07/10/29 15:50:40
かつてゼノンがかなり深く頭をつっこんだことのある機械科学は、それが事物に関する知識を、事実物を動かす力に変え、
間接的に人間を動かす力に変えようと努める点で、すでに述べた探求と類縁関係をもっていた。ある意味では、
すべてが魔術だった。医師が病気を変え病人を癒すことを可能にする本草学や鉱物学は魔術的であった。
悪魔がとり憑いたかのように肉体に巣食い、ときによってはその肉体自身治癒を望まない病気それ自体が魔術的であった。
魂を興奮させ、あるいは逆に静める高音や低音の力も魔術的であった。とりわけ魔術的なのは、
ほとんどつねに事物それ自体よりも強力な言葉の激烈な力であり、『ヨハネ伝』とは言わないまでも
『セフェル・エツィラ』にみられる断言はそれによって説明されるのであった。