07/12/31 16:14:35 UMPXRGp3
「キョン、雑煮には家それぞれの仕来りや伝統があるって事だけど、君の家の雑煮はどんな感じだい?」
―そうだな、煎り子で取った出汁を澄まし仕立てにして、切り餅と芹(せり)を入れて蒲鉾に柚を添えた感じだな。
「ほう、結構シンプルだね。お節料理でお腹一杯になった後を〆でさらりと頂くには良さそうだね」
―まぁ、そうだ。柚と芹の風味は食後の気怠い感じを整えるのに最高だな。因みに蒲鉾はなると巻きだ。
「考えただけで食欲が出て来そうだよ。今度、その雑煮の作り方を訊きに言っていいかい?」
―そうだな、お前が来るとお袋も喜ぶしな。いつでも来いよ。
「折角のご厚意、甘えさせてもらうよ」
―そんなお前の家ではどんな雑煮を食べるんだ?
「僕の家では煎り子を使うのは君の所と同じだが、白味噌仕立てなのがまず違うね。
あとは丸餅、大根、牛蒡、人参、里芋、蓮根とか根菜類が多く入る感じだ」
―もしかするとお前の本籍は近江方面じゃないか?
「なんで判るんだい?キョン」
その後、佐々木からの質問責めに遭ったが俺は終始はぐらかし続けた。
あいつから一本取り出来る事は滅多に無いからな。この位の事は許して欲しいぜ。
「お、お願いだキョン。僕は謎や疑問が判明しないと夜も寝られなくなるんだよ」