07/06/05 12:14:38 gNGL912Q
もはやパロロワお約束アイテムと化しつつあるボン太くんwww
395:この名無しがすごい!
07/06/05 22:34:07 aMaJuaHN
>>394
スパロワとラノロワだけだから、お約束化は早いぜ。
396: ◆3/0Jiuxzqg
07/06/05 23:18:51 sn1sJzoj
>>342-345はNGという事なので
遅くなりましたが修正版を投下します。
397:剣士と策士と狂戦士 ◆3/0Jiuxzqg
07/06/05 23:21:48 sn1sJzoj
剣を、抜く。
女性の身長ほどもある大振りな剣だったが
抜いてみると、思ったよりも軽い事に気付いた。
研ぎすまされた黒の刃は陽光を受け、虹の様に刃の色を変化させる。
なんとなく普通の剣じゃないと青年の直感が告げるが
それ以上の事はよく分からないので、とりあえずは放っておく。
「ま、普通に使う分にはたぶん大丈夫だよな」
青年―ガウリイは能天気にそう呟き、虹の光沢を持つ剣を鞘へと収めた。
あの後、気が付くと彼は一人でこの森の中に立っていた。
リナともはぐれ、腰のブラストソードも失い、
どうしようかとしばらく呆然としていたのだが
ザックの事を思い出し、とりあえず何か武器でもないかと中を漁って出てきたのがこの剣だった。
他にも理解不能な魔道具っぽいものもあったが、
クラゲ並みと定評のある彼の脳みそは、その使い方を考えようともしなかった。
「よし…行くか!」
一通りザックの中身を確認して、他に武器になりそうなものはないと判断すると
彼は剣を背負い、慎重な足取りで森の中を歩き出した。
むろんフィブリゾの言うふざけたゲームに乗る為ではない。
仲間―リナと合流するためだった。
とはいえ、別にあてがある訳でもなく、実は勘に従って適当に歩いているだけというのが
彼が「何にも考えてないクラゲ頭」と言われる由縁なのだが。
ともあれ彼はリナを信用していた。
まず間違いなく、このゲームを潰すために動いているだろう。
早く合流して…いや早く合流しなければ何やらかすか、わかったもんじゃない。
そう自称保護者らしくリナの無茶を心配して先を急いでいた
―そんな時だった
398:剣士と策士と狂戦士 ◆3/0Jiuxzqg
07/06/05 23:24:32 sn1sJzoj
「大貫さん、話をっ――!」
「ダーーーーーーイ(死ね)!!」
チェーンソーを振り上げる男に若い青年が襲われている―そんな光景に出くわしてしまったのは。
どうしようかと一瞬迷ったガウリイだが、彼はすぐに決断した。
ガウリイはすらりと剣を抜き放つと、男に向かって朗々と声をあげた。
「それぐらいにしておくんだな」
声に反応したのか、本能的にガウリイの強さを察したのかは判らないが
バーコード頭の男は血走った目でガウリイを睨むと、標的をガウリイに変え飛び掛ってきた。
「ダーーーーーーイ(死ね)!!」
「ここはオレに任せて逃げろ!」
ごぅっ!!
空気を引き裂き迫るチェーンソーをかわしながらガウリイが叫ぶ。
「ありがたい、感謝します。だが…」
青年が距離をとり、何か言いかけているのを横目にガウリイは男と斬り結ぶ。
ガリガリガリ!
「なっ…!?」
凄まじい勢いで削れていく剣を見て慌てて距離をとるガウリイ。
一合斬り結んだだけでこれだけ削れたのは何も武器のせいだけではなかった。
パワーといいスピードといい男のそれが人間離れをしていたせいだ。
時間をかければ剣が持たないと判断したガウリイは、
剣を腰だめに構え、カウンターを狙う。
399:剣士と策士と狂戦士 ◆3/0Jiuxzqg
07/06/05 23:25:53 sn1sJzoj
攻撃と攻撃の隙間を見つけ必殺のタイミングで胴を断とうとしたその瞬間、青年が声を上げる。
「大貫氏―彼は恐怖の余りに錯乱しているだけです。
彼は我が校の大切な人材なので出来れば無傷で正気付かせて頂きたいのだが!」
「くっ、無傷でか!?」
ガウリイは咄嗟に剣を引き、代わりに蹴りを無防備な腹へと叩き込む!
どがっ!!
鋭い蹴りは見事に命中したのだが
男――大貫はさして効いた様子も無くチェーンソーを振るってくる。
慌ててさがりながら、まるで丸太を蹴ったような感触にガウリイが叫ぶ。
「―なんとかやってみるが厳しいぞ!」
青年もすぐにそれを理解したのか辺りに何か使えるものがないかと見回し、そして気付いた。
木々の切れ目から尖塔が見えたのだ。
「ならば、あの塔へ!狭い場所ならばチェーンソーを振るえないはずです」
「―わかった!」
すかさずガウリイは足で地面を蹴り大貫の顔に土を飛ばす。
「――!!」
どがっ!
土が目に入り一瞬怯んだその隙に接近したガウリイが足払いをかける。
バランスを崩しながらもやったらめったらとチェーンソーを振り回す大貫。
だが、ガウリイと青年はその間に遥か向こうに見える塔に向かって走りだしていた。
そしてしばらくして――ゆったりと幽鬼のように立ち上がり、二人の後を追う大貫の姿があった。
「逃がさないヨ――逃がしはしないヨ」
400:剣士と策士と狂戦士 ◆3/0Jiuxzqg
07/06/05 23:27:14 sn1sJzoj
【F-7/森/一日目/朝】
【スレイヤーズ@ガウリイ】
[状態]:正常
[装備]:オーロラサークル@魔術士オーフェン
[道具]:支給品一式、ディメコム@それゆけ!宇宙戦艦ヤマモト・ヨーコ
[思考]
基本:リナと合流しこの殺し合いを止める
1:塔へ向かう
2:大貫を止める
3:仲間と合流する
[備考]:このオーロラサークルには再生能力があります。
刃こぼれや折れた程度ならかってに直ります。
【フルメタルパニック!@林水敦信】
[状態]:正常
[装備]:???(未確認)
[道具]:???(未確認)
[思考]
基本:とにかく大貫氏を正気に戻す
1:塔へ向かう
2:大貫を止める
3:知り合いと合流しゲームから脱出する
[備考]:アイテムはまだ確認していません。
次の人にお任せします。
【フルメタルパニック!@大貫善治】
[状態]:バーサーク(恐怖による錯乱)
[装備]:古びたチェーンソー@フルメタルパニック
[道具]:なし
[思考]
基本:ダーーーーイ!
1:ガウリイをダーイ!
2:林水をダーイ!
3:動くものをダーイ!
[備考]:チェーンソー以外は森(F-7)に置いてあります。
401: ◆3/0Jiuxzqg
07/06/05 23:28:01 sn1sJzoj
修正版、投下完了。
402:この名無しがすごい!
07/06/05 23:55:55 aMaJuaHN
>>401おつかれさまー。
用務員怖いよ用務員。
403:この名無しがすごい!
07/06/06 17:42:13 fvg5+aE2
>>402乙
陣台高校の用務員は化け物だ。
……ヤマモト・ヨーコの『ゲットレディ』が見つからない○| ̄|_
ブックオフ巡りにせいを出した方がいいのだろうか?
404:この名無しがすごい!
07/06/08 00:34:26 zjl3n1QG
ホシュ
405:この名無しがすごい!
07/06/09 00:30:27 kdTPuF9z
しかしまあ、寂れてるな・・・。
というわけで質問投下。
ちょっと気になったんだけど
このフィブリゾって本物?ラグナブラストとか発動するのかな?
406: ◆UlnmVKQRRM
07/06/09 00:34:35 E9E9q0rk
一応、本物であるとして書いたつもりですが
展開次第で偽者だったでも問題ないと思います。
407:この名無しがすごい!
07/06/09 01:12:39 fAXmTqpo
ああそうか、そういやスレイヤーズの魔術って、魔族の力借りて発動するものだったっけ。
偽物だと力の元になる存在がいないから発動しない、という事になるのか。
408:この名無しがすごい!
07/06/09 01:32:53 kdTPuF9z
つまり
滅んだはず→偽物?→術を使ってみればわかる
ってことになるわけでどっちかははっきりした方がいいって事だな。
409:この名無しがすごい!
07/06/09 11:40:53 ydGydAhc
スレイヤーズはよく知らないんだけど、フィブリゾが本物でなかったらどうなるの?
漫画をちょっと読んだだけなんだけど偽レゾみたいな立場なのだろうか?
とりあえず、フィブリゾが偽者だったら後ろに黒幕がいる展開でなかったらどっちでもいいかもしれない。
410:この名無しがすごい!
07/06/09 16:37:01 ciCreVuu
すっかり忘れてた
しかしリナってラグナブラスト使ったっけ?
ずいぶん前だから忘れたんだが。
>>409
どう考えてもいいと思う。
書き手さんに任せるという形にしておこう。
したらばに予約、一時投下、死者スレなどはできてるのかな?
探したけど見つからない
411: ◆UlnmVKQRRM
07/06/09 21:22:07 E9E9q0rk
なんとなくロワの特色ということでちょっと考えてみたんですが
一度投票して主人公を決めてみるというのはどうでしょうか?
優勝、全滅、脱出、対主催、どのルートに進んでも最後まで生き残るというキャラを一人だけ確定させてみると
他とは違ったドラマ造りができるんじゃないかな、と思ってみたりしたのですが。
あくまで一つの提案として皆さんの意見を聞いてみたいのですが。
412:この名無しがすごい!
07/06/09 21:25:42 XbTXJDdL
では、最も多くのキャラが出ているフルメタの主人公を推しておこうか
413:この名無しがすごい!
07/06/09 21:54:05 hc/Q6W+S
いいんじゃない?
確かに他とは違った進行が出来そうだ。
以前にも確か例があった筈だし俺は賛成しとく。
既に退場しているソースケには悪いがw
414:この名無しがすごい!
07/06/09 22:13:28 ydGydAhc
とりあえず、投票するなら明日か来週の日曜日ですかい?
あと ◆8yz2qqMNbQ氏と◆XHKDIsPEFA氏は現状どんな感じですかい?
やっぱりロワを潤わせるためにはssの投下が必要なので聞いてみる。
415:この名無しがすごい!
07/06/09 23:21:36 10MaIbN3
>409
魔族の力を借りて発動するのがスレイヤーズの黒魔術。
ドラグスレイブの場合だと、リナが魔王シャブラニグドゥに「ちょっと力貸してお願い」って力を借りている形。
なのでフィブリゾが本物じゃ無い場合、フィブリゾが力を貸す呪文は一切使用不可能になる。
これを逆に考えると、フィブリゾの力を借りる術を使ってみて、発動したら本物、しなかったら偽物となる。
でもまあ、偽物だったからって特に問題が出るとも思えないが。脅威には違いないし。
>410
黒魔術は一通り使えるものと考えていいかと。
フィブリゾが滅んだはずってリナが言ってるって事は、ガーヴは確実に滅んだ後って考えていいのか。
416:この名無しがすごい!
07/06/09 23:57:04 ciCreVuu
とりあえず書いてみた。
携帯からのうえにSS書くのは初めてなので苦情や注意事項などあれば教えて下さい。
417:ある少女の後悔
07/06/10 00:00:20 mkbjob9q
「…まさかこんな事になるなんて」
その少女ーリナ・インバースは森の中で唇を噛み締めていた。
故郷へと向かう旅の途中、立ち寄った宿屋でニギタケの包み焼きを待つ間にふと睡魔に襲
われ、気がつけば料理の乗ったテーブルはどこへやら、見知らぬ場所に連れてこられ、殺し合いをしてもらいます、なんて、どんな状況なのか。
しかも、死んだはずのフェブリゾやルークが生き返っているあたりもう滅茶苦茶である。
「…考えていても無駄か」
今確かなことはフェブリゾが殺し合いを望んでいるということ。
ならば、こちらはそれに抗うだけである。
あの場にいたガウリイもここにとばされているはず、きっとそのうち会えるだろうが…心配だ。
その頃、その本人は最強の用務員と戦っていたがリナはそれを知らない。
しかしフェブリゾめ、いつの間にそんな力を…ん?
そこまで考えようやくある疑問に気づく。
ルークが生き返っているので考えてなかったが、あのフェブリゾは本物か?
確かに金色の魔王が滅ぼした筈だ。
あの時の記憶は虚ろだが間違いない。
だとすれば、あのフェブリゾはいったい何なのか?
まさかいつかの偽レゾのようなものだろうか。
「…試してみるか」
そしてリナは呪文の詠唱を始めた。
◇◆◇◆
418:ある少女の後悔
07/06/10 00:08:24 mkbjob9q
その呪文を唱えたのは二つの理由からだった。
一つはあまり派手な術を使うと危険だということ。
もう一つはただ発動する筈がないと思ったからだった。
しかし、術は発動した。
リナは驚き、後悔した。
それはフェブリゾが本物だと証明されたことと、
「マスター、ご命令を」
自分が呼び出したそれについてだった。
ラグナ・ドライブ
フェブリゾの力を借りゾンビを作り出す術
つまり、発動できなければあのフェブリゾは偽者ということなのだが、
まさかものの見事に発動するとは
「マスター、命令は?」
ゾンビがこちらを見ながら問いかけてくる。
まあ、作り出してしまったものは仕方がない。
ちなみにこの術でできたゾンビ、けっこうアドリブがきく。
「…とりあえず、他の参加者で困っている人を助けなさい」
予想外に発生したゾンビに適当な命令を下す。
「了解」
ゾンビは素早く走り出していった。
走りつつ振り向き、こちらにウインクなんぞをしながら。
「…変なもの作っちゃったなぁ」
背中に鳥肌立たせつつリナはつぶやいた。
と、足元のデイパックが目に入る
「そういえば支給品なんてのがあったっけ」
役に立つものであればい
419:この名無しがすごい!
07/06/10 00:13:15 62ODvh+R
sienn
420:ある少女の後悔
07/06/10 00:15:10 mkbjob9q
【F-7/森/一日目/朝】
【スレイヤーズ@リナ】
[状態]:正常
[装備]:椅子@スレイヤーズVSオーフェン
[道具]:支給品一式、無能部下焦がし機 ボンバー君二号@魔術師オーフェン無謀編
[思考]
基本:ガウリイと合流し、殺し合いを止める。
1:マジクの話を聞く
2:ガウリイ達と合流
3:ニギタケが気になる
[備考]:まだ竜破斬、重破斬が使えないことを知りません。
フェブリゾが本物、もしくは本物にちかいなにかだと思っています。
【魔術師オーフェン@マジク・リン】
[状態]:正常
[装備]:???(未確認)
[道具]:???(未確認)
[思考]
基本:???
1:???
2:???
3:???
[備考]:次の書き手さんに任せます
【スレイヤーズ@ゾンビ】
[状態]:腐敗
[装備]:なし
[道具]:なし
[思考]
基本:よわきを助けつよきを倒す
1:とりあえず参加者を探す
2:弱者を助ける
3:強者を倒す
[備考]:ゾンビの動向については次の書き手さんに任せます。
421:この名無しがすごい!
07/06/10 00:19:27 mkbjob9q
投下終了
予約スレや一時投下スレがどこかわからなかったので
このようなかたちにしてしまいました。
すいません
422:この名無しがすごい!
07/06/10 00:48:38 mkbjob9q
すいません。
今確かめたら418が途切れているようなので改めて投下します。
その呪文を唱えたのは二つの理由からだった。
一つはあまり派手な術を使うと危険だということ。
もう一つはただ発動する筈がないと思ったからだった。
しかし、術は発動した。
リナは驚き、後悔した。
それはフェブリゾが本物だと証明されたことと、
「マスター、ご命令を」
自分が呼び出したそれについてだった。
ラグナ・ドライブ
フェブリゾの力を借りゾンビを作り出す術
つまり、発動できなければあのフェブリゾは偽者ということなのだが、
まさかものの見事に発動するとは
「マスター、命令は?」
ゾンビがこちらを見ながら問いかけてくる。
まあ、作り出してしまったものは仕方がない。
ちなみにこの術でできたゾンビ、けっこうアドリブがきく。
「…とりあえず、他の参加者で困っている人を助けなさい」
予想外に発生したゾンビに適当な命令を下す。
「了解」
ゾンビは素早く走り出していった。
423:修正版
07/06/10 00:51:50 mkbjob9q
走りつつ振り向き、こちらにウインクなんぞをしながら。
「…変なもの作っちゃったなぁ」
背中に鳥肌立たせつつリナはつぶやいた。
と、足元のデイパックが目に入る
「そういえば支給品なんてのがあったっけ」
役に立つものであればいいなと思いつつ開ける。
入っていたもの。
なにかわからないがブラックジャックのようなもの。
椅子。
以上2つ。
…これを使って殺し合えと?
「ふざけるなー!!」
「うわあっ!ごっ、ごめんなさい!!」
思わず叫ぶと、横の方から声がした。
「誰っ!」
リナは素早く声のした方に向きなおり椅子掴んで呪文詠唱の準備にはいる。
「まっ、待って下さい!殺し合いにはのってません!」
そう言って出てきたのは金髪の少年だった。
「あの、僕はマジクっていいます。えっと、あなたは?」
424:この名無しがすごい!
07/06/10 02:05:35 62ODvh+R
投下乙。
出来は悪くはなかったと思います。
ただ、ゾンビが出来てしまうのはよくないかと。
ガウルンという前例があるとはいえ、自立移動が可能な参加者はまずいでしょうし。
マジクが素手で倒せるように制限をかけても、増やせるのならばあと一体は作りそうかと?
自分としてはゾンビが自由気ままに移動できるのはまずいのでは? と思ったりする。
JOJOのスタンドみたいに範囲制限があれば別ですけど。
(コピーガウルンは支給品の特性上として、入っていた以上はO.Kとは見なせるかな?
425:この名無しがすごい!
07/06/10 07:02:01 mD/IRoOw
乙。
確かに力の源である冥王はいるし、調べてみたらこの呪文、
別に死体とか必要ないし可能っていえば可能なんだよな・・・w
そして>>424が言うとおり最大の問題は小粋でアドリブの効くゾンビって
どの程度、知能があるかって点だと思う。
人間並みにあったら実にやばい呪文だろこれ。
426:この名無しがすごい!
07/06/10 09:19:52 oj774in+
ラグナ・ドライブって別に冥王の力を借りる呪文じゃなくなかったか?
427:この名無しがすごい!
07/06/10 11:39:52 b+J9uvN+
小粋なゾンビが出てきたのはすぺしゃるの「がんばれ死霊術士」だったっけか?
428:この名無しがすごい!
07/06/10 12:11:36 mkbjob9q
そうです。
たまたまそばにあったのでだしてみたんですが…
やっぱりゾンビはだめでしょうか。
>>426
以前読んだ本にそういう記述があったので。
429:この名無しがすごい!
07/06/10 12:36:22 mkbjob9q
本棚を探したら見つけた。
名前は「入門!リナの魔法教室」
430:この名無しがすごい!
07/06/10 12:56:18 mD/IRoOw
そういや本編終了後って事はルークどうなるんだ?
その時期から参戦だと一応ルーク=魔王ってことになるんだが。
>>428
参加者並に動けてなおかつ制限もなく
しかもこの先いくらでも増やせるってとこが問題なんだと思う。
431:この名無しがすごい!
07/06/10 13:18:08 KhK/YJxc
>>430
呼ばれてきた時期を一律にしなければいけない必要性はない。
一律にしないと、書き手と参加者が少し混乱するだけ。
フルメタだとガウルン辺りは最新刊のずっと前に死亡済みだし、スレイヤーズだと
ルークが登場する前にアメリアとゼルガディスが離脱済みらしいから、
あんまり深く考えない方よいのではなかろうか?
432:この名無しがすごい!
07/06/10 14:02:47 YLa3o24j
小粋なゾンビの作り方って、その話のゲストキャラの特別呪文だったような気がするけど、リナは教わっていたっけか?
細かいところ覚えてないなあ。
433:この名無しがすごい!
07/06/10 15:03:33 mkbjob9q
教えてもらって協会に売り込んだ。
けど、んな気味悪いもんいらん、って拒否され金になんなかった。
そんな感じです。
今までの意見からしてゾンビに制限つければいいということでよろしいのでしょいか?
とりあえず、
・1日しかもたない
・腐敗しているのでだんだん行動できなくなる
・フェブリゾが力を貸さないので一体のみ
ということでいこうと思うのですが。
434:この名無しがすごい!
07/06/10 16:02:47 vJblkXCO
コピーでもなんでもない、投票で選ばれたわけでもなんでもない完全な新キャラが
自律行動するのがとてもとても問題だと思うんだがその辺はどうだろう?
ラグナ・ブラストじゃ駄目だったのか?
435:この名無しがすごい!
07/06/10 18:44:50 uVbIZYwe
別にいいんじゃないかと思うけどね。
困ってるのがマーダーだったらマーダー助けるわけだろ。
1体だけならそうそうグダグダにもならないんじゃないか。
436:この名無しがすごい!
07/06/10 20:33:09 2uJWWpoW
その話の中でグズグズに溶けていき
それを見たマジクが悲鳴を上げるとかのが後腐れは無かったが
まあなんとも
437:この名無しがすごい!
07/06/10 20:41:25 jDW2NEzw
>433
フ『ェ』ブリゾ×
フ『ィ』ブリゾ○
な
438:この名無しがすごい!
07/06/10 21:31:27 mkbjob9q
今気づいた。
…すると俺は十年近く名前を間違えて覚えていたのか。
なんか鬱になってきた。
ラグナ・ブラストはうまく描写できないのでラグナ・ドライブを使ったのですが、
まさかゾンビで論争するとは。
もう少し考えてみます。
なので時間と意見を下さい。
お願いします。
439:この名無しがすごい!
07/06/11 12:17:52 rQYi/ccd
で、主人公投票はみんな賛成か積極的反対ではないでいいのかな?
個人的には是非やってみたいのだが
440:この名無しがすごい!
07/06/12 16:32:28 DmWDKST5
リナから一定距離を離れたあとひとりでに崩れさるとか
理由は制限か偽者かは曖昧にして
441:この名無しがすごい!
07/06/12 17:11:10 zocEQlGd
迷ったが書き込むことにする
>>436
ゾンビだからもう腐ってるけどな
なんつって!
なーんつって!
442:この名無しがすごい!
07/06/12 22:25:08 EsfnEd+e
>>439
反対
出来レースは過程の興味を著しく失わせるから
誰も触ってないのにすまん
443:この名無しがすごい!
07/06/12 23:13:46 aPbqmbXr
しかし忘れかけてたようなスレイヤーズのネタが次々とんでもない波紋をw
444:この名無しがすごい!
07/06/12 23:29:14 dopw5ml7
>>442
そうか? 出来レースつっても結末はいくつもあるんだし
過程にもいろいろ変化ができるだろ。
それに何の指針もないよりかは、書きやすくもなると思う。
それにいろいろとロワも見てきたけどこういう珍しい手法も面白そうだと感じる。
445:この名無しがすごい!
07/06/12 23:36:45 lP5tjTE0
誰か一人が確実に生き残るといっても、結末はどうとでもなるからなぁ。
マーダーが選ばれたとしても、五体不満足の状態で対主催につかまって主催者死亡ENDにもできるし。
対主催が選ばれても、発狂して優勝ENDにもなりえるし。
自分の予想だと、もし選ばれるとしたら弱めの参加者が選ばれそう。洋子とかコギーとか。
446:この名無しがすごい!
07/06/12 23:37:11 Bw+tTumS
修正したもの投下します。
ちょっと長いのでゆっくりと。
447:この名無しがすごい!
07/06/12 23:38:04 lP5tjTE0
448:ある少女の後悔 修正版
07/06/12 23:40:05 Bw+tTumS
「…まさかこんな事になるなんて」
その少女ーリナ・インバースは森の中で唇を噛み締めていた。
故郷へと向かう旅の途中、立ち寄った宿屋でニギタケの包み焼きを待つ間にふと睡魔に襲
われ、気がつけば料理の乗ったテーブルはどこへやら、見知らぬ場所に連れてこられ、殺
し合いをしてもらいます、なんて、どんな状況なのか。
しかも、死んだはずのフィブリゾやルークが生き返っているあたりもう滅茶苦茶である。
「…考えていても無駄か」
今確かなことはフィブリゾが殺し合いを望んでいるということ。
ならば、こちらはそれに抗うだけである。
あの場にいたガウリイもここにとばされているはず、きっとそのうち会えるだろうと思うが…心配だ。
その頃、その本人は最強の用務員と戦っていたがリナはそれを知らない。
しかしフィブリゾめ、いつの間にそんな力を…ん?
そこまで考えようやくある疑問に気づく。
ルークが生き返っているので考えてなかったが、あのフィブリゾは本物か?
確かに金色の魔王が滅ぼした筈だ。
あの時の記憶は虚ろだが間違いない。
だとすれば、あのフィブリゾはいったい何なのか?
まさかいつかの偽レゾのようなものだろうか。
「…試してみるか」
そしてリナは呪文の詠唱を始めた。
◇◆◇◆
449:この名無しがすごい!
07/06/12 23:40:36 lP5tjTE0
450:ある少女の後悔
07/06/12 23:44:45 Bw+tTumS
その呪文を唱えたのは二つの理由からだった。
一つはあまり派手な術を使うと危険だということ。
もう一つはただ発動する筈がないと思ったからだった。
しかし、術は発動した。
リナは驚き、後悔した。
それはフィブリゾが本物だと証明されたことと、
「マスター、ご命令を」
自分が呼び出したそれについてだった。
ラグナ・ドライブ
フィブリゾの力を借りゾンビを作り出す術
つまり、発動できなければあのフィブリゾは偽者ということなのだが、
(まさかものの見事に発動するとは…)
しかも出来たのは予想よりも大きいものだった。
「マスター、命令は?」
ゾンビがこちらを見ながら問いかけてくる。
(まあ、作り出してしまったものは仕方がないか)
ちなみにこの術でできたゾンビ、けっこうアドリブがきく。
「…とりあえず、他の参加者で困っている人を助けなさい」
リナは予想外に発生したゾンビに適当な命令を下す。
「了解、ぶらあぁぁっっ!」
ゾンビは一回叫ぶと素早く走り出していった。
走りつつ振り向き、こちらにウインクなんぞをしながら。
451:ある少女の後悔
07/06/12 23:46:58 Bw+tTumS
「…変なもの作っちゃったなぁ」
背中に鳥肌立たせつつリナはつぶやいた。
と、足元のデイパックが目に入る
「そういえば支給品なんてのがあったっけ」
役に立つものであればいいなと思いつつ開ける。
入っていたもの。
なにかわからないがブラックジャックのようなもの。
椅子。
以上2つ。
…これを使って殺し合えと?
「ふざけるなー!!」
と叫んだその時、
『うわぁぁぁー!!』
人にしては大きい叫び声が響き渡った。
「なに!」
リナは慌てて声のした方へと走っていった。
(もしかしたらもう誰かが襲われて…!)
そう思いながら走っていると、妙な匂いが漂ってきた。
(これは…腐敗臭?)
さらに進行方向には何か塊などが落ちている。
そして彼女の頭にある疑問が。
すなわち、
(さっきのゾンビ、どこに行ったっけ…?)
452:ある少女の後悔
07/06/12 23:49:52 Bw+tTumS
やがてひらけた場所に出ると、そこには…。
『あ、ああ…』
「大丈夫ですか?怪我はございませんか?」
腰を抜かし、みょーな物体を持った金髪の少年と、少年に近づく半壊したゾンビの姿が!
『あう、ああうあ』
「大丈夫です。私は不気味ですが武器は持っていません。なにせ私、ゾンビですから!」
そう言いながらゾンビは一本減った腕を広げ、ボロボロの腹の中を見せ、半壊した顔で笑
顔を浮かべる。
…はっきり言おう。不気味じゃなく、怖いと。
『…っ』
少年、もう声も出ない。
どうやらゾンビは時間がたつか術者から離れると自己崩壊を起こすらしい。
「おや?…まさか足を!?さあ、この手を掴んで!!」
どうやら動かないのを動けないと勘違いしたらしい。
ゾンビは手を伸ばし…、
453:ある少女の後悔
07/06/12 23:51:23 Bw+tTumS
ぼて
腕が落ちた。
少年は倒れた。
さらにゾンビの体は崩壊を起こしていく。
止まらない。
(って、なにしてんのあたし!)
リナは我に返り、少年に駆け寄った。
抱き起こすと、少年は気絶しているだけのようだった。
「ああ、マスター」
ゾンビを見ると、もう立つのもやっとといった状態だった。
「すいません、お役にたてなくて。どうやら、ここまでのようです」
ゾンビはそう言いながらそらを見上げた。
「…もし、…また会えるなら、こん…ど…こ」
そこで、ゾンビは完全に土に帰った。
その跡に向かってリナはつぶやく。
「…ゾンビ、あなたのこと、忘れないわ」
少なくとも忘れらんないだろう。
木々の隙間から太陽がその場所を照らしていた。
454:この名無しがすごい!
07/06/12 23:53:09 Bw+tTumS
とりあえずここまで。
状態表は後で投下します。
455:ある少女の後悔
07/06/13 00:43:05 Po5Qb0Qp
【F-3/森/一日目/朝】
【スレイヤーズ@リナ】
[状態]:正常
[装備]:椅子@スレイヤーズVSオーフェン
[道具]:支給品一式、無能部下焦がし機 ボンバー君二号@魔術師オーフェン無謀編
[思考]
基本:ガウリイと合流し、殺し合いを止める。
1:マジクを保護
2:ガウリイ達と合流
3:ニギタケが気になる
[備考]:まだ竜破斬、重破斬が使えないことを知りません。
フェブリゾが本物、もしくは本物にちかいなにかだと思っています。
ラグナ・ドライブをもう使わないと決意しました。
【魔術師オーフェン@マジク・リン】
[状態]:気絶
[装備]:拡声器
[道具]:???(未確認)
[思考]
基本:???
1:???
2:???
3:???
[備考]:次の書き手さんに任せます
【ゾンビ@スレイヤーズ 崩壊】
456:この名無しがすごい!
07/06/13 00:50:52 Po5Qb0Qp
投下終了
しかしゾンビの扱い方って難しいなぁ。
457:この名無しがすごい!
07/06/13 01:37:47 3ipEQ6d7
>455
十年来の勘違いはそうそう簡単には直らんとは思うが、早く『フィブリゾ』に慣れてくれ。
458:この名無しがすごい!
07/06/13 01:46:18 vF7LBuEt
>>456乙
ちょっと変だけどゾンビの墓参りに行ってくるよ。
459:この名無しがすごい!
07/06/13 09:48:35 UjEdw92W
主人公投票やってもいいけど公平を期すなら全キャラ登場後にやるべきだね
恨みっこなしで
460:この名無しがすごい!
07/06/14 01:01:27 q7ko8VsO
参加作品の中で手ごろなドーピングアイテムがあったら教えてくらさい。
武器じゃなく。
461:この名無しがすごい!
07/06/14 07:53:50 v+f3MM/0
>>460
ザ・サードから、『PSP』と『ルナティックブランド』。
前者はパワードスーツ、後者は精神と肉体を変質させる薬物。
すでに登場済みのならば、フルメタの量産型ボン太くん。
462:この名無しがすごい!
07/06/14 16:43:03 v+f3MM/0
訂正『ルナティックブランド』→『ルナティック・ブラッド』
とはいえ、人格にも結構影響与えるから、ロワで出すのはまずいかもしれない。
(自分から言い出しといてなんだけど。
お手軽パワーアップアイテムは以外に少なそう。
463:この名無しがすごい!
07/06/14 18:49:21 q7ko8VsO
サンクス。どうりで検索しても出なかったわけだ。
ま、あんじょう考えますわ。
464:この名無しがすごい!
07/06/15 16:49:43 UtfmHouN
ライナの複写眼は風のスティグマ勢の精霊魔術を読み取れるだろうか?
スレイヤーズやオーフェン勢の魔術なら構成も近いし読み取れるだろうけど
465:この名無しがすごい!
07/06/15 18:10:01 6d1dkYhx
オーフェンの魔術は天人の血を引いてないと使えないんじゃね?
構成は見えそうだけど。
466:この名無しがすごい!
07/06/15 22:41:17 nyeluZkU
正直あまりその辺の設定に触れない方いいと思う。
突き詰めると異世界なら始祖魔術士いないはずだから音声魔術は全て使えないって話になる。
467:この名無しがすごい!
07/06/15 23:22:11 /rF14a/D
始祖魔術士が存在しないと使えないんだっけ?
魔法を盗んで魔術にしたのが始祖魔術士でその血をひいていれば
各々の魔術を使う素質を得られるとしか覚えてなかったわ
468:この名無しがすごい!
07/06/16 00:37:03 5VGmSF3I
始祖魔術師は異世界にいるままで、別にいなくなったわけじゃ無いから、魔術使えないって訳でもないんじゃ?
オーリオウルがいなくなった後が記憶に無いのだが、由来の魔術が使えなくなってたら、大陸外に出たら使えない、となるかも。
469:この名無しがすごい!
07/06/16 00:57:58 YKMeTuzy
本編後設定のラッツベインが大陸外で魔術使ってたような
470:この名無しがすごい!
07/06/16 09:00:51 g8MMW5bW
世界法則に組み込まれた始祖魔術師を通して
限定的にその世界の法則を操作出来る。
これがオーフェン世界の魔術だったと思う。
>>466のいうようにあんまりつっこまない方がいいのかもしれない。
一番楽なのはライナの複写眼を封印って手なんだけど
複写眼とったライナっても寂しいし・・・難しいな。
471:この名無しがすごい!
07/06/16 10:07:05 mdknjln0
しかしぽいものの造った異世界でオーフェン普通に魔術使ってたよな?
472:この名無しがすごい!
07/06/16 11:47:24 6u9T+X8y
スレイヤーズとのクロスだったっけ?
あれは公式だし異世界でも使える根拠としてもいいかと
473:この名無しがすごい!
07/06/16 17:06:36 YTET8eZr
スレイヤーズVSオーフェンはお祭り企画だからなあ。おまけに扱いは無謀編だし。
VSの作中でその辺の設定に触れてるわけでもないし根拠としては微妙じゃね?
切り裂きポチョムキンは100mを2秒で走れる。
じゃあ他にも100m2秒台の奴がいるはずだって言われてる気分だ。
474:この名無しがすごい!
07/06/19 22:36:35 9oiidVoh
・・・なんかこのまま寂れそうな雰囲気。
生きてる人、いますか?
475:この名無しがすごい!
07/06/19 22:45:14 slUXwAhA
今の残業地獄から救い出してくれるならいつでも書く。
とりあえずちょくちょくと書き進めてはいるけど予約とかできる状態じゃないっす。
476:この名無しがすごい!
07/06/19 23:15:09 9oiidVoh
残業乙です。
・・・しかし主人公投票といい魔法関係の話といい
このスレ本当に人がいない気がする。
あ、遅まきながら一応主人公投票賛成ってことで。
477:この名無しがすごい!
07/06/19 23:40:06 /HtSyHou
このまま廃れていくのも寂しいので、なんか書いてみます。
さて、頑張るか。
478: ◆oDr.vkqXVs
07/06/20 01:35:39 YE4pzQ+K
トリップってこれでいいですか?
そして今更ながら
拡声器の効果範囲って周囲八マスでいいですか?
一応マジク拡声器使ったので周囲に悲鳴が響きました。
479:この名無しがすごい!
07/06/22 17:42:56 cAaHPM0w
hosyu
480:この名無しがすごい!
07/06/24 18:42:55 mcVcoZeM
リンク切れてたから貼ってみる。
>>URLリンク(takukyon.hp.infoseek.co.jp)
481:この名無しがすごい!
07/06/27 21:54:42 2vmJ8L2w
質問、支給品は必ずしも参加作品内のもので無くちゃいけませんか?
富士見系に限定するなら、参加していない作品のアイテムを出してはいけませんか?
ちなみに自分はEMEからあるアイテムを使いたいのですが。
482:この名無しがすごい!
07/06/27 23:18:45 fET9BoLn
さすがに参加作品外からはダメかなと思うな。
現実からの出展で近いものか適当にオリジナルアイテムってことにすれば?(許される範囲内で
エリア解除機なんかはオリジナルだけど許される範囲だろうし、
魔法的なものでなかったら現実にも結構近い性能の道具もあったりするよ? ビバ文明。
でも確かに武器1、道具1っていうルールはちょっとやりにくいな。
何らかのアイテム×2の方がいくらかやりやすいんだけど、どうだろう>>1?
483:この名無しがすごい!
07/06/27 23:55:16 HYqgmCpK
道具の定義も結構曖昧だしな。
物干し竿が武器に入ったり、ボン太くんが道具に入ったり。
484:この名無しがすごい!
07/06/28 00:48:17 nhuIEGRy
やっぱダメですか。
EME RED 2巻の妖×魔に出てきた魔剣を出したいな思ってたんですよ。
あれ、剣の技量が大幅に増加する上に、精神力が弱いと殺戮衝動に乗っ取られ
るから、意外な人物のマーダー化に使えないかなと思ったんですがねぇ。
485:この名無しがすごい!
07/06/28 08:59:10 +LZFbG2D
>>484
そういうのを出せれば、『なにか』の切っ掛けとしてはやりやすいんだけどね。
参加作品内で似たようなの無かったっけ?
486: ◆UlnmVKQRRM
07/06/28 18:59:05 8CdkOysz
じゃあとりあえず武器一個、道具一個というルールはランダムアイテム二個に変更します。
よく考えたらラノロワよりは作品の幅が狭いのでアイテムが武器以外で埋まるという事態にはなりにくかったのですね。
主人公投票については全参加者が登場してから、第一放送の時に行うことにします。
ですので皆さんそれまで一緒に頑張っていきましょう。
7月には私もいくらか余裕が生まれるので投下もできるでしょう。
487:人の不幸は蜜の味。人の幸福砒素の味 ◆QL.hfa6fts
07/06/30 20:06:35 BLD4qkKH
波打ち際に一人の少年がいた。
「……ハ……ハハ……」
その少年―仲丸由紀彦は殺し合いの場に呼び込まれ、ただ呆然と笑っていた。
「……ハ……ハハ……ハハハ……」
彼は葵学園二年B組に在籍する男子高校生である。
故にこのような状況に呼び込まれ平静でいられるはずがなかった。
「……ハハ……ハハハハハハハハハハハハ!!」
だから壊れたように笑う。
「俺の天下がキターーーーーーーーーーーーーーーーーー!!」
彼の叫びが辺りに木霊した。
仲丸は小鹿のように臆病に震えていたのではない。湧きでたチャンスを感じ取り、歓喜に打ち震えていたのだ。
凶暴な人物ならば息をするように人を殺すだろう。
正義感の強い人物ならば殺し合いを止めるだろう。
臆病な人物ならばひたすら死から逃げ惑うだろう。
だが、どの人物像も仲丸由紀彦には当て嵌まらなかった。
仲丸由紀彦はロクデナシ揃いの2-Bの中でもキワモノであり、その思考は一般の高校生のものとは多少逸脱している。
故にこの状況下の最大の利用方法を考え、結論を出した。
フィブリゾに取り入り自分だけおいしい思いをしようと。
無論自身はフィブリゾの情報など何一つ持ちあわせていない。
だが、あのフロアでのやり取りと強大な魔力から異世界の魔王かなにかだとは推測できた。
ならばフィブリゾに取り入り、配下になることが出来れば甘い汁を吸えるはずだ。うまくすれば自分だけの帝国を持つことも夢ではないだろう。
とはいえ、手下にして下さいといったところで相手にもされないことは簡単に予想できた。
ならば配下になるのに必要なことは何か?
それは優秀さを示すことである。
そのための手段としてもっとも分かりやすいことは果たしてなんだろうか?
盗聴器か何かが仕掛けられているであろう首輪に自己PRをすることか?
それほど簡単に信じては貰えないだろう。
ならば信じさせるにはどうすればいいか?
それは一番使える部下であることを示すことだ。
一番優秀な人材だと思わせるには?
もっとも分かりやすい手段は、優勝することだ。
488:人の不幸は蜜の味。人の幸福砒素の味 ◆QL.hfa6fts
07/06/30 20:08:26 BLD4qkKH
(つーても、二人ぐらいになるまで隠れてるだけってわけにもいかんなぁ)
とはいえ逃げ回るだけの臆病者など必要だとは思えない。真に欲するは有能な手駒だ。
優勝するまで最後まで果敢に戦い、策謀を巡らす知恵を示せば配下として認められるはずだ。さらに自分から殺し合いを助長させれば完璧である。
フィブリゾは殺し合いをさせるためにこの場に数十人もの人間を呼び込んだのである。
殺し合いが加速することはフィブリゾにとっては喜ばしいことだろう。
さらに、あの女魔法使いの首を手土産に出来れば万々歳である。
自分の魔法の技術と身体能力ならば、ベヒーモスのような余程の相手でない限りは力ずくで勝つことは雑作でもなく
力を打ち破るための陰謀を巡らす知恵もある、やってやれないこともない。支給品のことも考えれば無敵と言ってもいいだろう。
「クックックッ、大当たりだぜ」
仲丸は正面を見る。そこには鋼の巨人が佇んでいた。
その2m半程の巨人はパワード・シンクロ・プロテクタと呼ばれ、搭乗者の動作を増幅し外骨格に伝え忠実にトレースする陸戦兵器である。
陸戦兵器故に、飛行能力こそないが大出力の推進装置があるために跳躍を行うことができ、
又背後にマウントされているPSP専用の長銃身ライフル『ドラゴンバスター』は単発式であるため速射性には欠けるが作動不良は少なく
人体ならば簡単に粉砕できるほどの威力が備わっており、強力な支給品を引き当てたと言えるだろう。とはいえ、完全にものにするのには練習が必要である。
なにせ車の運転すらしたことがないのだ。富野作品によく出てくるNTでもない以上はうまく動かせるとは思えない。
「とりあえずはのんびりやるとするか」
そう呟くと、仲丸由紀彦は高校生とは思えぬ邪悪な笑み浮かべながらPSPの前面ハッチを開け、中に乗り込んだ。
【F-1/一日目/朝】
【仲丸由紀彦@まぶらほ】
[状態]:健康
[装備]:PSP@ザ・サード、 ドラゴンバスター(20/20)@ザ・サード
[道具]:支給品一式
[思考]
基本:優勝してフィブリゾに取り入る。
1:PSPの操縦に慣れる。
2:獲物を探す。
3:殺し合いを助長させる。
489:人の不幸は蜜の味。人の幸福砒素の味 ◆QL.hfa6fts
07/06/30 20:09:31 BLD4qkKH
投下終了。
……短い…
490:この名無しがすごい!
07/06/30 20:11:49 rvn5n20Y
おお、作品キタ!
まぶらほは主人公につづいて仲丸がきたか。
PSPって活動時間制限あったっけ?
491:この名無しがすごい!
07/07/01 01:16:47 qK5K+C4Y
>>489
乙。ぼちぼち進んできたぜ。
あるいみ仲丸は奉仕型マーダーか?
>>490
作中だと特に決まっていない。
三日ぐらいは起動してても大丈夫かもしれないし、丸一日で電源が落ちるかもしれない。
とりあえずは量産されている代物で数時間ぐらいの作戦行動は可能なはず。
492:この名無しがすごい!
07/07/01 16:36:49 UycWyzob
>>489
GJ!
久しぶりに投下がきたね。
493:この名無しがすごい!
07/07/02 13:56:55 slpSJRj7
乙
支給品実に協力だなwww
なぜかわからんが仲丸が目先の欲望に釣られて自滅する姿が見える
494:狂戦士◇HMDittoMAN
07/07/02 23:34:04 aLM5Zkp5
「・・・・・・いいだろう、この殺し合い乗ってやろうじゃないか」
身に着けたローブ、マント、フード。
全てが白一色という、全身白尽くめの男そうは呟いた。
遡る事数分前、男―名はゼルガディス―は気が付くと洞窟の中にいた。
ゼルガディスは非常に不機嫌だった。
前々から探していた、あるマジックアイテムが見つかったのもつかの間。
通りすがりの女魔道士に、それを掠め取られる。
力ずくで取り返そうとした仲間は、返り討ちにあい。
言い値で買い取ろうと交渉すれば、相場の十倍の値段を吹っかけられるという、散々な事になった。
仕方なくその場は引き下がったものの、気が付けばこの悪趣味なゲームに巻き込まれている始末だ。
これで上機嫌でいろいう方が無理である。
ゼルガディスはどうしても、そのマジックアイテム―賢者の石―が必要だった。
そう、自分の体をブロウ・デーモンとロック・ゴーレムのキメラにした、憎き赤法師レゾを倒す為に。
そこでふと、フィブリゾの説明を思い出した。
『優勝者にはぼくが責任を持って元の世界に戻すと同時にどんな願いもかなえてあげるよ』
どんな願いもかなえてあげる
どんな願いもかなえてあげる
どんな願いもかなえてあげる
495:狂戦士◇HMDittoMAN
07/07/02 23:36:10 aLM5Zkp5
そこでゼルガディスは悪魔の囁きを聞いてしまった。
それがもし本当なら、自分の体を元に戻す事も出来るのではないか、と。
一度転がり落ちた思考は、加速をつけて進んでいく。
この首輪を外す方法が見つかってない以上、自分が生き残るには他の参加者を全員殺すしかない。
くわえて自分は聖人君子という訳ではない、汚い事は何度かやってきたし、人だって殺した事もある。それが後四十数人増えた所で、たいした事は無いじゃないか。
あるかどうかもわからない、自分の体を元に戻す方法を探すよりも、ここで優勝するのが確実じゃないのか。
フィブリゾ。確かその名前を持つ魔族は、魔王の五人の腹心の一人だったはず。それ程高位の魔族なら、自分の体を元に戻せても、おかしくは無いはず。
ならば自分が採るべき道は・・・
その瞳には、狂戦士の通り名に相応しい狂気が宿っていた。
「おれは絶対に、元の体に戻ってみせる」
【G-3/洞窟/一日目/朝】
【スレイヤーズ@ゼルガディス】
[状態]:正常
[装備]:???(未確認)
[道具]:???(未確認)
[思考]
基本:優勝して元の体に戻る。
1:支給品を確認する。
2:獲物を探す。
[備考]:ゼルガディスの参戦時期は一巻の二章、リナとの交渉が決裂した直後です。
496:この名無しがすごい!
07/07/02 23:38:11 l12j6VFX
新作グッジョ!
つーかゼルの行動方針についてオレと同じことを考えてる人がいたとはw
497:この名無しがすごい!
07/07/03 00:47:59 HcPUsD0o
乙。
こりゃアメリアをはじめ他の面子との再開がたのしみだ。
名前: #HMDittoMAN
ただし、トリの付け方が間違っているのはまずい。
上記の様に名前欄に #適当な文 でトリが出来上がるから次回からは気をつけるように。
498:この名無しがすごい!
07/07/03 15:53:09 gzT8dFLs
GJ!
初期ゼルか・・・混沌としてきたなw
499:この名無しがすごい!
07/07/04 17:31:12 sj+55XB9
仲丸被ったwww悔しいから流れだけ投下
仲丸歩いている
↓
色々考察
↓
いきなり目の前に松田があらわれる
↓
仲丸面食らう
↓
色々話し合う
↓
自分だったら願いなんか叶えないのであいつの言うとおりに動くのは気に食わない
↓
そもそも消滅しても復活できるなら無視が普通にありえる
↓
大体あれが本物である証拠はなく、姿を借りた偽物と言う事もある
↓
さらに言うならリナはサクラの可能性がある
↓
次に互いの支給品を確認することにする
↓
松田の支給品から虚空閃がでてきて高く売れそうと言う
↓
なら他人の支給品集めて売ればすごい金額になりそう
↓
支給品を集めながらついでに首輪解除を行動方針にする
↓
しかし二人とも腹の中では優勝する気満々。仮に偽物でもかなりの力を持っているのは間違いないのでフィブリゾの配下になりたい
↓
松田の道具を確認するも、和樹の塵。何故あるのかが理解できない
↓
仲丸の支給品確認。武器はショボい
↓
道具は白金の延べ棒。両者欲望剥き出し
↓
取り合いをはじめ戦闘開始
↓
松田身の危険と欲望剥き出しにより虚空閃を使おうとするも下手に血でもついて価値が下がることを危惧しやめる(正しい使用法は知らない)
↓
仲丸の光弾。松田避けるも木にあたり、燃えだす
↓
その音がまわりのエリアにも響く
↓
光弾の音をきいた者の内何人か近づく
↓
木についた炎が燃え盛り、遠目からでも炎が確認できるようになる
↓
それを見た色々なやつが集まってくる
↓
それに気が付かない二人はしばらく戦い続ける
500:この名無しがすごい!
07/07/04 19:34:41 nV49cn5r
>>しかし二人とも腹の中では優勝する気満々。仮に偽物でもかなりの力を持っているのは間違いないのでフィブリゾの配下になりたい
ちょw >>489と考えること一緒。和美は恋心より欲望重視w
501:この名無しがすごい!
07/07/05 20:55:48 C3+jnddz
【フルメタルパニック】9/10 ●相良宗介 △クルツ・ウェーバー △テレサ・テスタロッサ △メリッサ・マオ ○大貫善治 △椿一成 ○林水敦信 △千鳥かなめ ○ガウルン △アンドレイ・カリーニン
【魔術師オーフェンシリーズ】 7/7 △オーフェン △アザリー ○コンスタンス・マギー ○マジク・リン △クリーオウ・エバーラスティン △チャイルドマン △ジャック・フリズビー
【まぶらほ】7/7 ○式森和樹 △リーラ ○仲丸由紀彦 △宮間夕菜 △神城 凜 △山瀬千早 △松田 和美
【伝説の勇者の伝説】6/6 △ライナ・リュート △フェリス・エリス △ミラン・フロワード △シオン △ミルク・カラード △クラウ・クロム
【スレイヤーズ】6/6 ○ゼルガディス ○リナ・インバース ○ガウリイ △アメリア △ミルガズィア △ルーク
【風の聖痕】3/3 △八神 和麻 △神凪 綾乃 △神凪 煉
【ザ・サード】2/2 ○火乃香 △パイフウ
【それゆけ!宇宙戦艦ヤマモト・ヨーコ】2/2 ○山本洋子 △白鳳院綾乃エリザベス
【残り42名】
●は死亡者、△は未登場。
伝説の勇者の伝説と風の聖痕はまだ一人も出てきてない。
502: ◆piSiuVSjuA
07/07/05 23:29:53 /fOk7KvV
アザリーとテッサ予約。
ところでこれって、期限三日だよね?
503: ◆UlnmVKQRRM
07/07/05 23:32:38 BlX3t0gd
投下してもらえれば御の字なので一週間としてじっくり練ってください。
文句言う人もいないでしょう。
504:この名無しがすごい!
07/07/05 23:36:40 V3SJpw0R
予約きたーーー!
三日でOk。
505:それもこれもあいつのせいだ ◆RlEzE8fV4E
07/07/06 10:46:00 rumVXzOF
「なんなのだ、あやつは」
D-6の平原にただ一人ぽつんと立っている着物を着た少女―神城凛は蒼白な表情でそう呟いた。
現在彼女の胸中を占めているのはただ一つの事柄、そうフィブリゾと名乗った少年のことである。
神城凛は妖怪退治を生業としている一族の中でも優れた実力を持つ剣士である。
故にあの妖魔が恐ろしいほどの強大な力を有していることが理解できてしまった。
はたして、あれほどの力を持つ妖魔に自分一人の力で勝てるのだろうか? おそらく無理だ。
(ならば、やつの言葉におとなしく従うか?)
そんな考えが思わず脳裏に浮かんでしまう。
だが同時にそんなことなどいけないとも思う。
(いかん。いかん)
馬鹿げた考えを振り払うために自分の両頬を叩く。こんなことなど間違っているのは理解しているのだ。あの妖魔の言うことに耳を貸す必要などない。
そして、単独では勝てないのも分かっているのだ。ならば集団で退治しまえばいい。
あの場には大勢の人間がいたはずだ。殺されてしまった男とその息子達がそうであるように、他の退魔士がこの地にいたとしても不思議ではない。
(ならば早急に探すか)
そう思い凛は右足を一歩前に進める。そのとたんに何か不思議な違和感に気づいた。
なにかを忘れているような感覚である。
はて、このボタンの掛け違いのような違和感はなんだろうと自分の体を見回す。そして違和感の元に気づいた。
普段から持ち歩いている愛刀がないのだ。落としたかと思い、辺りを見回すも人っ子一人すら見当たらなかった。
どうやら何時の間にか取り上げられていたらしい。今の自分の手荷物は刀の代わりとばかりにザックしか握らされていなかった。
凛は数秒間迷いザックの中を調べることにした。
あの妖魔に与えられた代物をあてにするのは癪だがこのさい仕方がない。
刀がなくとも素人相手ならどうとでもする自信があるが、以前襲ってきたような実力のある悪党相手では分が悪い。
何か硬いものが手の先に触れた。握ってみると棒状の物だった。
得物かと思い、引っ張り出してみる。
どうやら日頃の行いがよかったらしい。出てきたものは黒鞘に収められた刀であった。
凛は僅かに機嫌を良くしつつ、刀を鞘から抜き、上昇したばかりの気分が僅かに気落ちした。
出てきたものは刀ではあったが、普段から持ち歩いている物と比べれば鈍と言っていい物であった。
とはいえ刀は刀だ。実用には耐えられるであろうし、寸法も自分にとっては丁度いい物だ。
下手な西洋刀よりは遥かにましだろう。これ以上のものを望んでも仕方がない。
凛はそう締めくくり刀を脇に差しつつさらにザックの中を探ることにした。
中には様々なものが入っており、その中で特に目を引いたものはルールブックと名簿だけであった。
妖魔の決めた法など見たくもなかったのでルールブックは読まずに、名簿の方を先に見る。
そこにはよく見知った者達の名前が書かれていた。
しかもその中にはリーラという式森に付きまとっていたメイドの名前まで書かれていた。
その名前を思い浮かべただけで腹が立ってきた。
なにがご主人様だ。式森はお前の所有物ではないんだぞ。ちょっと家事がすぐれているだけであいつの側にいていいものではない。
第一集団で一人の世話をするなど甘やかすにも程がある。叱るべきところでは叱れる様な人物があいつにこそ相応しい。
そうz――
「てっ! ちょっと待て!! なぜいま式森のことを考えなければならんのだ」
凛は赤面しつつ叫んだ。
ここは殺し合いの場なのだ。ふざけた思考をしていてはいつ背中から刺されるか分かったものではない。
思考を妖怪退治の剣士に切り替えるべく支給物である水筒に手を伸ばす。
茶でも飲んで落ち着こう。水筒の頭からコップを取り外し、コップの中に水を溢れる一歩手前まで入れる。
そして勢いよく飲み干す。
506:それもこれもあいつのせいだ ◆RlEzE8fV4E
07/07/06 10:47:26 rumVXzOF
そして盛大に噴出した。
不味い。なんだこれは!?
思わず、噴出してしまった液体が入っていた水筒を見る。
それにはお仕置き水と書かれてあるラベルが貼られており、紐には説明書なる紙が張られてあった。
なにが書いてあるのだろうかと説明書を手に取り内容を読む。
数秒後、説明書を読み終えた凛はそれを地面に叩きつけた。
そこにはとても有害な成分ばかりが書いてあったからだ。
剣道の大会で全国優勝できるほどの腕前を持つものの、生物部に所属している凛はそのことが理解できてしまった。
手の中にある水筒を見る。それも投げ捨てようと思い振り上げる。
なにがお仕置き水だ。このような公害指定のものなど必要ない。
『和樹さんの浮気者! お仕置きします!!』
凛の頭の中で、お仕置きという単語からそんな展開が想像できてしまった。
そして連想してしまう、殺し合いの場に放り出され怯えた少女を慰める式森和樹を。
『大丈夫だよ、僕がついてるから』
■■■■■
神城凛はゆっくりと水筒をザックの中に収める。
これは自分への戒めなのだ。もし毒だったのならば自分は死んでいた。
幸いにも毒ではなかったが、説明書を始めに読んでいれば苦い思いをせずにすんだはずだ。
ゆえに嫌々ながらもルールブックを読む。同じ失敗を犯すわけにもいかない。とはいえすぐに役立つ情報は書かれてはいなかった。
ついでとばかりに刀の方の説明書も読んだ。とくにたいしたことは書かれてはいなかった。
どりあえず分かったことはこの刀の持ち主は火乃香という人物ということだけだった。
そういえば名簿にそんな名前が載ってあった、と思い名簿を手にとって見てみると確かにその名前が載っていた。
もしかすれば自分の刀も支給品とやらに回されているかもしれない。
そう思いつつ名簿を閉じようとする。
(ん?)
だが何か気になるものを見かけたような気がし、閉じるのを止め再び覗き込む。
何が気になったのかと思い。三度覗き込み思い出す。
『神凪』という単語を言った人物が勇敢に立ち向かい殺されてしまったことを。
507:それもこれもあいつのせいだ ◆RlEzE8fV4E
07/07/06 10:48:31 rumVXzOF
そして盛大に噴出した。
不味い。なんだこれは!?
思わず、噴出してしまった液体が入っていた水筒を見る。
それにはお仕置き水と書かれてあるラベルが貼られており、紐には説明書なる紙が張られてあった。
なにが書いてあるのだろうかと説明書を手に取り内容を読む。
数秒後、説明書を読み終えた凛はそれを地面に叩きつけた。
そこにはとても有害な成分ばかりが書いてあったからだ。
剣道の大会で全国優勝できるほどの腕前を持つものの、生物部に所属している凛はそのことが理解できてしまった。
手の中にある水筒を見る。それも投げ捨てようと思い振り上げる。
なにがお仕置き水だ。このような公害指定のものなど必要ない。
『和樹さんの浮気者! お仕置きします!!』
凛の頭の中で、お仕置きという単語からそんな展開が想像できてしまった。
そして連想してしまう、殺し合いの場に放り出され怯えた少女を慰める式森和樹を。
『大丈夫だよ、僕がついてるから』
■■■■■
神城凛はゆっくりと水筒をザックの中に収める。
これは自分への戒めなのだ。もし毒だったのならば自分は死んでいた。
幸いにも毒ではなかったが、説明書を始めに読んでいれば苦い思いをせずにすんだはずだ。
ゆえに嫌々ながらもルールブックを読む。同じ失敗を犯すわけにもいかない。とはいえすぐに役立つ情報は書かれてはいなかった。
ついでとばかりに刀の方の説明書も読んだ。とくにたいしたことは書かれてはいなかった。
どりあえず分かったことはこの刀の持ち主は火乃香という人物ということだけだった。
そういえば名簿にそんな名前が載ってあった、と思い名簿を手にとって見てみると確かにその名前が載っていた。
もしかすれば自分の刀も支給品とやらに回されているかもしれない。
そう思いつつ名簿を閉じようとする。
(ん?)
だが何か気になるものを見かけたような気がし、閉じるのを止め再び覗き込む。
何が気になったのかと思い。三度覗き込み思い出す。
『神凪』という単語を言った人物が勇敢に立ち向かい殺されてしまったことを。
508:それもこれもあいつのせいだ ◆RlEzE8fV4E
07/07/06 10:49:32 rumVXzOF
「かずま、あやの、れんであの御仁が『魔を滅するは神凪の務め』と言うからには『神凪綾乃』、『神凪煉』で
かずまは『八神和麻』で名字が違うが婿養子というのもあるか。となればあの御仁の名は『神凪厳馬』か?」
べつに『神城和樹』なる単語は断じて思い浮かべるはずがない、と自身に念じつつ一人で呟く。
始めから探そうとは思っっていたものの名前が分かったのは収穫だろう。これで少しは探しやすくなった。
行動方針は大体決まった。
「さていくか」
「やっと出発?」
移動しようとしたとき、背後から声が聞こえてきた。
どこにも隠れられそうにない場所で、考え事をしていたのがいけなかったらしい。
そういえば以前にも同じようなことがあった。あの時も式森のことを考えていたために葵学園女子になぜか囲まれてしまっていた。
「って、『も』とはなんだ! 今は真面目に考えていただろうが!!」
「……難儀な子ねぇ」
どうやら振り向かずにはいられないらしい。
溜息をしつつあきらめて振り向くと、いつからいたのか数m離れた所に美女というべき長い黒髪をした女が立っていた。
肩から吊るしている銃の横にある胸は大きく、体はよく引き締まっておりモデルと言っても通用するぐらいにプローポーションは抜群である。
容姿の方も整っており形のいい眉の下には暗く輝く黒瞳を抱いた切れ長の双眸が備わっており美顔と言ってもいいだろう。
自分の知識の中で彼女に匹敵するのは風椿玖里子ぐらいだ。
いや、本物の大人なぶん目の前の人物は彼女より美しいといえるだろう。
もしかすれば、これほどのスタイルの良さならばあいつを押し倒せるかもしれない。
「って! またぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
「……刀を使う女の子って男運悪いのかしら?」
そう凛の目の前にいる女は呟いたが、あいにくと落ち込み自身の妄想と戦う凛の耳には入ってはいなかった。
凛がひざまづきつつ女の方を見ると、女の肩にはハーネスが吊り下げられており回転式と思われる黒い拳銃が中に収められているのが見えた。
そして、普段は言わない台詞を呟いた。
「……その拳銃で私の頭を吹き飛ばして貰えませんか?」
「笑えない冗談ね」
無表情に着物姿の少女を見下ろしつつパイフウは答えた。
509:それもこれもあいつのせいだ ◆RlEzE8fV4E
07/07/06 10:51:30 rumVXzOF
【D-6/平原/一日目/朝】
【神城 凛@まぶらほ】
[状態]:健康、ちょっと落ち込んでいる。
[装備]:火乃香の刀@ザ・サード
[道具]:支給品一式、おしおき水が入った水筒@魔術士オーフェン
[思考]
基本:とりあえず、知り合いと合流する。
1:目の前の女に対応する。
2:退魔士の可能性がある『八神 和麻』、『神凪 綾乃』、『神凪 煉』を探す。
2:フィブリゾを退治する。
【パイフウ@ザ・サード】
[状態]:健康
[装備]:ディーディー(5/5)@魔術士オーフェン
[道具]:支給品一式、不明支給品×1
[思考]
基本:ほのちゃんと合流する。
1:難儀な女の子に対応する。
備考:パイフウがいつから凛の背後にいたのかは次の書き手さんに任せます。
510: ◆RlEzE8fV4E
07/07/06 10:53:07 rumVXzOF
予約はあったけど、ずいぶん前だったので投下。
>>502さん、のんびり書き上げてください。
511: ◆RlEzE8fV4E
07/07/06 10:58:29 rumVXzOF
ごめん。二重投稿。
512: ◆8yz2qqMNbQ
07/07/06 15:09:04 4e4z3xUC
神城凛と椿一成を予約したものです。
まず、長期間放置していて済みませんでした。
何故か常に人多すぎでスレに入れず、やっと入れるようになったのが今というのが理由です。
で、肝心の予約ですが、申し訳ありませんが取り消させてください。
他の方がもう神城凛を使ってしまっていることですし……
513: ◆8yz2qqMNbQ
07/07/06 16:44:14 x/dCPVc9
えーと、それで千鳥かなめと式森和樹を予約させてもらってよろしいでしょうか?
今度は既に書きあがっているので出さずに終わるということはないはずです。
514:この名無しがすごい!
07/07/06 16:53:47 5V0AMWCb
>>513どうぞ。投下しちゃってください。
515: ◆8yz2qqMNbQ
07/07/06 17:00:36 x/dCPVc9
まずは、あの戦争馬鹿と会わないと―!
千鳥かなめは森の中を走り続けている。息は切れ切れになり、足は擦り傷だらけだったが、気持ちを奮い立たせて一歩を踏み出し続けている。
かなめはフィブリゾとやらの馬鹿げた企画に参加する気は全くなかった。とはいえ、自分一人ではこの戦いを生き抜くには限界があるし、何よりも一人でいることが胸を締め付けられるほど心細かった。
そこで、かなめは宗助を探すことにした。宗助が持つサバイバル知識や重火器を扱うスキルがあれば、かなり心強いものになる。
無論、走り出す前にルールブックと名簿と地図は一読し、支給品もチェックしておいた。支給品は二十万ボルトのスタンガンとアルミ合金製の手錠だった。遠距離武器がないのは心細いが、使えるものが手に入ったのはラッキーだろう。それらはザックの中に詰めてある。
走り続けるかなめの目の前に黒いものが映った。周りが緑だらけの中、それが強く要の意識を揺さぶった。
何かがある。それが果たして自分にとってプラスかマイナスか。かなめは心臓の鼓動を深呼吸で落ち着けながら近づいた。
そして、かなめの心は不安に塗りつぶされた。かなめが見た黒いものとは陣代高校の男子制服だった。それはいい。しかし、問題はその男子生徒らしき者が仰向けに倒れたままで、ぴくりとも動かないことである。
さらに、髪がざんばらの短髪であること……名簿にあった椿一成も陣代生だが、このような髪型ではない。
宗助……なの?
かなめは泣き出しそうになるのを堪えて、全力で、男子生徒らしきものへと走っていった。
結果は、かなめにとって最悪のものだった。
宗助は胸にナイフが突き刺さった状態で、仰向けで、死んでいた。
「うそ……でしょ。こういうサバイバルって、あんたの専売特許じゃないの……」
かなめの呟きにも、宗助は全く反応を示さなかった。
不意に、かなめの心に悲しみが、津波のように溢れてきた。膝から力が抜け、続いて全身から力が抜けた。そして宗助の上に覆いかぶさるような形でかなめは涙を流し、嗚咽を漏らした。
そのときである。横合いから、男の悲鳴が聞こえたのは。
516:世界で一番の悲劇 ◆8yz2qqMNbQ
07/07/06 17:02:58 x/dCPVc9
式森和樹は宗助を殺した現場から逃げるうちに、再びもとの場所へ舞い戻ってしまったである。
実は、森の中というのは木々が直線に進むことを邪魔するため、どうしても蛇行して進んでしまうのだが、その際にコンパスなどを使わないとぐるりと一周してもとの場所に戻ってしまうことがある。
今の和樹はちょうど、そのパターンにはまっていたのである。
そして、戻ってしまった和樹が見たのは、自分が殺してしまった少年の死体にすがりついて泣く少女の姿である。
その様子から察すると、仲のいい友達……どころではなさそうな、深い悲しみが和樹の胸にも伝わってきた。
続いて、己の行いの罪深さに背筋が凍り、心臓を握りつぶされるような苦しさがこみ上げた。
そして、思わず声を上げてしまったのである。
泣いていた少女はすぐに顔を上げ、和樹と目を合わせた―その瞬間が、和樹の罪を最も強く感じさせる一瞬だった―すると、少女の泣き腫らした目に力が宿った。
517:世界で一番の悲劇 ◆8yz2qqMNbQ
07/07/06 17:03:49 x/dCPVc9
かなめは悲鳴が聞こえた瞬間にそちらを向き―それができたのは、彼女の心の一部がまだ理性を保っていたからかもしれない―悲鳴を上げた少年と目が合った。
その瞬間、かなめは少年の異様な狼狽振りを確かに目にした。そして、直感が告げた。あの少年が、宗助を殺したのだと。
かなめはさらによく少年を観察しようと目を凝らした。すると、少年の体の向こう側の景色が微かに見えた。つまり、あの少年の体は透けており、実体がないのかもしれない。
このことから得られる結論―宗助は物理的な手段によってあの少年と戦闘を行い、敗れた。
まずは、この仮説を確かめなければならない。
かなめは立ち上がり、大きく息を吸い、よく聞こえるように声を張り上げた。
「ここで殺されている男の子、あなたが殺したの!?」
殺されている。その言葉を言うときに胸がひどく痛んだが、今は悲しみにくれている場合ではない。
少年は答えることができず、立ち尽くして震えているだけで、かなめは己の直感が真実を告げていることを悟った。
次いで、かなめは手近な石を手に取った。本来であれば話し合うべき場面だったかもしれないが、かなめは一刻も早く、宗助が死んでしまった理由を知りたかった。
大きく振りかぶって、少年に石を投げた。放物線を描いた石は少年の胸に飛んでいったが、当たることはなく、そのまますり抜けてしまった。
「なるほど。やっぱり実体無しか。っていうことは、幽霊さんかな?」
ここに来てかなめは冷静さを取り戻し、目の前の少年とコミュニケーションをとることに思い至った……が、かなめは一瞬の後にそれを放棄。後ずさりし始めた。
石を投げられた少年は突如笑い出し、顔を庇っていた手をどけた。その顔は、かなめの背筋をひやりとさせるのに十分な壊れた顔であった。
「うわぁあああああああああああ!」
少年は奇声を上げてかなめに向かって走り出した。かなめも思わず全力でその場を逃げ出した。
518: ◆C1dQCs0jaw
07/07/06 17:15:56 3bVGgBjZ
ミラン・フロワードとクラウ・クロムを予約します。
519:世界で一番の悲劇 ◆8yz2qqMNbQ
07/07/06 17:21:28 x/dCPVc9
【本文の後に】
【F-5/森/一日目/午前】
【千鳥かなめ】
[状態]:肉体的には健康。精神的には宗助の死を知って錯乱気味。
[装備]:特に無し
[道具]:二十万ボルトのスタンガン@フルメタル・パニック アルミ合金製の手錠@フルメタル・パニック
[思考]:
基本:知り合いと合流する
1.目の前の少年(式森和樹)から逃げる。
【式森和樹】
[状態] 幽霊、半ば錯乱気味
[装備]ウェポン・システム(16/20)@ザ・サード
[道具]支給品一式×2、ウェポン・システムの付属パーツ@ザ・サード、割り箸@現実
[思考]
基本:とにかく、皆を探す。
1.目の前の少女(千鳥かなめ)を自分に危害が加えられない状態にする。
[備考]
かなめの道具は詳しく言うと「終わるデイ・ベイ・デイ(下)」のラブホテルで使ったものと同じです。ただ、ここに書いた説明で十分だと思います。
一応この後の展開も考えてはいますが、神が降臨した方がいたら是非とも続き書いちゃってください。
最初、題名を入れ忘れました。次からはこういうことがないように気をつけます。
520: ◆8yz2qqMNbQ
07/07/06 17:25:11 x/dCPVc9
あ、それと>>246から地図が見られなくなっていて不便です。スレ主がいたらすぐにでも直して欲しいです。
521:この名無しがすごい!
07/07/06 17:32:44 5V0AMWCb
投下乙
なんかロワらしくなってきたな。GJです。
フルメタ勢は、主人公、ヒロインとも、災難だな。
ただ。宗助じゃなく宗介では?
あと、地図なら>>480にあるよ。
この後を考えているなら、書いちゃっていいと思うが……自己リレーかな。
自分はいいと思うけど、ほかの人はどう?
522: ◆RlEzE8fV4E
07/07/06 20:49:21 rumVXzOF
>>520GJ
ああ、かなめも宗介も和樹もついてない。
ごめん、作品投下しちゃって。
523: ◆8yz2qqMNbQ
07/07/06 20:55:58 VQS8K4a0
>>521あ、見落としてました。ありがとうございます。あと、宗介の名前間違えてたorz。
まさかフルメタを間違えるなんて……名前の確認は必ずするべきですね。
>>522いえいえ。ちょっと無理のありそうな展開だったのでかえって助かりました。
……ちょっとくらーい方向に進みすぎたのかも……まあ、バトロワですしこのくらいでいいですよね。
あと、ちょっと忙しくなるので今度出せるのがふた月ぐらい空きそうなので、その間に誰か書きたい人居るのかなーっていうことです。
524: ◆8yz2qqMNbQ
07/07/07 15:14:11 Vvwx+mmb
えーと、時間がないはずなのに何故か書けてしまったので続きを投下しようと思います。
というわけで、千鳥かなめ、式森和樹、神凪煉を予約します。
525:傷持ち同士の出会い ◆8yz2qqMNbQ
07/07/07 15:26:25 Vvwx+mmb
「るぅわぁああああ!」
もはや人のものとは思えないおたけびを後ろに聞きながら、千鳥かなめは必死で逃げていた。
かなめは自分の足に自身がある方だが、ここが森の中というのが災いした。かなめは木々や草花を避けなければならないが、後ろの少年はそれらを無視して直線で突っ込んでくる。
足の速さは互角でも、それが響いてじりじりとかなめは距離を詰められていた。
朝っぱらからずっと走り詰めというのが足にきつい。かなめは自分の頭に霧がかかってるような感覚で、周りもろくに見えていなかった。
そのせいか何かに蹴躓いて転び、少年も立ち止まった。少年は興奮した様子でどこからか拾った枝を手に持っている。
再び立ち上がるだけの力は残されていない。少年が一歩ずつ近づくのを、ぼやけた視界で確認するのがせいぜいだった。
ははっ、あたしの人生こんなものなの。この上なく、くそったれな人生だったわ―!
せめて最後だけでも強がって見せようと、不敵な笑みを作った。すると、少年は何かの罠があると勘違いしたのか、足を止めた。
その瞬間であった。
少年の周囲に炎が生まれた。炎は爆ぜながら少年を囲み、次第にその強さを増していく。
「な、うわt―」
少年の声は最後まで聞こえなかった。その火柱は数秒の間、轟音を撒き散らし、逆巻くように暴れた後に掻き消え、後には首輪だけが残された。
あまりの非現実的な展開に、かなめの背筋が凍りつく。冷や汗が全身から吹き出て、震えで足に力が入らない。
恐怖で敏感になった聴力が、草の擦れあう音を聴いた。誰かが近づいている音だ。
かなめは腕の力で上半身を起こし、ザックからスタンガンを取り出して後ろ手に隠した。 そして音のする方をむいて、気を張り詰める。
音が間近に迫り、スタンガンの電源をONにしたとき、
「姉さま!」
可愛らしい声で意味不明な言葉が響き、かなめの注意が一瞬逸れた。その瞬間に草むらから飛び出した影は勢い余り、かなめを押し倒してしまった。
「ちょっとまっ、何? 何なの!?」
押し倒されたかなめは慌てて飛びついてきた誰かを引き離し、その顔を真っ向から見た。
かなめの目前には十二、三歳ぐらいの、少年がいた。
思わず抱きしめそうになる可愛らしい顔立ちだがそれを自制して、かなめは問う。
「あなた、誰?」
目の前の少年は耳を真っ赤にしたまま、搾り出すような声で言った。
「僕は……神凪煉と言います……」
526:この名無しがすごい!
07/07/07 15:29:39 LGFW3CN7
527:傷持ち同士の出会い ◆8yz2qqMNbQ
07/07/07 15:38:44 Vvwx+mmb
【F-5/森/一日目/午前/】
【千鳥かなめ】
[状態]肉体的には軽度の疲労(10~15分の休憩必須)精神的にはやや不安定
[装備]特に無し
[道具]二十万ボルトのスタンガン@フルメタル・パニック アルミ合金製の手錠@フルメタル・パニック
[思考]
基本:とにかく生き残る
1.目の前の少年とコミュニケーションをとる
2.知り合いと合流する
【神凪煉】
[状態]健康。しかし精神的に不安定
[装備]未確認
[道具]未確認
[思考]
基本:フィブリゾを倒す
1.目の前のお姉さん(千鳥かなめ)に抱きついてしまった言い訳をする。
2.兄さまや姉さまと合流する
3.強くて正義感のある人と手を組む
【式森和樹@まぶらほ 死亡】
【残り41名】
備考:前の話と矛盾するところがありますが、前話は生きていた頃の癖で避けていた。今話はかなめを追うことに夢中だったでお願いします。
528:この名無しがすごい!
07/07/07 16:46:35 LGFW3CN7
投下乙。かなめと綾乃って背格好は似てたよな。
にしても、煉とかなめが組んでも不安定さに拍車をかけるしかないない罠。
529: ◆8yz2qqMNbQ
07/07/07 22:16:47 kbSABMbc
備考の補足……上の備考は式森和樹が森の木を前話ではかわして進み、今話では直進して進んでいる矛盾についてです
>>528ちょっとそれも狙ってみました。にしても、こんなかなめたちの続きを書いてくれる人は居るのだろうか……
530: ◆piSiuVSjuA
07/07/07 22:28:46 uJ37mkPV
>>503 >>510
お心遣いに感謝します。
>>529乙。
かなめたちの方は、これで一安心ですね。
では投下します。
531:再会――サイカイ―― ◆piSiuVSjuA
07/07/07 22:30:10 uJ37mkPV
F-6の森で支給品を確認したアザリーは、その中にあるルールブックに目を通していた。
フィブリゾという子供が始めた、この殺し合いとやらのルールが載っている本だ。
―そこには二十四時間ルールや禁止エリアなど、首輪に関することが多く書かれていた。
アザリーはなんとなく自分の首輪に触れてみた。自分の首に巻かれているので調べづらいが、それでも全く構造がわからない。
キエサルヒマでもトップクラスに入る魔術師の彼女が理解できないのだから、おそらくあの炎使いのように音声魔術ではない他の―それも複数の魔術が組み込まれているのだろう。
爆発すれば、精神体といえど、ただではすまない威力がありそうだ。
もっとよく調べてみたいが、あんまり乱暴に扱うと初めに死んだ男のようになる可能性もある。
とりあえず首輪をよく調べるためにも、二十四時間ルールを阻止するためにも、最低一人は殺す必要があるだろう。運よく首輪付きの死体を見つけられればいいが、確率は低そうだ。
(ともかく、先に名簿を見るべきかしら?)
彼女の知り合い―ーキリランシェロやティッシがいるかもしれない。
そう思いつつ、アザリーが名簿を手にとったとき、木々の擦れ合う音と共に一人の少女が姿をあらわした。
妙な服を着ているから、おそらくキエサルヒマ大陸のものではないだろう。少女はアザリーを警戒するように手に持った銃を向けていた。
「わたしは、テレサ・テスタロッサ。こんな殺し合いに乗る気はありません。……あなたはどうですか?」
「……」
少女―テッサは警戒するような口調で言った。
アザリーは、そんなテッサを見ながら考える。ここで乗っていないと答えるのは簡単だろう。
だが見たところ、このテレサという少女はそんなに身体能力がありそうでないし、構成を編んでいないところから、おそらく魔術も使えない普通の少女だろう。
友好的な人に合わない限り、こんな殺し合いの中で生き残るのは難しそうだ。
(とすると……)
テレサという少女には悪いが、首輪を調べるために死んでもらおう。
アザリーは魔術の構成を編みながら、安心させるような笑みを浮かべた。
「わたしも乗っていないわ」
「……本当ですか?」
答えるのに少々間が空いたせいか、テッサは疑うように聞いた。だが、やはり魔術師ではないのか構成に気づいた様子はない。
「もちろん嘘」
その声を媒体にして魔術を放つ。
瞬間、熱波と衝撃波が周りの木々を巻き込み、テッサを襲った。
532:再会――サイカイ―― ◆piSiuVSjuA
07/07/07 22:31:27 uJ37mkPV
警戒していたとはいえ、魔法という予想外の攻撃に、テッサは反応できずそのまま飲み込まれた。
―かに見えたが。
砂煙がさった後、そこにテッサの姿はなかった。あわてて周囲を見回すが、姿どころか気配すらない。
(逃げられた……?)
テッサが魔術を使ったようには見えなかった。驚いた顔をしていたから、彼女が使った力で防いだというわけではあるまい。
完全に不意をついたはずだ。
だとすると、テッサが無意識に発動した力か、あるいは危険を回避できる支給品の仕業だろう。どっちにしろ、この辺りにはいなさそうだ。
アザリーは暫く考える。テッサはアザリーがこの殺し合いに乗っていると思っているはずだから、放っておくと後々厄介になりそうだが……。
どこに行ったのかもわからない相手を探すのはあまり効率的とはいえない。
アザリーは自分の手に目を向ける。
(とりあえず、名簿でも読もうかしら?)
握られていた名簿をぱらぱら見ると、信じられない写真を発見した。
チャイルドマン。
彼女が殺した、かつての師。
その彼が載っていた。―死んだはずのかれが……。
あの少年は、人を生き返らせることが出来ると言っていたが、
本当のこと……なのだろうか?
533:再会――サイカイ―― ◆piSiuVSjuA
07/07/07 22:32:09 uJ37mkPV
テッサは先ほどと同じような森の中にいた。
天人の緊急脱出用装置。
それを支給された彼女は、その道具の効果により、危険が迫ったときに自分から一番近い知り合いの元へ飛ばされた。
―そう、自分から一番近い知り合い。
すなわち、変わり果てた相良宗介の元へと……。
テッサの目に写ったのは、木が突き刺さった首から血を流し、腹部にも剣を突き刺したままで死んでいる相良宗介の姿だった。
その目は何かを睨むように見開かれていた。
「サガラさん……?」
テッサは呆然と呟いた。
信じられなかった。あの宗介―ASを操る『ミスリル』屈指の傭兵で、何よりも大切な友人。そして、密かに想っていた彼―が、死んでいる?
テッサはその事実を、ぼんやりと知った。
再会―サイカイ―#フランベルジュ
【F-5/森/一日目/朝】
【アザリー@魔術師オーフェンはぐれ旅】
[状態]:精神体。魔術を使ったことでやや精神的疲労。
[装備]:
[道具]:支給品一式。確認済み支給品×2
[思考]:
基本:ゲームからの脱出
1:知り合いを捜す……?
2:首輪を手に入れ、解析する
3:テッサをどうにかする?
【テレサ・テスタロッサ】
[状態]:放心状態
[装備]:銃
[道具]:黒い卵(天人緊急用転移装置)@魔術師オーフェンはぐれ旅
[思考]:
基本:???
534: ◆piSiuVSjuA
07/07/07 22:34:12 uJ37mkPV
投下終了。
なんか◆8yz2qqMNbQさんと被るようなネタですが……。
せっかく書いたので投稿。
かなめは……うん。逃げていたし、宗介から離れていたって事で頼む。
……ダメかな?
あと、天人の装置は、名前うろ覚え。まちがってるかも。
535:この名無しがすごい!
07/07/07 23:37:40 QTt+DkJy
正直、もう幽霊はやめて欲しいのが自分の本音
536:この名無しがすごい!
07/07/07 23:51:46 PAvM99vW
投下、乙。
>>535
まあ、幽霊もどきだし。
ちょっと物理攻撃が無効な程度・・・ってやっぱかなり強いな。
537:この名無しがすごい!
07/07/08 00:27:11 83XM6Mnn
投下乙。
卵は問題ないと思う。テッサは精神的に追い詰められて、アザリーは厄介なことになったなぁ。
黒魔術と白魔術が使えてなおかつ精神体のアザリーって倒す手段はほとんどないんじゃなかろうか?
無謀編一巻の『てめえら、とっとと金返せ!』の『いいから死人は黙ってろ!』だと精神体の魔術士同士でも
お互いを傷つけることすらできなかったし、長編でも黒魔術を無効化してたような気がする。
なので、肉体を持った状態がいいかと思う。
和樹が幽霊で通ったのはその状態が一番弱かったからだろうし。
538: ◆piSiuVSjuA
07/07/08 00:28:31 PSSk21bf
>>535-537
それじゃあ、別に精神体じゃないといけなってわけでもないし、
>爆発すれば、精神体といえど、ただではすまない威力がありそうだ。
これを
>爆発すれば、死んでしまうほどの威力だろう。
に変えて、状態欄から精神体を消すことにします。
あと、魔術師じゃなくて魔術士だった。
修正版として、投下したほうがいいでしょうか?
539:この名無しがすごい!
07/07/08 00:33:33 qJoGUiTE
修正するならそうしたほうがいいと思う。
いちおうけじめとしてね。
投下乙でした。
540: ◆piSiuVSjuA
07/07/08 00:51:35 PSSk21bf
それじゃあ、修正版投下。
修正いるところだけでいいよね?
541:再会――サイカイ――修正版 ◆piSiuVSjuA
07/07/08 00:52:23 PSSk21bf
F-6の森で支給品を確認したアザリーは、その中にあるルールブックに目を通していた。
フィブリゾという子供が始めた、この殺し合いとやらのルールが載っている本だ。
―そこには二十四時間ルールや禁止エリアなど、首輪に関することが多く書かれていた。
アザリーはなんとなく自分の首輪に触れてみた。自分の首に巻かれているので調べづらいが、それでも全く構造がわからない。
キエサルヒマでもトップクラスに入る魔術士の彼女が理解できないのだから、おそらくあの炎使いのように音声魔術ではない他の―それも複数の魔術が組み込まれているのだろう。
爆発すれば、死んでしまうほどの威力だろう。
もっとよく調べてみたいが、あんまり乱暴に扱うと初めに死んだ男のようになる可能性もある。
とりあえず首輪をよく調べるためにも、二十四時間ルールを阻止するためにも、最低一人は殺す必要があるだろう。運よく首輪付きの死体を見つけられればいいが、確率は低そうだ。
(ともかく、先に名簿を見るべきかしら?)
彼女の知り合い―ーキリランシェロやティッシがいるかもしれない。
そう思いつつ、アザリーが名簿を手にとったとき、木々の擦れ合う音と共に一人の少女が姿をあらわした。
妙な服を着ているから、おそらくキエサルヒマ大陸のものではないだろう。少女はアザリーを警戒するように手に持った銃を向けていた。
「わたしは、テレサ・テスタロッサ。こんな殺し合いに乗る気はありません。……あなたはどうですか?」
「……」
少女―テッサは警戒するような口調で言った。
アザリーは、そんなテッサを見ながら考える。ここで乗っていないと答えるのは簡単だろう。
だが見たところ、このテレサという少女はそんなに身体能力がありそうでないし、構成を編んでいないところから、おそらく魔術も使えない普通の少女だろう。
友好的な人に合わない限り、こんな殺し合いの中で生き残るのは難しそうだ。
(とすると……)
テレサという少女には悪いが、首輪を調べるために死んでもらおう。
アザリーは魔術の構成を編みながら、安心させるような笑みを浮かべた。
「わたしも乗っていないわ」
「……本当ですか?」
答えるのに少々間が空いたせいか、テッサは疑うように聞いた。だが、やはり魔術師ではないのか構成に気づいた様子はない。
「もちろん嘘」
その声を媒体にして魔術を放つ。
瞬間、熱波と衝撃波が周りの木々を巻き込み、テッサを襲った。
542:状態欄修正版 ◆piSiuVSjuA
07/07/08 00:53:20 PSSk21bf
【F-5/森/一日目/朝】
【アザリー@魔術士オーフェンはぐれ旅】
[状態]:魔術を使ったことでやや精神的疲労。
[装備]:
[道具]:支給品一式。確認済み支給品×2
[思考]:
基本:ゲームからの脱出
1:知り合いを捜す……?
2:首輪を手に入れ、解析する
3:テッサをどうにかする?
【テレサ・テスタロッサ】
[状態]:放心状態
[装備]:銃
[道具]:黒い卵(天人緊急用転移装置)@魔術師オーフェンはぐれ旅
[思考]:
基本:???
543: ◆piSiuVSjuA
07/07/08 00:54:39 PSSk21bf
投下終わり。
一応これでいいと思います。
手間取らせてすみませんでした。
544:この名無しがすごい!
07/07/08 00:56:13 TyI1vzRo
乙!
545: ◆8yz2qqMNbQ
07/07/08 11:06:30 Ihpbri/Z
乙です。テッサまでこうなるとは予想外でした。
結構近めの位置に居るかなめとテッサですが、出会うことはあるのですかねー。
私はもう本当に書く時間が取れないので誰か書いて欲しいところなんですけども……
546:黒と赤の出会い ◆C1dQCs0jaw
07/07/09 23:17:10 tBBLLDCR
出会ったのは偶然にして、突然。
「さて・・・いきなりですみませんが、貴方はこの殺し合いに乗ったのでしょうか、クラウ・クロム元帥」
漆黒の長髪、冷たい瞳をした男―ミラン・フロワードは、相対した目の前の男に向かって、そう言い放った。
「あぁ? ・・・てめぇ、この俺がこんなふざけた殺し合いに乗ると、本気でそう思ってやがるのか?」
ミランと相対した、赤髪赤眼の筋肉質な男―クラウ・クロムは、眉を吊り上げ犬歯をむき
出しにしながら答えた。
「はい、愛しいノア・エン嬢の下に戻る為、私達を皆殺しにするのではないかと、疑っております」
二人はローランド帝国に所属する軍人である。
お世辞にも仲が良いとは言えず、どちらかと言えば犬猿の仲と言ってよいだろう。
だが、お互いに相手の性格、力量、そう言った諸々の事柄を大体は把握している。
(・・・さて、どうでます)
ミランは、クラウが何時襲い掛かってきても対処できるよう、腰に下げた剣を握り、ほん
の僅かな挙動も見逃さぬよう、注視した。
正直な話、自分が目の前の男と戦って勝てる確立は、現在三割程度と考えている。
黒叡の指輪―自らの影から漆黒の獣を無数に呼び出し、操る事ができる強力な武器。
それが今手元に無い。それだけで、自分の戦闘能力はかなり低下している。
これさえあれば、目の前の男に決して遅れをとる事は無いのだが。
互いの魔法の技量は互角、格闘能力は相手が上。
自分の支給品は、当たりではあるがなれない武器で戦って勝てるほど、眼の前の男は甘く
ない。彼の支給品も当たりであると考えた場合、アドバンテージは無いものと考えていい
だろう。
そして何よりも厄介なのは、魔方陣の刺青を施された彼の右腕である。
547:黒と赤の出会い ◆C1dQCs0jaw
07/07/09 23:18:12 tBBLLDCR
かつて、ティーアという魔眼の持ち主に食いちぎられた筈の右腕が、何故か元に戻ってい
るのだ。
かつて、近隣諸国から恐れられた彼の右腕が。
だが、彼を見つけてしまった以上、リスクを犯してでも接触する必要があった。
もし彼が、この殺し合いに乗っていたら、自分の目的を妨げる強大な敵となる。
早急に排除する必要があるのだ。
しかし、殺し合いに乗っていなかったら?
それは、とても心強い味方を得る事になる。
ある程度、相手の性格などを把握しているからこそ、まったくの赤の他人より信用できる。
仲間を増やし、利用し、場合によっては裏切りもする。
自分は死ぬわけにはいかない。
自らの主であるシオン・アスタールを生き残らせる為にも。
【F‐7/森/一日目/朝】
【ミラン・フロワード@伝説の勇者の伝説】
[状態]:健康、警戒
[装備]:コクルトの剣 @魔術師オーフェンはぐれ旅
[道具]:支給品一式。支給品(本人は確認済み)
[思考]:
基本:シオン・アスタールを脱出させる、出来なければ優勝させる。
1:クラウが殺し合いに乗っていたら殺す。
2:殺し合いに乗っていなければ、自分に協力させる。
3:1が無理なら逃げる。
4:シオン・アスタールを探して合流する。
548:黒と赤の出会い ◆C1dQCs0jaw
07/07/09 23:19:18 tBBLLDCR
【クラウ・クロム@伝説の勇者の伝説】
[状態]:健康、ミランに対しての怒り、戸惑い
[装備]:未確認
[道具]:未確認
[思考]:
基本:生き残る。
1:ノア・・・俺はこの殺し合いに―
備考:クラウの右腕は、呪詛義手ではありません。
クラウが殺し合いに乗るかどうかは、次の書き手さんにお任せします。
549:この名無しがすごい!
07/07/09 23:36:39 sQuTJBTG
投下乙。
二人ともよく知らないけど続きが気になる。
550:この名無しがすごい!
07/07/10 00:29:30 M/9ras93
【フルメタルパニック】9/10 ●相良宗介 △クルツ・ウェーバー ○テレサ・テスタロッサ △メリッサ・マオ ○大貫善治 △椿一成 ○林水敦信 ○千鳥かなめ ○ガウルン △アンドレイ・カリーニン
【魔術士オーフェンシリーズ】 7/7 △オーフェン ○アザリー ○コンスタンス・マギー ○マジク・リン △クリーオウ・エバーラスティン △チャイルドマン △ジャック・フリズビー
【まぶらほ】6/7 ●式森和樹 △リーラ ○仲丸由紀彦 △宮間夕菜 ○神城 凜 △山瀬千早 △松田 和美
【伝説の勇者の伝説】6/6 △ライナ・リュート △フェリス・エリス ○ミラン・フロワード △シオン △ミルク・カラード ○クラウ・クロム
【スレイヤーズ】6/6 ○ゼルガディス ○リナ・インバース ○ガウリイ △アメリア △ミルガズィア △ルーク
【風の聖痕】3/3 △八神 和麻 △神凪 綾乃 ○神凪 煉
【ザ・サード】2/2 ○火乃香 ○パイフウ
【それゆけ!宇宙戦艦ヤマモト・ヨーコ】2/2 ○山本洋子 △白鳳院綾乃エリザベス
【残り41名】
●は死亡者、△は未登場。
未登場者は20名。
地図は>>480。>>411から主人公性に関する話題あり。
551:この名無しがすごい!
07/07/10 12:41:35 xRizWJfp
>>548乙。
ミランは狡賢そう。
552:この名無しがすごい!
07/07/13 01:44:57 Km47scKE
保守。
そして、なんか話題ない?
と聞いてみる、
553:この名無しがすごい!
07/07/13 01:50:39 oPcuAXUT
なんとか明日か明後日には投下できるんじゃないかなぁ……と、消極的予告
伝勇伝はキャラ出るの遅かったけど意外に書ける人は少ないのかな
書き手少ないのはまぁ目を瞑るとして伝勇伝のキャラがここまで引っ張られたのは意外だった
554:昼ねマスター動く? ◆C1dQCs0jaw
07/07/15 10:10:17 cd3PV0Io
猫背の長身痩躯。黒髪に黒の瞳。
一見何処にでも居そうな青年。
しかし彼の表情は、この殺し合いの場にあまりにもそぐわない。
緊張感も無ければ焦燥感も無い。かといって、悲壮感がある訳でもないし、殺人に走る狂気も見受けられない。
あくまでもだるく、面倒くさそうで、その上寝むそう。
そう彼の表情からはやる気がまったく感じられなかった。
そこにベットと枕さえあれば、何時でも夢の世界に旅立てる程に。
「・・・で、こんな物で俺に一体どうしろと・・・」
一人の青年―ライナは疲れた声で呟いた。
ライナはこの場所に送られてから、まず自分のザックの中身をあさった。
単純に眠いから、枕でも入ってないかと期待してのことだ。
・・・ある意味現実逃避でもあるが。
当然の如く、期待に反して枕など入っていなかった。
ただし、出て来たものは、ライナの想像を絶する物だった。
一つ目の支給品、それはかなりいや、確実に見覚えのあるものだった。
共に旅をしてきた、自分の相棒と呼べる剣士―フェリスの愛用していた茶道具一式。
二つ目の支給品もやはり見覚えがあった。
ライナ自身もフェリスによって、何度も買いに行かされた、ウィニットだんご店『おすすめ詰め合わせセット四番』だ。
それも一箱ではない、その数約百という、どうやってこのザックの中に入っていたのか不思議な程の量が入っていたのだ。
555:昼ねマスター動く? ◆C1dQCs0jaw
07/07/15 10:11:08 cd3PV0Io
「・・・まあ、フェリスがいたら喜びそうだけどよ」
ライナは、黙々と嬉しそうにだんごを食べるフェリスの姿が、容易に想像できた。
「・・・で、こんな物で俺に一体どうしろと・・・」
自分の支給品に眼を移し呟く。
殺し合いの場に放り出されたのだから、剣なり毒薬なり戦闘に使えるものが支給されるのが普通だ。
しかし、ライナに支給されたのは、茶道具一式とだんごセット×100。
「ありえねぇぇ、まじでありえねぇぇぇぇぇぇぇ!! なんで殺し合いで武器が支給されないの? いや・・・真面目に支給されてもそれはそれで困るけど」
いわゆる外れ(誰かにとっては大当たり?)と言うやつである。
「くそっ・・・フィブリゾだっけ、武器を支給する気がないなら、せめて高級ベッドと安眠枕
を支給しろよな。それならどこでもぐっすり眠れるのによぉ」
もともと少ないやる気が、急激に無くなっていくのをライナは感じた。
「寝るか・・・」
そう言うやいなや、ゴロンと横になり瞳を閉じる。
こんな時でも寝ようとする、彼の睡眠欲はある意味異常ともいえた。
瞳を閉じて1秒・・・2秒・・・
いつもならすぐさま夢の世界に旅立てるが、なぜか彼は眠る事が出来なかった。
「・・・だめだ、気になって眠れやしねぇ」
参加者に一堂に集まったあの場所には、シオンやフェリス、ミルクさえいた。
あと、見覚えのある赤毛の筋肉馬鹿もいた様な気がした。
四人とも、そう簡単に殺される様な人間ではない。
そんな事はとっくに判ってる。
556:昼ねマスター動く? ◆C1dQCs0jaw
07/07/15 10:11:43 cd3PV0Io
それなのに不安が付きまとい、離れない。
仕方が無いのでザックをあさり、名簿を取り出す。
「大体、こんな殺し合いに本気で乗る様な馬鹿が・・・」
いた。
ライナは名簿の中から、その名前を見つけた。
ミラン・フロワードの名前を。
ミラン・フロワード。その男と出会ったのは、ネルファという国を訪れた時の事だ。
ちょっとした経緯から、この国の孤児院で世話になっていたある晩の事だ。
突如現れたミランは、その孤児院を仕切っている青年が邪魔になると言う理由で、青年を頼る子供達諸共、皆殺しにしようとしたのだ。
その時は、フェリスと二人がかりで何とか撃退したのだが・・・
次、戦う事になったら勝てる保障など何処にも無く、むしろ負ける確率の方が高い。
いや、フェリスの居ない現状では、勝ち目すらない。
当然、フェリス達が一人で戦っても勝てる相手ではない。
あの男なら、この殺し合いに乗るだろう。
もし、あいつとフェリス達が遭遇したら…
殺される
フェリスが、シオンが、ミルクがミラン・フロワードに殺される。
その光景をライナは簡単に想像でき・・・
それを、首を思いっきり横に振ることで打ち消した。
「えぇっと、もしかして島中歩き回ってフェリス達を探す、そんな面倒臭い事しなきゃなんないの? ただでさえ、シオンの馬鹿に付き合わされて、5日間徹夜で事務仕事した後なのに?」
557:昼ねマスター動く? ◆C1dQCs0jaw
07/07/15 10:12:29 cd3PV0Io
面倒臭い事は嫌いだ。
できればこのまま昼寝でもしていたい。
でも
フェリスが死ぬ。
シオンが死ぬ。
ミルクが死ぬ。
それは面倒臭い事よりも、もっと嫌だった。
ザックから地図を取り出し、広げる。
現在地を確認して、人の集まりそうな所を探す。
一番近いのはG-5の町。
先に見える森の、さらに向こう側だ。
「俺が行くまで死なないでくれよ・・・」
そしてライナは歩き出した。
ライナは知らない。
ミランがシオンの部下である事を。
すでに、ミランがシオンを生き残らせる為に、行動を開始している事を。
558:昼ねマスター動く? ◆C1dQCs0jaw
07/07/15 10:14:07 cd3PV0Io
【E‐5/平原/一日目/朝】
【ライナ・リュート@伝説の勇者の伝説】
[状態]:睡眠不足、疲労、眠い、ダルイ、面倒臭い
[装備]:なし。
[道具]:支給品一式。だんごセット(100/100) @伝説の勇者の伝説
茶道具一式@伝説の勇者の伝説
[思考]:
基本:シオン達に探し出す。
1:シオン達を探しだして合流する。
2:ミランを警戒する。
3:安眠枕と高給ベットで眠りたい。
559:この名無しがすごい!
07/07/15 10:52:33 IsFuBuIh
GJ!
しかしライナ被ったw
シンクロニティってあるのかもw
悔しいんで俺もプロットだけ投下
支給品がホーロー鍋だった
↓
複写眼(アルファ・スティグマ)で調べる
↓
でもただの鍋
↓
説明書があった
↓
やっぱりただの鍋
↓
きれる
↓
気を取り直してもう一つの支給品を出す
↓
大量の箱だった
↓
中身はだんごだった
↓
開けても開けてもだんごだんごだんご
↓
また説明書があった
↓
「フェリスの大好物、ウィニットだんご店のだんご」
↓
きれる
↓
やる気無くなってベッドで寝転ぶ
↓
他の参加者登場
560:この名無しがすごい!
07/07/15 12:57:24 DlOTLuiG
GJ!
ついにライナがきたか!
561:この名無しがすごい!
07/07/16 19:32:43 p0T5lFsb
投下乙。
なんか不安定な主人公だ。
562:この名無しがすごい!
07/07/16 22:23:55 Qog08vIp
女に振り回される主人公という点なら、グロ魔術士も負けてないぜ
563:風メグリ黄泉カラノ帰還者 ◆C1dQCs0jaw
07/07/16 23:53:45 lIMRARtS
最愛の女性が死んだ時、俺の心は憎悪に染まった。
自分の心の赴くままに、復讐に走った。
あいつが死ぬ原因になった奴らを、殺して、殺して、殺しまくった。
仲間だった奴らを傷付けてまで、復讐を果たそうとした。
けど結局は最後の最後で、復讐を達成する事は出来ず、俺はその町から逃げ出した。
全てを忘れるつもりだった。
だけど、忘れる事なんて出来なかった。
気が付けば、今度は人を恨んでいた。
この世界を恨んだ。
全てのものを滅ぼしたくなった。
そして、俺の中に封じられたあの野郎と出会い、そいつを受け入れた。
俺は世界を滅ぼす魔王になった。
そこまで行ったのに、俺は判らなくなっちまった。
この世界が在ったから、最愛の人に会えた。
この世界が在ったから、あいつ等とも出会えた。
こんな世界は滅ぼすべきか、それともそうじゃないのか・・・
その審判をあいつ等に任せた。
つまり、俺が勝って世界を滅ぼすか、あいつ等が勝って俺が滅びるか。
あの野郎も、あいつ等と戦いたがってたしな。
当然の事ながら、あいつ等はそんな審判を断った。
そりゃそうだ、俺が逆の立場だったとしてもそんな事には頷けねぇ。
幾らか話をした所で、あいつ等の方が折れてくれた。
こんなくそったれな、俺の我侭にあいつ等は付き合ってくれた。
自分の心を押し殺して、それでも俺と戦ってくれた。
あいつ等との戦いの中でわかった事がある。
俺は人が憎かった訳でも、世界が憎かった訳でもねぇ。
564:風メグリ黄泉カラノ帰還者 ◆C1dQCs0jaw
07/07/16 23:54:38 lIMRARtS
結局俺は、あいつ等の手であいつの所に送った欲しかったわけだ。
そうして、戦いはあいつ等が勝ち。
俺はようやくあいつの元へ、逝く事ができた。
・・・・・・はずだった。
怒りに任せて手近な木を殴りつける。
それでも、この怒り収まらない。
「ふざけんじゃねぇぞ、フィブリゾの野郎・・・」
自分は死んでなくてはいけない。
自分はあの時、死んでなくてはいけないのだ。
でなけば、自分の心を押し殺して俺を殺した、リナの奴が報われねぇじゃねぇか。
このくそくだらねぇ殺し合いをぶっ壊して、フィブリゾの奴に一発かましてやる。
じゃないと、俺の気がおさまらねぇ。
正直な話、死者の蘇生ってのには少し心惹かれるものがある・・・
実際に俺が生き返ってるんだ、ミリ-ナを生き返らせるのもわけないだろう。
仮にもし俺が優勝して、ミリーナを生き返らせたとして。
あいつはそれを喜ぶだろうか?
ミリーナの事だ、絶対自分がどうやって生き返ったのか、問い質して来るに決まってる。
565:風メグリ黄泉カラノ帰還者 ◆C1dQCs0jaw
07/07/16 23:56:19 lIMRARtS
俺はきっと、その事を誤魔化したり、はぐらかしたりはできねぇ。
ミリーナが真実を知っちまったら、きっと俺の事を軽蔑するだろうな。
ただでさえ、リナとガウリィの旦那を、俺の無茶な我侭に付き合わせてでっかい借りを作っちまったんだ。
きっちり借りを返しとかねぇと、格好悪すぎてミリ-ナに顔向けできねぇ。
そうしてやっと、俺はミリ-ナの所に逝ける気がするしよ。
「待ってやがれよフィブリゾ、必ずぶちのめしてやるからな」
【C‐6/森/一日目/朝】
【ルーク@スレイヤーズ】
[状態]:健康、フィブリゾに対しての怒り
[装備]:未確認
[道具]:未確認
[思考]:
基本:殺し合いをどうにかして、フィブリゾをぶちのめす。
1:リナやガウリィを探す。
2:殺し合いに乗った奴は容赦しない。
566:この名無しがすごい!
07/07/17 00:23:07 ESPNl4+N
GJ
なんかかっこいいぜ。
567:綾乃二人 1/6 ◆/lwnXZmpmg
07/07/17 02:53:37 +iLw1JAk
神凪綾乃は深い森の中を彷徨っていた。
全身を怒りに震わせながら力強く歩を進める。
「何よ、なんだってのよ!」
彼女は荒れていた。
腰まで伸びた流麗な髪も怒りによって炎のように揺らめいている。
彼女の怒気に火の精霊が呼応しているのだ。
怒りの感情こそ炎術師の本質。
今、彼女は炎術師として最高の状態にあるといえた。
だが……
さっきは何もできなかった。
それどころかおびえてしまった。
そのことが綾乃はどうしても許せなかった。
最初の広間で叔父である厳馬が殺された時。
フィブリゾと名乗る少年の妖気に中てられた時。
破魔を司る神凪の、しかも宗家である自分がただの人のように動けなかった。
「恥だわ」
死ぬのはもちろん嫌だ。殺されるなんて尚更まっぴらである。
でも、それでもやらなくてはならないこととやってはいけないことがあった。
「ゲーム、とか言ってたわねあの糞ガキ!
上等、そっちがそのつもりならあたしがそのゲーム盤をひっくり返してやるわ!」
ただ怒りにまかせて勝機もなにもなく言っているわけではない。
彼女を束縛する首輪を外す方法に心当たりがあるのだ。
神凪の炎は浄化の炎。
それは極めれば邪悪なる存在だけを燃やし、他のものは決して燃やさないという芸当もできるのだ。
その炎ならば首輪だけを焼き尽くし、少なくとも強制的に殺される恐れは無くなる。
だが……肝心の綾乃はその域まで達してはいなかった。
弟分である神凪煉が一度見せたことがあったがおそらく煉の炎では火力が足りない。
あのフィブリゾの力を上回る火力が必要なのだ。
ルールブックには無理に首輪を引き剥がそうとしても爆発するとある。
つまり一発勝負、一撃で首輪を焼き尽くせなければその瞬間に死が待っている。
失敗はできないのだ。
この策を実行するには綾乃と煉の成長が必要不可欠。
二人が浄化の炎を使いこなすことができれば……勝機はある。
なぜなら彼女たちには和麻がいるからだ。
世界で唯一、風の精霊王を契約を結び世界中の大気を統べる力を持った男。
神凪宗家の血筋にして煉の実の兄、八神和麻が。
綾乃たちの浄化の炎と和麻の浄化の風が合わされば相乗効果により、より強い力が発揮されることは過去の戦いが証明している。
その力なら必ずやあのフィブリゾの力を超えると綾乃は確信していた。
「だからちゃんと生き延びんのよ、和麻、煉……」
そうつぶやいた後彼女はようやく落ち着いた。
自分の方針が定まり、他のことを考える余裕が出てきたのだ。
怒りは収まらないが少なくとも表面上は冷静さを保つことが出来る。
他人の心配もいいが、それよりもまず自分が生き延びなくては話にならない。
綾乃は自分に支給されたアイテムを確認することにした。
ルールブックにはなんらかの道具が2つ支給されるとある。
神凪家の至宝、火の神器「炎雷覇」を身に宿す彼女に武器は不要ともいえるが
いつ何が役に立つかは分からない。
確認しておくにこしたことはないだろう。
568:綾乃二人 2/6 ◆/lwnXZmpmg
07/07/17 02:54:31 +iLw1JAk
そして綾乃がまず取り出したのは身の丈ほどもある巨大な大鎌だった。
まるで神話や伝説の死神が持つ鎌のようだ。
わずかに表面から冷気がただよってくる。
その鎌には説明書が付属していたので目を通してみた。
鎌の銘は「アイルクローノの鎌」。ルールフラグメ、というなんだかよくわからないものの一種らしい。
その能力は装備者の身体能力を大幅に引き上げ、切ったものを凍らせるというものだった。
確かに使いこなせれば非常に強力な武器となろう。
しかし……
「うっわーあたしと相性最悪だわ」
ただでさえ炎術師である綾乃に水系統である氷の能力は使いづらいものだろう。
だがそれだけではない。
この鎌は副作用として能力を使用している間は装備者の感情を凍らせてしまうという。
感情がそのまま力となる炎術師にとってはまさに最悪の能力といえた。
下手をすれば戦闘中はまったく炎術を使えなくなる可能性もある。
綾乃の本来の戦闘スタイルは剣であり、炎術だ。
武道を嗜む身としては長柄の武器も決して使えないわけではないが
その練度はやはり剣よりも数段落ちる。
身体能力が数段増すとはいえ、これは……。
「炎が通用しない敵に出会った時専用でしょうね、これは……」
アイルクローノの鎌は早くも特定の場面がくるまでお蔵入りとなってしまった。
そしてがさゴソともう一度ザックを漁り―ふと目が合った。
誰と? 森の木々の間からこちらをじっと見つめていた少女と。
「ぶっはっ」
綾乃は驚いて思わずザックを手放してしまう。
今の間抜けな声が目の前の少女に届かなかったようなのは幸運だったかもしれない。
綾乃が驚きで固まっていると少女はニッコリと笑いかけてきた。
年齢は綾乃と同じくらいか少し下だろうか?
体格は小柄で肩で切り揃えた黒髪が似合っている純和風の少女だった。
「驚かせてしまったようでごめんなさい、大丈夫でしたか?」
「え? ああ、いいのよ。気にしないで」
融和な雰囲気にどうやら危険な相手ではないようだと判断して
綾乃は取り落としてしまったザックを拾い上げた。
相手を不安にさせないようにこちらも笑いかけて挨拶をする。
「はじめまして、あたしは神凪綾乃。あなたは?」
「まあ! あなたも綾乃とおっしゃるのですね!
申し遅れました。私、白鳳院綾乃エリザベスと申します。奇遇ですね」
語尾にハートマークが付きそうな弾みで話す白鳳院綾乃エリザベス。
これには綾乃も驚いた。
「本当に奇遇ねえ……どちらも綾乃じゃ紛らわしいから白鳳院さんと呼んでいいかしら?」
「はい、お好きなように呼んでくださって結構ですよ。神凪さん、ああ最初に出会った人が
私と同じ名前だなんてこれはきっと運命ですね」
「は?」
楽しそうに笑う彼女を見て、綾乃は肩をコケさせた。
どうもこの白鳳院という少女はノリが変だ。
というより綾乃は目の前のこの少女に違和感を覚えて仕方がないのだ。
(どうしてかしら?)
どこか場違いに思えてならない。
そこまで思って気づいた。そう、「場違い」なのだ。
ここはあのフィブリゾという妖魔が用意した殺し合いをする世界なのだ。
なのに何故……「楽しそうに」笑えるのだ?
綾乃が先ほどしたようなその場を取り繕うような愛想笑いではない。
569:綾乃二人 3/6 ◆/lwnXZmpmg
07/07/17 02:55:25 +iLw1JAk
(状況を理解していないのかしら?)
そう思い、質問してみることにした。
「あの……白鳳院さん、あなた今の状況解かっているの?
あまりのん気に笑っていられるような事態じゃないと思うんだけど……」
「はい、殺し合い、ですね? 大変なことになりました。
自分がこんな夢を見るなんてちょっと信じられないですよね」
「はい? あ、あの……今なんて?」
「夢です。夢の中でこれは夢と気づくものを明晰夢というのでしたか……
しかし突然こんな場所に瞬間移動して魔法を使う人いて、その人がが小さなこどもに殺される、
なんて荒唐無稽な出来事が現実にあるはずがないでしょう?
千年後の世界から宇宙戦争にスカウトされるよりもあり得ないことです」
「いや、あたしはそっちのほうがよっぽどあり得ないと思うんだけど……」
と、一応突っ込んだがようやく綾乃は理解した。
確かに普通の人ならこの事態を夢と思い込むのも納得できる。
というより普通はそうだろう。
自分だってこの出来事が全て夢ならばどんなにいいかと思う。
目を覚ましたら自分の部屋で、もちろん叔父の厳馬は殺されてなんていなくて……
でもそうではないことを綾乃は理解してしまっている。
今までの戦いの経験が、精霊術師としての本能が、あのフィブリゾのおぞましい妖気が「本物」であると
細胞全体で感じ取ってしまっている。
(認めたくないけど、これって現実なのよね……)
どうしたものだろう。
白鳳院にこれは現実だと説くか、勘違いさせたままにおくか。
綾乃はおせじにも口が上手いとは言えないし、下手に現実を説くと
相手をパニックに落としいれてしまうかもしれない。
かといって夢だと思わせたままだと思いもかけない行動を起こしそうだ。
なんかとんでもない事態を引き起こしそうな危険な予感を白鳳院という少女は沸々と感じさせる。
(やっぱ残酷かもしれないけどこれが現実なんだって教えた方がいいわよね……
もしパニックになったとしてもなんとか止めるしかない)
幸いにも近くに他の気配は感じない。
横槍が入らなければこの少女が暴れたところで簡単に取り押さえられるだろう。
(さてどうやって切り出すか……)
と考えていると先に白鳳院に話を切り出された。
「私、自分がどうしてこんな夢を見てしまうのか考えてみたんですよ」
「え? ええ……うん」
少し迷ったがとりあえず切り出す糸口が見つかるかも知れないと思い、
そのまま話をさせてみることにする。
「多分、私は……戦いたかったんです、全力で」
綾乃の背筋を悪寒が走りぬける。
邪魔なザックを放り捨てて瞬時に後方へと跳び、白鳳院との間合いをとった。