09/03/09 21:09:49
去年の後半くらいからこころが締めつけられることがあった。
食欲がなくなり、泣いて瞼が腫れる日々がつづいた。
そんな夜、わたしは一冊の本を手元に置き、繰り返し読んだ。
吉本ばななさんの「体は全部知っている」に所収されている
「明るい夕方」という短編である。
この短編集は発売された当時、そのひと月後に図書館で借りて読んだ。
わたしは元来、吉本さんのファンではないし、特に興味があったわけでも
ないのだが、何となく気になっていた本だった。
少女漫画を活字にした、といわれる吉本さんの文章は平易で読みやすく
すぐに読み終えた。
この短編集のなかで特にこころに残ったのが「明るい夕方」であった。
わたしはこの短編のためだけに、後日書店で改めて購入した。