司馬遼太郎をあれこれ語る 23巻目at BOOKS
司馬遼太郎をあれこれ語る 23巻目 - 暇つぶし2ch738:無名草子さん
09/05/19 21:15:40
最近「司馬遼太郎が考えたこと」を読んでいて次のような文章を見つけた。
時代小説家司馬遼太郎の楽屋裏での一場面を見るようで面白い・・・。

「なぜ昔の資料などがおもしろいのか、といわれるが、なんでもないことだ。そうい
う本を面倒を忍んで読みすすめるうちに、粛然としてそこに人生をみつけることがあ
るからだ。ある男女の人生が、また人間が、いきいきと、そのきたない紙のなかから
おどり出てくるのである。これは、息のつまるようなたのしみである。その人間や人
生をさまざまに想像しつつ読みすすめ、また関連した資料をさがして想像の肉付けを
するうちに、まるでかれらは、私の友人や恋人のような相貌を帯びて、書斎の横にす
わってくれる。もう、こういうだけで、この瞬間は悲しくなるほどのよろこびをあじ
わう。さらにその人間の来歴や背景などを調べたり読んだりするうちに、もはや、か
れは、私にとって、現実の人間以上に現実的になる。」

 ・・・司馬さんはこの部分の能力がずば抜けているんだと思う。


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