08/09/23 08:13:32
>>211-212 オレガノさん
>それでも、テラスに熱帯植物園のある契房はなかなか雰囲気があり、
わたしもあのつくりはなかなかスリリングでぞくぞくしましたね。
性の営みという極めて原始的な生を生み出す行為の周囲は、実は死に
最も近い状況。何しろ行為の最中に熱帯植物園から人食い蛇や毒グモが
這い出してきて命を奪うかもしれないのですからね。。。
究極の快楽とはそうした生と死がぎりぎりの隣り合わせの状況でこそ得られる
ものであることは、バタイユの作品群を見てもわかりますよね。
性交の最中の絞殺、死者との交接、バタイユも必ず死を意識していました。
ところが、両者には決定的な差異がありました。
バタイユにあってマンディアルグになかったもの、バタイユは神に対する侵犯が
つねにつきまといます。死を意識しながらの性行為、それは神のまなざしの
下においてでしか真の悦楽は生じない。
これがバタイユの思想でした。
対してマンディアルグは、罰当たり的な性行為に耽るも、そこには何ら神のまなざしを
必要としない作家です。
つまり、神不在の作家です。
バタイユの作品が文学の域を超えてしばしば宗教的、哲学的にとらえられるのは
こうした理由からでしょうね。