09/08/26 18:03:48
以下、ショーペンハウエルからの引用
(「著作と文体」、岩波文庫「読書について」収録、斎藤忍随訳)
「言葉となれば、他のだれもが使うものを使用すべきである。
大切なのは普通の語で非凡なことを言うことである。しかし彼らのやり方は逆である。
すなわち彼らは俗悪な概念を高尚な語で包もうとする。ごく普通の思想を異常な語句、
気取りきった不自然奇妙この上ない言い回しでくるもうとする。」
「すぐれた文体たるための第一規則は、主張すべきものを所有することである。
しかしこの規則を軽視して顧みないのが、哲学専門の著作家や、一般に何々論とか
考察ものを著わす著作家に共通の特徴で、フィヒテ以来特にこの傾向は著しい。
すなわちこのような文章家に共通に現れる特徴は、何かを主張するように見せかけようと
するだけで、実は主張すべきものを何一つ所有していないということである。」
*ショーペンハウエルは、プルースト、トルストイ、ニーチェ、トーマス・マン、
ウィトゲンシュタインに影響を与えた天才哲学者。