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ニーチェの地獄はキリスト教だった。ニーチェはキリスト教徒でありながら、
生涯キリスト教と対決しようとした人だった。昨今のニーチェブームに言及
しながら、これに対抗して「カントの言葉」を川上自身が出そうしたなんて
いうこぼれ話も。こぼれ話で言えば、ヘヴンのコジマはニーチェの書簡に登
場するコジマ・ワーグナーにちなんでつけられたらしい。発音はジにアクセ
ントを置くのではなく、コに置くのだという細かい話までしてくれた。のち
の質疑応答でも「『ヘヴン』の並木道は」とか「『ヘヴン』のコジマは」な
どヘヴンについて言及していた人が多くて、売れてるからという理由で避け
てたがちょっと読んでみたくなった。実際、帰りにブックオフで最初の一章
を立ち読みした。話をニーチェに戻して、川上はニーチェを明るいところだ
けを見れない人、ディオニソス的なものを見てしまう人と分析する。そして
世の中には必ずそういう人種がいるのだと。川上未映子がニーチェに共感す
るのも、きっと彼女がそういう人種なんだろうなと思う。