07/04/01 23:57:22
>>281
人間は高度なコミュニケーション文化を育んで個としての弱さを補った。
同時に、利他的行為をしていくことで自己の利益に繋がるようなシステムも付随した。
そのように世界を見ると、結構しっくりくることがわかった。
まぁ、だけど、何でも知っていると自惚れているわけではない。そこは誤解無きよう。
例えば、優しさは常に見返りを求める属性を帯びている。
母性愛なるものが無償の愛として賛美された時代は終わった。
たとえ母親であっても子供に尽くしても尽くしても見返りとしての笑顔や可愛らしさ、
立派な人間に成長した姿などが見込めない場合、母親の愛も陰りを見せ始める。
つまり、人間の最大の美徳とされる思いやりや優しさも、そこには遠い(あるいは近い)
将来を見越しての巧みな生存競争に勝ち抜くための策略があるのだ。
しかし、俺はそれに対して悲観しているわけではない。
例え、それらのものが真の意味での利他行為でなくとも、優しさや思いやりによって
助かる人間がいるのは事実なのだから。偽善というのはその最たるものでしょう。
ただ、そういった美徳を頑なに純真無垢に信じて疑わなかった俺にしてみたら
世界をまざまざと見せ付けられて、人間の飽くなき生への執着に恐れおののいた
というのが正直なところ。要するにギャップに驚いたってやつ。