06/03/06 12:59:07
取次店の一方的な自己保身的な“改革”に終わるとすれば、
版元・取次・書店という共存共栄の出版業界は、斜陽化を強めることになろう。
そうした兆候ともいえる現象が、今回の返品問題に関連してほのみえる。
というのも、結束返品の破損・汚損本の増大である。
これは最近始まったことではないが、本に対する基本的な考え方、
接し方の問題である。
そもそも、書籍は知識や情報を詰め込んだ貴重な“財産”である。
読者の中にはいわゆる愛書家なる人たちが古くから存在し、
内容はもとより装幀を含めた造本までを意識して蔵書にしたのである。
確かに、書籍が一部エリートの専有物だった時代は過去のものである。
しかし、書籍が大衆化し、雑誌も含めてマス・プロ、マス・セールの時代に入り、
大衆消費時代になったとはいえ、全てが読み捨て(読み捨てが悪いとは思わないが)
、消費が短絡的に“廃棄”につながると単純に考えて貰っては困るのである。