09/03/30 18:06:11
さて、まずはあなたの主張(3)について。あなたは周囲環境の取り入れと
小説の最先端という論点を結びつけるにあたって、「新しい建築を舞台に、人の
気持ちのある部分は変化する可能性はあるでしょう」(>>772)と述べています。
しかしこの主張は弱く、ほとんどトリヴィアルな命題でしかないようにも思わ
れます。「対象Aが人の気持ちのいかなる部分にも変化をおよぼしえないならば、
Aは少なくとも新しさという性質を持っていない」ことを受け入れる人も多いでしょう。
また、あなたは「街の機能が変化し、それが、そのまま小説に取り込まれてる
のは、海外小説では、 最近顕著に見かけます」と述べていますが、具体的に
そのような「取り込み」の実例を参照するか、引用していただけますか?
都市機能の変化の取り込みはむしろ小説の古典的手法であり(バルザック
の一連の著作からピンチョンの『V』まで)、「最近」の小説に方法論において際
立っているものがあるとは思えないからです。もしあなたの返答が「文章中に、
新しい事物が出てきて、 それに対して、人がどう感じるのか、考えるだけでも、
「最先端」ではあります」に尽きているならば、少なくともわたしはそのよう
に希薄な「最先端」について語る意義を見出せません。