08/04/04 18:54:22
>>345
批評の場で仏教が話題になるのは当然だし、そうあるべきだとも思う。
ヘッセの思想が仏教に強い影響を受けているのは確かだから。
でも『シッダールタ』がただ仏教の解釈の本でないのも確か。
もしそうなら、なんでシッダールタと仏陀を分けちゃうの?って話になる。
仏教的思想がこの本の全てなら、仏陀だけでいいじゃん、ってなる。
そうなるとやっぱりそこ(シッダールタ)にヘッセの思想があり、
この著作で言わんとするのはそれだと考えるべきだろう。
私が問題だと思うのは、ヘッセの世界観・運命観をまるで仏教の派生
のように考え、
「こいつ全然仏教理解してないな。」
って考えてしまうこと。
仏教との比較でその特徴を見出すことは重要な仕事だけど、
仏教という物差しで測ることはできない。
例えば、イスラム教をキリスト教との比較で理解するのは興味深いことだけど、
イスラム教がキリスト教の教義に則して是非を問われたりしないだろ?