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『恋する虜』には物語もなければ、政治、愛、あるいは歴史についての持続的な、
あるいは主観的に組織立った考察もない。事実、この本の最も注目に値する達成の
ひとつは、それがそのうねるような、ときに驚くほど唐突なムードや論理の転調の
なかを、読者を有無をいわさず引っ張っていくことだろう。ジュネを読むという
ことは、つまるところ、いささかも飼い慣らされていない彼の感性の特異性を受け入れる
ことだろうが、その感性がたえず立ち帰る先は、叛逆、情熱、死、再生がわかち
がたく絡みあうあの領域なのだ。
―エドワード・サイード
前スレ
お前らジュネについて語れや
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