07/11/03 21:30:37
「沖で待つ」(絲山秋子/文藝春秋)
→第134回芥川賞受賞作。
いやあ、女は強くなったもんだと思った。行き着くところまで行ってしまったのでは?
この先、袋小路だろう。もうどうにもならないんじゃない?
むかしは男の役割、女の役割が少なくともいまよりは規定されていた。
肯定するにしろ、否定するにしろ、役割というのはなければならなかった。
だって、男らしさ、女らしさという決まりがなかったら、そもそも演技ができないでしょう。
型に従う場合も、型を破る場合も、型自体がなければお話にならない。
女らしくない女というのも、女らしさというものがあって初めて成り立つ。
この国のおばさん連中はフェミニズムだかなんだか知らないけど、
女をどんどん壊してしまった。完全に壊れてしまったいまとなっては取り返しがつかない。
型がないから男も女もどう演技したらいいかわからない。
演技に戸惑う男女を描くのが新しいと評価(誤解)された時代もとうのむかしである。