ヘルマン・ヘッセ Hermann Hesse 3at BOOK
ヘルマン・ヘッセ Hermann Hesse 3 - 暇つぶし2ch349:347
08/04/04 23:22:40
>>348
>「ムハンマド」なんて作品を

ムハンマドを引き合いに出すなんていい所に目をつけたね。
というのは、話中で主人公ジッダーッルタが釈迦に投げかけた問題提起
ってのは、特定の宗教の教理・内容うんぬんじゃないからなんだ。
別に釈迦じゃなくてもいい。

よくよく読んでるとこの主人公は、「宗教という構造自体がその宗教を堕落
させるギミックの潜在性」を提起してるんだから。つまり開祖1人に、それ
を受容する信者が不特定多数という構造のことを。

なんでそこでこの小説は、仏教を選んだのか?
祭り上げられた宗教・仏教はヘッセの用意した貧乏クジを引かされただけな
のか。それとも何か必然性があったの?

これだけの疑問があるこの小説に関して、仏教の解釈だけでその作品価値を
推し量るつもりはないけども、仏教の『モノサシ』で検証することからは、
逃れられるはずがない。

ひとつおれが思うのは、作品中での仏教のつき離し方、軽々しさは、ヘッセ
が仏教圏出身の小説家ではない事を彷彿とさせる。
とはいえ仏教のコミュニティでは、それほど厳しいタブーはないから、
特段、角が立つような問題でもなく、逆に新鮮な客観性があってよろしい。

ただ残念なのはせっかくのその客観的立場にいる当のヘッセが、仏教の人間
ではないがゆえに、掘り下げ方が浅くなってしまっているというジレンマ。
まず確実に言える事は、ヘッセがもし親鸞という人間の事を知っていたら、
この小説は書けなかっただろう。

まだ読んでる最中のおれでした。


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