09/02/16 17:17:34
「灰色の輝ける贈り物」アリステア・マクラウド
読了です。
8編の短編のうち7編に共通しているテーマは「死」。
表題の「灰色の輝ける贈り物」のみ、ほのぼのとした余韻が残ります。
無学だけれども実直な両親と、そのふたりから生まれた優秀な息子。
「僕」はある日、両親へのささやかな反抗を試みて学校から家にまっすぐ向かわずに
繁華街にある,ビリヤードの店へと繰り出します。
その店で賭け、かなり儲けます。
両親は夜更け方、玄関の前で彼の帰りをひたすら待ちわびています。
明け方、「僕」は儲かったお金をふところにして家に帰って報告します。
「こんなに儲かったんだよ」と。
母親は「その人からお前が取った分を返しておいで」と諭します。
「僕」は納得がいかないまま、負けた人の家に行きお金を返そうとします。
負けた相手の男はいったんお金を受け取り、そして再び彼のポケットに
戻すのです。
「お前は親のいいつけ通りちゃんと私に戻した。それは神様だってご存知さ」と。