09/12/30 17:54:42
『監視国家―東ドイツ秘密警察(シュタージ)に引き裂かれた絆 』 抜粋 12
(シュタージがシュレッダーにかけた個人情報その他のファイルをつなぎ合わせる作業員)
「人々が自分の身に起きたことを知って少しでも安堵するところがあるのだと知ることが
我々の満足につながる・・・どうして自分たちが大学にいられなくなったのか、突然姿を
消した叔父の身に何が起こっていたのか、被害に遭った人たちに彼らの半生に関する
何かしらを知らせてあげることができるのです。」
「最終的にシュタージはホントに多くの情報を持っていました・・・・情報が多すぎた
ために、みんな敵だと思うようになっていたのだと思います。シュタージの監視下に
なかった者はいません。誰が敵で、誰が味方か、あるいはみんな口を閉ざしているだけ
なのか、シュタージには分かっていなかったと思います。」
「シュタージが二十年にわたってリビングでの風景を監視しつづけていた
ある家族のファイルを見た時、わたしは自問しました。
こんなことまで知りたがるなんて一体どんな連中だったのだろうと」
(p.351)