09/06/09 21:01:27
>>110
確かに「隅々まで配慮がいきとどいている」感じはした。
作品に対してこういう批判がされるだろうな、という予想に対して、
あらかじめ弁明している箇所もあったように思う。
「読んでるとき夢中になって小説世界に浸れたら、それだけで小説の役割は果たせている」
みたいのとか。
でもそれが原因で「手足が縮こまってしまっている」わけじゃないと思う。
彼のストーリーテリングは以前から、慎重でしつこくてくどい。
それが「春樹節」なのであって、好きな人はもっとやってくれと感じるし、
嫌いな人は受け付けないだけ。
>作者の意図を超越する瞬間はついに訪れなかった。
正しいかも。
春樹のつくる物語に、読み手も書き手も免疫ができてしまっているから。
まるで“何かに書かされたストーリー”って驚きはなかった。
作家生活の集大成をやるぞっていう気概は感じるけども。