09/05/17 18:48:22 F9svgSI8
>>35-47
>何と斬新的な小説だろう! というのが第一の感想。
>二重構造の小説はなかなかスリリングで面白い。
カルヴィーノ「冬の夜ひとりの旅人が」、この小説の構造は面白いよね。
メタフィクションという括りになるけれど、
ただ、奇をてらった入れ子構造というだけではなくて、
いろいろな側面から楽しめる作品になってる。
さまざまな作家の文体模写(パロディ)もあるから、
エンターテイメント性も高いし、
>>38-39で引用されてるように、小説についての小説、
あるいは、書くことについての小説、という側面もある。
>>40でブランショが引き合いに出されているのは慧眼で、
―自分というものがなければどんなによく書けることだろう!
―私がただ一本の手だけだったなら……
というところなんかは、書くことに非人称性を求めたブランショとも共振する、
というか、カルヴィーノはブランショを意識してたかもしれない。
この二人は実は交流があって、
ブランショが国際雑誌を企画したときにカルヴィーノにも声をかけてた。