06/07/02 17:34:32
以下は、俺が昔詩板に書いた物語調の詩だ。
「甘い者がない村」
甘いものが無い村 村人たちは苦い草を喰う
あんまりだからと一人に一本だけ配給されるのはビン入りの甘いカルピス
一生のうちでたった一本のビンだけの甘いもの
「甘いものが無い人生なんて耐えられない」
「毎日甘いものがほしい」
いつから始まった
カルピスを三万倍の水で薄めてちびちび飲む村の慣習
ある日 村の男
「今日は贅沢して二万八千倍の水で飲んだ。濃くて旨かった」
ある日 村の女
「このビンだけは絶対に割らないように気をつけなくっちゃね。
カルピスが無くなったら苦い草だけ口にして
生きて行かなきゃいけなくなるもの」
この村の人みんなカルピス大好き
いつも『甘い』『旨い』と言って飲む
(大切に大切に大切に 大切にしすぎて飲みきらないうちに死ぬ人も)