10/05/08 03:55:11
『思想地図 vol.5』で東大教授の社会学者佐藤俊樹が宮台真司と宮台に依拠する宇野さんを批判していたので
ここに書き留めておくわ
例えば宇野常寛の『ゼロ年代の想像力』は、サブカルチャーでも売れた作品群を積極的に視野に入れようとして
いる。その具体的な読解には私は疑問があるが、少なくともメジャー/マイナーを横断する方法的な意志と自覚
において、『ゼロ年代の想像力』は突出した面白さと説得力をもった批評になっている。
ところが、サブカルチャーを社会学につなげるときには、『ゼロ年代の想像力』はもっぱら売れた社会学の著作に
依拠している。サブカルチャーと社会学が対称的だとすれば、どちらにもメジャー/マイナーの区別はあり、
どちらでも横断的であるべきだと思うのだが。
<中略>
ゼロ年代の批評はサブカルチャーと社会学をねじれた形でつなげてきた。サブカルチャーに関しては、売れる/
売れないという評価基準を採らず、社会学に関しては、よく売れた著作のみを先端的で同時代的だとしてきた。
<中略>
そのなかで、売れた社会学の著作は便利なツールになってきた。興味をひくサブカルチャーの作品を社会に
つなげて読み解く上で、良い意味でも悪い意味でも料理しやすい手頃な図式を提供しただけではない。
多くの人々が抱く社会像を言葉にすることで、大衆消費市場での受け入れやすさも準備したからだ。