【ラノベ】自分の作品を晒し感想を貰うスレvol.5at BOOKALL
【ラノベ】自分の作品を晒し感想を貰うスレvol.5 - 暇つぶし2ch482:この名無しがすごい!
07/09/10 21:58:42 7RFR2bJb
>461も>471も上手いなぁ。何か心が折れそうになるわ。
二人に触発されて、俺も改稿してみたぜ。一応晒す。

「だから言ったでしょう。我々は裏切り者と紛い物を殺すことさえできればいいと」
 黒ローブの男は淡々と言う。
「それはあなたたちの理屈。こちらが従わなければならない理由はありません」
 唯一残ったブロンズソードを構え、私は黒ローブの男に言葉を返す。ありったけの自制心を動員し、
出来る限り平然としている風を装う。
 魔法が使えない今は相手が優位だ。虚勢でも何でも、有効な打開策が見つかるまで、とにかく今は
時間を稼がなければならない。
『さっさと起きなさいよっ!』
 "睡眠"を食らって呑気に寝こけているクレアを蹴り飛ばしたい衝動にかられるが、もちろんその程度
で起きるはずもない。
「さて、そろそろその女を……」
 考えをまとめる時間くらいくれたっていいでしょうに。せっかちな男は女にモテないわよ。ああもう、仕
方が無い。
「ナディ! 逃げなさい!」
 へたりこんだままのナディアに叫ぶ。クレアは戦闘続行不能、自称ナディアの保護者であるティーナ
は不在、得物はブロンズソード一振りだけときては、他に方法が無い。ナディア本人に戦わせるなど論
外である。召喚魔法にはもともと時間がかかるが、発動までのんびり待っていられるような状況ではな
いのだ。
「やれやれ、仕方ありませんね」
 男はわざとらしく溜息を吐くと、口中で呪を紡ぎ始める。
「させない!」
 無茶を承知で突進するが、急進派の連中が素早く間に立ちふさがる。
「邪魔するなぁっ!」
 言葉遣いに気を配る余裕はもう無い。ブロンズソードを振るって男たちを斬り伏せる。一人斬るごとに
どんどん斬れ味が鈍っていく。
 男との距離は縮まらない。
 腕が重い。髪の毛の重みさえ鬱陶しい。こんなことなら、ティーナにもっとちゃんと体術を教わっておけ
ばよかった。
 男の呪が完成しつつある。魔力収束反応がチリチリと肌を刺激する。
 もう息が続かない。身体がいうことをきかなくなりつつある。
「大した奮戦振りでしたが、無駄でしたね、リリーナ・アルミリオン」
 男が嘲弄する。呪は完成してしまった。もういつでも発動できる状態にあるのだ。
 私は間に合わなかった。
 私にもわかるほどの莫大な魔力が集まっている。絶望に染まりつつあった意識を、わずかな違和感が
刺激する。私にもわかるほどの魔力?
「ぬうっ!?」
「!」
 "睡眠"にそんな馬鹿げたレベルの魔力収束は必要無い。男も驚きの声をあげる。何が起こっているの
かわからないのだろう。私だってそうだが。
 いや、これはまさか。
「精霊の轟く雷鳴!」
 目も眩むほどの閃光と衝撃。熱。そして、全てが破壊し尽くされたことを証する轟音。
 これほどの雷撃呪を扱える魔術師を、私は一人しか知らない。
「…少し遅れたようね」
「遅すぎ、です」
 樹間から姿を現したのは、魔術師ティーナ・バーデン。なぜか、怒りを孕んだ表情でそこに立っていた。



次ページ
続きを表示
1を表示
最新レス表示
レスジャンプ
類似スレ一覧
スレッドの検索
話題のニュース
おまかせリスト
オプション
しおりを挟む
スレッドに書込
スレッドの一覧
暇つぶし2ch