【涼宮ハルヒ】佐々木とくっくっ Part48【変な女】at BOOKALL
【涼宮ハルヒ】佐々木とくっくっ Part48【変な女】 - 暇つぶし2ch37:3/3 佐々木さんの、9月21日は「サンタクロースは……」の日 の巻
09/09/24 01:12:53 nf6VVBaT
「微笑ましい、とか偽善的、と切って捨てればそれだけのものかもしれないけれど、
 そうしたものをマスコミに携わる人間として守る、というのが、とても大切なことだと思うんだよ」
 そうか。……うーん、俺は何かこう、あんまり納得いかんなあ。
 こういうこと教えられた子供が大きくなって、却って傷つくような気もするんだ。
「そういう年頃になれば、大人たちが自分と真摯に向き合って、大切にしてくれたことも
分かるんじゃないかと僕は思うけどね」
 そんなもんかなあ。
「君の場合、他の子供よりも、サンタクロースに対する憧れがあって、
それを裏切られたショックへの対処として、『最初からサンタクロースなんて信じてなかった』
と自分に信じさせたような気がするよ?」
 やや悪戯げな光を瞳にやどして、佐々木はそんなことを言う。
 勘弁してくれ。俺はもともとそーゆー熱血タイプじゃないんだって。
「本当かね? 長年そうしたポーズをとり続けてきたところに、ある日突然、
『サンタクロースも神様も宇宙人も未来人も実在しました。それも自分のクラスメイトの中に』
などということになったので、表面は呆れた様子で、でも内心うれしくてたまらずに、
そこが底なし沼であろうとなかろうと、君は両足を揃えて飛び込んでいったんじゃなかったかな?」
 やーめーてーくれー。
「今風に言うとツンデレという概念かな? 
 今までずっと表面上拒絶し、内心求めてきたものが手を差し伸べてきたものだから、
口ではなんやかや言いつつも、それに夢中になってしまうわけさ。
 中学時代の友人に連絡をとることも、1年もの間忘れてしまうくらいにね」
 いやそれは確かにすまんかったから、もうそのへんにしといてください佐々木先生。お願い。
「だからね、キョン。普段からチャーチ氏の記事のような余裕ある心持ちでいれば、
本当に未知の物が目の前に現れた時でも、少しは落ち着いて対処できるのではないかと、
僕はそんな風に思うのだよ」
 講義はこれでおしまい、とでもいうように、佐々木は掌を広げて締めくくった。
 掌を追うように視線を動かすと、いつの間にか自宅のすぐ近くまで来ていた。
「では、キョン。また近いうちに」
 そう言って、佐々木は律動的な足取りで去っていった。
 何か、最後の方は婉曲に説教されまくったような気がする。具体的に何がどうとはいえんが。
 うーむ。
 

 連休明け、部室に入ると、古泉が妙にやつれた顔をしており、
朝比奈さんがいつも以上にわたわたした態度でこちらを見る。
 また何かあったのか。そういや授業中、ハルヒがやけに静かだったが。
 団長席の方を見ると、我らが団長殿が、ホームページのプリントアウトらしきものを、
やけに平板な表情で黙読中である。
 たまたまこちら側にヘッドラインが見える角度だ。えーと何、
『サンタクロースは実在するのか』
…………

……見てたんかハルヒ。OH、SHIT!
 古泉がなにか目線でサインらしきものを必死に送ってきている。
 ああ、ああ。言いたいことは分かったよ。嫌という程。
 助けを求めて長門の方を見やれば、こちらもやけに平板な表情で、
「サンタVSスノーマン」という映画のパンフレットに視線を落としていた。
 長門、違う。それ違う。
 佐々木よ、こういうときに落ち着いて対処できる心構えとか薀蓄とか、
何でもいいから出前で頼めないものかね。できれば1秒以内に。
 
 ああ、まったく。やれやれ。
                                おしまい


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