秋刀魚を釣る』と言うばかばかしい計画にもう2年も付き合っている。
 大体毎週土曜、仕事も無く何もすることが無いので困るわけではないが、長いこと竿先を見ているなあ、と最近思う。
 灯台の明かりが遠くでくるくるしている。というか、夜は釣れんだろう。
「さあさ、今日こそは秋刀魚を釣るよ、諸君」
「釣れるといいな、何か」
 そうだ、別に秋刀魚じゃなくてもいいのだ。まあでも、そういうと香代はふくれるので濁しておく。
 ……!
 竿が揺れた。断続的かつ不感覚。これは魚の動きだ。タイミングを見計らって竿をしゃくる。
 乗った。
「おい、何か掛かった!デジカメ!」
「おお!」
 なかなか引きが強い。もしや秋刀魚か、と期待してしまう。
 所詮魚類だ、ぐいぐいと糸を巻くとそいつは海面に浮上。細長い。
 釣り上げた魚体を、デジタルカメラに収める。
「……これ秋刀魚じゃないか?」
 とうとうやったのかもしれない。白銀で細長の魚体、これは如何見ても……?
 と、隣を見ると、香代が真剣に魚を見て一言、

「ダツだね」
 おいしく食べた。


次は「希望」 「テロリスト」 「宮殿」


87:名無し物書き@推敲中?
06/10/13 03:14:48
この国の全ては彼女が握ってる。
あの女の権力の前には、俺の抗いなど吹いて掃くような物だろう。
そんな事は重々承知している。だが抵抗を続ける限りそこに「希望」もあり続けるのだ。
だからテロリストである俺は、今日も戦いを挑む。

階段を降りれば、あとは彼女の宮殿までまっすぐだ。
優雅に動く影がすりガラス越しに踊っている、間違いないあの女だ。
情けないが、吐く息が震えているのが自分でもわかる。
俺は胸の前で十字を切ると、意を決して廊下へと這い出した。
後はもう無心だった。繰り返された訓練のままに自然と体が動くにまかせる。
素早く扉を開き、中へとすべり込む。完璧だった。完全に彼女の隙を突いていた。
その時、俺の耳には成功の足音すら聴こえ始めていたのだ。
だが、俺が足音の主と抱擁を交わすことは叶わなかった。
気の緩みなどなかったと信じたい。しかし俺は後ろに忍び寄るもう一人の気配に、直前まで気が付かなかったのだ。
手遅れながら振り返った俺の目に映ったのは、小さな少女だった。怪訝そうな目で俺をみつめている。
「お兄ちゃん何してるの?」
俺は作戦の失敗を悟り、天を仰いだ。
すまない部屋で待つ我が子猫たちよ…どうやらお前達にから揚げを持って帰ってやる事は出来なくなってしまったようだ。
テーブルの向こうでエプロンをした母が、ニヤニヤと笑っていた。

「抗い」「抱擁」「気配」

88:「抗い」「抱擁」「気配」
06/10/14 05:00:42
 全てを失った若者は、自らの起源を求めて旅に出た。
 川を泳いで、滝に出た。
 かつて、自分の母が、最初に父と抱擁を交したという滝だ。
 しかし、彼は心の中で呟いた。「ちがう…ここじゃない」

 幼少期を視聴覚障害の中で過ごした彼には、気配で、それが解るのだ。
 さらに山を上り、母が父と食事をしたという山頂に立った。
 巨大な朝日が若者を照らす。「私は、ここで発生したのか?」

 …真相に近づいた感はあったが、今ひとつだ。
 湖に下りた若者は、かつて女学生時代の母が住んだ家に辿り着く。
 「ここだ!」
 直感した。ここが自分の起源だ、自分がこの世に発生した場所だと。

 目前に、小さな古びたドアがある…心に、迷いも抗いもなかった。
 ノブに手を伸ばしたその瞬間、背後の自転車から「声」が呼びかけた。
 「あっ!」と仰天した。目前にルーツそのものが立っていた、気配で解る。

 声は言った。「まいどあり、米屋です」


※眠くてよくわかんない、見逃して。
次のお題は:「ロケット」「イヤリング」「光子エンジン」でお願いしまふ。

89:名無し物書き@推敲中?
06/10/14 10:23:39
【ワープ技術】

有機的デザインで形創られた操縦席の計器からは絶えず警告サインが出されていた。
やはりそうだ。光子エンジンの出力は落ちてきている。
このままでは、人類初の外宇宙探査隊7名の乗った船はブラックホールの特異点に吸収され消滅する。
異星人の遺跡から発掘されたロケットを私たち人類が使いこなす事は出来ないのか…
徐々に前方の空間の歪みが大きくなってきていた。

「ねえ!たかしく~ん。聞いてるの」
たかしはハッと目覚め、自分が表参道ヒルズにいる事を思い出した。
ああそうだった。
最近知り合った、ななかちゃんに何か欲しいものある?
って、この店に入り、指を指されたイヤリングの値段の丸のあまりの多さに異次元に飛んでしまっていたんだった。
「ねえ。な・な・か・ちゃん…この隣の小っちゃくてかわいらしいイヤリングにしない?」
これまで、天使のようだった、ななかちゃんの表情が別人のように変貌した。
別れぎわ目も合わせないで、ななかちゃんは、こう言って地下鉄入口へと消えていった…
「たかしくん!あれはね。イヤリングでは無くてピ・ア・スっていうのよ」


※お題は継続で・・・


90:「ロケット」「イヤリング」「光子エンジン」
06/10/14 19:14:53
 2人乗りの星間探査船の流線型ボディの右脇を、青白い光が掠める。
 小惑星帯で未知の生命体のものと思われる遺跡を見つけた俺は、転位ポイントだけ記録してさっさと
帰れば良かったものを、嬉しくてつい長居してしまったのだ。凶悪な宇宙海賊船に見つかってしまった
のは俺のミス。それにしてもこの出力の落ちかたは異常だ。まるでエネルギーを吸われているようだ。
「どうやら光量子と熱量を同時に吸収する線形の半連続場らしいわね。射程も熱レーザー並」
「ユリ!わかってるならどうにかしてくれよ!」
「知らなーい。あなたが浮かれてウロウロしてたのがいけないんでしょ」
 コパイロットが欠伸をする。全く捕まったらこいつだって絶対無事じゃすまないというのに。
「頼む、お前の好きなナッツ・クロケットやるから!」
「一枚?」
 彼女が横目でチラリとこっちを見る。ああ性格さえこんなじゃなきゃ可愛い女なんだが。
「わかったよ。二枚、いや食料庫にある分全部やるから!」
 にっこり笑ったユリはイヤリングを引っ張ってケーブルを延ばし、コンソールに差し込んで目を閉じる。
途端に船の出力が上がり、海賊の船は瞬く間にレーダーから消え失せた。
 光子エンジンは燃料貯蔵スペースも含めると小型化に限界があり、小型船の長期運行には向かないと
される中、搭乗者の魂の持つ膨大なエネルギーを物理的出力に変換する霊子エンジンが試験的に
搭載され始めている。俺の船もその一つなのだが、「霊」の精神状態に大きく左右されるこのエンジン、
完全に実用化するのは難しいんじゃないだろうか。ユリの顔と、残る長い帰路を思い、ため息を吐いた。


89氏のがすでにあったので、ロケットは変則的な使い方をしたにもかかわらず
長くなってしまいました。出題者さんごめんなさい。

次は「タオル」「獣」「波」

91:名無し物書き@推敲中?
06/10/14 20:18:09
風呂から出て、一緒に入っていたその獣の体を拭いてやる。
それは気持ちよさそうに目を細めていた。寿命は人間よりも長い、
遺伝子工学の末に産み出されたそれは、未開惑星での探査をする者には、
欠かす事の出来ない相棒だった。でも僕はそう言うタイプの人間じゃない、
・・・こいつは、知り合いの飼っていた奴だ。
発見されたその、新たな未開惑星には広大な氷河が広がり、植物はおろか、
そこは生物の棲める環境では無かった。知り合いはそこにこいつを連れて、
そして調査に出向いて、そして遭難した。絶望視されてから約二年後、
こいつだけが生き延びていて、回収された。それを僕が引き取ったのだ。
風呂から出ると、そこにあるタオルにそれはくるまった。ぼろぼろで、
それは既にタオルとは言えない。回収された時に共に有った物だ、知り合いの、
その名前が書いて有り、見つかった時には血糊が付いていた。幾ら極限状態でも、
彼らが耐えられるとしても。食料も無い場所で二年は持たない、彼は何かを食べていた。
やがてそれは、その場で眠り始めた。時々その寝顔が、何だか遭難した知り合いの、
それに見えてくる事がある。タオルと共に有った、白骨化した死体。腐った形跡はない、
白い骨と、血で汚れたタオルと、その獣だけがそこにいた。波の様に、何かがざわめき。
ただ、その獣は大事にしなければ成らないと、思った。彼をそれは、看取ったのだ。


お題「映画」「しらふ」「巨乳」

92:名無し物書き@推敲中?
06/10/14 21:23:29
【たかしリターンズ】

惑星《エレストラル》は銀河帝国政府のお尋ね者エイリアンたちの溜まり場だった。
緑色の皮膚のエイリアン、外骨格の昆虫型エイリアン。そして巨乳の6つの乳房をぶら下げた女性エイリアン…
精神高揚作用を及ぼす違法香料が煙る酒場にダダ一人、しらふの銀河帝国捜査官GUEの私が入っていった。
居た!あいつだ!賞金1,000,000,000バラッチの賞金首のガレバシッ星系人。

「ねえ!たかしくん!!聞いてるの!!」
たかしはハッと目覚め、自分が《ホテルベルサイユ》にいる事を思い出した。
ああそうだった。
やっと機嫌を直してもらい、一緒に映画を見て、そして…奈々香ちゃんからの最高の言葉…「わたしを・あ・げ・る・」
って、このラブホテルに入り、お互いシャワーを浴びて…そして…
日本人標準形体よりかなり小さめの僕のアソコに視線が固定された時!
          「あ…」
と、思わず落胆の表情から発せられた奈々香ちゃんの言葉を耳にしたとたん、異次元に飛んでしまっていたんだった。
「ねえ。な・な・か・ちゃん…あ・あの…小っちゃくてかわいらしいでしょう?☆★!」
これまで、天使のようだった、ななかちゃんの表情が別人のように変貌した。
結局、何も出来ないままで、別れぎわも目も合わせてくれない、奈々香ちゃんは、地下鉄入口へと静かに消えていった…

※続編書いてみた。下ネタでごめん
お題は、継続で…

93:「映画」「しらふ」「巨乳」
06/10/15 01:48:03
 彼女と下校する道沿いの、ボロい公民館のすぐ横に、ある怪しい建物ができた。
 「精子・卵子バンクだってさ!やだねー」少年は彼女にグチる。
 「世界が人口多数決になってから、少子化対策省が人口増やそうって」

 「うん、知ってる」彼女は頷いた。「先月、お父様に言われて卵子提供してきたから…」
 少年は驚愕した、余りのショックに棒立ちだ。 「あ、校舎に縦笛忘れた、またね!」

 急いで駈け戻り、水色のドアを力任せに叩き、受付に駆け寄った。
 「あの、あのですね。ある人の卵子なんですが、返してもらうとか、それとも」
 「だめです、返せません。ランダム選択された精子を受精させ、それから…」

 後は聞こえなかった、目の前が真っ暗だ。誰とも解らない無作為抽出の…そんな!
 彼は自分に言い聞かせた。「落ち着くんだ、こうなったらやるべき事は一つしかない!」

 承諾書にサインして中に進むと、「採取室」にはそれなりの映画が流れていた。
 巨乳の女が月夜の湖に沐浴するシーンが、もう、あからさまに流れていた。
 「昔、あれだけ見ちゃダメって言っといて」と、彼は椅子に座る「あーあ…勝手だよな」

 こんな設備に少年はしらふで毎日通った。自分の確率を増やすには、これしかないから。
 すまなそうに手を振る彼女に送られ、少年は今日もドアを叩く。大人の身勝手を呪いながらも。

※下ネタ便乗スマン;
次のお題は:「火星」「貝柱」「マロニエ」でお願いします。

94:名無し物書き@推敲中?
06/10/15 02:33:05
少年時代に父親からもらったカメラを、俺は今でも大切にしている。
ドイツイハゲー社製一眼レフ。今では父の形見だ。
こうやって手に持っていると、広がった田園地帯や、
近所で遊ぶ友人達を撮っていた頃を思い出してくる。

高校に入った頃には、付き合っていた彼女を良く撮ったりしていた。
彼女は、いつも小首を傾げるお決まりのポーズで、爽やかな笑みを浮かべていた。
俺は、被写体だけにピントをあわせたその写真を、いつも身に着けていた。
「俺、絶対プロカメラマンで成功してみせるよ」
その頃の俺には、どんな困難でもやってのけるという熱意がみなぎっていた。

それからもう十年。現実は厳しく辛いものだった。
人脈というものがどの世界にも必要だということがわかった。

今の俺は、アルバイトで入ったポルノ映画の専属カメラマンとして働いている。
映画館の前に立てかける、宣伝写真を撮るのが仕事だ。
「今日は新人さんがくるから、きっちり撮ってくれよ」
女達があられもない姿で、レンズ越しにどれほど挑発しても、俺はいつもしらふだ。
「巨乳らしさを強調するように撮れよ。ほらもっと寄れ馬鹿」
背後から監督の怒号を聞きながら、俺は今日もシャッターを押す。
熱意?……そんなことは関係ない。
明日も、あさっても。俺はシャッターを押し、生活していくのだ。

「山」「村」「峠」


95:94
06/10/15 02:35:49

これは、お題が「映画」「しらふ」「巨乳」の分でした。遅かったです。
次のお題は、93さんの
「火星」「貝柱」「マロニエ」です。スマソ

96:名無し物書き@推敲中?
06/10/15 11:20:16
「街並み」

火星の重力は地球の約3/5位しかない。そこに人類は半円形の巨大なドーム、
それを張って居住環境を確保した。ただ重力の低さは如何ともし難い、人々は、
やはり段々筋力が衰えて、虚弱に成っていた。僕の暮らすその都市も今は、
もうかつての1/10も人が居ない。殆どが病人だ、筋力低下かリハビリの為に、
僕らはここにいる・・・だから、ここには墓が多い。
街路樹として、マロニエの樹が植わっている。その通りを歩きながら不意に、
綺麗な女性が道を横切っていった。歩いて、じゃない、それは飛んで、ふわりと、
スカートをなびかせつつ。面白そうに彼女は着地して、そこで僕と視線が合った。
「この街の方?面白いね、ここ」歳は、僕と同じくらいだろうか。まだ少女の、
そんなあどけなさが残る。観光で来たと彼女は言っていた、そう言う人々も居る。
自分も、そこは話を合わせていた。観光で来ている、「病気です」とは言わず。
お昼時で、二人で近くの寿司屋に。ホタテの貝柱を彼女は頼んだ、美味しいと、数皿。
また少し話して、僕らは別れた。「さようなら」彼女は別れ際にそう言って、笑顔で、
また少し歩いて、跳ねて。そして何か嬉しそうに、やがて視界から消えていった。
・・・僕らに、未来は有るのだろうか?と、ふと考えた。自分達は、ここにいるのだ。


次のお題は「山」「村」「峠」 で。

97:名無し物書き@推敲中?
06/10/15 15:09:34
なんじゃそりゃ

98:白木の子
06/10/15 21:19:17
「山」「村」「峠」

 自転車にはまっている。俗に言うMTBという種類で、ゴツい車体にいぼいぼ
のタイヤで、主に山道を爆走する、という物だ。
 始めようと思って始めたのではなく、中学からの同級生の誘いで一度大会に
出たことがあって、打ち上げのビールが異様に美味かったのが大きな理由かも
しれない。
 それ以来毎年その大会に出ている。もう今年で3回目だ。
 それがまたハードで、4人で交代しながら4時間、峠道の登りから始ま
るコースを4時間走りきる、というもの。
 1年目はさすがに厳しかった。飛び入り参加だったのだが、中学以来
運動という運動をしたことが無かったため1週目の途中で吐き、それ以
降タオルの顔面にかけて倒れてしまっていた。
 その反省をふまえちょくちょくと練習を重ねた結果、体重は5キロ落
ち、2回目の大会では3週回ることができた。
 吐き気を催すことは皆無で、林道から覗く池や村を見て楽しむ余裕さ
え出てきた。
 そして3回目、とうとう自転車は10万円の大台を突破。今年の目標
は4週走ること。
「おーい! 返ってきたぞ!」
 さあ次は俺の番。一時の精神集中。
「行って来る!」
 応援の声が後ろで響いていた。

次は「ジャスティス」「コーヒー」「善玉菌」で


99:名無し物書き@推敲中?
06/10/15 21:51:20
「ルーチンワーク」

朝のコーヒーを啜りながら、朝食。日曜の朝だ、新聞を読みTVを見ながら、
・・・息子は、TVに映るその子供向け特撮番組を見ていた。見ていて、
ちょっと面白いとは思えない。ご都合主義で馬鹿らしい、空想のそれだ。
だが子供は喜んで見ている、気楽で良い、ああ、明日からまた仕事だ。
「ジャスティスソードォ!」「うぎゃああ!」
敵の怪物がそれで倒される。息子はその剣の玩具を持っている。正義の剣、
それで世の中前に進むならどんなに。すると倒された筈の敵が復活して巨大化、
先週もそう言えば同じ展開だった気がする。ちょっと聞いてみた、飽きないのか?
「格好良くない?」そう言う息子に、妻が食後のデザートを手渡す。その、
胃の中の善玉菌を増やすと言う触れ込みのヨーグルトを頬張りつつ息子は、
また、TVに向いた。ちょっと解らなかった、ルーチンワークだ・・・彼らも。
やがて巨大化した敵は、出てきたロボの必殺技で倒される。次回も多分同じ事の、
その繰り返しだろう、ちょっと苦笑した。どの世界の大人も大変だ、仕事なのだ。


うーむもう一声か。ま次のお題「学者」「生花」「なた豆」

100:名無し物書き@推敲中?
06/10/15 22:52:12
自分で陶酔しているだけの文章を垂れ流すな!!

101:名無し物書き@推敲中?
06/10/15 23:55:24
>>100
それなら自己陶酔(自己満足)で終わらない文章を見せてもらおう。
このお題で一本書きな。逃げんなよ。


102:名無し物書き@推敲中?
06/10/16 00:16:38
おまえに小説は無理だって
諦めて働け
バカ残飯(←ATOK標準単語登録済み)
 
 
 


103:名無し物書き@推敲中?
06/10/16 01:37:12
【瞳の秘密】

「ああっ!!」目覚めると枕もとの時計は午前1時40分をさしていた。
また同じ夢を見た。
クラスのみんなからイジメを受けつづけて過ごした悪夢の日々。
夢に出てくるのは小学4年生の時のあの時!あの瞬間の夢…
密かに想いを寄せていた川村沙耶ちゃんが私に見せた『弱い者を哀れむまなざし』
あの日を境に私は人間関係が苦手になり苦悩の人生を歩み続けている。
その分、勉強は人並み以上にがんばり、進学、就職も希望通りに出来た。
夜が明けると朝一番の新幹線に乗り、名古屋で開催される次世代エネルギーを研究している学者が集まるシンポジウムに出なくてはならない。
だが、眠るのをあきらめてテレビのリモコンに手をのばし、チャンネルを流す。
関東ローカル局では最近めっきり見なくなっていた落ち目のタレントと通販会社の変な社長が なた豆茶 がブームになっていると笑顔たっぷりで繰り返していた。
いろんな効能を紹介し最後になんと薄毛にも効くと知り、50歳を越えてかなり淋しくなっている頭の私の気持ちを揺さぶってしまい、あわててチャンネルを変える。

その日のシンポジウムでは、私の専門分野である海洋温度差発電システムの最新技術について有益な発表が出来、充実した気持ちで控え室に戻った。
するとテーブルに一つの花束が届けられていて中村生花店と書かれた伝票と共にきれいな封筒に入った一通の短い手紙が添えられていた。
川村沙耶と名前が記されていて、震える手で封を切った。
手紙にはあの時のあの瞬間からの川村沙耶ちゃんの後悔の日々がつづられていた。
涙をおさえる事が出来ずにいる自分がそこには居た。
たとえこの手紙ですべてが変る事はないかもしれないが、心の奥底の何かには触れた。
この日の夜、午前1時40分を過ぎても寝息をたてて眠る私がいた。

※ちょっと長くなったスミマセン。(いちおう私、>>100ではありません)

お題は継続デ…

104:名無し物書き@推敲中?
06/10/16 03:38:48
まあまあいいけど、まだまだだな。

105:名無し物書き@推敲中?
06/10/16 07:24:52
「なた豆茶」

・・・気が付くと、僕は学者に成っていた。
大学に進学、何とは成しに農学部へと進路を取った。授業料を払いつつの作業、
畑の穀物他と格闘する日々。助手として、助教授として、そのうち月日は流れ、
何だか気付いたら教授になっていた。なた豆を見つつ、今日のデータを録る。
適性があった、らしい。本来の指向は生花だった。花屋をしていた人が居て、
気が付いたらその道を志ていた。大学には出なければ成らなかった、しかし、
今思うとつまらない夢だ。その店に自分の花を送るのだ、何だかそこにロマンを。
結局、僕は生花業者には成らず、そのまま研究室で今日もキーボードを叩いている。
地味な作物だ、なた豆に、どうも何かを見出したのか。ともかくそれの育成に没頭、
やがて様々な効能を発見し、特に特殊な製法で作る「なた豆茶」と言うのがブームに。
良くも悪くも変な意味で時の人に成って。それから教授になって、その前に妻を。
家に帰る。色とりどりの花々が並ぶ店先を通り奧に。若い頃の夢は結局成らなかった、
僕は今日もなた豆と共に過ごして、花に囲まれた我が家に帰る。棚の隅になた豆茶。
・・・手入れをしていた妻が出迎えてくれた。結婚してからも花屋を続けたいと、
彼女はだから今日も、花を売っている。店の棚の隅に、なた豆茶の袋が見えた。


お題継続なのであえて被らせてみたりw。
次のお題「川遊び」「セオリー」「鹿」w。

106:名無し物書き@推敲中?
06/10/16 08:41:04
言い訳は要らない

107:名無し物書き@推敲中?
06/10/16 11:26:02
小説を書けというのに。

108:名無し物書き@推敲中?
06/10/16 12:41:55
【あいつと残した宝物】

三好貞行は《鹿注意!》の標識を見るといつもふるさとの北海道の標津町に戻ってきたことを実感する。
一昨日、小学校から高校までずっと一緒だったあいつ…あいつが死んだ。
小さいころからあいつは勉強も野球も女友達の数もいつも俺の2,3歩先を歩いていた。
そんな俺は高校を卒業して東京へ、ヤツは地元に残った。
10年ぶりに戻ったふるさとは、どこかよそよそしく冷たい。

葬儀が終わり帰路へ向う道…あいつの遺影の笑顔が思い出されハンドルを強く握り締めた。
ふと右のウィンドウに懐かしい風景が映る。
ハンドルを操作し、小学生の時の夏休み、あいつと毎日遊んだ小さな川に降りた。
多分、俺らが川遊びをした最後の世代だと思う。
すぐに《ドラゴンの大岩》は見つかった。
「ココだ!」あの頃、夢中になっていたファミコンのRPGゲーム上に出てくる大岩と重ね合わせ、この岩をそう名づけた。
あの時もあいつはセオリーも何も構わずゲームを強引にそして見事にクリアして行ったっけ!
俺には東京に戻ると無理をして始めざるを得なかった事業の資金繰りが待っている。
何を思ったか岩の前であいつと唱えていた呪文をそっと口ずさんでいる俺がいた。
『こめみ かほひ もひばじ げゆぞ ひまね けめほべ むずと ひむふ むいむま にるつ うべく うれしな へさま ねよひ ぬせぬね』
復活の呪文と共に、あいつと一生懸命生きていた子供の頃の気持ちが蘇ってきた。
俺はさけぶ。「おい!助けてくれるか!俺にとっておまえは勇者…だった」
これからは呪文を唱える度に俺の心にあいつが蘇って先を歩いてくれるのだろうか…


※また15行越えた。スミマセン

お題は「オーケストラ」「一枚のはがき」「腕時計」で…

109:名無し物書き@推敲中?
06/10/16 13:55:49
無駄な描写が多すぎる、2点。

110:名無し物書き@推敲中?
06/10/16 16:20:10
下手すぎ

111:白木の子
06/10/16 19:08:37
「オーケストラ」「一枚のはがき」「腕時計」

 腕時計は既に3時を指している。下手をすれば間に合わないかもしれない。
 単純に言うとデート。複雑に言うと彼女が送った懸賞が当たって、オーケス
トラ公演にペアご招待。
 その彼女がまた珍しい人種で(本人に言うと激しく蹴られる)無類のクラシ
ック好きなのだ。
 付き合いだす前からベートーベンやらチャイコフスキーやらを吹き込まれ、
挙句の果てにコンサート。寝ちゃうっちゅうねん。
 俺が舟を漕いでいるときの彼女の得意技は、ハイヒールカカト指圧。痣がで
きた記憶がある。
 間に合わないなんて事になれば、指圧どころかライダーキックをお見舞い
されるだろう。
 さらには、持っていてくれればいいものを、1枚のはがき大のサイズの入
場券を俺に持たせ、当日キャンセルを不可能なものにしている。
 とりあえず今から10km離れた辺りまで行かなければいけない。
 といってもなんだかんだ言って、結局彼女の元に行ってしまうのが男の性
なのか、とアクセルを踏みながら思った。

次は「ダンボール」「加圧」「自爆スイッチ」にて

112:名無し物書き@推敲中?
06/10/17 00:41:07
ふーん ってかんじだな。何の興趣もない。

113:リンコン
06/10/17 03:39:19
寒い冬のある日僕たちのダンボールハウスを撤去しようとする前フリで市役所のオネエさんがやってきた。
「皆で輪姦するど。」リーダーの酔っちゃんがいう。流石前科持ち。誰が賛成反対するでもなしに
する方向になっていった。「サルが進化したのが男。女は鯨の末裔じゃ。」神話のような進化論を
松さんが目をひんむいて力説している。嫌がるオネエさんはダンボールの中に無理やり招待された。
「こうして下腹部を加圧しながらな。」松さんはもう最高潮だ。オネエさんもそろそろだ。
「吹けー!!鯨の遺伝子!!」その瞬間、ダンボールハウスは眩い閃光につつまれた・・・
ちゅどーん!!公園に爆風が吹き荒れる。酔っちゃン、松さんは瞬間に粉々になった。紅蓮の炎は全てを染めた。
僕は右腕を失いながらも生きながらえてしまった。
あれから生き残ったメンバーは事件の事を徹底的に調べた、
そして事の真相が明るみに出るにつれ信じられない事実が浮かび上がって来た。
なんとオネエさんは行政が送り込んだ最新鋭アンドロイドだったのだ!!
そしてなぜかあんな所に自爆スイッチが組み込まれていたのだったのだ!!
なんの為に?それはわからなかった!!
次のお題は「ネオン」「スイミング」「子豚」なのだ!!


114:名無し物書き@推敲中?
06/10/17 12:04:10
「異聞」

妖しいネオンが輝く夜の街、私はそこを歩いていた。
足下にプール、子豚が小粋にスイミング中だ。自分も服を脱ぐ、
すると子豚はプールから出て走り去っていった。山の茂みの中へ消える。
イノシシが覗いていた。私は薄く笑ったが特に抵抗もせず、
そこで飛び魚のように平泳ぎを始めた。素晴らしいと、フラッシュ。
惨憺たる有様のビーチサイドに立った私は、その怠惰な周囲を眺め呟いた。
「世界は上手く行っている」世の中はそれに大きく頷き、私は満足した。

お題「グランド」「バーチャー」「ジャスティーン」
それは何か?それは聞くな。

115:名無し物書き@推敲中?
06/10/17 19:00:24
「ハゲワシ」

「ジャスティーン・グランド」それが彼女の名前だ。別名「バーチャー」。Vulture。
鳥だ、死肉を漁るハゲワシの事。その空で敵として彼女の別名を知らない奴は居ない。
出くわした奴が生き残った記録は今の所無い。狙われたらそれは死だ。執拗な追尾、
振りほどけないまま、じわじわと、遊んでいる訳じゃないのに、やがて死んでいく。
何機かが、編隊を組んで挑んだ事が有った。一機が落とされ、2機が死んで、結局、
3機目が長い逃走の末に羽根をもがれ墜ちた。スコアは3上がる、もう数えていない。
彼女は、エースパイロットは狙わない。徹底してザコを狙う。新兵、或いは下手くそ。
見た瞬間に解る、「そいつはもう死んでいるのだ」、なら、死肉を漁る鳥の出番だ。
女神だと、いう奴も居る。撃墜スコアは洒落にならない。戦場では頼りに成る味方だ。
勝つ為の、それは一番効率的な方法なのだと彼女は苦笑しつつ言う。ザコを片づける。
羽根をもがれた鳥はもう飛べないのと一緒なのだと。死神と言う蔑称をむしろ誇りに、
彼女は今日も、死肉を掃除するために、愛機と共に空を飛ぶ。

お題「自爆」「黄昏」「台本」

116:「自爆」「黄昏」「台本」
06/10/18 05:02:59
「世の中はなぁ……」
女は煙草に火を付け、旨そうに煙を吸い込み、そしてゆっくり吐き出した。
少年の頭に銃を突きつけたまま、気怠げに続ける。
「台本通りにゃ動かないようにできてんだよ、坊や」
無造作かつ確かな手つきで撃鉄を引き、欠伸を?み殺す。
蹲る影の震えなど知らぬ気に、乾いた金属の音が黄昏の街角に響いた。
少年はゆっくりと顔を上げ、睨め付ける視線に脅えながら声を絞り出す。
「見逃してはもらえませんか……?」
年齢―12歳と聞いていた―よりもしっかりした声に、女の眼がすっと細くなる。
「それが何を意味するかわかって言ってんのか?」
女の顔を見据えながらゆっくり頷く少年の顔に、最早脅えは感じられなかった。
銃声は一発。
小さい影はゆっくりと地に崩れ落ち、そのままどす黒く版図を拡げた。
「……馬鹿が。今日び自爆テロなんざ流行らねぇんだよ」
女は毒づきながら少年の瞼を閉じた。白く細い指で、優しいとさえ言える程そっと。

「官憲」「暗殺」「後悔」

117:116
06/10/18 05:05:24
5行目が文字化けしたかも。
?み殺す。→噛み殺す。

118:名無し物書き@推敲中?
06/10/18 06:47:05
文章に少し臭みがあったけどいいねこれ。

119:名無し物書き@推敲中?
06/10/18 08:49:48
「間違い」

官憲の職務として、国家機密に当たる物を流出しようとする行為には、
断固として対応しなければ成らないし、今のご時世、その権限も私は、
国の方から与えられている。どんな相手だろうとそこにいる限りは敵だ、
排除する事に何の問題もない。目の前で息絶えた少女を一瞥して自分は、
部下に死体を片づけるように命じた。嫌な時代と言うべきだろうか、
こんな少女がスパイの真似毎をしなければ成らない。ふと思いだした。
「見のがして貰えませんか・・・?」
死ぬつもりで来ているのに、見つかればそれは死を意味する任務なのに。
土壇場でそんな事を言う奴がスパイとして役に立つ訳がなく。私はむしろ、
怒りにも似た思いで静かに引き金を引いた。愛らしい顔、はじけ飛ぶ脳症。
・・・ふと、気付いた。”そんな事を言う奴がスパイである訳がない”。
運ばれる死体に近づき、見る。ボロい衣服、ポケットにしまわれた紙幣、
部屋の中、荒らされた室内・・・ただ、機密文書のファイルは閉じたままだ。
柄にもなく、自分は少しの後悔と共に胸の前で十字を切った。可能性として有る、
この子は或いは、貧しい、ただの泥棒だったのかも知れなかった。金が有りそうな、
家の中を狙った。世の中はマニュアルに外れた事態も起こる物だ。
・・・それは物語には、成りそうもなかった。


お題「競争」「柿」「画板」

120:名無し物書き@推敲中?
06/10/18 08:59:09
>>119
スマソ「暗殺」入れてなかったorz。
3と4行目の間に下記の文章いれちくり。

女性の暗殺者など有り触れている、最も警戒せねば成らない相手だ。

121:名無し物書き@推敲中?
06/10/18 15:41:08
下手なんだよ。臭すぎ。

122:名無し物書き@推敲中?
06/10/18 19:47:01
批評しとらんで小説を書かんか。

123:名無し物書き@推敲中?
06/10/19 15:27:57
そもそも私は競争が嫌いだ。何かにおいて順列を決めるという事が無駄に思えて仕方がない。
例えば徒競走だ。私と誰かが50mを走り、私が勝ったとしよう。
その次に私が転倒して負け、その誰かが勝ったとしたら、その前の勝利はなかったことになるのか?
そんな些細なことで揺らぐ勝利になど何の価値がある?虚しいだけではないか。
私は校庭の芝生に座り、そんなことを考えていた。
目の前には画板に張られた画用紙、それには半分だけ色の付いた校庭の柿の木が描かれている。
あの葉の色はビリジアンかきみどりかで頭を悩ませていると、隣に座って同じ柿の木を書いている彼女が口を開いた。
「わたしが勝ったからおこってるんでしょ」
「おこってない」
「すりむいたひざ、だいじょうぶ?いたくない?」
「いたくないよ」
「いたいくせに。おまじないしてあげる」
そう言って、私の膝に柔らかい手のひらを当てておまじないを唱える彼女。
そしてベルが鳴り、道具をしまって私たちは小学校の一階にある3-Aの教室に戻る。
仲直りのしるしに手をつないで。
訂正しよう、競争もそう悪いものではないようだ。

お題「靴底」「トンネル」「洗剤」

124:名無し物書き@推敲中?
06/10/19 18:16:59
「暗い道の先」

「気持ち悪い・・・」と、連れがそう言った。二人で、
ふとハイキングに来た、その山の、そのトンネルに入って、
もう2時間は歩いている。軽い気持ちだった、長いトンネルだ、
出口には別世界が!と言うのがお約束だが、いい加減長すぎる。
靴底に、ふと奇妙な感触を覚えた。ぬめぬめとしている、異臭もする。
泥?少し違う感じ、何か・・・ブヨブヨとした肉の塊を践んでいる、
ぬらぬらとした感触、気持ちが悪くなった、空気も淀んできた。僕らは、
少し不味い所に踏み込んだと思った。何かが違う、しかし解るのは、今は、
前進するしか無いと言う事だった。
1時間ほど前に、落石が有って。それで少し気を失った、後の話だ。
彼女の友達と3人で山に、と言う誘い、本当は二人で来たかったが、
そのちょっと太った人に”偶然”見つかったらしい、一緒に行くと、
執拗にせがまれてともかく。気付いた時には、その彼女は居なかった。
「別に、置いていく訳じゃないよ・・・どこにいるの・・・?」
彼女が、ふと呟いた。周囲を見回すが人影は無い、言葉の意味を問う、
それもちょっと躊躇われた・・・その後で僕にもふと聞こえた、でも。
僕はそれで、彼女の手を持って走り出していた。後ろは振り返らなかった、
ぬかるんだ足場に幾度も転びそうに成りつつも、やがて出口が見えて。
・・・それから、僕は病室で目を醒ました。顔に少し包帯をしている彼女が、
嬉しそうにのぞき込んでいた。突然の落石で生き埋めに成って、僕らは。
洗剤で、僕は幾度も体を洗った。発見された時、僕らは血塗れだったらしい、
僕らの傷は大した事は無かったが、あの彼女は、何故か助からなかったらしい。


お題「木綿」「オーバーチュア」「事務」w

125:名無し物書き@推敲中?
06/10/19 21:00:57
もう足を洗った方がいいよ。下手にもほどがある。

126:名無し物書き@推敲中?
06/10/20 03:03:42

「すみません部長、ここの記入なんですが」
 由美子は黒い帳簿の経費の部分を指差して言った。
「ああ、それがどうした」
 部長は山田の呼びかけにオーバーチェアから乗り出すようにして振り返った。
「木綿の入荷に関しては、隣の事務室で計算するように言われたもので
 削除してよろしいですか?」
 と、由美子は少し高い声で尋ねた。
「あぁ、そうか。忘れていたよ。しょっちゅう記入方式が変わるからな。
 本当に面倒くさい、非効率だ・・・・」
 部長はまたブツブツと文句を垂れる。山田由美子は自分の席に戻って
机の引き出しからボールペンを取り出すと、木綿の経費に二本線を引いて消した。
ここは洋服会社の会計部。入荷や出荷などの経理を全て請け負っている。
由美子は入社して今年で八年目になる。一度の部署転換もなく同じ事務所で
八年も働いているのはこの会社では彼女だけである。

お題「ソーセージ」「ロンダリング」「UFO」

127:名無し物書き@推敲中?
06/10/20 03:10:09
おもんない

128:名無し物書き@推敲中?
06/10/20 07:43:39
起承転結が無く主人公が非能動的で展開に矛盾がある。

129:名無し物書き@推敲中?
06/10/20 08:16:44
「ある依頼」

彼はその魚肉ソーセージとカップ麺「焼きそばUFO」を私の前に見せつつ、
「ロンダリングして下さい」と言った。何を言われているのか解らなかった。
畜生嫌な汗が出てきやがった!薄く笑うその彼を前に、自分はただ立ちすくんでいた。
「料理人の腕前見せます」と言う実例的講習会の企画。目の前に有る食材、
その中のどれでも2つ選んで、後はジャンルを伝えてくれればほぼなんでも作る。
そう言う触れ込みだった。所詮ジャガイモや豚肉に過ぎない、後は炒め物でも鍋でも。
食える物でさえ有れば有る程度何とでも成る物だ、これでも10年近く続けている。
・・・しかしその二つは目の前に見えなかった。と言うかこの怪しい雰囲気の青年が、
この狭い調理実習室のどこから紛れ込んだのかも解らない。「ロンダリングしてくれ」
何をどうすれば良いんだ!!と言いたくなったが、その雰囲気に異論は挟めなかった。
やがて教室が静まり返っていると、彼は不意にふっ・・・と笑いながらそれを下げた。
「やっぱり、先生もその程度ですか」彼は何故か勝ち誇った笑顔を見せて勝利者の、
恐らくはその雰囲気を纏いつつ、道を避ける人々の間を悠然と歩き教室を出ていった。
・・・暫くした後、救急車のサイレンが聞こえて、捕り物?らしき騒ぎが教室の外で。
「どうもお騒がせしました」と病院関係者らしき人が。教室は安堵の空気に包まれた。


お題「借金」「ギャンブル」「横道」

130: ◆z/XyGHVvtM
06/10/20 12:33:32
『芋酒を想う』


亡き父の
書きし文など手にとつた夜は
昔に還りて芋酒

汗水を垂らし働く是れ人ぞ
十八の夜に
父は言いけり

横道に入ればいつか行き止まり
また人生に於いても然り

借金をギャンブルで作り
ギャンブルで返す
これぞ我が道程なり



「詩」「河原」「堤防」

131:名無し物書き@推敲中?
06/10/20 12:44:49
【正直な夫婦】

18時15分、仕事を早く終えた木下加寿子は自宅のある桜ヶ丘駅より一駅手前の紅葉台駅で降りた。
駅前のにぎやかな商店街通りを人の流れにそってボーっと一人、歩く。
女好きで浮気を繰り返し、ギャンブル好きで借金も繰り返す、バカで能無しの夫の事を考えながら歩いていると、いつの間にか、見慣れた横道にそれて歩いている自分に気がつく。

18時10分、仕事を早く終えた木下伸幸は自宅のある桜ヶ丘駅より一駅手前の若木駅で降りた。
駅前のにぎやかな商店街通りを人の流れにそってボーっと一人、歩く。
男好きで浮気を繰り返し、ブランド物大好きで借金を繰り返す、バカで能無しの妻の事を考えながら歩いていると、いつの間にか、見慣れた横道にそれて歩いている自分に気がつく。

日付が変わった深夜2時、2台のタクシーが両方向から同時に近づき停車した。
「あれっ!一緒だったね!!」
と、二人は仲良くあいさつを交わす。
お互いの浮気相手のマンションで過ごした後の帰りだったのだが、何事もないように手をつないで自宅へ入っていった。

借金の請求書は、すべて裕福なお互いの両親の元へ届けられ無難に処理してくれる。
「けさらせら」夫婦は今日も脳天気に幸せに暮らしていました。

※お題は継続デ・・・

132:131
06/10/20 12:47:27
スミマセン先越されていました。↑は無しです!!

お題は>>130さんの「詩」「河原」「堤防」でお願い致します!!

133:名無し物書き@推敲中?
06/10/20 13:28:02
「座る詩人」

堤防を降りて、自分はその河原に立った。水の流れを見ながら溜息。
座るのにちょうど良い岩が有る、運の良さはまだ自分に向いているな、
・・・そうは思いつつも、押し流れる時間を眼前の川に見る、止まらない。
「ああ、あいつは賭博師としては下だな。大勝ちを狙いすぎるんだよ」
ふと小耳に挟んだ陰口が、何故か今思い出された。当たりまくった頃があった、
あの頃の、或いは忠告だったのかも知れなかったが、自分は無視していた、
それが出来る状況だった。運の良さは今、ここに椅子が有る、それでも解る、
しかしもっと大きな何かがズレてしまった・・・そんな気が、ふとした。
ビルを2つ、会社を9つ。時の人としてそこにいた、女に不自由することも無く、
連日銀座を豪遊した、当時は良い時代だった。何でも当たる場所に、自分はそこに座り、
負ける事が無かった訳じゃないが、要するに倍掛けを続けた。”続ける奴が勝つ”方程式。
連続して11回も外すなんて、あり得ない事だ・・・それが起こった。全て失って更に今、
3桁を越える億の負債を抱えて。でもまだ挽回出来ると思った、先日、父親が死ぬまでは。
堤防の向こうにはダムが有る、暫くぼんやりしていると、放流を告げる音が聞こえた。
自分は或いは、まだ運がいいのかも知れないと、思った。


お題「映画」「鮎」「小石」

134:「映画」「鮎」「小石」
06/10/20 16:05:23
以前見た国営放送で、動物の寿命は心臓の鼓動回数で決定すると言っていたな。確か2億回か2万回だったはずだ。2億回と2万回ではおおきな差があるが、それはどうでもよい。兎に角、回数制限があるのだ。
鮎などの小さな体の動物は1~2年で、象のような巨体であれば70年の寿命なのだそうだ。
まあ、そんなことはどうでもよい。映画の話だ。今日観た映画はつまらなかった。金を払って無駄な時間を過ごしてしまった。
こんなことなら溜まっている小説でも読んでいたほうが良かったと後悔していた。おれの貴重な鼓動を返せと言いたい。なんでこんな糞な映画がロングセラーなのか? 信じられない。
駅の改札に向かっていると、スレンダーな色白で髪の長い女性とすれ違った。甘い香がして思わず振り返ってしまった。俺の視線を感じたのか振り返り、ほんの一瞬視線が交わった。
その女性はすぐに街のほうに颯爽と歩いていってしまったが、俺はなんとなくその場に留まり、人波に消えてしまった女性を捜した。俺の余分に高まった鼓動を返せと……いや、ありがとうと言いたい。

お題は継続で

135:名無し物書き@推敲中?
06/10/20 16:15:55
どこに小石があるんだ。すみません。上のは無視してください。

136:名無し物書き@推敲中?
06/10/20 18:47:01
涙で完全にふやけてしまった瞼に、外はとても眩しすぎた。
声を殺して泣きすぎたせいで、喉の奥もチリチリと疼く。
物語の余韻に溺れたまま、私はおぼつかない足をなんとか動かしていた。
隣の悟は、映画が終わってから一度も私に話しかけないでいてくれる。
まるで気配を消すようにして、静かに私に合わせて歩いている。
悟はこんな時、私をそっとしておいてくれるのだ。普段気が利かない彼だけれど、こんな時の気遣いは優しい。

「アユの人生」 話題ベストセラー小説の映画化だった。
誰もが羨むような容姿と声を持った、女子高生のアユ。だが彼女が持てたのはそれだけ。
互いに不倫状態の両親の目に、アユの姿が映る事はなかった。親友だと思っていた仲間達には手ひどく裏切られ、すがり付くように心を許した男には小石のように蹴飛ばされてしまう。
アユは生きていくために、その華奢な体を汚してゆく。
心は汚さないようにと足掻く彼女に、波のように迫りくる仕打ちの数々。

アユの一人震えるシーンを思い出しながら、再び私の目に熱い物が込み上げて来たその時、突然ポケットで携帯が震えた。
メールの着信を伝える画面、差出人の名は「悟」だった。
ん?
彼は素知らぬ顔をしている。悟のくせに味な真似をするじゃんか… 私はなんだか悔しい思いをしながら本文を開いた。
そこにはたった一行 「鮎、可哀相だったな」

私の体から一気に力が抜けていった。
鮎って、魚じゃないんだよ!! もう~台無しだよこの男は…
隣を大袈裟に睨みつけてやると、悟は慌てて目を泳がせた。
私はそれを観て吹き出してしまう。同時に押しつぶれていた私の胸に、休日の澄んだ空気が吹き込んで来るのがわかった。
私は悟の無防備なわき腹に、渾身のチョップを食らわせてやった。

「余韻」「大袈裟」「無防備」


137:名無し物書き@推敲中?
06/10/20 23:10:23
【プロレスラー我島!!】

今は何といってもK1だのプライドだの…総合格闘技が人気の時代だ。
俺が所属する大帝都プロレスは、観客席は、マバラ…今やテレビ中継もなし!
だが俺はプロレスこそ最強の格闘技だと思うし何よりも俺はプロレスが好きだ!!
デビューして1年を過ぎた俺は、大帝都プロレスの次世代の頭を取れる逸材と期待をかけられて日々厳しいトレーニングを続けていた。

今日の対戦相手は俺より30センチも長身のアメリカから来たストロングスタイルの強敵で、無防備を装ってジリジリと迫ってきていた。
グレートブッシュが得意技のハリケーンドライバーを仕掛けてきた。
俺は少し大袈裟にひっくり返って見せ観客を沸かせた。
試合が始まり30分が過ぎ、40歳を越えたおじいちゃんのヤツは息を切らし始めた。
そろそろフィニッシュの決め技で終わりにしてあげよう!
俺は余韻を持たせ優雅に、固め技をかけようとし、大きくブッシュをかかえあげたその時、ヤツがヨロメキ、俺のトランクスに手をかけた!!
        !!予想もしないアクシデント!!
川口市民体育館の観客から一斉にどよめきが起こる。
「いったい!何が起こったんだ!!」俺は動揺していた。
静まりかえったリング上にはトランクスが脱げ足元までずり下がったまま下半身を丸出しにしている俺が立っていた。

1ヵ月後、リング場にモザイク我島というリングネームの俺が!!
メインイベントの試合終盤、セコンドから合図、対戦相手のマッスル相田も「よし!」という掛け声と共に私のトランクスに手をかける!
「ああ!!今日も出た!!出したぞ!!モザイク我島の×××!!」アナウンサーの声がコダマする。
すっかり色物レスラーと化した大帝都プロレス一の人気者の俺だった。

138:名無し物書き@推敲中?
06/10/20 23:12:09
※次のお題 「懐中電灯」「始発電車」「アレルギー」で!!

139:名無し物書き@推敲中?
06/10/21 00:47:19
会社の飲み会で酔いつぶれた私は新宿駅のホームで始発電車を待っていた。
滑り込んでくる電車に乗り込み、ぐったりとした体を電車のシートに預け目を閉じる。
しばらくして、ドン、という何かが落ちる音がしたので薄く目を開ける。
それなりに混んでいる車内で、みんなが一斉にそちらに目を向けていた。
小さなダンボールを抱えていた男が、それを落としてしまったようだ。
潰れたダンボールからは何かの液体がこぼれだしている。
やっちまったな、と思いながらも後始末を手伝う気も起こらなく、
そのまま目を閉じ、気が付けばもう自分の降りる駅に着いていた。

家に帰り着き、シャワーを浴びようと裸になると、体に赤い点がびっしりと浮いている。
またアレルギーが出たか。酒を飲むといつも出るんだよな。
憂鬱な気分で頭をかくと、爪が頭皮にめり込む異様な感触と共に前髪がごっそりと抜け落ちた。
手のひら一杯の髪の毛。髪の毛の根元には私の頭の皮と赤い血がこびりついている。
ひゅう、と呼気が漏れ、手を振り髪の毛を払う。恐る恐る頭に手を伸ばす。
ねちゃり、という感触。ひっ、という声が漏れる。
鏡に駆け寄り自分の姿を見る。半分無くなってしまった髪の毛のあった場所には血の色をした肉。
顔は真っ赤に腫れ上がり、体には白い膿交じりの2cmほどのぶつぶつとしたできものが無数にできていた。
できものに触ると猛烈な痛みと共に膿が飛び散る。その後には猛烈な痒み。
掻き毟る、抵抗も無しに肉に爪がめり込む、剥がれ落ちる皮膚。
腫れ上がった顔から皮がたれ落ちる。爪で引っかくとめり込む流れる血痛い痒い気持ちいい
動くとこすれる皮膚はがれるいたい動く痛いきもちいいかゆいいたいにくはがれるいたいかゆい。

カーテンを閉め切った部屋で懐中電灯を握り締め、私は1時間ごとに鏡をのぞく。
白い骨がのぞく、まぶたも鼻も唇もただれ落ちた顔を見て悲鳴を上げて鏡から離れる。
壊れてしまった自分の体に恐怖と奇妙な快感を抱え、今日も私は生きている。

「海賊」「雷」「空き箱」

140:名無し物書き@推敲中?
06/10/22 08:50:08
「海賊」「雷」「空き箱」

酒瓶の空き箱を逆さまにして座る。それだけでも立派なイスになる。
座ってタバコに火をつけても吸う力が残っていない。
とても疲れている。朝から嫌いな上司に怒られたからか?それとも同期のあいつが急に死んでしまったからか?いや、そんなことではない。僕にこの仕事は向いていない。
朝から晩までと同じ様な顔をした奴らと一緒に仕事をする。時にはこいつらと酒を飲み、酔った勢いで女を抱く。付き合いというのも苦手だし、僕自信、社交性のある男ではないと自覚している。
ここで仕事を始めた理由は明解。周りの奴らと一緒でやりたいことがなかっただけ。だからここで仕事をしている。
5年ここにいる。同期は少なくなったが部下は増えた。愚痴を言える仲間が減ってきた。

僕の仕事に終わりはない。
雨、嵐、雷、雪…どんな天候だろうと船は進める。
もう海賊なんて辞めたいな。



「草」「ベルト」「マーガリン」



141:白木の子 ◆q/.rlDgH2c
06/10/22 18:59:04
「草」「ベルト」「マーガリン」

 こだわり、というのはそれはまあ他人からすれば何でも無いことであるが、
自身にとっては決して譲ることなんかできないのだ、と最近痛感した。
 中学校からの同級生に久しぶりに会う機会があった。
 家の近所の居酒屋に行き、若かりし頃の思い出や近況報告など懐かしい時間
に浸った後のこと。
 そいつはそこへは自転車で来ていた。一般的な”ままちゃり”だが、その自
転車が当時私が見慣れていなかった機構だったので少し気になった。なので質
問したのだ。
「これってチェーンじゃなくてこのなんか黒いので走るんか?」
 2分後、その発言を少し後悔した。
「ああ、これな。これアルベルトっつってさ、ベルト駆動なんよ、ベルト駆動。
何が良いってさあ、漕ぐの軽いわ音静かだわでさ、良いとこ取りなんよ。で、
さらにこのライト―」
 タイヤが汚れるので、雑草や土の路面は走らないこと、ハンドルの角度には
黄金のポジションが存在すること、潤滑剤には液体より固形の、具体的にはマ
ーガリンが一番適していることなど、散々無駄な知識を教わった。
 そしてとうとう言ってしまったのだ。
「……そんなこだわらんでも良いとは思うぞ、俺は」
 直ぐに返答は返ってきた。
 
「自転車に50万もかけてる奴が言うと説得力無いな」
 何を言うか、私にしてみれば当然の結果だ。
 
次は「試験」「不活性ガス」「深海」


142:リンコン
06/10/22 20:02:02
新型の深海探査船の試験運転で国際海洋生態研究チームの一員である日本の研究員として
僕等「ハエブサ」クルーは新型船「らんちゅう」に乗り込みインド洋沖5000メートルの
海溝に来た。順調に航海を進めていると探知機が不活性ガスを検出した。近くの
海底に休火山があるのだが、そこから噴出しているようだ。急いでガスの成分を抽出して
解析した。解析班の海老沢陽子が大声をだす。「こんな反応は見た事がないわ。これは何かしら。」
解析を続けた僕等は到底信じられない結論に辿りついた。
「このガスは。生きている。生体反応を示している。間違いなくコイツは気体生物だ。」
遠隔自動操作アームからそのガスを50ミリリットル程採集した。とんでもない新発見になるぞ。
探査マザーシップ「しーしゃも」に着きガスを試験管に移そうとすると採集袋からヒソヒソ声がした。
「ヒヒヒ。しめしめ上手くいった。周りは空気がいっぱいだ。隙をみて一瞬で気化してこの星をのっとるぞ。」
気体生物は僕等日本チームに捕まったのが運のツキだった。空気を読むのが得意なのだ。
次は「スカンク」「パジャマ」「斑点」

143:名無し物書き@推敲中?
06/10/22 20:08:22
おもんないって

144:「スカンク」「パジャマ」「斑点」
06/10/22 20:41:37
あなたは、唐尻お化け(からしりおばけ)というものを知ってるだろうか
唐尻お化けとは、江戸時代の遊郭に現れたと言う伝説のお化けで、
女郎達にいたずらをしては、消えていくというものだったそうな。
いたずらの内容と言えば、屁をこくこと。
けれど、スカンクのような刺激臭を持った屁をこかれ、すぐに消えられては、女郎達も困ったに相違ない。
せっかく金回りの良い、上流武士と一夜を過ごすはずが、皆一斉に退散してしまったからだ。

そんな、『おもしろ妖怪百科辞典』をベッドの中で読みながら、
俺は、背を向けて寝ているパジャマ姿の彼女の背中にぴったりと引っ付いてみた。
「ちょっとやっとこうべ」
耳元に声をかけながら、彼女のズボンをおもむろに脱がせば、おケツに真っ赤な斑点が見えた。
便秘気味といっていた彼女の言葉を思い出していると。「もぅ、寝るの」そういわれる始末。さらに。
「これでもくらえ」
もちろん屁をこかれ、俺は退散したわけだが、
屁の威力はいつの時代でも有効だなあと認識した次第で。ご報告まで。



145:白木の子 ◆q/.rlDgH2c
06/10/23 09:32:14
「スカンク」「パジャマ」「斑点」

 先日隣町で市民祭りが行われた。行く気などさらさら無かったのだが、前日
友人に誘われなあなあしている内に行くことになってしまったのだ。
 厳密に言えば僕はそこの市民ではないし、あまり乗り気では無かったのだが、
いざ終わってみると、去年家でPCを弄っていたことを後悔するほど堪能した。
 役場のだだっぴろい駐車場を貸し切って、ステージやらやぐらが特設され、そ
こを埋め尽くすように人が溢れかえっている。
 それらを囲むようにして屋台の列が並んでいるのだが、そこですごい物を見た。
 その名も「ジンギスカンクレープ」。
 いったいなんだこれは、と。最近はスープカレーなど2つの料理をミックスさ
せた物が流行っているようだが、とうとうこんな領域まで達していたのか。
 屋台を覗くと、想像通りの光景が繰り広げられていた。
 右半分でクレープ生地を焼き、左半分で羊肉を焼く。
 人間の好奇心とは恐ろしいもので、結果が見えていても手を出してしまう。
 僕は友人のとめるのも聞かず、屋台の主人に400円を渡していた。
 店主から例のブツを受け取る。ナルホドジンギスカンクレープ。
 クレープの焼き跡の斑点が、視覚的には中のジンギスカンと見事な調和を
叶えている。
 見た目に騙された僕は、勢いに任せそれに齧り付いた。
 例えるならば、パジャマを着て、バイクに乗り、葬式に行くようなものだ。
 ま、要するに、
「うっわ、まず……」
 300円分くらいは燃えるゴミの袋の中に投げた。

次は「危険物」「エレキ」「中心」で


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