09/05/17 20:58:49 YBmL3gNy
>>52
>さまざまな作家の文体模写(パロディ)もあるから、エンターテイメント性も高いし、
日本の作家も登場していましたよね。
揶揄、コメディとエロス満開なところは、漱石、谷崎、永井荷風……?
>カルヴィーノはブランショを意識してたかもしれない。
>この二人は実は交流があって、
>ブランショが国際雑誌を企画したときにカルヴィーノにも声をかけてた。
おおっっ! そうだったのですか。
全体としてパロディ調なのに「書く」ことについての懊悩はやけにシリアス
なんですよね。
そこの部分だけ妙に真摯なタッチで書かれており、
思わずカルヴィーノの本音が出てしまったというか。。。
ただ、これは作家の資質の問題かもしれませんが、「書くこと」について
ブランショが作品を手がけると、非常に難解で哲学的になり、
それが全体のテーマになり得るのに対し、
カルヴィーノの手にかかると、お遊びのなかでふと漏らした作者の本音に
読者は気づかずに通り過ぎていってしまい、読み手は書き手の深刻な悩みなど
受け止めてくれないまま読了してしまうのですよね。