ヘルマン・ヘッセ Hermann Hesse 3at BOOK
ヘルマン・ヘッセ Hermann Hesse 3 - 暇つぶし2ch589:吾輩は名無しである
08/07/23 23:59:23
>>580

578です。
おれが思った「デミアン」での白と黒の対比による描写というのは、
最初のシークエンスでの人間の昼と夜という見方についてだね。
そこでおれは「うわぁ、なんとまあ体の低い語り出しだろうか」
と思った。親離れしたい思春期の読者ならこういう語り口には飛び
つくんだろうが。まさか昼を批判する事によって夜を正当化しよう
なんて体たらくがこれから始まるんじゃないだろうな?と思ったな。

しかし確かに話しが進むにつれ、そんな対比は影をひそめていく。
人間における昼と夜の対比なんてものはこの小説にとっては初動でしか
なかったんだろう。しかしそこからがおれには理解できない世界になって
いく。わからないというか心のどこかでは分かっているようなんだが、
肩すかしを食らったような気分なんだな。デミアンの母が予感されるべき
存在だったなんて、何が言いたいのかさっぱりわからない。

まったく個人的な話しなんだが、おれがヘッセ作品を、例えば電車の中で
読もうとすると、必ずジャマが入るんだ。席のとなりのオッサンが新聞を
ひんぱんにめくるので肘が当たって集中力をそがれたりとかね。
これはなにかあるな、とは思う。


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