07/09/10 22:24:50 WLbpg+zW
>>477から情景無視して、スピード感というのを意識して改稿してみた。
中略
「……ふむ。そういう態度に出るのならば仕方がありません。あまり荒事は好みではないのですが……」
私に抵抗の意思ありと見て取った男は、呪を紡ぎ始める。急速に集まっていく魔力が、肌を刺すように刺激する。
「―させる、かぁああああ!!」
男の詠唱を止めるべく、一気に距離を詰める。
が、その間に群がるは急進派の連中。
「このっ……狂信者どもがぁああっ!」
目の前の1人を切り捨てた。
僅かな距離が縮まらない。
呪文の詠唱が終わりに近づく。
「ちくしょおおおおお!!」
叫びながら、剣を振るう。
「無駄ですよ、リリーナ・アルミリオン」
魔術師の死刑宣告。
それでも、無我夢中に腕を、脚を動かす。
後、……三歩。
男の口が動く。
睡み―ゴオオオオオォォォォォォォォォォンン!!
その時、轟音が鳴り響いた。
私の目の前を、狂信者どもごと薙ぎ払ったのは雷の嵐。
後に残るは直線状の黒焦げ。
「今のは、精霊の轟く雷鳴?」
私はその見慣れた魔力の発射口と思しき方向に身体を向けた。
果たして、そこに立つのは疲弊しきった女魔術師の姿。
「……遅れたわね」
「遅すぎよ」
それは自称ナディアの保護者、ティナ・バーデンその人であった。