03/05/14 10:35
>231さん
あなたの書き込みを見て図書館から借り、これから読むところです。
質問の答えになってるかどうか不明ですが、カバーに書いてあるあらすじと、
阿佐田氏の後書きを一部転載しますね。
(あらすじ)
奴、阿佐田哲也はばくち打ちだ。ばくち打ちの奥に至らんと50年も過ごしてきた
ような顔をしている人物だ。その周囲には、初老のばくち打ち「カミ旦」、
雑誌社に籍を置く競輪の天才「虫喰い仙次」、喫茶店のマスターで高利貸し
「原完坊」、そして麻雀新撰組の面々がいる。
最後の血の一滴まで絞り尽し、相手が倒れるまで戦い続ける彼らの壮絶な生き様を
通して、虚実入り混じる「阿佐田哲也」の素顔に迫る傑作長編小説。
(あとがき)
なんだか、変てこりんなものができあがった。変てこりんで、妙ちくりんで、
変てこと妙ちくで行き会っては会話ばかりしているような趣で終始しているが、
当初、この題名を考えついたときは、こんなふうになると本人も予想だに
していなかった。(略)
面倒だから小説風な格好づくりもしなかった。面倒だから他者も出さない。
作中人物はいずれも私の分身ですませてしまう。一人言小説、近親者小説である。(略)
とにかく、投げやりに記したら、何が幸いするかわからぬもので、自分では、
ちょっと好ましい出来だと思えるものになった。
初出誌「野生時代」1979年7月号~10月号連載。角川書店1979.11/30初版です。