【涼宮ハルヒ】佐々木とくっくっ Part54【変な女】at BOOKALL
【涼宮ハルヒ】佐々木とくっくっ Part54【変な女】 - 暇つぶし2ch378:月刊佐々木さん5月号
10/05/21 11:09:22 Y5Ul7X5X
「……それは、願ってもない、が……」

佐々木は昨年から塾に通っていることもあって、かなり成績は優秀そうだ。
塾での受講態度を見ていてもそれは明らかだった。
少なくとも俺よりは数歩先を行っているはずだ。

その佐々木に勉強を見てもらえるというならそれは純粋にありがたいと言える。

しかし、だ。
学校と塾でクラスメイトになり一ヶ月。
未だそこまで仲が良い訳でもないのだが、そんな事を頼んでしまうのは
さすがに些か図々しいのではないかと思うのは自然なことだろう。

「もしかして気兼ねしているのかい?もちろん君の意向を尊重するつもりだが」
「いや、そりゃまぁ全く気兼ねしない訳じゃないが、そりゃ少々悪いと思うさ、普通」
「あまり深く考えなくとも良い。ただ、偶然にも2つの場所で机を並べて
 勉学に励む事になった、いわば縁のようなものだよ。袖振り合うも多生の縁と言うだろう?
 僕の手の届く範囲がいかばかりかは分からないが、
 今キョンが抱えている問題には手を差し伸べられそうだ」

一度そこで切り、佐々木は俺の目を見ながら確認するように言った。

「で、どうする、キョン?」
「……分かった。ありがたくご厚意に甘えさせてもらう。助かるよ」

ふっと佐々木は微笑んだ。

「じゃあ塾が終わったら自習室で少し時間を取ろう。良いかい?」
「ああ。面倒かけるな」

バス停で佐々木と別れ、帰宅した俺は母親に話をしておいた。
塾の終了時間は把握されているので、
今後もしかしたら帰りが遅くなることを報告する必要があったのだ。

その時の母親が、なぜかニヤけた顔で、ふうん、などと相槌を打ちながら
こちらを見ていたのがちょっと気になったのだが
なんだか嫌な予感がしない事もなかったため、結局無視して俺は部屋に戻った。

「佐々木と勉強、ね」

考えてみれば同年代の女子に勉強を教わるというのは生まれて初めてだな。
などと、どこか少し勉強を楽しみにしている自分を心の片隅で認めつつ
俺は寝床に滑り込む。そういえば今日佐々木が俺の帰りを待っていたのは
わざわざこの話を持ち掛けるためだったのだろうか?

「意外と、面倒見の良いヤツなのかもな……」

何故だか心が暖かくなるのを感じ、俺は夢の世界へと落ちて行ったのだった。


6月号につづく


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