08/09/24 01:34:30
>>466
462さんが勧めていらっしゃる「極東セレナーデ」も良いですね。
朝日新聞に毎日連載していたのを楽しみに読んでいたことを
思い出しましたよ。
村上春樹の方は、どちらかといえば特異で個性的な作品世界を
構築したものですが、小林信彦の「極東セレナーデ」は、
もっと自然な感じの作品だったと記憶しています。
基本的に、平熱で書かれている文章なのに、なんだか
浮き浮きするような空気があふれている。
ちょっと引いたところにカメラがある感じの、三人称小説。
(村上春樹が典型的な一人称小説であるのと対照的。)
そこはかとアイロニカルなユーモアが漂っている、雰囲気が良いです。
80年代の空気を伝えているのは、春樹よりもこっちかもしれない。
(村上春樹の方は、一過性のバブル期というよりも、今日まで続く時代性
を予見しているような感じ。ポストモダン小説?)
自分も読み返したくなって、調べたのですけれど、
残念ながら、今は絶版みたいです。
しかし、メジャーな作家なので、大きめの図書館には置いてある
可能性が高いと思います。