07/09/03 23:18:38 UDil4oLj
俺が部分修正するとこうなる。改稿はしなかった。
「老師、本気なのですか? この男は犯罪者ですぞ」
目の前の手配書を見つめ、初老の男は嘆くように言った。
紙切れ一枚にはガラの悪そうな男の顔が描かれている。刀傷の痕が目立ち、頬骨が出ていて痩せこけている。
目は研がれたナイフの刃のように鋭利で細く、とても善人面とは思えない。歳は十代後半くらいかそこら。
「彼以外に適任はいまい? 他に候補がいるなら是非聞かせてもらいたい」
と、老師と呼ばれた老人は色素が抜けた眉を一つも動かさずに答える。
「しかし、こやつは賞金首です! しかも、わが国始まって以来、最高額の懸賞金をかけられたほどの―」
「だからいいのですよ。自国の犯罪者……しかも懸賞金まで懸かっている男です。誰も、わが国の密偵だとは思わないでしょう?」