08/03/02 09:16:13
司馬の幕末作品の中で、地雷的な作品をひとつだけあげるとすれば、
迷わず「幕末」と言いたい。幕末維新の諸々の暗殺史を一冊に纏めた作品だが、
まず、作品名の「幕末」からして、なんの趣も捻りもない。むしろ紛らわしい。
このやり口は、アダルトサイトの騙しリンクと同等なものだ。いやそれ以下だ。
とは言え、一応最後まで読んで案の定というか「ぱっとしない話だな」と思った。
そのあと司馬氏のあとがきを読んで「パっとしない理由」がなんとなく分かった。
司馬氏は「暗殺」及び「暗殺者」が心底、大嫌いなのである。
氏は、この「暗殺者」を創作上の話とは言え、本来、否定したいのである。
まあ、嫌いなものを魅力的に描く困難は良く分かる(本当は書かなければ良かったのにね ><)。